高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。8月13日にあった1回戦のリポート後編は、長岡市の悠久山野球場での3試合の試合評のほか、見附市運動公園野球場での写真を交えて、全21試合の結果をお伝えしよう。本塁打の激減は前編で触れたが、2ケタ得点したチームも昨年の9チーム(全19試合)から、2チーム(全21試合)へと激減している。
(写真&文=鈴木秀樹)
(写真=福地和男)
■1回戦/悠久山球場
◇8月13日 ▽第1試合
戸尾、集中打で初戦を突破
[広島]3年ぶり2回目
原クラブ
001000=1
00303x=6
戸尾ファイターズ
[長崎]2年連続10回目
【原】鹿田、百田-永瀬
【戸】佐保、柴田-藤永
三塁打/廣中(原)
二塁打/柴田、田川、藤永(戸)
【評】原が3回、廣中結都の三塁打を足掛かりに先制も、戸尾がその裏に佐保壱晟、柴田太郎、田川綾人、西啓之介の連打などで逆転。戸尾は5回にも田川、西啓、林大翔の連打などで3点を追加し、原を引き離して勝利。戸尾・松本大三郎監督は「得点機には打線がつながったけど、本来の力を考えると、まだまだ。なんとか長曽根(ストロングス・大阪)さんと戦うまで残りたい」、4年生からレギュラーで、一昨年は高野山旗、昨年は本大会でもプレー経験のある柴田主将は「緊張はありませんでした。3回と5回には打線がよくつながって、チームの良いところが出ました。この調子で勝ち進みたいです」と笑顔。(了)
試合は戸尾・佐保壱晟(上)、原・鹿田航志(下)、両先発の好投で幕を開けた
戸尾は0対1の3回裏、佐保、柴田太郎(上)、田川綾人、西啓之介(下)の連打などで逆転
▽第2試合
西埼玉ガチガチも、初陣飾る
[埼玉]初出場
西埼玉少年野球
001001=2
000001=1
清水リトルモンキーズ
[静岡]初出場
【西】香川、新井、香川、新井、香川、新井-矢澤
【清】木村斗、木村未-松永胡
二塁打/新井(西)
【評】西埼玉は3回に四球の新岡幸伸が暴投で三進、内野ゴロの間に先制も、さらに一死一、二塁と続いた好機に1本が出ず1点どまり。最終6回にも1点を加えたが、その裏、粘る清水に1点を許し、なおも二死二、三塁と、逆転サヨナラのピンチ。最後はリリーフの新井一翔が三振で締め、厳しい戦いをものにした。「さすが全国大会。清水さんは素晴らしいチームで、厳しい展開になりましたが、なんとか1勝できました。選手たちはガチガチでしたが、よく戦った」と西埼玉・綿貫康監督。先発し、立ち上がりには5者連続三振を奪うなど、速球を武器に力投の香川幹大主将は「全国大会は、今まで経験のない雰囲気。緊張しましたが、なんとか勝ててよかったです。今後も1試合ずつ、大切に戦いたいです」。惜敗の清水・杉山雄介監督は「初めての舞台でいいチームとやらせてもらいました。子どもたちにもある程度、達成感はあるのかなとは思います。欲をいえば、あと1点、というのはありますが、少ないチャンスでしたが、今までやってきた野球は出せたのかな、と思います」と会場を後にした。(了)
西埼玉は香川幹大主将(上)、清水は木村斗良偉主将(下)が先発し、ともに好投した
西埼玉は6回、新井一翔の二塁打から2点目を奪った(上)。惜敗の清水ナイン(下)
▽第3試合
常勝軍が無難にスタート
[大分]初出場
宗方レッド少年野球団
000010=1
01312x=7
長曽根ストロングス
[大阪]3年ぶり18回目
【宗】平田、藤井-菅原
【長】森川、谷脇、山瀬-岩﨑
三塁打/吉見2(長)
二塁打/森川(長)由佐、菅原(宗)
【評】過去7度大会制覇の“常勝軍団”長曽根は、2回に吉見憲眞の三塁打から先制すると、3回に3点、4回に1点、5回にも2点を追加。抜群の機動力も使って小刻みに得点を重ね、大会初出場の宗方の追撃を5回の1点に抑えて快勝。初回からノーヒットピッチングを続けていた森川壱誠主将を4回途中であっさりと交代するなど、すでに先を見据えているであろう采配も目を引いた。長曽根・熊田耐樹監督は「中軸に元気がなく、ヒットが出ていないのがね…」と注文をつけたが、どんな形でも得点につなげる長曽根野球は、今年も健在だ。熊田監督は「明日もなんとか勝って、(3回戦で)不動さん(パイレーツ・東京)と戦いたいね」と話していた。(了)
長曽根先発の森川壱誠主将(上)は4回二死、無安打投球のまま交代した
長曽根は2回、吉見憲眞の三塁打(上)と北原優響の右前適時打(下)で先制点を挙げた
ほろ苦い全国デビューとなった宗方ナイン(下)だが、、先発の平田将基(上)はきれいなオーバースロー。5回には由佐翔太、菅原彪斗、後藤優征(5年)の3連打で1点と意地も見せた
■1回戦
All Results
※チーム名前後の丸数字は大会出場回数。開催地=新潟
【エコスタ新潟】
三重①庄野シリウス17対7峰栄スピリッツ③山形
宮城①富谷ストロングスポーツ少年団7対0古高松南ビクトリーズ①香川
福岡①木屋瀬バンブース7対2簗瀬スポーツ②栃木
【みどりと森球場】
開催地①東中野山ブルーシャークス9対1新里スターズ①群馬
東京⑥不動パイレーツ16対0宮古ヤングパワーズ①岩手
宮崎①沖水ジャイアンツ3対2北条クラブ①鳥取
㊤小林奏一朗主将(愛媛・松山NORTHベースボールクラブ)。㊦西本魁人主将(福島・常磐軟式野球スポーツ少年団)
【悠久山野球場】
長崎⑩戸尾ファイターズ6対1原クラブ②広島
埼玉①西埼玉少年野球2対1清水リトルモンキーズ①静岡
大阪⑱長曽根ストロングス4対0宗方レッド少年野球団①大分
㊤那須原悠翔(愛媛・松山NORTHベースボールクラブ)。㊦渡邉晃大(福島・常磐軟式野球スポーツ少年団)
【三条スタジアム】
愛知⑦北名古屋ドリームス2対0世名城ジャイアンツ⑥沖縄
富山①上市ベースボールクラブ5対0山口大内クラブ②山口
秋田⑤牛島野球スポーツ少年団3対2桑島スポーツ少年団野球部①徳島
上越謙桜(開催地)、6回表の攻撃。無死二、三塁から四番・渡辺頼來の中前打(上)で、三走・佐藤煌史朗主将が生還(下)で2対4に
【見附市野球場】
福島㉔常磐軟式野球スポーツ少年団1対0松山NORTHベースボールクラブ②愛媛
高知③秦スポーツ少年団4対2上越謙桜①開催地
京都②伊勢田ファイターズ6対0川和シャークス①神奈川
高知・秦スポーツ少年団の町野奏斗(4年)が2回に同点スクイズ(上)。5回裏に勝ち越しタイムリーの和田翔真主将が、捕逸で自らも生還(下)
【新発田市野球場】
佐賀①大坪赤門南波多野球部6対4美浜少年野球クラブ②和歌山
青森①弘前レッドデビルズ5対2松本ライオンズ⑬長野
鹿児島②大龍ビッグドラゴンズ2対1常盤クラブスポーツ少年団①岡山
㊤浅野光(高知・秦スポーツ少年団)。㊦阿部孝太朗主将(神奈川・川和シャークス)
【阿賀野水原球場】
滋賀⑱多賀少年野球クラブ8対5甲斐JBC②
北海道南⑨東16丁目フリッパーズ5対4IBCレイカーズ①熊本
兵庫①明石ボーイズ7対2五泉フェニックス③開催地
㊤臼田塁人(京都・伊勢田ファイターズ)。㊦草刈一颯(神奈川・川和シャークス)