全日本学童大会
【最終報】2025夢舞台を総括&2026主...
6月25日にスタートしたプレビューは開幕までに10本。8月の新潟での大会中、そして閉幕後のリポートは、これで23本目となる。約4カ月に渡ってお届けしてきた、第45回高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの大特集もついにラスト。主なリザルトとともに大会を総括し、来たる2026年の活躍も期待される5年生20人も紹介しよう。「小学生の甲子園」とも称される伝統の夢舞台は来年夏、四国・愛媛県で開催される。 (写真=福地和男、大久保克哉、鈴木秀樹) (文=大久保克哉/編集長) 本塁打が半減 打球部が別素材の複合型バットのうち、一般用(大人用)の使用が禁止となって、初めて迎えた全国大会。新ルールの影響は、如実に表れた。両翼70mの特設フェンスを超えるサク越えアーチ、本塁打の数が激減。その理由は「飛ぶバット」が使えなくなったことに他ならない。 当メディアでは大会中、現地からの1回戦リポートで「本塁打75%減」と、著しい傾向を伝えた。最終的に、大会中の本塁打はほぼ半減したことが明らかとなっている。 昨年は39本の本塁打が、今年は18本と約54%減。試合数が昨年は50試合、今年は52試合と微増でも、この数字だ。複数の本塁打を放った選手も、昨年の6人から2人に減った。 不動の田中は3試合で8安打。そのうち3本が本塁打、4本が二塁打だった 昨年は個人の大会最多本塁打は、ベスト4に入った不動パイレーツ(東京)の山本大智で4本。今年は同チームの田中璃空が、3回戦敗退(計3試合)ながら3本塁打と、驚異的な成績を残している。 開幕を前に、全国常連の名将たちからはこのような声が複数聞かれた。「学童用のバットでも複合型なら、十分にホームランにできる」「バットの芯に当たれば、大人用じゃなくてもサク越えする」。予選までの経過を踏まえても、バットの新ルールの影響はさほどなし、との見解が大勢。展開する野球も変わらない、という声もあった。 いざ、フタを開けてみると、影響は大ということに。もちろん、1年で結論づけなくてもいい。当メディアでは来年の第46回大会でも、各種の成績も踏まえてリポートしていく予定だ(※2024年総括➡こちら)。 ノーアーチでVの要因 「一発」とも表現される本塁打は、試合の流れや展開を変えたり、勝負を決めることもままある。それが激減するなかで、1回戦からノーアーチのまま、長曽根ストロングス(大阪)が優勝したのは偶然ではないだろう。 もっとパワフルな打線は、他に複数あった。けれども、個々の選球眼を含む打撃スキルと勝負強さ、1点を奪う戦術の幅と精度において、この王者の右に出るチームはなかったように思われる。 Vチームの成績でも驚異的なのは、3つの三盗を含む「23盗塁」だ。その数と成功率10割は、昨年まで連覇を遂げた新家スターズ(大阪)を上回る。対戦相手に隙や盲点があれば、走って進塁するのは当然として、犠打も使いながら一死までに走者を三塁に進め、確実に得点する。 四球、二盗、捕逸(三進)、二ゴロと、開始から12球で先制した決勝戦が象徴的だった。敗れた伊勢田ファイターズ(京都)の正捕手で主将の夏山淳は、試合後にこう話している。 「やっぱり長曽根さんはとても強かったです。初回の入りから勢いがあって、確実に1点を取ってくる」 同じく敗退後に脱帽したのは、準決勝でサヨナラ打を浴びた旭スポーツ少年団(新潟)の小柳有生だ。この選手は大会屈指の大型右腕で、最速は110㎞を超えるが、3点リードの最終6回裏に、3本の長短打を浴びて涙した。 「途中でスローボールも合わされたので、驚きしました。でも、ボールを置きにいったらフォアボールになってしまうので、全力で全部いったらまた合わされて。最後はスローボールでいったら打たれました」 筆者もそのラストイニングを、バックネット裏のほぼ正面から撮影していて、ほとほと感心した。マウンドの大型右腕は、各打者のアウトローへきっちりとボールを集めていた。しかし、少しでもコースを外れると見逃され、タイミングを外してもファウルに。長曽根の打者は、タイムリー二塁打やサヨナラ打を放った上位陣だけではなく、八番の5年生・山田蒼や九番の畑中零生も同じことができていた。 パワーは劣るとされていたが、二塁打16本もやはり、前年までのV2王者を超える値。一定以上のスキルと対応術を有する9人が並ぶ打線は、文字どおり「線」となっていた。それゆえ、いつどこからでも得点できる。6試合をしぶとく勝ち抜いた一番の要因は、そこではなかっただろうか。 大会常連チームや過去の日本一チームを前にすると、蛇に睨まれた蛙のようになりやすいのが、小学生かもしれない。あるいは、走者一、二塁から一走が意図的に飛び出して送球を誘い、三塁を陥れるなど、全国大会では15年以上前から見られる罠にまんまとハマり、より萎縮してしまうきらいも。 初出場ながら、地元の新潟で銅メダルに輝いた旭スポ少ナイン。大型右腕は対戦相手の脅威だったが、総体的に能力が高く、野球をよく知っているチームだった 長曽根に対して、6チームが戦って盗塁企図が合計「2」というのは、いかにも寂しい。だが決勝では旭スポ少の塚田晄人主将が、5回に二盗を決めた。また準決勝では伊勢田のエース左腕・藤本理暉が、長曽根打線につかまって2回途中7失点で降板も、各打者の内角も果敢に攻める投球をしていた。メダリストにはやはり、それだけの理由があった。 過去2回優勝の多賀少年野球クラブ(滋賀)は、戦力の層の厚さと試合運びで抜けていた。2回戦で前年王者の新家を、3回戦では2019年王者の東16丁目フリッパーズ(北海道南)を下すなど、至難の山を勝ち上がって3個目の銅メダルに輝いている。 子どもの夢を守らねば...
【最終報】2025夢舞台を総括&2026主...
【俊英カタログ《後編》】一芸に秀でた“金の...
正真正銘の全国大会。難関の全日本学童マクドナルド・トーナメントに出場した小学生は、全員が“金の卵”に違いない。第45回大会の今夏はその数、1052人。そのうち、特に一芸で秀でた9戦士を『俊英カタログ』の後編でお届けしよう。投球、打撃、守備、走塁など、飛び抜けた長所が複数にまたがる逸材も中にはいた。そうした個々のストロングポイントは「投(=投球)」「打(=打撃)」「走(=走塁)」と、略語を見出しに入れた。守備の場合は、ポジションを示す漢字一文字となっている。 (選考=現地取材班) (写真=福地和男、大久保克哉、鈴木秀樹) ―金の卵➊「投」― No.1の制球力。あわや完全の快投も たぶち・るい 田淵琉生 [鹿児島・大龍ビッグドラゴンズ] 6年/右投右打 準々決勝まで全4試合に先発。17回2/3を投げて、四死球は申告敬遠の1つのみ。断トツのコントロールに、110㎞は超えているだろうという速球が冴えまくったのは3回戦だった。4回まで打者12人をパーフェクトに封じた。 その快投の内容や、要因となった田淵琉生の道程や特異なパーソナリティについては、『2025注目戦士㉑』でたっぷりとお伝えしている。ぜひ、ご参照いただきたい(➡こちら)。 コントロールとは、狙ったところへ投げる能力とその指標。身体機能と投げ方がカギになるが、ガチンコの公式戦ではメンタルが深く関与してくる。田淵は「完全試合」の夢が消えた直後でさえ、寸分も制球を乱さなかった、そのスキルとハートは世代でもトップクラスと言えるだろう。 なお、上記『注目戦士』で動画に収めているのは、4連投目の準々決勝。球の速さも精度も目減りしており、2回途中で降板した。前日のベストパフォーマンスではないことを付記しておきたい。 (大久保克哉) ―金の卵❷「打」「遊」― 好投手から先頭弾、強肩もキラリ さとみ・あおい 里見葵生 [滋賀・多賀少年野球クラブ] 6年/右投右打 大会連続出場記録を「8」に更新している多賀少年野球クラブの“秘蔵っ子”。中学や高校には「スーパー2年生」がわんさといるが、6年間を過ごす小学生に対して、このフレーズはほとんど使われないし、聞かれない。 でも里見葵生は、2年生の冬から6年生主体のチームでプレーし、そのように言われてきた。そして3年生から全国大会の登録メンバーにも入り、4年生で全国デビュー。5年生の昨年は、正遊撃手となって3回戦まで進出した。迎えた学童最後の夏は、主に一番・遊撃でチームの準優勝に貢献した。 準決勝まで5試合で、11打数8安打の打率.727。サク越えは1本に終わるも、チームにはスペシャルな本塁打だった。準々決勝で先頭打者アーチ。マウンドにいたのは3回戦で完全試合ペースの快投を演じた田淵琉生(※金の卵➊参照)で、打った瞬間にそれとわかるセンター方向への大飛球だった。この一発で打線に火がつき、11安打9得点で準決勝進出を決めている。 守るショートでは、投げミスも散見されたが、要所では堅実で強肩もキラリ。雨にたたられた2回戦が象徴的だった。序盤で相手にミスも出たなかで、里見はどうだ!と言わんばかりの強くて正確な一塁送球を連発。あらゆる打球の処理が、すっかり板についている様子もうかがえた。 身体が成長する時期と度合いにバラつきが激しく、体格とパフォーマンスが比例しやすいのも小学生。まだ成長期が訪れていないだろう里見は、底上げされたチームの中で埋もれがちなこともあり、最後の全国舞台で「スーパー」や「怪物」と言えるまでの圧倒的なものは見せられなかった。...
【俊英カタログ《後編》】一芸に秀でた“金の...
【俊英カタログ《前編》】Oh,my god...
第45回全日本学童大会マクドナルド・トーナメントは、1回戦から決勝まで52試合を6日間で消化。当メディアの取材班は、そのうち32試合を現場で取材した。出場全53チームはカバーできず、「大会ベストプレーヤー」の選出には難がある。それでも個人成績を集計した上で、取材ストックから前途も有望な6年生をリストアップした。結果、18人に。では、その顔ぶれを『俊英カタログ』として、秀でた点やプレー写真とともに紹介しよう。前編は、とんでもない能力やプレーで人々をうならせた4選手と、投打二刀流で活躍した5選手だ。 (選考=編集部) (写真=福地和男、大久保克哉、鈴木秀樹) ―鮮烈インパクト➊― 3戦2発で留まらぬセンセーション かんばやし・しゅんと 神林駿采 [千葉・豊上ジュニアーズ] 6年/右投右打 決勝まで5連戦のつもりで新潟に乗り込んだものの、志半ばの準々決勝で終幕。それでも3試合、三番・捕手の背番号10、神林駿采が放ったインパクトは強烈だった。少なくとも3回は、スタンドや大人たちの驚嘆やため息を誘うプレーがあった。 まずは元王者の常磐軟式野球少年団(福島)との2回戦、両軍を通じて唯一となったフェンスオーバーだ。チームは自慢の打線が湿りがちのなか、1点リードの3回に左中間へ文句なしの一発。走者がけん制死で二死無走者となった直後であり、敵味方に及ぼした影響も大だった。また結果、このソロアーチが決勝弾となっている。 「ホームランを打ったことで満足せずに、全国制覇に向かいたい」 こう話した神林は、続く3回戦は2打数音なしも、持ち前の強肩を披露した。1対0で迎えた5回の守りで、先頭を四球で歩かせたものの、二盗を阻止。結局、チームは虎の子の1点を守り切った。迎えた準々決勝では、空砲となったものの、5対11で迎えた最終回に左方向へソロアーチ。 「一般用の複合型バット」が使用禁止となって迎えた今大会で、複数本塁打は2人のみ。投手もレベルが上がる全国大会でも、変わらなかったパンチ力はやはり、世代トップクラスだ。ただし、筆者を含む少なからずの大人たちが、より深くうなったのは2本目のアーチの前。第2打席だった。 イニング7失点で4対11と、大きく水をあけられた直後の3回裏。先頭で右打席に立った神林は、二塁手の方向へ平凡なゴロを打ってしまう。ところが、打ち終わりからぐんぐんと加速して一塁へ頭から飛び込み、セーフに。そして立ち上がると、仲間を鼓舞するように雄叫びをあげた。 主将の奮闘は、それで終わらない。とんでもない脚力で内野安打を勝ち取っただけに、相手バッテリーの警戒度はMAX。投手からのけん制が、3球連続を含めて都合5球を数えた。それでも神林はスタートを切り、二塁を陥れてみせた。 得点差(7点)とイニング(3回)からして、スタンドプレーに感じた向きもあるかもしれない。が、この選手のスピードと勝ち気は、リスクなんぞ凌駕。相手をかき回し、試合の流れを寄せたいとの思いも当然、あったことだろう。無死二塁から後続は内野ゴロ3つに終わるも、神林は塁を2つ進んで得点している。 敗北後は大地に片ヒザをつき、目頭を手で押さえた。仲間たちも大号泣。主将の責任感から取材には応じたが、内野安打と盗塁のことまで話を聞けるような状態ではなかった。 その後、神林はヤクルトジュニアに選出され、そこでも主将に。個々のレベルが最上級となる年末のNPBジュニアトーナメントでも、何かしらの閃光を放つのかもしれないし、壁に当たったとしても通過点に過ぎまい。ともあれ、2025年夏の夢舞台でのインパクトは、絶大にして断トツだった。 (大久保克哉) ―鮮烈インパクト❷― 「最強一番」打ちまくりの夏 たなか・りく 田中璃空 [東京・不動パイレーツ]...
【俊英カタログ《前編》】Oh,my god...
【特別ルポ】全国1勝から準V。“ニューカマ...
47都道府県の王者で日本一を決する全日本学童大会。2年ぶり2回目の出場で「全国初勝利」から準優勝まで躍進した伊勢田ファイターズ(京都)は、“ニューカマー”と言っても差支えないだろう。また特筆したいのは、大会中の不変のスタンスと指揮官の柔軟なマネジメントだった。目の前の試合への動機づけや、各選手のパフォーマンスの引き出し方において、これほどの参考や模範が他にあっただろうか。勝てばいい、ただそれだけのチームではないし、後ろ指を指されるような大人の言動もゼロ。スタメンの4人は5年生だった。伊勢田はなぜ、銀メダルを手にできたのか。「あるべき今と未来へ」――学童野球メディアの編集長が核心に迫った。 (写真=福地和男、大久保克哉) (文=大久保克哉) ―Runners-up of 45th― 結果より、道程にコミット。等身大のプレーと各々のミッションに全集中 準優勝 いせだ 伊勢田ファイターズ [京都] 出場2年ぶり2回目 【戦いの軌跡】 1回戦〇6対0川和(神奈川) 2回戦〇9対2秦(高知) 3回戦〇1対0北名古屋(愛知) 準々決〇11対6豊上(千葉) 準決勝〇5対3多賀(滋賀) 決 勝●4対8長曽根(大阪) 楽しみ方を知る選手 「ナツ、楽しんでやらな!最高の舞台やぞ!」 伊勢田ファイターズの幸智之監督が、こう言って主将の夏山淳(=下写真)をマウンドへ送りだしたのは、準決勝の最終回。6回表が始まるタイミングだった。 結果として、夏山は被安打3の1失点、一死を奪ったのみで降板。そして幸監督から叱責されたことは既報のとおり(『主将と指揮官の夏物語』➡こちら)。このときの夏山もそうだが、ミスや凡打などの良くない結果が理由で、指揮官のお咎めを受けた選手は、大会中は皆無であったと思われる。なぜなら彼らは、逐一の結果にコミットしてきたわけではないからだ。 「楽しめ!」とは、今や学生野球でよく聞かれるフレーズだが、その具体的な道筋がハッキリとしていた。今夏の一番の勝因はもしかすると、そこだったのかもしれない。夢の全国舞台の地、新潟県に入ってから、伊勢田は指導陣と選手たちとで話し合い、大会中のテーマを立てたという。 決勝の6回表、代打の浅貝瑛斗は遊ゴロから全力走、一塁へ頭から飛び込んだ ひと言にするならば、「全力」――。ありきたりだが、その看板の中身が小学生でも十分に理解し、実行し、立ち戻る原点にもなっていたのがミソだった。顕著にそれが見て取れたのが、2回までに7点ビハインドとなった決勝戦だ。3回が始まる前のクーリングタイムの5分間に、指揮官はナインにこう伝えたという。...
【特別ルポ】全国1勝から準V。“ニューカマ...
【決勝】巧みな速攻から逃げ切り。長曽根4年...
高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは8月18日、HARD OFF ECOスタジアム新潟で決勝を行い閉幕。長曽根ストロングス(大阪)が、伊勢田ファイターズ(京都)を8対4で破り、4年ぶり8回目の優勝を果たした。「小学生の甲子園」とも称される、正真正銘の全国大会での優勝3回以上は長曽根のみ。孤高の記録を更新したVメンバー全員の、喜びのコメントもお届けしよう。 (写真=福地和男、鈴木秀樹、大久保克哉) (文=鈴木秀樹) ■準決勝/エコスタ新潟 ◇8月18日▽11時40分開始 [大阪]3年ぶり18回目 長曽根ストロングス 25010=8 00310=4 伊勢田ファイターズ [京都]2年ぶり2回目 【長】谷脇、森川、谷脇-岩﨑 【伊】藤本、松倉、臼田-夏山 本塁打/藤本、夏山(伊) 二塁打/苧原、森川2、岩﨑(長) 【評】長曽根は1回表、先頭の岩﨑海斗が四球で出塁。盗塁と暴投で三進し、森川壱誠主将の内野ゴロの間にかえって先制。二死から四番・苧原祐次郎が右越えのエンタイトル二塁打を放つと、続く吉見憲眞(5年)の適時打で、この回2点を先取。2回にも坪田健吾の安打、岩﨑の適時打、さらに森川主将の左翼二塁打、苧原の適時内野安打など、打者一巡の猛攻で5点を追加した。一方の伊勢田は3回、幸尚哉(5年)の左前打に続き、三番・藤本理暉、四番・夏山淳主将が連続でサク越えの本塁打を放ち、3点を返した。4回には臼田塁人の安打、幸の右前適時打でさらに1点を加えたが、反撃もここまで。4回にも1点を加えた長曽根が逃げ切って、史上最多を更新する8度目の優勝を達成した。(了) 1回表、長曽根は一死三塁から森川主将の二ゴロ(上)で先制。さらに苧原の二塁打(下)と吉見(5年)の中前タイムリーで加点 2回表、長曽根は坪田健吾がエンドラン(上)を決めて無死二、三塁に。そして適時失策で3対0となったところで、伊勢田ベンチがタイム(下) 2回表、3対0とした長曽根はなお、岩﨑が2点タイムリー(上)。続く森川主将の二塁打(下)と、苧原の内野安打で7対0に 3回裏、伊勢田は藤本が2ラン(上)、夏山主将(下)もソロアーチで続いた 4回裏、伊勢田は臼田の中前打(上)から二死満塁とし、幸(5年)の右前タイムリーで4点差に迫る 4回裏、あわや同点満塁弾という大飛球を長曽根の右翼手・谷脇が捕球(上)。5回裏は4点差を守り抜いて優勝を決めた(下) ―Champion...
【決勝】巧みな速攻から逃げ切り。長曽根4年...
【準決勝❷】旭に逆転サヨナラ。長曽根が8回...
準決勝の第2試合は、劇的な逆転サヨナラで決着した。1回表に4本の長短打などで3点を先取した旭スポーツ少年団(新潟)が、そのまま優位に試合を進めて6回表を終えた時点で4対2とリード。しかし、その裏、長曽根ストロングス(大阪)が3本の長短打で5対4とひっくり返し、4年ぶり8回目のVに王手をかけた。 (写真=福地和男、鈴木秀樹、大久保克哉) (文=鈴木秀樹) ■準決勝/エコスタ新潟 ◇8月17日▽第2試合 [新潟]初出場 旭スポーツ少年団 300010=4 010013x=5 長曽根ストロングス [大阪]3年ぶり18回目 【旭】吉田、小柳有-今井 【長】谷脇、森川-岩﨑 三塁打/今井(旭) 二塁打/小柳有(旭)、森川、畑中、月田2、岡林(長)、藤田七(旭)、岩﨑(長) 【評】旭スポ少は初回、三番・小柳有生の中越え二塁打と四番・今井咲太郎の右三塁打で先制すると、さらに吉田結晴が内野安打、藤田七音も左前打で続き、この回、3点を先取した。長曽根は2回、吉見憲眞(5年)の内野安打と四球などで一死一、三塁から、畑中零生がセンターに犠飛を放って1点を返したが、追加点は奪えず。3回に森川壱誠主将と苧原祐次郎が安打、4回には畑中が左越え二塁打を放つも、後続が倒れ、いずれも無得点。5回、旭スポ少は今井の適時打、長曽根は月田拓斗の右中間二塁打とDH・岡林優志(4年)の適時二塁打で、それぞれ1点を加えた。2対4で迎えた最終6回裏、長曽根は先頭の山田蒼(5年)が左前打で出塁すると、一死後に岩﨑海斗の左越え二塁打で1点を返し、さらに森川の四球で一、二塁。三番・月田が右中間を破る一打を放ち、これで岩﨑と森川がかえり、サヨナラ勝ちで接戦に終止符を打った。(了) 1回表、旭スポ少は3連打で2点、さらに敵失で二走・吉田が生還する(上)。長曽根は2回裏、畑中の中犠飛で三走・吉見が生還(下)して1点を返す 旭スポ少は5回表二死二塁から、今井の内野安打(上)で1点。その裏、長曽根は4年生の岡林が二死二塁から左中間へ二塁打(下)で1点 3回から力投してきた旭スポ少の小柳有(上)だが、6回裏につかまる。長曽根はまず、岩﨑の適時二塁打(下)で1点 6回裏、1点差に迫られてなお一死一、二塁のピンチで旭スポ少はタイム(上)。再開後、長曽根の月田が逆方向へ逆転サヨナラ打を放つ(下) ―Close-up Winner― 「魂、ですわ」(指揮官) ながそね 長曽根ストロングス...
【準決勝❷】旭に逆転サヨナラ。長曽根が8回...
【準決勝❶】2回二死無走者から伊勢田が4点...
第45回全日本学童大会マクドナルドトーナメントは、競技5日目の準決勝からはメイン会場のHARD OFF ECOスタジアム新潟が舞台に。関西勢対決となった準決勝の第1試合は、伊勢田ファイターズ(京都)が集中攻撃とエースのフル回転で、元王者の多賀少年野球クラブ(滋賀)を振り切った。短評に続いて、勝者の主将と指揮官の物語と、敗軍の尊きトライの物語をお届けしよう。 (写真=大久保克哉、福地和男) (文=大久保克哉) ■準決勝/エコスタ新潟 ◇8月17日▽第1試合 [滋賀]8大会連続18回目 多賀少年野球クラブ 000012=3 04010 X=5 伊勢田ファイターズ [京都]2年ぶり2回目 【多】岸本、里見、岡本、高井-高井、大橋民 【伊】藤本、臼田、藤本、夏山、藤本-夏山、石川、夏山 本塁打/大橋民(多) 二塁打/臼田(伊) 【評】右翼手・佐藤駿の美技でスタートした伊勢田が、4回までに5対0とリード。そしてエース左腕の藤本理暉を要所で投入する継投で、多賀の追撃を振り切った。2回裏、二死無走者から試合は急に動く。伊勢田が下位打線で満塁とし、一番・松倉駿の右前打が敵失も誘って3点を先取。続く幸尚哉(5年)の中前打で4対0に。伊勢田は5回にも七番・臼田塁人の二塁打から佐藤の犠打、山本灯司(5年)の右前打と、下位打線で加点。一方、4番手の高井一輝が粘投する多賀は5回表、大橋民紀太のソロアーチから反撃へ。6回表にも岡本律希、大塚堅史主将の連打に暴投、途中出場の中浦奏の右前タイムリーと併殺崩れで2点差に迫る。だが、伊勢田の藤本が3度目の登板で後続を断ち、決勝進出を決めた。(了) 序盤は伊勢田が好守を連発。1回表は右翼手の佐藤が飛球をスライディング捕球(上)、2回表は左中間を抜けそうな打球を中堅手の松倉がダイレクト捕球(下) 2回裏、伊勢田は二死満塁から松倉の右前打(上)と敵失で3点、幸(5年)も中前タイムリーで続き4点目(下) 多賀は5回表、大橋民がソロ本塁打(上)。続く6回には3安打と併殺崩れで2得点(下)も、反撃はここまで ―Captain Inside Story―...
【準決勝❶】2回二死無走者から伊勢田が4点...
【準々決勝➍】伊勢田が巧みに打ち勝つ。豊上...
先制、逆転、同点、勝ち越し――。序盤で激しく動いた試合のなかで、千葉の“最強軍団”は運にも見放されて大量失点。5人のスタメン5年生を含め、善処を尽くした京都の若いチームが逃げ切った。準々決勝の4試合目のリポートは「勝敗のポイント」を掘り下げ、ヒーローと敗軍のストーリーまでお届けする。近年は躍進が顕著だった関東勢は、この競技4日目をもってすべて姿を消した。 (写真&文=大久保克哉) ■準々決勝/みどりと森球場 ◇8月16日▽第2試合 [京都]2年ぶり2回目 伊勢田ファイターズ 13700=11 40101=6 豊上ジュニアーズ [千葉]2大会連続6回目 【伊】藤本、松倉、臼田-夏山 【豊】中尾、山﨑、中尾、山﨑-神林 本塁打/臼田(伊)、神林(豊) 二塁打/松倉2(伊)、村田、鈴木、後山(豊)、佐藤(伊) 【評】前半戦は激しい点取り合戦となった。伊勢田が1回表、松倉駿の二塁打に犠打、犠飛で先制すれば、豊上はその裏に倍返し。福井陽大の右前打に村田遊我の二塁打、死球と内野ゴロで同点とすると、鈴木海晴と後山晴(5年)の連続二塁打で4対1と逆転。しかし、なお一死二、三塁からのエンドランは空振りで三走挟殺など、ワンサイドには持ち込めず。逆に伊勢田は2回表、臼田塁人の2ランの後に八番・伊藤駿が二塁打で出ると、続く山本灯司(5年)が確実に送ったことで、ボークにより4対4に。さらに3回表、幸尚哉(5年)と藤本理暉の連打で無死二、三塁としてから、4四死球に赤尾空舞と松倉のタイムリーで大量7得点。そして2回から登板の臼田は、3回に1安打で1失点も、打たせてアウトを重ねた。審判団から「(90分超過で)この回が最後です」と告げられた5回裏の豊上は、神林駿采主将がレフトへ豪快にソロアーチを放つも、空砲に終わった。(了) 伊勢田は2回表、八番・佐藤が逆方向へ二塁打(上)。続く山本(5年)は犠打を決めたほか、二塁守備(下)では7度の守備機会で無失策(内野安打1) ―Zoom into the Point― “不思議なし”準備と善処の勝利 『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』――。 かの名将・野村克也氏(元ヤクルトほか監督・故人)の座右の銘を、野球界で知らない大人はいないことだろう。この格言は、現在の長崎県平戸市の一帯を、江戸時代に治めていた文武の才が遺したとされる。 確かに、この準々決勝の敗者にも重なる節はある。だが勝者は、「不思議」で片づけられたら甚だ合点がいかぬはず。 伊勢田ファイターズは、目の前の1試合を勝つために最善を尽くしてきた。V候補本命と目された強敵を前にした準々決勝も、そこは変わらなかった。いわば「準備がもたらした勝利」でもある。...
【準々決勝➍】伊勢田が巧みに打ち勝つ。豊上...
【準々決勝❸】先頭弾にダメ押し満塁弾。多賀...
大会は折り返しての競技4日目となる準々決勝。例年はこのあたりから体力勝負の色合いも増し、心身の疲労度や戦力の差が見え隠れし始める。新潟市みどりと森の運動公園野球場での第1試合は、ともに前日の3回戦で好投した右腕が先発したが、いずれも3回もたず。こうした展開で浮き彫りとなったのは、元王者の試合巧者ぶりと厚い戦力。加えて、九州男児たちの一本気だった。殊勲のヒーローと、一枚のフォトグラフに始まる敗軍のストーリーまでお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ■準々決勝/みどりと森球場 ◇8月16日▽第1試合 [鹿児島]3年ぶり2回目 大龍ビッグドラゴンズ 001002=3 32040 X=9 多賀少年野球クラブ [滋賀]8大会連続18回目 【大】田淵、梅元-今村 【多】岡本、高井-高井、大橋民 本塁打/里見、高井(多) 三塁打/小田(多) 二塁打/梅元(大)、奥野、三好、里見(多)、安樂(大) 【評】双方の先頭打者に長打が生まれ、その後の攻防で明暗が分かれた。先攻の大龍は梅元咲翔主将の左翼線二塁打に、安樂誠希のバント安打で無死一、三塁とする。しかし、守る多賀はけん制で一死を奪うと、三番を申告敬遠して二盗を阻止。そして三振で大ピンチを切り抜けた直後、里見葵生の先頭打者アーチで先制した。多賀はなおも畳み掛け、奥野悠太の二塁打から二死一、三塁として、小田悠陽の右中間二塁打で3対0に。また2回にも、三好想太朗と里見の連続二塁打に、今井葵飛の右前打で加点した。大龍の反撃は3回表だ。敵失に梅元主将の中前打で1点を返し、続く安樂の左中間二塁打で一死二、三塁に。だが、多賀はここで救援した右腕・高井一輝が後続を断つと、4回裏には自らのバットで8点差とする満塁アーチを放つ。6回表、大龍は敵失と田淵琉生の左前打で1点。さらに今村亮太のテキサス安打と棈松快斗の三ゴロで1点を加え、代打攻勢で二死満塁としたが反撃もそこまで。多賀は後半から次々と選手が代わり、17人がプレーして準決勝進出を決めた。(了) 大龍は梅元主将が二塁打(上)も無得点。多賀は里見が中越えソロ(下)。長打に始まった1回の表裏が流れを左右することに 多賀の攻撃は先頭打者アーチで終わらず。二番・奥野が左翼線へ二塁打(上)。大龍の先発・田淵(下)は初回、三振で二死まで奪ったが… 1回裏、多賀は六番・小田の右中間二塁打(上)で2点を追加。2回表の守りでは、ライトへ抜けそうな打球を一塁手・大橋民紀太がアウトに(下) 2回裏、多賀は三好(上)と里見の二塁打で1点、さらに今井の右前打(下)で5対0に 大龍は3回表、敵失から二進した前田健心(上)が内野ゴロで三進。そして一番・梅元主将の中前打(下)で生還 3回表、1点を返した大龍は安樂の左中間二塁打(上)で一死二、三塁としたが、救援した多賀の高井(下)を前に後続は断たれる 4回裏二死、多賀は里見が3安打目の左前打(上)。内野ゴロ併殺崩れの後、岡本が左前打(下) 四番・大塚堅史主将の2打席連続安打(上)で二死満塁とした多賀は、高井が左へサク越えアーチ(下)。4回を終えて9対1と大量リードに 大龍は5回表、一死から鮫島龍斗が中前打(上)も、多賀は5-4-3併殺(下)で切り抜ける...
【準々決勝❸】先頭弾にダメ押し満塁弾。多賀...
【準々決勝❷】地元・新潟勢で最高タイ、旭ス...
本家・高校野球の甲子園でも、「小学生のの甲子園」でも、準々決勝は実力伯仲で盛り上がることが多い。メイン球場のHARD OFF ECOスタジアム新潟での第2試合、木屋瀬バンブーズ(福岡)と旭スポーツ少年団(新潟)の初出場対決も、緊迫の好勝負に。開始から主導権を奪ったのは木屋瀬。対する旭は、二番手の大型右腕が劣勢の流れを断ち切り、バッテリーを組む四番打者のバットが勝利を引き寄せた。 (写真=福地和男/文=鈴木秀樹) ■準々決勝/エコスタ新潟 ◇8月16日▽第2試合 [福岡]初出場 木屋瀬バンブース 010000=1 00300x=3 旭スポーツ少年団 [新潟]初出場 【木】森下、藤田-但馬、森下 【旭】小林、小柳有-今井 二塁打/塚田(旭)石井(木) 【評】先制は木屋瀬。2回表に2四球などで一死一、二塁とし、井上雄陽が左前適時打を放った。旭スポ少は3回裏、四球と塚田晄人主将の安打、さらに重盗でチャンスを広げると、暴投で追いつき、今井咲太郎の2点適時打で勝ち越しに成功した。その後、旭スポ少は走者を出しながらもあと1本が出ず、追加点は奪えなかったものの、3回からマウンドに上がった小柳有生が6回までの4イニングを1安打無失点で投げ抜き、ベスト4進出を決めた。(了) 1回表裏は双方の先頭が出る。木屋瀬・永嶋璃陽斗(5年)は右前打(上)。旭スポ少の塚田主将は左越え二塁打(下) 2回表、木屋瀬は四球、飯田航平の犠打(上)、吉武楽人の四球(下)で一死一、二塁に 2回表、一死一、二塁から木屋瀬・井上の左前打(上)で、二走・森下結心が生還して先制(下) 先制された旭スポ少は直後の2回裏、藤田七音の中前打(上)と藤田侑汰(5年)の右前打(下)で一死一、二塁に 木屋瀬は2回裏一死一、二塁のピンチで、捕手・但馬愛飛(上)が二塁けん制で刺す(下)など、無失点で切り抜ける 3回表から登板した旭スポ少の小柳有(上)は、相手打線を手玉に。そして3回裏、先頭の小林楓(5年)が四球を選んで(下)反撃に転じる 3回裏、重盗を決めて一死二、三塁とした旭スポ少は、暴投で三走・塚田主将がかえり1対1に(上)。さらに四番・今井が中前へ勝ち越しの2点タイムリー(下) 3回から沈黙の木屋瀬打線は6回表二死から、四番・石井爽介が右へエンタイトル二塁打(上)。だが、マウンドの小柳有は最後の打者を左邪飛に打ち取り終了(下) ―Close-up...
【準々決勝❷】地元・新潟勢で最高タイ、旭ス...
【準々決勝❶】最多7回Vの長曽根、39年前...
メダル圏内のベスト4をかけた準々決勝は、新潟市の2会場で行われた。メイン球場のHARD OFF ECOスタジアム新潟での第1試合では、史上最多の優勝7回を誇る長曽根ストロングス(大阪)と、1986年に初優勝を遂げている牛島野球スポーツ少年団(秋田)が対決。試合は投手戦で始まり、終盤は一進一退の攻防が展開された。 (写真=福地和男/文=鈴木秀樹) ■準々決勝/エコスタ新潟 ◇8月16日▽第1試合 [大阪]3年ぶり18回目 長曽根ストロングス 000022=4 000020=2 牛島野球スポーツ少年団 [秋田]28年ぶり5回目 【長】谷脇、森川-岩﨑 【牛】東海林、渡辺-齊藤 三塁打/五十嵐(牛) 二塁打/齊藤(牛)、岩﨑、苧原2、月田(長) 【評】1回表、長曽根は二番・岩﨑海斗が中越え二塁打も、三盗を狙いアウトに。以降は長曽根先発の谷脇蒼が緩急巧みに相手打線に的を絞らせない投球を見せると、牛島のエース・東海林大志もテンポ良く長曽根打線を抑え、4回まで互いに無得点。5回、長曽根は苧原祐次郎の中越え二塁打と、続く山田蒼のバント安打で無死一、三塁の好機を得ると、内野ゴロの間に1点、内野ゴロ野選でもう1点と、2点を先取。しかし、牛島はその裏、二死二塁から五十嵐陽翔の適時三塁打、さらに5年生・佐藤岳恒の適時内野安打で同点に。それでも、長曽根は6回にも月田拓斗の右前打と四球を足掛かりに、機動力も加えた攻撃で敵失を誘うなど、2点を加えて勝負を決めた。(了) 牛島の先発・東海林(上)は5回を5安打2失点の粘投。長曽根の先発・谷脇(下)は4回を1安打無失点の快投 2回裏、牛島は一死から齊藤成流が中越え二塁打(上)も無得点。二死からは長曽根の遊撃手・月田が後ろ向きで飛球を好捕(下) 5回表、長曽根は先頭の苧原が二塁打(上)、続く山田がバントヒット(下)で無死一、三塁に 長曽根は無死一、三塁から畑中零生(上)と岡林優志(4年=下)の内野ゴロで、5回表に2点を先取 5回裏、牛島は齊藤の中前打から二死二塁として、八番・五十嵐が適時三塁打(上)。続く5年生の佐藤岳も内野安打(下)で2対2に 同点とされた長曽根は6回表、月田の右前打(上)に四球、敵失で無死二、三塁とする。そして投ゴロで三走がスタートも、タッチアウトに(下) 6回表、本塁憤死で一死となった長曽根は二、三塁から七番・苧原の3安打目となる内野安打(上)で、三走・吉見が生還(下)して勝ち越し 畑中のスクイズバントが決まり(上)、6回表に4対2とした長曽根は、二番手の森川壱誠がリードを守り切って終了(下) ...
【準々決勝❶】最多7回Vの長曽根、39年前...
【3回戦❻】ベスト8出そろう。写真ダイジェ...
朝からのゲリラ豪雨と中断により、3時間26分というロングファイトもあった8月15日の3回戦。三条パール金属スタジアムでの第3試合はナイトゲームとなり、終わったのは19時27分だった。同球場での3試合の写真ダイジェストと、全3会場8試合の結果を改めてお伝えする。 (写真=福地和男) ■3回戦/三条スタジアム ◇8月15日▽第1試合 森下が2安打完封。木屋瀬、スミイチ逃げ切り [福岡]初出場 木屋瀬バンブーズ 100000=1 000000=0 富谷ストロングスポーツ少年団 [宮城]初出場 【木】森下-但馬 【富】越前、根来-根来、越前 二塁打/但馬(木) 1回表、木屋瀬は無死一、二塁からエンドラン空振りで、永嶋璃陽斗(5年)が三塁でタッチアウト(上)。だが、藤田海智主将が三塁内野安打(下)で一死一、三塁に 1回表一死一、三塁から木屋瀬がスクイズ。打者・石井爽介はインハイの球をよけながらバットに当て(内野安打=上)、三走・但馬愛飛が生還(下)して先制 富谷の先発・越前貴仁(上)は4回4安打1失点。左利きの二塁手・佐藤俊介(5年=下)は5度の守備機会でワンミスのみ 木屋瀬の先発・森下結心(上)は3回までパーフェクト投球。三塁を守る永嶋(下)は2回から4者連続でゴロをさばいてアウトに 4回裏、富谷は池田虎太郎がチーム初安打も二盗に失敗(上)。5回裏には齊旺佑が左へクリーンヒット(下)も得点はならず 富谷の根来亮賢主将(上)は5回からパーフェクト投球。木屋瀬の森下は中川芳生監督にも励まされながら(下)、71球で無四球完封 ▽第2試合 小技、大技に小柳有が投打で躍動。地元・新潟王者が逆転勝ち [新潟]初出場 旭スポーツ少年団 013000=4 100000=1...
【3回戦❻】ベスト8出そろう。写真ダイジェ...
【3回戦❺】壮行試合から33日目。緊迫のガ...
7月13日、愛知県の北名古屋市総合運動広場で、全国出場する2チームの壮行試合が行われた。愛知県王者の北名古屋ドリームスと、京都府王者の伊勢田ファイターズ。友好関係にある両軍は、手の内を隠すこともなく、仮想「全国大会」として本気で戦った。そして迎えた8月の本番。それぞれ1回戦、2回戦を勝ち上がり、3回戦で顔を合わせると、1点を争う緊迫の好勝負を展開した。 (写真&文=鈴木秀樹) ■3回戦/みどりと森球場 ◇8月15日▽第3試合 [愛知]3年連続7回目 北名古屋ドリームス 000000=0 00010 X=1 伊勢田ファイターズ [京都]2年ぶり2回目 【北】坪井、竹井-大久保 【伊】藤本、夏山、藤本-夏山、石川、夏山 二塁打/藤本(伊) 【評】粘り強く投げ続ける、両軍の投手の力投にバックも堅守で応える、見応えある投手戦。北名古屋先発の坪井心汰(5年)が毎回、走者を出しながらも要所を締め、3イニングをゼロで切り抜けると、伊勢田先発の藤本理暉も1、2回に死四球で走者を出しながら、バックの堅守にも助けられ、さらに調子を上げた。均衡を破ったのは伊勢田。4回、先頭の五番・栗山雄吾が四球で出塁し、捕逸と赤穂空舞のバントで三進。5年生コンビでお膳立てすると、二死から佐藤駿が右前に適時打を放ち、待望の先取点を奪った。伊勢田の藤本は無安打投球を続け、5回途中で夏山淳主将のリリーフを仰いだが、最終6回二死一塁の場面で再登板。ノーヒットリレーを完成させ、1点を守り切って勝利を挙げた。(了) 伊勢田は藤本(上)、北名古屋は5年生の坪井(下)。先発した両左腕がゲームをつくった 0対0の4回裏、伊勢田は四球と捕逸、5年生・赤穂の犠打(上)で一死三塁に。北名古屋は岡監督がタイムを取ってマウンドへ(下) 4回裏一死三塁から伊勢田の八番・佐藤が右へ弾き返し(上)、三走の5年生・栗山が生還(下)。これが決勝点に ―Close-up Winner― 「ここで戦おう」約束の場で競り勝つ いせだ 伊勢田ファイターズ [京都] 昨年末にはポップアスリートカップ(くら寿司トーナメント)で初優勝を果たすなど、躍進目覚ましい伊勢田ファイターズが、大会準優勝経験もある強豪・北名古屋を下して、2度目の大会出場でベスト8入りを決めた。...
【3回戦❺】壮行試合から33日目。緊迫のガ...
【3回戦❹】本州最北端vs.本土最南端。前...
ベスト8をかけた3回戦。メイン球場・エコスタ新潟での第2試合では、本州の最北端となる青森県の王者と、本土の最南端となる鹿児島県の王者とが激突。それぞれ、呼び声の高い強豪チームを下してきているとあって、暴投を除くと守りはともにノーミス。勝者のエースは4回までパーフェクト投球を披露し、後半戦は両軍で計7本の二塁打が生まれて試合が動くなど、見どころの多い好ゲームだった。 (写真&文=大久保克哉) ■3回戦/エスコタ新潟 ◇8月15日▽第2試合 [鹿児島]3年ぶり2回目 大龍ビッグドラゴンズ 000311=5 000002=2 弘前レッドデビルズ [青森]初出場 【大】田淵、梅元、田淵-今村 【弘】小林、山本、岩渕-岩渕、小林 二塁打/棈松、前田、梅元、東、安樂誠(大)、奈良、小林(弘) 弘前レッドの小林(上)は粘り強く打たせて取る。大龍の田淵(下)は精度もスピードも抜群の速球で押しまくる。両先発が前半戦は持ち味を発揮した 牛耳る右腕と、耐える守備 前半戦の3イニングは双方無得点。しかし、その中身には大きな違いがあった。 先発した右腕・小林凛人の連続与四球に始まった弘前レッドデビルズは以降、手堅い守りが目を引いた。いきなりの無死一、二塁のピンチで5-5-3の併殺を決めるなど、無失点で切り抜けると、2回の冒頭では遊撃手の對馬一真主将が、三遊間の深いゴロに追いついての一塁送球でアウトに。 小林はそれでも波に乗れず、内野安打と四球に暴投で一死二、三塁のピンチに。続く3回にも2安打2盗塁を許して、同じく一死二、三塁のピンチを招いた。だが、そこからが粘り強かった。冷静に打たせて取り、バックもノーミスで相手に得点を与えない。 前半戦は弘前レッドの三遊間が好守を連発し、工藤監督も相好を崩す(上)。大龍も三塁手の鮫島(下中央)が4回までに4つのアウトを奪う 一方の大龍ビッグドラゴンズは、投球練習から出色のスピードボールを投じていた右腕の田淵琉生が、イニング7~8球のペースで相手打線を手玉に取っていく。 時折りの抜いたボールもあるが、投球の多くはキレ味の鋭いストレート。それがホームプレート上を外れることがほとんどなく、バットの芯にも当てさせない。2回には連続で空振り三振を奪い、3回には下位打線にファウルで粘られたが、制球も球威も変わることがなかった。 「完全試合は新チームになったころにやったことがあります。今日も途中で監督に言われたりして、少し意識はしました」(田淵) ただし、大龍の打線は前半3イニング、毎回の好機をことごとく生かせなかった。こういう流れで試合が運んだ場合、優位に進めてきたチームに綻びが生じたり、劣勢を耐え抜いてきたチームがワンチャンスをものに形勢逆転、ということが往々にしてある。果たして――。 「4度目の正直」成る グラウンド整備が終わって迎えた後半戦。案の定、試合が動いたが、前半戦からの流れを度返しする形となった。 弘前レッドは、4回の頭から5年生の山本蒼をマウンドへ。こちらは本格派で、右腕が力強く振られていたが、その代わりバナを大龍打線が急襲した。...
【3回戦❹】本州最北端vs.本土最南端。前...
【3回戦❸】東西の都のV候補対決、大阪に軍配
全国最多の1000チーム超が加盟する東京都にあって、この2025年は無敗を貫いてきた不動パイレーツ。西の都、大阪府代表の長曽根ストロングスは、史上最多となる7回の優勝を誇り、7月末の高野山旗(和歌山県開催)を制してきた。そんな東西を代表するV候補同士が、3回戦で激突した。 (写真&文=鈴木秀樹) ■3回戦/みどりと森球場 ◇8月15日▽第2試合 [大阪]3年ぶり18回目 長曽根ストロングス 0004=4 0120=3 不動パイレーツ [東京第1]3年連続6回目 ※時間規定により4回で終了 【長】谷脇、森川-岩﨑 【不】木戸、高浦、岡田-山田、竹中 二塁打/岩﨑(長)田中2、茂庭、中山、間壁(不) 【評】不動は初回に先頭の田中璃空主将が左中間二塁打で出塁も、後続が倒れ無得点。しかし2回、先頭の五番・茂庭大地が中越え二塁打を放つと、二死後、中山大誠の左翼二塁打で先制。3回には二死から竹中崇、間壁悠翔(5年)、茂庭の3連打で2点を加えた。長曽根の反撃は4回。死球、四球、四球で満塁とし、敵失で1点、さらに相手守備の乱れで1点を返すと、連続四球で再び塁を埋め、DH解除で一番に入っていた、先発投手の谷脇蒼が右中間手前に落ちる安打。これで三走の苧原祐次郎と二走の5年生・山田蒼が一気にかえって逆転に成功。5回表、不動は田中主将の左中間二塁打などで二死二、三塁まで詰め寄ったが無得点に終わり、4回時間切れで、長曽根が接戦をものにした。(了) 2回裏、茂庭(上)と中山(下)の二塁打で不動が先制 不動は3回裏、二死から竹中(下)、間壁(上)、茂庭の3連打で3対0に 4回表、長曽根は四死球や敵失、重盗(上)で2点を返すと、谷脇のタイムリーで4対3と逆転。その裏は二番手・森川(下)が無失点で逃げ切り ―Close-up Winner― 「10回やったら9回負ける」難敵を逆転で下す ながそね 長曽根ストロングス [大阪] 「今年はウチ、小さい選手ばかりで、厳しいと思いますわ」...
【3回戦❸】東西の都のV候補対決、大阪に軍配
【3回戦❷】2017年王者vs.2018&...
5回目の出場となった2017年に、道勢初となる優勝を果たしたのが東16丁目フリッパーズ(北海道南)。前年度優勝枠で出場した翌2018年は、初戦の2回戦でサヨナラ負け。そのときの勝者が多賀少年野球クラブ(滋賀)で、3回戦以降も勝ち抜いて初優勝(出場12回目)し、翌19年も制して2連覇を遂げた。そんな両チームが、今夏の3回戦で対峙。8年ぶり2回目の顔合わせは「元王者対決」と箔がつき、また否応もなく介入してきたのは気まぐれな豪雨だった。 (写真&文=大久保克哉) ■3回戦/エスコタ新潟 ◇8月15日▽第1試合 [北海道南]3年ぶり9回目 東16丁目フリッパーズ 000001=1 50010 X=6 多賀少年野球クラブ [滋賀]8大会連続18回目 【東】川口、西山-徳田 【多】岡本、高井、岡本、里見-大橋民 二塁打/舘洞(東)、中浦(多)、徳田、片岡(東) 8月15日の朝。新潟の市街地は真夏の陽光に照らされていたが、見上げる空の一方向では暗雲が不気味にうごめいていた。予報によると、午前中は時折りのゲリラ豪雨があるという。 4日前に開会式を行ったメイン球場、エコスタ新潟では3回戦2試合を予定。全面人工芝とあって、雨をやり過ごしながらの進行で無事に消化はされるだろうと思われた。 決着に3時間26分 第1試合の当初の開始時刻8時半には、案の定の激しい雨。両軍へは当日早々に、1時間のスライドが伝えられていたという。結局、9時44分に始まった試合が、6イニングを終えて決着したのは13時10分。実に3時間26分という長丁場を招いたのは他でもない、不可抗力の降雨だった。 初回を終えた時点で21分間、5回表の途中には85分もの中断を余儀なくされた。結果として、それが勝者に味方し、敗者には憎きものとなった面も否めない。東16丁目フリッパーズの笹谷武志監督(=上写真)の、試合後のひと言が印象的だった。 「条件は相手も同じなんですけど、今日は流れというか、球運もなかった気はします」 水たまりはないが、雨を吸っている人工芝は、転がるボールをたちまち濡らし、選手たちのスパイクの裏を滑らせる。そういうコンディションで余計に際立ったのが試合前、東16丁目の斬新なシートノックだった。 「ただ順番を待って、捕って投げるという形ではなく、実戦でよくある状況を設定してそれに応じて動く。こういうスタイルにしたのは数年前です」(笹谷監督) ボール回しに続いて「無死一塁」の想定で、ノッカーの打球はランダムに。例えば、三遊間のゴロなら併殺コースとなり、緩いゴロから一塁へ直接送球された場合は、一塁手が仮想の走者を刺すために三塁へ転送する。外野手も打球とアプローチに応じて送球先が変わり、内野陣はその指示を出しながら中継か、仮想・打者走者のケアへと動く。 それらがハイペースで次々と行われ、ベンチからのブザー音を合図に「無死二、三塁」「無死満塁」など想定も変わる。そして既定の5分間「終了」のアナウンスがあると、各自がその場で一礼してベンチへ引き上げた。 東16丁目のノックは、登録24人(6年生11人)を各所に配し、状況と打球に応じて複数人が連動。中堅手・佐藤秀哉(下)の身のこなしと強肩は1回戦から光っていた 試合前のシートノックの5分間は、どのチームにも平等に与えられている。その目的は指導者や大会や対戦相手によっても異なり、一概に善し悪しを言えるものではない。...
【3回戦❷】2017年王者vs.2018&...
【3回戦❶】合わせて150歳!大ベテラン監...
牛島野球スポーツ少年団(秋田)の吉田敏雄監督が77歳、戸尾ファイターズ(長崎)の松本大三郎監督が73歳。合わせて「150歳」となる、ベテラン監督同士の対決が夢舞台で実現した。全日本学童大会の3回戦は8月15日、3会場で8試合を行い、ベスト8が出そろった。当メディアのリポートは、一進一退の好勝負となった「150歳対決」、新潟市のみどりの森の運動公園野球場の第1試合からスタートしよう。 (写真&文=鈴木秀樹) ■3回戦/みどりと森球場 ◇8月15日▽第1試合 [長崎]2年連続10回目 戸尾ファイターズ 000201=3 10003 X=4 牛島野球スポーツ少年団 [秋田]28年ぶり5回目 【戸】大田屋、佐保-藤永 【牛】東海林、渡辺-齊藤、東海林 三塁打/佐保(戸) 二塁打/渡辺2、奈良(牛) 【評】朝から降り出した強い雨により、試合は当初予定された午前8時半から4時間半遅れ、午後1時過ぎにプレーボールがかかった。戸尾は初回、先頭の佐保壱晟が左中間三塁打を放つも、次打者の右邪飛でタッチアップから先制のホームを狙い刺されるなど、無得点に終わった。一方の牛島はその裏、先頭の伊藤駿が右前打を放ち盗塁、渡辺想真主将の中越え適時二塁打で先制。戸尾は4回に田川綾人(5年)の中前打と、林大翔の左前打などでチャンスメークし、敵失で同点に追いつくと、大田屋遼の中前適時打で勝ち越しに成功した。しかし、牛島は5回、先頭の七番・奈良大翔の左翼線二塁打で好機を得ると、敵失で再び追いつき、伊藤駿の適時打と東海林大志のスクイズで2点リード。最終6回、70球の球数制限を迎えた先発・東海林から渡辺主将へとマウンドをつなぎ、戸尾の反撃を藤永将生の適時打(公式記録は敵失)による1点でしのぎ、逃げ切ってベスト8進出を決めた。(了) 大雨により、土と天然芝のみどりの森球場は他会場に遅れて13時開始に。1回表、守る牛島は右翼手・五十嵐陽翔の本塁好返球で相手の先制を阻む(下)。走者は三塁打の戸尾・佐保 4回表、戸尾は石崎の左前打(上)など3安打と敵失で同点、大田屋の中前打で2対1と逆転する(下) 5回裏、牛島は奈良の二塁打(上)と敵失で2対2に。さらに無死一、二塁から伊藤駿の中前打(下)で1点勝ち越し 5回裏に再逆転した牛島は、なおも一死二、三塁でスクイズ。東海林は片手で伸ばしたバットに白球を当て(上)、三走・五十嵐が生還(下)。これが決勝点に ―Pickup Hero― 3連戦すべて規定の70球に。元王者の115㎞右腕 しょうじ・たいし 東海林大志...
【3回戦❶】合わせて150歳!大ベテラン監...
【2回戦❸】V2王者散る。写真ダイジェスト...
圧倒的な安定感で2023年から2連覇を遂げていた新家スターズ(大阪)が、大会初戦で涙――。全日本学童大会の2回戦リポートの第3弾は、悠久山野球場での3試合の写真ダイジェストのほか、新家ら元王者3チームが登場した水原球場での2試合の写真を交えて、全16試合の結果をお伝えしよう。出そろったベスト16のうち、7チームまでが初出場組となっている。 (写真&文=鈴木秀樹) (写真=福地和男) ■2回戦/悠久山野球場 ◇8月14日▽第1試合 戸尾、打者10人で大逆転逃げ切り [埼玉]初出場 西埼玉少年野球 040000=4 01060 X=7 戸尾ファイターズ [長崎]2年連続10回目 【西】香川、新井、高橋-矢澤 【戸】佐保-藤永 二塁打/香川(西)、柴田、田川、石崎、藤永、梅崎(戸) 【評】西埼玉は2回、早川暖真の安打と四球、磯部煌稀の安打で満塁とし、内野ゴロ野選で先制。さらに関川暖太と香川幹大主将の連続適時打で、この回、計4点を奪った。一方の戸尾は2回裏に四死球と敵失により、無安打で1点。4回には自慢の「打ち出すとつながる」打線が「やっとつながった」(松本大三郎監督)。二死走者なしからの四球に続き、柴田太郎主将と田川綾人(5年)の連続二塁打、さらに申告故意四球を挟み、林大翔の適時打で同点に。暴投で勝ち越し点を奪うと、石崎翔太、藤永将生も連続適時打を放ち、西埼玉を一気に突き放した。戸尾先発の佐保壱晟は中盤以降立ち直り、最終6回には投球数「69」で迎えた最後の打者を捕邪飛に打ち取り、完投勝利を挙げた。戸尾・松本監督は「試合途中には(2回の4失点で)泣いてる子もいましたが、すぐにケロリとしていつも通り。まあよくやってくれました」。西埼玉・綿貫康監督は「やはり全国の戦いは厳しい。ただ、目標だった大会出場を果たし、1勝できた。すべてが良い経験。子どもたちには感謝です」と振り返っていた。(了) 2回表、西埼玉の打者一巡の猛攻は五番・早川の右前打(上)から始まった。一死満塁から一番・香川主将は右へ2点二塁打(下) 4回裏、戸尾は二死一塁から二番・柴田主将(上)と三番・田川(5年=下)の連続二塁打でまず2点 六番・石崎(上)と七番・藤永(下)も連続の適時二塁打など、戸尾は4回裏で7対4と大逆転 ▽第2試合 8度目Vへ、長曽根が完勝 [開催地/新潟]初出場 東中野山ブルーシャークス 000000=0...
【2回戦❸】V2王者散る。写真ダイジェスト...
【2回戦❷】初回に10点!2会場2試合写真...
出場全53チームが出そろう全日本学童大会の2回戦は、7会場で16試合を行い、大会ベスト16が決まった。リポートの第2弾は、見附市運動公園野球場での第2試合と、メイン会場のHARD OFF ECOスタジアム新潟での第3試合を写真ダイジェストでお届けしよう。いずれも大会初出場同士の対戦で、ともにワンサイドで決着。初回の二死走者なしから、10得点という猛攻も見られた。 (写真&文=大久保克哉) ■2回戦/見附市野球場 ◇8月14日▽第1試合 [福島]2年ぶり24回目 常磐軟式野球スポーツ少年団 000010=1 10100 X=2 豊上ジュニアーズ [千葉]2年連続6回目 【常】奥山、佐藤瑛-上遠野 【豊】中尾、山﨑-神林 本塁打/神林(豊) 二塁打/鈴木(豊)、齋藤(常) ※リポート➡こちら ▽第2試合 投打かみ合い、大坪南波多が完勝 [佐賀]初出場 大坪赤門南波多野球部 101004=6 000100=1 坂祝ホワイトセブン...
【2回戦❷】初回に10点!2会場2試合写真...
【2回戦❶Pickup Match】最多出...
全日本学童大会の1回戦は、組合せの関係で11チームがシード。全53チームが出そろうのは、7会場で16試合を行う2回戦となる。中でも注目を集めたのは、常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)と豊上ジュニアーズ(千葉)の一戦だ。常磐は大会最多24回目の出場で、2010年に初優勝。豊上は過去に銅メダルが2回、1年前の全国8強メンバーら複数のタレントを擁する。守りが安定しているのは常磐で、打力が突き抜けているのが豊上。迎えた対決は、常磐が得意とする接戦となり、緊張の糸が張ったままの6イニングだった。 (写真&文=大久保克哉) 先攻の常磐はベンチ入り23人で6年生12人(上)。後攻の豊上はベンチ入り18人で6年生14人(下) ■2回戦/見附市野球場 ◇8月14日▽第1試合 [福島]2年ぶり24回目 常磐軟式野球スポーツ少年団 000010=1 10100 X=2 豊上ジュニアーズ [千葉]2年連続6回目 【常】奥山、西本-上遠野 【豊】中尾、山﨑-神林 本塁打/神林(豊) 二塁打/鈴木(豊)、齋藤(常) 元王者の利と術中 「1年に1回くらいは、力以上の試合やんなきゃダメなんだよ! それが今日だよ、やれっから!」 4回終了後の給水タイム。一塁側のベンチ内でナインをそう鼓舞していたのは、常磐軟式野球スポーツ少年団の天井正之監督(=上写真)だった。 同監督は1984年の創設時のメンバーで、6年時にはチーム初の全国出場(全国スポーツ少年団軟式野球交流大会)を果たしている。そのOB監督の野太い声には、しかと自信が宿っていた。また聞いている選手たちの顔からも、その気が十分に感じられた。 彼らの先攻で始まった試合は、この時点で0対2とビハインド。だが、それまでの内容は悲観するものではなく、得意の接戦に持ち込めていた。 苦しさをより感じていたのはむしろ、猛打を誇る相手側だったのかもしれない。豊上ジュニアーズの髙野範哉監督(=下写真)の試合後の第一声も、こうだった。 「ウチが負けるとしたら、こういう試合展開なんですよね」 要するに豊上とすれば、もっと大きくリードする展開を、現実的な理想として描いていたと思われる。春先に練習試合をした際には、常磐の投手陣を打ちまくって大勝していたこともある。 双方のシートノック前には、豊上・髙野監督が一塁側ベンチへ歩み寄って常磐・天井監督と軽く談笑(上)。試合開始30分前には、大会本部席前でメンバー表を交換(下) ただし、今度の対決は、ガチンコの夏の夢舞台だ。魔物が住んでいるのは、本家・高校野球の甲子園とは限らない。「小学生の甲子園」でも初戦の難しさを口にする名将は多く、実際にいつもの力を出せないまま消えていく有力チームもままある。...