第45回千葉県スポーツ少年団軟式野球交流大会が、5月14日に開幕した。成田市のナスパスタジアムでの開会式には、各地域代表の63チームが参加(3チームは学校行事で公欠)。その後は県内8会場で、巨大トーナメントの1回戦が行われた。決勝は6月10日を予定、優勝チームは全国切符をかけて7月16日、東京で開催される関東大会へ進む。
雨天の場合は中止が決まっていた開会式だが、5月14日の9時から予定通りに行われた(成田市・ナスパスタジアム)
今夏の夢舞台になるからだろうか。どれも予定調和でなく、主催者の真心や熱意も感じられる、印象深い開会式だった。
お決まりのような長時間の入場行進がなく、参加60チームの選手たちは予めフィールドに整列。そして順番に地域とチーム名をアナウンスされると、先頭の選手がプラカードを高く掲げていく。空はぶ厚い雲に覆われ、直射日光と高い気温を免れたこともあるが、式中に卒倒や体調不良者が出なかったのは、こんな第一声による集中が働いたせいもあるだろう。
「みなさん、元気ですか?!」
千葉県スポーツ少年団の大平仁部長が開式通告で問い掛けると、フィールドの選手たちが口々に「はい!」と答えた。以降も、地元・成田市の小泉一成市長の挨拶や露木循審判委員長の諸注意に対して、選手たちは声に出しての返事で応じる。そのたびに、保護者らで埋まった内野スタンドがにわかに沸いた。
内野は土、外野は天然芝で内野席があるナスパスタジアムは、高校野球の千葉大会やプロ野球の二軍戦も開催される。今夏の全国スポ少交流大会の会場にもなる予定
「今年の夏の全国交流大会は初めて、ここ千葉県で開催されます。この県大会の優勝チームは8チームが参加する東京での関東大会に進み、最後の2チームまで勝ち残ると全国大会に出場です。ぜひ、そこを目指してください」と、大平部長。
また、露木審判委員長は「この大会は交流大会であり、覇権大会ではありません。勝ち負けはありますが、相手への思いやりや野球ができることの感謝も忘れずに、お願いします」と念を押した。
昨年の全国スポ少交流(奈良県開催)に出場した大和田タイガース(八千代市)。昨年からメンバーの6年生、杉山璃空(左)と杉山燎(右)は2年連続出場を期している
学童軟式野球の夢舞台、夏の全国大会は2つある。全国スポーツ少年団軟式野球交流大会(日本スポーツ協会主催)は、全日本学童大会マクドナルド・トーナメント(全軟連主催)より2年早い1979年に始まり、コロナ禍で中止の2020年と21年を含めて第45回を迎える。現在は全国9ブロックの持ち回りで開催されており、関東ブロックが開催地となるのは2005年の栃木県以来18年ぶりで、千葉県は初。
「交流大会」とあるように参加16チームで優勝を決するトーナメント戦以外に、開催地のチームとの交流試合や野球教室などもある。また、4日間の大会期間中は全チームが同宿で、オリエンテーションなどでも親睦を深める。昨年は新型コロナウイルスの感染疑い(発熱)が出るなどして交流戦はすべて中止となり、1チームは準々決勝を前に棄権。団員14人(登録選手)と監督、引率責任者らの交通費と宿泊代が免除されるのも大きな特徴だ。
今夏の開催期間は8月3日から6日で、成田市営大谷津球場がメイン会場になる予定。なお、従来は2枠ある「開催地代表チーム」の決し方は検討中だという。
ナスパスタジアムでのオープニングゲーム、長生ファイターズ対向山ファイターズに先駆けて、県スポーツ少年団の平良清忠副本部長による始球式