東京都足立区のボールパーク(以下BP)1、2、北海道札幌市のBP札幌、同旭川市のBP旭川、福岡県直方市のBP福岡、そして本社のある千葉県柏市のBP柏の葉に続く、フィールドフォース6番目の拠点が4月1日、仙台市にオープンする。東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地であることはもちろん、プロ、アマチュアにも強豪チームが多い、東北きっての野球どころ。そんな新たな拠点だが、準備は1年半近く前から進められており…。
構想から1年半
2022年の本社移転とともに、柏市にBP柏の葉が誕生して以来の新規BPとなる、BP仙台。構想自体は以前からあり、プロジェクトのスタートは一昨年、2024年の夏にさかのぼる。
フィールドフォース社長の吉村尚記が振り返る。
「紆余曲折といいますか、仙台と決めた後、割と早い段階でハンコを押す直前までいった物件もあったのですが、契約成立までは行かなかったりして…。かなり多くの候補地を回ったんです」

以前は倉庫であった足立のBP1、2をはじめ、本社社屋のワンフロアを使用する柏の葉以外のBPは、もともとある建物の居抜き物件をリフォームして作り上げている。仙台はそれにこだわらず、あらゆる可能性を探った。
「最初に、うまくいかなかった物件の例もあったので、焦りを感じたこともありましたが、逆に開き直って、ここは妥協せずに、理想的な物件と出会うまで、腰を据えてやろうということにしたんです」
10件以上の候補地や物件を見て回ったが決まらず、ようやく昨年末に出会ったのが今回の予定地だったのだ。「満を持して」と思えるような出会いである。
スタッフ先乗りから半年以上…
BP仙台プロジェクトの責任者であるボールパーク事業部・鈴木崇良のことは当コーナーで以前に少し触れている(⇒こちら)。BP仙台の立ち上げについては、彼抜きでは始まらない。

吉村が振り返る。
「プロジェクト開始の前にも、鈴木から『仙台にBPを作りませんか』という意見は聞いていたんです。彼は2020年入社とまだ若いですが、すでに足立のBP1、2を任せられるまでに成長していました。自分では当初、次は名古屋周辺の中部地方か、大阪周辺の関西か…とイメージしていたんですが、鈴木の話を聞いてピンと来たところもあり、じゃあ東北で行こう、となったんです」
まだ候補地も決まっていなかったが、鈴木は昨年、2025年の6月から仙台に居を移し、仙台スタッフとして働き始めた。学校などを訪問しての「外商」での活躍は上記記事に記した通りだが、それ以外にも、彼の活動は多岐にわたっていた。
外商やスクールでしっかりと根を張り…


鈴木はBP仙台の立ち上げに当たって、手続きのほとんどを任されている。プロジェクトリーダーとはいっても、入社7年目、新規拠点の不動産契約から交渉、居抜き物件とはいえ、改装工事全般のあれこれまですることになるとは、思っていなかったのではないか?
「入社するときは…。そうですね。漠然と『野球に携わる仕事がしたい』という以上のことは考えていませんでしたね」
と鈴木。
「ただ、足立のBPの前任者でもある、先輩の小宅さん(BP福岡立ち上げで同じ仕事に当たった小宅晨哉)から、『いずれはBP立ち上げの仕事もすることになると思うよ』と聞かされてはいたので…」

前述の「外商」以外にも、鈴木は仙台でフィールドフォースが運営するスクール『エースフォー』の仙台校を、市内の施設を間借りする形で立ち上げて運営、週1回の教室を開いている。フィールドフォースは昨年3月、楽天イーグルスアカデミーベースボールスクールとの業務提携契約を結んでいるが、これも鈴木の働きによるところが大きい。
吉村も「仙台に根を張り、着実にフィールドフォースの存在を広く知らせてくれている。頼りになります」と全幅の信頼を寄せている。
準備は万端!


オープンまでの準備期間が長かったことで、すでにスクールが開校しているなど、これまでの各BPオープン時とは違った様相もある、今回のBP仙台。鈴木は、この長かった準備期間が大いに役に立った、と感じている。
「外商で訪れた学校などでは、おおよそ7割くらいの方が、フィールドフォースの存在をすでに知っていてくれました。そういう意味では、初対面でもすんなりと話すことができたというのはありますね」
鈴木はそう振り返る一方で、
「ただ、そうでないときもあります。そんなときも、今度、仙台に室内練習場を作るんですよ──という話題は、会話の取っ掛かりとして役に立ちました」
と笑う。楽天アカデミーとのタイアップについても、
「これまでは先方の屋内練習場で打ち合わせをすることしかできませんでした。いろんなギアを持ち込んでのセッションでしたが、BPが使えるようになれば、荷物を持ち込む手間が省けるし、より多くのギアを試してもらうことができます」
と期待している。半年以上にわたる現地での様々な活動は、
「間違いなく、自分にとってプラスになっています」
と鈴木。これからオープンするボールパークにとっても同様に、これまでの準備期間がプラスに働くことだろう。
これまでのBPとはひと味違う特徴も

さて、そんなBP仙台は、同じ仙台市宮城野区にある楽天モバイル最強パーク宮城から自動車で15分ほどの場所にある。その特徴というと──。
「トレーニング用のスペースをしっかりとっています。各種器具をそろえて、いい感じにトレーニングできそうですよ」
と鈴木。吉村は
「一番広いスペースは、普段はカーテン状のネットで仕切ってバッティングレーンとして使いますが、ダイヤモンドをつくれるラインを引きました。仕切りを全開にすると、ジュニア選手のミニゲームができるくらいの広さがあるんですよ」
と、これまでのボールパークともひと味違う、独自の空間になりそう、とのことだ。
もちろん、「軟式、硬式どちらでもOK」「時間内なら打ち放題(投げ放題)」「フィールドフォース製のマシンや各種ギアを試せる」などのポイントは既存の各BPと同様で、学童選手のためのスクール「エースフォー」もさらに充実してゆくはずだ。
オープン時には各種イベントも企画中とのこと。フィールドフォース6つ目の拠点であり、7つ目のボールパーク。仙台における、野球のランドマークのひとつになることを目指す──。