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リポート

【関東新人戦➊】1都8県の王者、163選手が茨城・水戸に結集

【関東新人戦➊】1都8県の王者、163選手...

2025.11.23

 ノーブルホームカップ第27回関東学童軟式野球秋季大会は11月22日、茨城県のノーブルホームスタジアム水戸で開幕した。5年生以下の新人戦では、この大会が最高位。まずは出場した1都8県の新人戦チャンピオンと、登録163人の選手たちをトーナメント戦の試合順に紹介しよう。  (写真=鈴木秀樹、大久保克哉) ■出場8チーム メンバー表 ※選手は主将以降、背番号順、丸数字は学年  【神奈川県代表】 しみずがおか 清水ヶ丘ジャイアンツ 初出場 監 督 益留 順一 コーチ 池田慶一郎 コーチ 分目 昭伸 10 松﨑星太朗⑤ 12 小川 逸生⑤ 13 北村嘉太朗⑤ 14 塩田 晃誠⑤ 15 相馬 氷雨⑤ 16 長養 陽輝⑤ 17 田原 皐聖⑤ 18 川崎 晃輔⑤ 20 櫻田 航大⑤ 21 千葉 陽大⑤ 22 田中 健杜⑤ 23 田中 和叶④ 24 菊池 逢礼④ 26 石山航二郎③...

【多賀新人強化大会●代替イベント】球速&快足コンテストで盛況

【多賀新人強化大会●代替イベント】球速&快...

2025.11.18

 滋賀県の名門、多賀少年野球クラブの主催で、2007年にスタートした新チームの試金石。新人強化大会は11月9日に予定されていたが、降雨で中止に。それでも愛知、三重、福井、大阪、岡山、島根と、遠方から強豪7チームが馳せ参じており、多賀町屋内多目的広場で急きょの代替イベントを開催。各チーム2人ずつの代表による、スピードガンコンテストと徒競走で盛り上がった。その模様と結果をリポートしよう。 (動画&写真&文=大久保克哉) RESULTS ■球速コンテスト 第1位=105㎞ きしもと・らいと 岸本來橙 多賀少年野球クラブ [滋賀県/5年/右投] 「練習(※各選手1回のみ)で106㎞を出せて、自己最高記録が2㎞速くなったので良かった。自信はなかったけど、みんなの応援が力に。目標は110㎞。(速い球を投げられる理由は)バネ投げと、平日練習(自由参加)を全部出ているからだと思います」   第2位=104㎞ ふくとみ・そうた 福富蒼大 玉櫛スラッガー [大阪府/5年/右投]   第2位=104㎞ まえだ・ゆきなが 眞江田幸長 大阪オールスターズ [大阪府/5年/右投] ■約30m徒競走決勝 第1位 こばやし・らん 小林...

【栃木新人戦】4年目の青年監督と大躍進!!羽川学童が初タイトルV

【栃木新人戦】4年目の青年監督と大躍進!!...

2025.11.14

 5年生以下の新チームによる栃木県新人戦の決勝は10月18日、芳賀町ひばりが丘公園野球場で行われた。決勝初進出の羽川学童野球部(小山・野木)が大会上位常連の強豪・田沼アスレチックBBC(足利・佐野)を破り初優勝。羽川学童は11月22、23日に茨城県で行われる関東大会に出場する。 (写真&文=鈴木秀樹) ■決勝 ◇10月18日◇ひばりが丘公園野球場 羽川学童野球部(小山・野木) 302100=6 020010=3田沼アスレチックBBC(足利・佐野)【羽】石川、渡辺-渡辺、石川【田】高橋、小島、高橋、小島、須永、小島-正田二塁打/荒井、石川(羽)山田(田) 【評】羽川学童野球部は初回、先頭の渡辺湊斗が内野安打で出塁すると、石川大翔のバントも安打となり好機を広げ、荒井琉翔主将が右中間に2点適時二塁打を放って先制。その後も酒巻樹我、西村燈李、小櫻一真(4年)の連続バントで3点目を奪い、試合の主導権を握った。田沼アスレチックBBCは2回、山田朝陽が二塁打を放つと、高橋龍之介、村田純輝も安打で続き2点を返したが、羽川は3回にも西村、小櫻、生澤塁偉(4年)、さらに舘野琉翔(4年)と、連続バントで2点を奪い、再びリードを広げると、田沼の追撃を許さず逃げ切った。   優勝 =初 はねかわ 羽川学童野球部 (小山市) 親子で楽しみ、ついに県の頂点!!  初優勝! マウンドに駆け寄り喜び合ったあと、試合終了のあいさつを終え、一塁側応援席に向かう羽川学童野球部ナイン。待ち受けていたのは、父母らによる紙テープの嵐だった。 「おめでとう!」  色とりどりの紙テープを手に、はしゃぐ選手たちに向けた祝福の声と笑顔が、応援席にあふれた。 「土日のほかに、水曜と金曜の夕方に2時間、平日練習があるんですが、ウチの父母たちは、本当に参加率が高いんです。練習も、お父さんたちの手助けがなかったら、ここまでの成績は残せなかったかもしれません」   喜び合う選手たちの姿に目を細める酒巻祐樹監督がつぶやく。監督に就任した3年前、わずか7人だった選手数も、今では30人近くに。平日練習も、当初は監督一人で始めたが、徐々に手伝う父親たちが増えていった。 「経験者はもちろんですし、野球未経験のお父さんも、積極的に関わってくれています。練習がすごく効率的に進められるようになったんです」 1回表は石川のバント安打(上)や荒井主将の2点適時二塁打(下)などで3点を先取 上位の長打、下位のバント攻勢  初回に三番・荒井琉翔主将が右中間に鋭いライナー性の先制二塁打。3回の3得点は、4年生が並ぶ下位打線がチャンスで打席に立ち、次々とバントを決めた。そして三たび打順が先頭に返り、攻撃が始まった4回には、一番・渡辺湊斗の内野安打に続いて、二番・石川大翔が左中間二塁打を放って加点してみせた。 長打のある上位打線と、小技をきっちりとこなす下位打線。決勝はどちらも得点に絡む、理想的な攻撃で得点を重ねた。 「バントは(敬愛する小山・間東キッズの)小森正幸監督の直伝です」と酒巻監督。皆が絶妙なコースに、きっちりと転がす技術はさすがだ。 1回には酒巻樹我(上)が3点目につながる送りバントを決め、3回には4年生の小櫻(下)のバントが野選となり4点目を挙げた  投げては、先発の石川大翔から渡辺湊斗へとつなぎ、強打者の多い田沼打線の猛追をしのいでみせた。 「今日はボールが高めに浮くことがなくて、調子良かった」と振り返った石川は、140㎝34㎏と小柄だが、伸びのある力強いボールを投げ込んだ。...

【特別ルポ】都新人戦決勝、両軍にいた“激レア”ヒーロー

【特別ルポ】都新人戦決勝、両軍にいた“激レ...

2025.11.12

 野球もスポーツであり、試合をすれば勝敗は決する。でも、チームに貢献したという意味でのヒーローには、勝者も敗者もないのかもしれない。5年生以下の新チームの東京王座をかけて決勝で対峙した両軍には、大人も6年生も顔負けという感じのヒーローが、それぞれに異彩を放っていた。 (写真&文=大久保克哉) ※決勝戦リポート➡こちら ―Pickup Hero❶― “真のスーパー3年生”現る こうろく・あさひ 高鹿朝陽 [レッドファイヤーズ/三塁手]  レッドファイヤーズの西田繁監督の評価に、偽りはなかった。  「6年生の試合でも活躍できるレベルの3年生」  高鹿朝陽は、都新人戦の決勝も八番・三塁でスタメン出場。そしてあと1球で敗北という土壇場で逆方向へ同点タイムリーを放ち、サヨナラVへとつなげてみせた。 「カウントが3-2だったけど、(満塁なので)甘い球がくると思ってたから、アウトコースに手を出したら当たってくれて良かったです」  6年生どころか、大人でも足が震えるような場面だった。特別延長の7回裏、8対9と1点のビハインド。一死満塁からスクイズ失敗で、アウトの数だけが増えて迎えた打席だった。  ファイヤーズの一塁側ベンチには、まだ出番のない5年生もいたが、指揮官は動く素振りもなし。右打席の3年生もドンと構えてボールを見定め、押し出し狙いのような小賢しい動きを一切しなかった。そして先に追い込まれてから生まれたのが、前述の同点打。打球は緩いライナーとなって、右翼線で弾んだ。  身長は140㎝にも満たないだろうが、胴体も足も声も太い。それでいて動きは滑らかで、三塁守備も安定している。「力が入っていると動けないから、お父さんから『力を抜いて楽にやれ!』と言われているので、力を抜いて楽にしています」  圧巻は6回表、二死二塁からの守備とコメントだった。三遊間のゴロに身体ごと飛び込んでグラブに収めた高鹿は、すぐさま立ち上がって一塁へ送球(=下写真)。  3年生の肩は5年生(打者走者)の足には勝てず、内野安打に。しかし、ヒット性の打球を内野で止めただけでも大いに価値あり。それをまた試合後の3年生が、堂々と語るのだから開いた口がふさがらない。 「あそこはランナー二塁でしたよね。あれをスルーしたら(外野に抜けていたら)、1点入ったかもしれないけど、飛び込んで防げたので良かったです」  そこまで状況を読んでプレーできる小学生は、夏の全国大会の6年生でもそうはいるまい。末恐ろしい3年生は父の厳しい指導も受けているとあってか、勘違いした言動もなく、いたって謙虚。このあたりもまた“真のスーパー”たる一因だ。 「(自分が)すごいとかなしで、5年の代の大会に出てるから、まずチームに迷惑かけないように。バッターではタイムリーを打ったり、守備ではエラーしないように考えています。(関東大会でも)どんな試合でも、強い打球でもノーエラーをすることと、バッティングではヒットを狙うことを考えます」   ―Pickup Hero❷― “真のスーパーサブ”現る いとう・つなぐ...

【都新人戦/決勝】コロナ禍以来の“炎上”。レッドファイヤーズが大逆転サヨナラV

【都新人戦/決勝】コロナ禍以来の“炎上”。...

2025.11.11

 ノーブルホームカップ第27回関東学童秋季大会の予選を兼ねた東京都新人戦は10月12日、板橋区立城北野球場で決勝を行い閉幕。驚異的な粘りで、0対7から特別延長に持ち込んだレッドファイヤーズ(足立区)が、7回逆転サヨナラでレッドサンズ(文京区)を下し、6年ぶり2回目の優勝を果たした。ファイヤーズは来たる22・23日の関東大会(茨城)に出場、2019年の初出場時は3位だった。また、この“レッド対決”の結果を受けて、来年の夏休みにある高野山旗(和歌山)はファイヤーズが、阿波おどりカップ(徳島)はサンズが、それぞれ出場権を得ている。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) ■決勝 ◇10月12日◇城北野球場 レッドサンズ(文京)  2050101=9  0031042x=10 レッドファイヤーズ(足立) 【サ】神谷、竹内、神谷-原川 【フ】篠沢、萩原、井田-上西 本塁打/大森(フ) 三塁打/加藤(サ) 二塁打/大森(フ) 【評】開始早々、三番・齊藤叶翔と六番・山本駿翔のタイムリーで2点先取のサンズが、3回には四球を挟んでの5連打などで7対0と大きくリード。しかし、ここからも激しく試合が動いた。ファイヤーズは3回裏、一死二、三塁から五番・神利玖也と清水優仁(4年)の連続タイムリーで3点を返すと、二番手で登板していた左腕・萩原琉碧が打たせて取って波に乗る。ファイヤーズは4回にも井﨑駈のタイムリーで1点。それでもサンズは5回表、加藤光志朗の適時三塁打で8対4とダメを押したかに見えたが、最終6回裏、ファイヤーズの三番・大森柚季が起死回生の満塁ランニングホームランで8対8に。特別延長の7回表、サンズは犠打と神谷駿の左前打で1点。その裏、ファイヤーズは二死満塁から八番・高鹿朝陽(3年)が右へ同点タイムリー。続く上西翔が放った飛球が中前に落ち、これがサヨナラのV打となった。(了) 〇レッドファイヤーズ・西田繁監督「ウチはこういう大逆転勝ちも、ちょくちょく。先発投手の篠沢は攻略されたけど、その後の2枚が要所を抑えてくれて感謝。大森もホームランとは思わなかったけど、打ってくれると信じていました。強豪のレッドサンズに勝てたのは選手も自信になると思います」 ●レッドサンズ・門田憲治監督「3回裏の3点で相手を開き直させてしまったかな。ウチの投手とすれば打ち取った当たりでも、向こうは良いバッターが多いので外野を下げざるを得なくて、ポテンヒットという不運な感じも。ただ、打線のしぶとさは相手がちょっと上でした。緩いボールを打つことと外野の守備が課題ですね」 1回表、サンズは一死三塁から三番・齊藤の左前打(上)で先制。ファイヤーズの先発・篠沢翼は2回表、本塁ベースカバーで三走をアウトに(下)するなど無失点 3回表、サンズは3連打で満塁とし、山本の中前打(上)でまず2点。さらに門田千資と原川瑛仁(下)のタイムリーに、押し出しで計5点 ファイヤーズは7点差とされた直後の3回裏、神が中前へ2点タイムリー(上)。二番手の萩原(下)は4回から3イニングを1失点に 6回裏、ファイヤーズは萩原と上西のヒットに井﨑駈が四球を選んで(上)二死満塁に。そして大森が左中間へランニングホームラン(下)で8対8に 無死一、二塁で始まる特別延長の7回表、サンズは神谷の左前打で1点。ファイヤーズはその裏、高鹿(3年)と上西(下)の連打で逆転サヨナラ   優勝 =6年ぶり2回目 レッドファイヤーズ...

【神奈川新人戦】主将が投打に大車輪の活躍。清水ヶ丘が初V、関東へ

【神奈川新人戦】主将が投打に大車輪の活躍。...

2025.10.22

 5年生以下で編成する新チームが神奈川No.1を競う、関東秋季大会神奈川大会は9月7日に開幕し、10月5日には横浜市の俣野公園・横浜薬大スタジアムで決勝が行われた。清水ヶ丘ジャイアンツと元宮ファイターズによる横浜勢対決となった決勝は、同点のまま終盤を迎える緊張の展開に。そして5回と6回に加点した清水ヶ丘が制して初優勝を飾り、11月開催の関東キップを手にした。 (写真&文=鈴木秀樹) ■決勝 ◇10月5日◇横浜薬大スタジアム清水ヶ丘ジャイアンツ(横浜) 010021=4 100000=1元宮ファイターズ(横浜)【清】松崎-長養【元】金子、今井-遠藤二塁打/川崎(清) 【評】1回裏、元宮は先頭の角田優翔が右前打で出塁、続く石井結心主将がたたきつけて角田が三塁に進み、山下櫻祐の適時打で先制。なおも好機は続いたが後続が倒れ、追加点は奪えず。すると直後の2回表、清水ヶ丘は川崎晃輔の左越え二塁打から好機を得て1点を奪い、同点に。中盤は両軍ともあと1本が出ずホームが遠かったが、清水ヶ丘は5回、内野ゴロ敵失を足掛かりに、野選と内野ゴロの間に勝ち越しの1点を奪うと、松崎星太朗主将の中前適時打でもう1点。6回にも川崎の安打と田中健杜の適時打で1点を加え、元宮の反撃を許さず、大会初優勝を果たした。 優勝 =初 しみずがおか 清水ヶ丘ジャイアンツ [横浜市] 強豪ひしめくハマの王者。いざ関東へ  64球で6回完投。「フォアボールを出さないよう、コントロールには気をつけて投げました」という清水ヶ丘ジャイアンツのエース左腕・松崎星太朗主将が、マウンド上で大きくガッツポーズをした。  142㎝、34㎏。小柄だが、闘志と躍動感にあふれる投球で、元宮ファイターズ打線を封じた。打っても3打数2安打と、同じく2安打の六番打者、川崎晃輔とともに打線をけん引、八面六臂の活躍だった。 「バッティングも好きだけど、今はピッチングが楽しいです。三振とったときとか気持ちいいし、一番好きなのは、自分が試合の最後を締めくくれるところです」と松崎主将。決勝はその言葉どおりに、最初から最後まできっちりと投げ切り、充実の表情で金メダルを手にした。  力投のエースを支えたのは、好守備を連発した野手陣だ。  初回一死、先制点を奪われた直後に挟殺プレーでの失策はあったものの、その後はノーミス。立て続けのライナー性の打球を、レフトの田中健杜とライトの相馬氷雨がそれぞれ好捕してピンチを脱し、4回裏二死二、三塁のピンチも堅守で切り抜けた。 2回表、川崎の二塁打(上)から同点に。5回表は無死一、三塁から内野ゴロで三走・相馬が生還(下)  5回には敵失から好機を得ると、内野ゴロの間に勝ち越しのホームを陥れ、松崎主将が鮮やかに中前にはじき返してもう1点。6回にも安打の川崎を田中が適時打でかえして追加点を挙げ、勝利を引き寄せた。 この大会での清水ヶ丘の最高成績は、1年前の県4強だった。「昨年、4年生大会で県大会準優勝はしてるんです。実力的には、まずまずという手応えはあったんですよね」と益留順一監督。県新人王とチーム史を一気に塗り替えた要因については「打つほうはどうしても波があります。守備がしっかりできれば、勝負にはなると思っていたんですが、なかなか…。でも、外野の守備などは良くなったと思います」と話した。 6回表一死三塁、田中健杜のテキサス安打(上)が4点目の適時打に。写真下は表彰式  4年生大会の決勝で敗れたのは、全国区の強豪・平戸イーグルス。同じ横浜市のチームだ。「そうなんです。平戸さん、戸塚アイアンボンドスさん、今日戦った元宮さんもそう。とにかくまず、横浜で勝たないことには…」と益留監督。「まずは、守備をもっと進化させないとですね」と、その目はすでに、これから先を見据えている。 まずは、11月の関東大会。松崎主将は「関東大会でも完投できるように頑張ります」と気合満点で、「オフの間もいつも以上に練習して、打たれないピッチャーになりたい」と、全国大会を目指す来季にも目を向けている。   準優勝 もとみや 元宮ファイターズ [横浜市] 堅守と機動力の古豪健在...

【埼玉新人戦】夏に全国1勝の西埼玉、新チームも県王者に

【埼玉新人戦】夏に全国1勝の西埼玉、新チー...

2025.10.08

 西埼玉、関東大会へ──。5年生以下の新チームで戦う、ノーブルホームカップ第27回関東学童軟式野球秋季大会の埼玉県予選大会は9月13日に開幕。地区代表40チームが参加し、県内の各球場で熱戦が繰り広げられ、同21日には県営大宮公園野球場で準決勝と決勝が行われた。決勝では西埼玉少年野球(飯能)が熊谷ウイングス(熊谷)を下し、2年ぶり3回目の優勝を決めた。西埼玉は11月22、23日に水戸市で行われる関東大会に出場する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■決勝 ◇9月21日◇大宮公園野球場 ▽第3試合 熊谷ウイングス(熊谷) 016101=9 34301 X=11西埼玉少年野球(飯能)【熊】荒木、江黒、橋本-須藤【西】武内、渡辺、鈴木、渡辺、武内-横田来、清水本塁打/武内(西)三塁打/須藤、沼上、秋庭(熊)武内、清水、中村(西)二塁打/橋本、江黒(熊)清水、荒井(西) 【評】1回裏、西埼玉は先頭の清水洋が右越え二塁打を放つと、次打者の内野ゴロが敵失を誘い無死一、三塁。盗塁で二、三塁とし、三番・武内瑛汰主将が左中間を破る三塁打を放ち2点を先制。さらに會田健真の犠飛で3点目を挙げた。西埼玉は2回にも清水、荒井若獅の連打、中村湊の左中間三塁打などで4得点。追う熊谷は2回表に1点を返すと、3回には一死から須藤旭が右越え三塁打、四番・秋庭真博の申告敬遠に続き大谷夏輝、江黒隼が連続適時打、さらに一死満塁から沼上晴雅が走者一掃の左越え三塁打を放つなど、打者一巡の猛攻で一挙6点を挙げて試合を振り出しに。それでも、西埼玉は直後の3回裏に清水、荒井の連打に続き武内主将が左越えの3ラン本塁打を放って再び熊谷を突き放し、5回にも1点を追加、追撃する熊谷を振り切って2年ぶりの優勝を決めた。(了)   優勝 =2年ぶり3回目 にしさいたま 西埼玉少年野球 [飯能市] 全国経験組を中心に攻守充実  最終日の午前中、準決勝の第1試合でレッドファイターズ(春日部)に5対2で勝利し、11対0で決着した、熊谷と上藤沢ライオンズ(入間)との第2試合を見ていた西埼玉・綿貫康監督がつぶやいた。「熊谷さんは打ちますねぇ…」 ただでさえ、投手のやりくりを考えると、点の取り合いになりやすい、ダブルヘッダーの2試合目。試合は予想通りの打撃戦となった。 注目の初回、先発の武内瑛汰主将が熊谷打線をゼロで抑えた西埼玉が、その裏に先制。2回表には、熊谷に1点を返され、なお一死二、三塁と同点のピンチを迎えたが、武内主将が三振で2つ目のアウトを奪うと、次打者の放った、抜ければ同点という飛球を、中堅手の鈴木聖絆が「微妙と思ったけど、思い切って行きました」と飛び込んでキャッチ。「突っ込んでいってよかった!」と窮地を脱したのだった。 2回表二死二、三塁、抜ければ同点の当たりを中堅手の鈴木(手前)が好捕(上)。その裏、一死一、二塁から中村が左中間に2点三塁打(下)     2回裏、西埼玉はさらに4点を追加。完全に西埼玉の流れと思われたが、3回表にまさかの6失点で同点に。「あの(2回までの)リードで“勝った”とは、思っていませんでしたよ」という西埼玉・綿貫監督の言葉通りの展開となった。  それでも、「ウチもみんな、よく振ってきましたから。3週間ごとに、バットのグリップを巻き替えなきゃいけないくらいには、やってきた。選手たちも、打ち負けない自信はあったんじゃないでしょうか」──。 試合を決めたのは、準決勝でも2本の本塁打を放ってチームを勝利に導いた、武内主将のひと振りだった。3回裏無死、清水洋、荒井若獅の連打に続き、相手左翼手の頭上を大きく越える3点本塁打。「ホームランを狙っていたわけじゃないけど、必ず走者をかえすつもりで、責任感を持って打席に入りました」とニッコリ笑った。 3回裏一死、清水が3安打目の右前打(上)。その裏一死一塁から荒井が左前打(下)  綿貫監督が「とにかく、優しい子。自分が投げているときに味方がエラーしても、まったく嫌な顔をせず、必ず『気にするな』と声を掛ける。周りのみんなが“彼のためなら”と思ってくれるような、そんな選手なんです」と評する好漢。「そのおかげで、チームワークもすごくいい」 最終6回表、1点を返され、なおも二死三塁。4回途中から渡辺桜生、鈴木、再び渡辺とつないできたマウンドに再び上がり、内野ゴロで試合を締めくくった武内主将の周りに、西埼玉ナインがワッと集まった。飛び跳ねて優勝を喜び合う西埼玉ナイン。一番の笑顔を見せているのは、その真ん中にいるキャプテン自身だった。 3回裏、竹内主将が左越え3ラン(上)。ダイヤモンド一周後も笑顔が弾ける(下)  今夏には、6年生中心のチームで、全日本学童マクドナルド・トーナメントに初出場を果たした西埼玉。2回戦で戦いを終えた全国大会では、9人の5年生もベンチ入りしていた。  その中で、武内主将は2試合ともに途中出場していた。上位進出を期待されながら、2戦目で涙をのんだ大舞台の戦いを、こう振り返る。「6年生の先輩たちの強さは、自分も一緒に戦っていたから、分かっていたつもりだったんですけど…それでも、負けてしまった。一つのアウトの大切さっていうか、たとえば2アウト目をとっても、少しの瞬間も油断しちゃいけないんだ、ということを学んだ気がするんです」...

【都新人戦2・3回戦】ベスト8出そろう。4年秋の王者は涙

【都新人戦2・3回戦】ベスト8出そろう。4...

2025.10.03

 東京都新人戦は9月27、28日、荒川戸田橋野球場で2、3回戦を行い、ベスト8が決まった。2回戦では、江戸川勢の葛西ファイターズB、江戸川ジュニアリバーズ、下鎌田イーグルスと、世田谷勢の用賀ベアーズ、世田谷成城ジュニアーズ、船橋フェニックスがそろって勝利。3回戦では、深川ジャイアンツ(江東)が昨年のジュニアマック(4年生都大会)王者の用賀ベアーズに逆転勝ち。レッドファイヤーズ(足立)、不動パイレーツ(目黒)、レッドサンズ(文京)ら有力チームも8強入りした。準々決勝は10月4日、準決勝は翌5日に予定。2回戦で国立ヤングスワローズB(国立)を破るなど躍進中の豊島ブレイズ(豊島)は、大会2連覇中の船橋と準々決勝で激突する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はランニング。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら) ■3回戦 ◇9月28日▽D面第1試合 深川G歓喜!用賀との激戦制す 用賀ベアーズ(世田谷) 2021030=8 2020041x=9深川ジャイアンツ(江東)※タイブレーク7回  深川ジャイアンツが最終6回に4点差を追いつき、タイブレークの末に4年生王者の用賀ベアーズを下した。  用賀が1回表、一番・藤熊恭士の安打に続き、岡田大和の2ラン本塁打で先制も、その裏、深川が植田爽太の内野安打と四球を足掛かりに、寺門大地のスクイズと、3年生ながら五番に座る内木謙斗の適時二塁打で同点に。3回にも用賀が藤熊、岡田の連打から2点を奪ったが、その裏に深川が寺門、内木、樋口睦人の連打などで追いついた。  用賀は4回に平尾大地の右二塁打と早川和輝の安打、大村駿太主将の犠飛で1点、6回にも敵失と四球で得た好機に藤熊と岡田が連続適時打を放ち3点を加え、得点差を4に広げたが、深川は最終6回裏に樋口、野崎健太、遠藤栄翔、狩野遥生の連打で猛追、「考えすぎると楽に打てないので、何も考えずに打席に入りました」という大貫航太郎の2点適時打で同点に追いついた。  勝負は無死一、二塁のタイブレークへ。表の用賀の攻撃を失策で無死満塁とされながらも、ゼロで切り抜けた深川は、その裏、敵失で二塁走者の大貫がホームを駆け抜け、うれしい逆転勝ちで8強入りを決めた。 「何といっても、相手は用賀さん。必死です。最終回には、点差があったのでとにかく『打て、打て』と」と深川・寺門宏監督。「きょうの最終回は、見本のような“つなぐ野球”をしてくれましたね。運もありましたが、選手たちのおかげです」。  タイブレーク7回表、二死満塁から内外野の間に上がった難しい飛球を「グラブ任せに、手を伸ばしたら捕れました!」と喜ぶ佐藤輝陽主将は「チーム一丸の勝利です」と声を張り上げた。 茫然のジュニアマック王者  4点差を追いつかれ、敗れた用賀ナインはぼう然。まさかの逆転劇に、応援席も静まり返った。  村上太郎監督の落ち込みも激しく、「気持ちで負けてしまったのかなあ…。やっぱりミスが出るとなあ…。でも、選手は責められないよなあ…。深ジャンさんはよく鍛えられているなあ……」と反省の弁が止まらない。それでも切り替えて、「これも経験。来年の飛躍に向けての試練と、プラスに捉えます。うん。まずは、これから地元で始まる城南カップから、しっかり戦っていきます」と前を向いた。  敗れはしたが、こちらも投手力、守備力、打力のいずれも高く、世代上位の実力は間違いない。敗戦の悔しさを糧に、今後の躍進に期待したい。   ■2&3回戦 新打線機能!ヤングパワーズが快進撃 ◆2回戦 ◇9月27日▽D面第2試合ヤングパワーズ(墨田) 00272=11 30401=8調布ファイターズ(調布)※5回時間切れ ◆3回戦 ◇9月28日▽F面第1試合ヤングパワーズ 14035=13 00000=0町田玉川(町田)※5回コールド  ヤングパワーズ(墨田)の勢いが止まらない。  西砂ベアーズ(立川)との初戦を9対1で勝ち上がると、2回戦では調布ファイターズ(調布)、3回戦では町田玉川(町田)と、都大会常連の強豪を立て続けに2ケタ得点で破り、8強に名乗りを上げた。...

【都新人戦】関東キップをかけ、62チームの熱戦に火ぶた

【都新人戦】関東キップをかけ、62チームの...

2025.09.27

 5年生以下の新チームで東京No.1を競う、東京新聞杯争奪第43回東京都学童軟式野球大会新人戦が9月23日、板橋区の荒川戸田橋野球場で開幕した。この大会はノーブルホームカップ第27回関東学童軟式野球秋季大会の予選も兼ねるほか、来年夏の高野山旗(和歌山)は優勝チーム、阿波おどりカップ(徳島)は準優勝チームが出場権を得る。各支部代表62チーム参加の開会式の後、1回戦30試合が行われた。 (写真&文=鈴木秀樹) 最後まであきらめず全力で戦います!  午前8時45分からは、都内各支部代表の62チームが集結し、開会式が行われた。入場行進を行い、ダイヤモンドを埋め尽くすように整列した約1000人の選手らは、新チームで臨む初めての都大会に、緊張の面持ち。  前年優勝の旗の台クラブ(品川)・五十嵐暖人主将から優勝旗、永井滉人選手から優勝杯がそれぞれ返還された。そして昭島ヤングライオンズ(昭島)の鷹取都和主将が選手宣誓。「監督、コーチ、お父さん、お母さんに支えられ、仲間たちと一緒に頑張ってきました。この大会では最後まであきらめず、全力で戦うことを誓います」と、元気よく言葉を発した。 不動、レッドなど初戦突破  開会式に続いて1回戦30試合が行われ、都大会常連の不動パイレーツ(目黒)は稲城ブラッキーズ(稲城)に10対0で勝利、レッドサンズ(文京)はいちがやチーターズ(新宿)に22対3で快勝した。一方、連覇がかかる旗の台クラブは、清瀬レッドライオンズ(清瀬)とタイブレークにもつれた接戦の末に辛勝。昨年の4年生大会、マクドナルド・ジュニアチャンピオンシップで準優勝の高輪クラブ(港)は、10対9の逆転サヨナラで花小金井サイドワインダーズ(小平)を下した。 27日には2回戦16試合、28日には3回戦8試合が行われる。決勝は10月12日、板橋区の城北野球場を予定。   ■1回戦 ※スコアは編集部。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら) ◇9月23日▽5面第3試合 清瀬、旗の台を追い詰めるも惜敗 旗の台クラブ(品川) 03314=11 04030=7清瀬レッドライオンズ(清瀬)※タイブレーク5回  ここでは伏兵といっていい清瀬レッドライオンズが、前年王者の旗の台クラブを驚異の追い上げで追い詰めたが、タイブレークの末に金星を逃した。 2回表に旗の台が先制。先頭の五番・中澤福丸が安打で出塁すると、為谷海渡の適時三塁打で先制し、福田光成、佐々木稜也の連打でさらに2点を追加した。清瀬はその裏、連続四球を足掛かりに、森下恭介の2点適時二塁打などで4点を奪い逆転。しかし、直後の3回表、3失点で旗の台に再逆転を許すと、4回にも1点を奪われ、4対7とリードを広げられた。 それでも、粘る清瀬は、90分の時間制限が迫った4回裏、石井大登主将、青木友愛の連打に敵失が加わり1点を返すと、さらに二死一、三塁から佳賀匡祐が右中間に2点二塁打を放ち、土壇場で同点に追いついた。 この時点で90分を過ぎており、勝負は無死一、二塁開始のタイブレークへ。延長5回表、旗の台に4点を許した清瀬は、その裏の攻撃を無得点で終え、接戦を落とした。 無念の惜敗に「よく頑張ってくれたんですけどねぇ」と天を仰いだ清瀬・坂本直樹監督は、「ただ、ここまで戦えることが分かったのは収穫。課題は守備、走塁とはっきりした。来年に向けて、良いに経験になりました」と気持ちを新たにしていた。石井主将は「もともとみんな、バッティングが良いので、力は出せたと思います。来年に向けて、もっと守備を鍛えないといけないと思いました」と、こちらも6年生に上がる、来年の飛躍を期していた。   ◇9月23日▽6面第3試合 高円寺が好発進!いつか茎崎Fと! 府ロクスポーツ少年団野球部(府中) 0001=1 6401x=11高円寺メイトA(杉並)※4回コールド  初回の攻防が勝負を分け、気づけば大差のコールドゲームとなった。「めっちゃ緊張しました。ドキドキで」 高円寺の先発マウンドに上がった田中瑛主将が振り返る。 1回表の守りを、2つの内野フライと、1つの外野フライでゼロに抑えた高円寺は、その裏、先頭の田中主将が右前打で出塁すると、二番の奥村友英も左前打。さらに四球、篠原瑛太の内野安打と続き、打者一巡で一挙6点を先取した。田中主将は「みんなが守ってくれて、その裏に点を取ることができた。みんな打てていたので、あれで落ち着いたかなという感じです」と、仲間に感謝した。  2回にも4点を加えた高円寺は、4回表に1点を許したものの、その裏に1点を挙げたところで「4回10点差」のコールド試合が成立、快勝で初戦を突破した。田中主将は「すごくうれしいです!」と笑顔を見せ、「次は強敵なので、それに向けて練習しないと」と、旗の台クラブとの対戦が決まった2回戦に向けて、切り替えていた。 田中主将の父で、背番号28を背負う田中晋輔コーチは茨城県出身で、関東を代表する全国大会常連の茨城・茎崎ファイターズを率いる吉田祐司監督とは幼なじみ。竜ケ崎一高では、ともに甲子園で戦ったチームメートでもあり、いまも連絡を取り合う仲という。「茎崎は全国クラスの強豪ですが、いつか戦えたらなあ、と思っているんですよ」と話していた。

【都学童王座決定戦】2025東京無双の不動が三冠達成、全国の無念も晴らす

【都学童王座決定戦】2025東京無双の不動...

2025.09.24

 全日本学童マクドナルド・トーナメント東京予選と、都知事杯フィールドフォース・トーナメントの上位チームが集い、あらためて頂上を競う「東京都スポーツ文化事業団理事長杯駒沢ジュニアベースボール大会 第17回東京都学童王座決定戦」は8月24、30、31日に東京都世田谷区の駒沢硬式野球場で行われた。決勝では大会3連覇のかかる不動パイレーツ(目黒)と国立ヤングスワローズA(国立)が激突。最終回の大逆転劇で不動が勝利を収め、3年連続6回目の優勝を果たした。 (写真=大久保克哉/文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はランニング ■決勝 ◇8月31日◇駒沢硬式野球場 不動パイレーツ 000103=4 020000=2国立ヤングスワローズA 【不】山田、木戸-岡本、山田【国】山崎、谷津、宮下瞬-濱田三塁打/田中、山田、茂庭(不)吉川(国) 【評】国立は2回、先頭の四番・吉川陽壱主将が右翼線を破る三塁打を放つと、続く清水升爲のスクイズで先制、さらにこの打球が悪送球を誘い、清水も二塁へ。その後一死三塁とし、濱田藍のスクイズで2点目を奪った。追う不動は4回、四球の寺田悠人を一塁に置き、四番・山田理聖が右翼線を破る適時打。しかし、三塁を回った山田が走塁死し、追加点はならず。しかし、不動は1対2で迎えた最終6回表、竹中崇と山田の連打に四球が加わり、茂庭大地、北條佑樹がバントを決めるなど、機動力も絡めて3点を奪い逆転、その裏の国立の攻撃をゼロで抑え、厳しい戦いを制し、都大会3冠を達成した。   優勝:不動パイレーツ 打線は爆発せずとも、巧みに攻め勝つ“不動流”  初回に先頭の田中璃空主将が中越え三塁打を放つ(=下写真㊤)も、次打者の投ゴロでホームを狙い走塁死(=下写真㊦)。2回にも先頭の山田理聖が安打で出塁したが、二死二塁からの遊飛で帰塁できず、併殺で攻撃終了となった。  1度ならず2度までも、先制の好機を生かせず、わずか半月前の全国大会での悔しい敗戦から立ち直れていないのか──とも思わせた不動パイレーツだったが、そうではなかった。 「すぐに切り替えて、この駒沢王座で優勝し、都大会3冠を達成することが、本当の自分たちの強さを示す唯一の道だと、選手たちと話し合ったんです」と田中和彦監督。  優勝することになる長曽根ストロングス(大阪)に敗れた全国大会3回戦は、いわば“相撲に勝って勝負に負けた”試合内容。しかし、ここまで、内容でも結果でも勝ちにこだわることで進化してきた、今年の不動だけに、ここでは何としても結果を出したい。序盤のちぐはぐな攻撃は、いわば気合が入りすぎたゆえの空回りだったということなのだろう。 決勝はスピードのある山田が先発のマウンドに  相手は国立ヤングスワローズ。全日本学童予選では準々決勝でぶつかり、最終回に逆転し、なんとか勝利を収めた強敵だ。田中監督が付け加える。 「ピッチャーの山崎(央月)君をはじめ、国立さんの選手たちも、以前戦ったときと比べても、ものすごく力をつけているのが分かります。その状況下でも勝ち切ることが、自分たちの力を証明するためには必要なんだ、と話したんですよ」 こだわってきた、勝つためのスタイル  序盤に許した2点が重くのしかかる展開の中、反撃は4回の1点にとどまっていたが、最終6回、ついに不動打線が本来の力を発揮した。この回は長打こそなかったものの、単打とバント、四球に足を絡めて3得点。4つの盗塁のうち、2つは三盗だ。  相手のスキを突く盗塁で流れをぐっと引き寄せて畳みかける、年明け以降、不動がこだわってきた「負けない」ための気持ちの強さが前面に出た逆転劇だった。  3回からは木戸恵悟がマウンドに上がった 「全国大会は、4回時間切れで負けたんですよね。選手たちには『あの悔しさを思い出せ』と。あのときは5回、6回、戦うことすらできなかったんだぞ、と。今日は6回までできるんだ、ここで逆転しないでどうする、そんな言葉を掛け続けて、選手たちがそれに応えてくれたんですよ」  そう話す田中監督も笑顔だ。「これからは、受験でチームを抜ける選手も出てくる。このメンバーで戦えるのもわずかなんだから、楽しんで来い、とも言ったんです。彼らにとって、良い思い出になってくれたらいいんですが」。 6回表には竹中と山田㊤の連打で、竹中が同点のホームを踏んだ㊦...

【全日本学童茨城大会/決勝】茎崎、ほぼ満点!3年連続12回目V

【全日本学童茨城大会/決勝】茎崎、ほぼ満点...

2025.08.07

 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント茨城県大会は、茎崎ファイターズ(土浦市)の3年連続12回目の優勝で閉幕した。楠クラブスポーツ少年団(結城市)との決勝は8対0の5回コールド。2ケタ安打に被安打2の無失策と、ほぼ満点に近い内容だった。その絶対的な王者へも好戦的なスタイルを貫いた楠も、無失策など特質すべきチームだった。茎崎は11日開幕の全国大会に出場するが、準Vの楠もその後の予選を突破し、本日8日開幕のスポーツ少年団の全国大会(エンジョイ!野球フェスティバル)に初登場する。 (写真&文=大久保克哉) ※全国展望チーム紹介「茎崎ファイターズ」➡こちら 優勝 =3年連続12回目 くきざき 茎崎ファイターズ [土浦市]   準優勝 くすのき 楠クラブスポーツ少年団 [結城市]   ■決勝 ◇6月22日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 ▽第2試合 楠クラブスポーツ少年団(結城)  00000=0  3221 X=8 茎崎ファイターズ(土浦) ※5回コールド 【楠】直井大、三宅-阿部孝 【茎】百村、石塚-佐々木 本塁打/佐々木(茎)...

【全日本学童茨城大会/3位決定戦・写真ダイジェスト】2時間超の乱戦、諸川が8回でケリ

【全日本学童茨城大会/3位決定戦・写真ダイ...

2025.08.06

 第45回全日本学童マクドナルド・トーナメント茨城大会は、6月22日にノールブルホームスタジアム水戸で3位決定戦と決勝を行い閉幕。諸川ファイターズ(古河)と、嘉田生野球スポーツ少年団(筑西)による3位決定戦は後半から大きくもつれ、特別延長の8回で決着するまでに約2時間半。3位表彰と決勝戦がすぐに始まり、試合後の取材ができなかったことから、戦評と写真ダイジェストをお届けする。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部 ※※決勝戦リポートは近日中に掲載します 第3位 もろかわ 諸川ファイターズ [古河市] ※県代表として出場した8月2・3日の関東学童で優勝   ■3位決定戦 ◇6月22日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 ▽第1試合 諸川ファイターズ(古河)  00021028=8  00010221=4 嘉田生野球スポーツ少年団(筑西) ※特別延長8回 【諸】真船、白石、樫村-白石、樫村、白石 【嘉】坂本、根本、坂本、国府田-山中 本塁打/宮崎(諸) 三塁打/白石、小又渓(諸) 二塁打/小倉、宮崎(諸) 【評】8時20分過ぎに始まった試合は、前半戦の3回を消化するのに30分とかからず。嘉田生野球スポーツ少年団は左腕の坂本繋心が、諸川ファイターズは右腕の真船睦巳が、それぞれ粘り強く投げ合った。  3回までに生まれたクリーンヒットは、嘉田生の五番・山中隆惺の左前打1本のみで、双方とも野手はノーエラー。諸川は二塁を守る樫村晃太郎主将が、内外野へ盛んに指示を出しながら守備を統率する。一方の嘉田生は5年生コンビの二遊間、田中明日斗と橋本大輝の適切な判断と堅実性が光っていた。...

【全日本学童千葉大会/決勝】15得点&完封。豊上の牙城揺るがず6度目V

【全日本学童千葉大会/決勝】15得点&完封...

2025.08.04

 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント千葉県予選大会は、豊上ジュニアーズ(柏)の2年連続6回目の優勝で閉幕した。匝瑳東ベースボールクラブ(東総)との決勝は、18安打2本塁打の15得点に完封で4回途中で終了。王者の牙城は極めて堅固であった一方、初のファイナルまで躍進してきた匝瑳東も毎回安打で守ってはノーエラーを貫いた。戦評に続いて、ヒーローと敗軍の横顔をお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※全国展望チーム紹介「豊上ジュニアーズ」➡こちら 優勝 =2年連続6回目 とよがみ 豊上ジュニアーズ [柏市]   準優勝 そうさひがし 匝瑳東ベースボールクラブ [東総/匝瑳市]   ■決勝 ◇6月21日 ◇国府台スタジアム 匝瑳東ベースボールクラブ(東総)  0000=0  0681=15 豊上ジュニアーズ(柏) ※4回裏途中、時間切れ 【匝】宮内勇、丸山駿、鶴岡ー伊藤龍、宮内勇 【豊】山﨑、中尾-神林 本塁打/中尾、村田(豊) 三塁打/後山、矢島、福井、中尾(豊)...

【東京都女子学童エリエールT/決勝】江東、コールド勝ちで初優勝!

【東京都女子学童エリエールT/決勝】江東、...

2025.07.30

 東京都知事杯第14回東京都女子学童軟式野球大会エリエール・トーナメントは7月13日、奥戸総合スポーツセンター野球場(奥戸野球場)で決勝が行われ、オール江東女子がオール葛飾アイリスを破り、大会初制覇を果たした。葛飾と江東はともに、8月14日から岡山県で行われるNPBガールズトーナメント2025への出場が決まっている。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部   ■決勝 ◇奥戸総合スポーツセンター野球場オール葛飾アイリス 1000=1 146x=11オール江東女子※4回コールド【葛】橋本、米山、橋本-嵯峨【江】小林-高澤三塁打/橋本(葛)二塁打/米山(葛) 序盤の攻防が流れを左右  あるいは、まったく逆の結果もありえたのかもしれない。 序盤の攻防が明暗を分けた。 1回表、オール葛飾アイリスは先頭の秋山莉花が四球で出塁する。一死後に三番・橋本珠莉が右中間を破る長打を放ったが、一気に本塁を狙うもタッチアウト(=下写真)。先制したものの、追加点は奪えなかった。  その裏、オール江東女子は先頭の佐藤紫が右前打を放つと、その後は四球、三振、四球、三振。二死満塁で迎えた六番・高澤はるか主将がカウント2-2から粘って四球を選び、同点とした(=下写真)。しかし、その後は続かず3者残塁と、こちらも同点どまりだった。  2回、葛飾は先頭の五番・米山愛莉が右中間二塁打。四球と盗塁で一死二、三塁としたが、あと1本が出ず、無得点に終わった。一方の江東は、その裏に好機をものにした。簡単に二死となって打順が先頭に返ると、佐藤の内野安打を足掛かりに力石果穂、小林咲葵、清水せいら、石坂樹苺まで5連打(=下写真㊤㊦)。さらに敵失も加わり、この回4点を勝ち越すことに成功した。  3回にも二死満塁のピンチをゼロでしのいだ江東は、その裏、安打はすべてシングルながら、打者11人の猛攻(=下写真)で6点を加え試合の大勢を決する。回を追って調子を上げてきたエース・小林は、投ゴロ、三振、三振で締め、4回10点差のコールド決着となった。   ―優勝― オール江東女子 [江東区] 監督だけがガチガチ 「とにかく、選手の家族の一体感や、選手たちが普段プレーする地元チームの協力がすごいんです」 長江彰孝監督の言葉を裏付けるかのような大きな歓声が、三塁側応援席を包んだ。応援席を埋め尽くした、選手の父母や祖父母、深川レッドソックスやニュー愛宕といった、地元チームの仲間たちによるものだ。「僕はもう、昨日の晩からソワソワしちゃって、きょうも6時過ぎに、会場一番乗りですよ」 指揮官の興奮は冷めやらない。「でも、選手たちは思った以上に、いつもどおりで。こんなに良い球場で試合なんて、ふつう緊張するものだと思うんですが、ウチの選手は、グラウンドに入ると、普段どおりに鬼ごっこはするわ、芝生で寝転ぶわで…。僕ひとりが、緊張でガチガチでしたね」 それは試合中も変わらなかった。「僕はずっと、最悪のケースを想定していました。2アウトからのチャンスでは、ここで終わってしまったら、とか、相手のチャンスでは、ここで打たれてしまったら、とか…。走塁ミスなどもありましたが、選手たちはそれを引きずることもなく。すべてが良い方に出たんです」  そうなのだ。この日のオール江東は、驚くほどに泰然としたプレーで、試合を支配していた。面白いように打線がつながり、大量のリードを手にしてからは、なおさらだ。「試合の前、ブルペンではよくなかったんです」とは完投勝利の小林。「でも、みんなが点を取ってくれて、最近は打ててなかったんだけど、自分もヒットを打つことができて、それでピッチングも良くなってきて…」 もちろん、それらが偶然の連続なのかといえば、そうではない。 2回の大量得点のきっかけは、前日に練習したプレーからだった。「ランエンドヒットですね。『やることがあるかもしれないぞ』って言って、昨日、練習したんですよね。そしたら、あの場面でうまくいった」 この試合で、オール江東打線が放った11安打は、すべて単打。 「大きい当たりは出なくても、みんなでつないで、走って。それがオール江東の野球です。あと、みんな笑顔で、野球を楽しむこと」と高澤主将。「優勝までは考えていなかったけど、この大会では厳しい試合も勝って、自信をつけることができました」 東京代表として、全国の舞台へ。長江監督が表情を引き締めた。「今年は守って打てる、そんな選手がそろったチームではあるんです。なんとか初戦を勝ちたい。そうすれば…」 真夏の大舞台に思いをはせる指揮官に、すっかり昼食モードの選手たちが声をかけた。「監督、きょうは泣かないんですかー!?」   ―準優勝― オール葛飾アイリス [葛飾区] NPBガールズで雪辱だ!!  準決勝で快投を見せ、チームを全国大会出場に導いたオール葛飾アイリスのエース・橋本が、この日はコントロールに泣いた。 紙一重だった。1回二死、あと1つストライクが入っていれば…。もちろん、この場面は江東の打者・高澤主将の粘り勝ちではあったのだが、あまりに大きい1球だった。 攻撃面もしかり、だ。二死からの得点で波に乗った相手に対し、葛飾はあと1本が出ず、徐々に元気もなくなっていった。積極的な打撃も裏目に出る形で、序盤は制球に苦しんでいた相手投手の立ち直りをアシストする結果にもなってしまったのだった。「いや、きょうは力負けですよ。結果的に、手も足も出なかった」 葛飾・西村光輝監督は選手同士も仲の良い、江東の選手らを笑顔で祝福した。  その一方で、ここまで大量得点で勝ち上がってきた葛飾だけに、きっかけさえあれば、打線は爆発していたはず。やはり、好機で1本出ていれば…の思いは強かったようで、あらためて「これが野球なんですよね…」とかみしめるようにつぶやいた。 しかし、悔やんでいる暇はない。こちらも全国大会出場は決めているのだ。「もちろんです。むしろ、これからですからね」 8月の岡山では、ひと回り成長したチームの姿を見ることができそうだ。...

【全日本学童東京大会/決勝】1047チームの王者は不動!!越中島と堂々のバトル

【全日本学童東京大会/決勝】1047チーム...

2025.07.26

 東京1047チームの王者を決するファイナル。第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの予選会決勝は、逆転また逆転のバトルの末、不動パイレーツ(目黒)が越中島ブレーブス(江東)を破り、4年ぶり3回目の優勝を果たした。全国大会は8月11日に新潟県で開幕し、競技は翌12日に始まる。東京第1代表の不動は1回戦第2試合で、宮古ヤングパワーズ(岩手)と対戦。第2代表の越中島は1回戦シードで、2回戦の第2試合から登場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※全国展望チーム紹介「越中島ブレーブス」➡こちら ※※※全国展望チーム紹介「不動パイレーツ」は追って掲載します 優勝 =4年ぶり3回目 ふどう 不動パイレーツ [目黒区]     準優勝 えっちゅうじま 越中島ブレーブス [江東区]   ■決勝 ◇府中市民球場 ◇第2試合 不動パイレーツ(目黒)  02525=14  04010=5 越中島ブレーブス(江東) 【不】木戸、岡田-山田 【越】石原、宮川、一木-長島穂...

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち➍船橋フェニックス

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.24

 両投げの“ミライモンスター”を擁して東京で準優勝し、全国デビューしたのが2年前。翌2024年は、NPBジュニアも6人輩出することになる“タレント軍団”で、全国3回戦まで進出した。そして今年は、夢舞台へあと一歩で涙――。けれども、その取り組みは今の時代の先端をゆく斬新なもので、その後もトライを続けている。全日本学童大会マクドナルド・トーナメント東京予選の特集「敗れざる者たち」の最終回は、第3位の船橋フェニックス(世田谷)。勝ち負けを超えたストーリーをお届けする。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はランニング 最上の結果は得られずも、続く斬新なトライ ■敗れざる者たち➍ 船橋フェニックス [世田谷区]  第3位 【戦いの軌跡】 1回戦〇30対0桃五少年野球クラブ 2回戦〇11対4清瀬ツインズ 3回戦〇8対5城東ベースボールクラブ 準々決〇21対4城北メッツ※リポート➡こちら 準決勝●3対7不動パイレーツ※リポート➡こちら 3位決〇4対1レッドサンズ※戦評➡こちら 衝撃のグランドスラム  こんなにすごい選手が、まだいたのか!?――。 “東京無双”にあった1年前にタイムスリップしたような衝撃を覚えたのは、準々決勝(対城北メッツ)のことだった。  おそらくは公式戦初スタメンの背番号7。九番・右翼に入った長身の右打者が、いきなり満塁ホームランをかっ飛ばしたのだ(=上写真)。逆方向へ放ったその打球がまた何とも、えげつがなかった。  深めにいた右翼手の頭上をあっという間に超えて落ち、みるみると遠ざかっていく。そして隣の面の、一塁側の金網フェンスにまで達した。打者走者は二塁ベースを蹴ったあたりから、少し抜いて走るほど文句なしのホームランだった。  そして好対照な小兵、一番・佐藤優一郎主将が左越えの連続ホームラン(=上写真)で続き、船橋フェニックスは初回で8対0と大量リード。以降も打ちまくり、計16安打4本塁打21得点の4回コールドで圧勝している。  またこの試合終盤には、控えの選手が続々と登場した。代打に阿部航己と田村悠、代走に正田統真、守備固めに竹内颯希。右腕の田村はそのまま4回裏に大会初登板し、3点は失ったが最後まで投げ切った。 準々決勝、阿部は代打(上)から中堅守備へ。正田は代走(下)から右翼の守備へ  この日は大会唯一のダブルヘッダーで、準々決勝に勝てば全国切符をかけた準決勝が待っていた。田村の初登板もあって、船橋はエース右腕の前西凌太朗を準決勝へ温存できた。控え組がどんどん起用されたのは同様に、主力組を休ませる意図も当然あったことだろう。  ただし、目的と意義はそれだけではなかった。そもそも、背番号7の先発出場と本塁打からして、チームにとってはエポックメイキング。組織での新たなチャレンジが、ひとつの花を咲かせたということでもあったのだ。 準々決勝、田村は代打(上)からマウンドへ。竹内は4回裏から左翼の守りへ(下)...

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【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち❸レッドサンズ

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.19

 全日本学童大会マクドナルド・トーナメント東京予選の「3位決定戦」――。2009年から昨年までであれば、ラスト1枚の全国切符をかけた戦いだった。だが、全国大会の東京固定開催は昨年で終了し、「開催地代表」枠は今年は新潟へ移り、東京の全国出場は2枠に。要するに、東京3位を決する一戦は、全国大会とは無縁となった。それでも十分に、見応えのあるゲームが展開された。9月のGasOneカップという上部大会の出場権も懸かっていたが、1週間前の準決勝で涙したばかりの両軍、その対決から読み取れたのは、ブライドや向上心。やはり彼らも“敗れざる者たち”だった。まずはレッドサンズ(文京区)のストーリーをお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■3位決定戦 ◇6月14日 ◇府中市民球場 ▽第1試合 船橋フェニックス(世田谷)  00220=3  00010=1 レッドサンズ(文京) 【船】前西、佐藤-佐藤、高橋 【レ】田代、久保、門田、田代、門田、久保-中澤 本塁打/田代(レ) 二塁打/柴原2(船)、久保(レ) 【評】開始から押し気味に試合を進めたのは、船橋フェニックスだった。1回表は二番・柴原蓮翔の二塁打から四球、佐々木暦望の左前打で一死満塁に。続く2回は四球と敵失で無死三塁と、先制のチャンスをつくった。  レッドサンズの先発・田代航志郎は、開幕カードの113㎞を上回る115㎞をマーク(=上写真)。ただし、速球一本槍ではなく、遅球も交えた投球で、船橋打線にあと1本を許さない。初回の守りでは、遊撃の久保俊太が機敏なゴロ処理で本塁封殺。2回には田代がけん制で三走を挟殺した。こうなると、守り切ったほうに流れは傾くものだが、船橋のエース右腕が大きく立ちはだかった。  船橋の先発・前西凌太朗(=上写真)は、3回途中4失点だった準決勝とは別人のように、落ち着き払っていた。100㎞手前の速球をコーナーに集め、クリーンヒットと連打を許さない。4回にはレッドの四番・田代に、左中間を破られてソロホームラン(=下写真)となったが、安定感は変わらなかった。  船橋打線は奮投するエースを中盤戦から援護。まずは3回表、四球と柴原の二塁打(=上写真)で無死二、三塁とし、三番・中司彗太の二ゴロ(=下写真)でついに均衡を破る。さらにバッテリーミスで加点し、2対0とした。レッドはこの回から細かな継投に入るが、船橋の攻撃は執拗だった。  4回表、連続四球と犠打で一死二、三塁とした船橋は、九番・長野隼也のスクイズと、一番・佐藤優一郎主将の中前タイムリー(=上写真)で4対1とした。レッドは続く5回の守りで犠打を封じ、一死満塁から6-2-3の併殺(=下写真)で裏の攻撃へ。  船橋は1週間前の準々決勝で好投していた佐藤主将が、5回からマウンドへ。先頭のレッド・久保にテキサス安打(二塁打)を許したものの、続く3者を連続斬りでタイムアップに。最後の打者は、本塁打を放っていた田代だったが、申告敬遠をせずにレフトライナーに打ち取っている。   ■敗れざる者たち❸ レッドサンズ [文京区] 第4位...

【全日本学童東京大会/準決勝】対策ハマる!1年前の決勝と同一カードで、不動が完勝

【全日本学童東京大会/準決勝】対策ハマる!...

2025.07.17

 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会の準決勝。郷土の森野球場での1試合は、昨年の決勝と同一カードとなった。どちらが勝っても、3年連続の全国出場となるが、負ければ夢は幻となる。さて、運命の一大決戦、内容と結末はいかに。なお、別会場で同時進行した準決勝のもう1試合は、越中島ブレーブス(江東区)がレッドサンズ(文京区)に9対5で勝利し、9年ぶり2回目の全国出場を決めている。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※上位4チームのインサイドストーリーを追って掲載します ■準決勝 ◇6月7日 ◇郷土の森野球場 ▽C面第3試合 船橋フェニックス(世田谷)  000012=3  11032 X=7 不動パイレーツ(目黒) 【船】前西、中司-佐藤 【不】岡田、寺田、木戸、高浦-山田 三塁打/北條(不) 二塁打/北條(不)  東京の全国出場枠は「2」。準決勝の勝者が、その切符の一枚を手にする。奇しくも1年前、両チームは決勝で相対して好勝負を展開し、船橋が9対6で逆転勝ちしている。その一戦でもプレーしていた選手となると、不動の田中璃空主将(=上写真※三塁打)のみだが、双方の現6年生の多くはベンチで大一番を見届けていた。  新チーム始動以降、彼らの対戦は1度きり。昨年の12月1日だった。大田、世田谷、目黒、品川の近隣4区で開催している城南カップの決勝で対決し、船橋が8対1で勝利して優勝。不動の田中和彦監督にとっては、ショッキングな内容で尾を引く1敗だったという。 「大田スタジアム、素晴らしい球場でやらせてもらったんですけど、自分たちの良いところをひとつも出せずに、チンチンにやられましたからね。船橋さんは新人戦でも東京で準優勝、ウチは1回戦負け。ホントにもう、夢のような存在でした…」 対策バッチリで攻略  2回目の邂逅。当日はそれぞれ、準々決勝を戦ってきていた。船橋は第1試合で4回コールド勝ち。16安打4本塁打21得点と打線が機能したことに加え、背番号1の前西凌太朗(=下写真)は未登板。エース右腕を温存できたことは、決勝を迎える上でも大きな安心材料となっていたことだろう。  第2試合だった不動は、大いに冷や汗をかいた。6回表の攻撃を迎えた時点で、1対2のビハインド。国立ヤングスワローズの本格派右腕・山崎央月を打ちあぐねて、1安打に封じられてきたが、同投手は既定の70球に達して5回で降板。すると最終回、この時を待ってました、とばかりに、竹中崇と間壁悠翔(5年=上写真)の連続ホームランなどで逆転勝ちした。  船橋のエースか、不動のミラクル打線か――。東京の“横綱対決”とも言えた第3試合、準決勝は午後1時半に始まった。そして結果として、流れと結果を大きく左右したのは、初回の攻防だった。  先攻の船橋は3連続四球で一死満塁の好機も、1-2-3の併殺で無得点に終わってしまう。大ピンチを脱した不動は、得意のパターンで先制することになる。一番の田中主将が右前打で出てから一死三塁とし、三番・竹中の内野ゴロ(=下写真)であっさりと1点。 1回裏、一死三塁から竹中の三ゴロ(上)で、三走の田中主将が生還(下)。不動が早々と先制して主導権を握った...

【全日本学童神奈川大会/最終日】川和が戸塚アイアン下し初優勝!

【全日本学童神奈川大会/最終日】川和が戸塚...

2025.07.16

 全日本学童大会マクドナルド・トーナメント神奈川県予選会は6月15日、川崎市の等々力球場で準決勝と決勝を行い、決勝では川和シャークス(横浜)が戸塚アイアンボンドス(同)を破り初優勝した。優勝の川和は8月11~17日に新潟県で行われる全国大会、準優勝の戸塚は9月6、7日に埼玉県で行われる第18回GasOneカップに出場する。野川レッドパワーズ(川崎)と久本ブルーエンジェルス(同)が3位だった。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部※※全国展望チーム紹介「川和シャークス」➡こちら ■決勝 ◇6月15日 ◇等々力球場  ▽第3試合川和シャークス(横浜) 200040=6 000004=4戸塚アイアンボンドス(横浜)【川】吉本、阿部-田村、吉本【戸】佐藤駿-小林怜本塁打/吉本(川)加藤丈(戸)二塁打/亀井大、谷口(川)山本(戸) 【評】川和シャークスは初回、先頭の谷口蒼馬が内野安打で出塁、二死後に四番・亀井大翔の左越え適時二塁打で先制(=下写真㊤)する。さらに、亀井大も捕逸でホームを陥れ(=下写真㊦)、2点を先取。一方、先発の吉本結楽が小気味よい投球で戸塚アイアンボンドス打線を3回まで内野安打1本、打者10人で切り抜ける好投。4回裏、一死から安打と四球でピンチを背負うが、ここでマウンドに上がった阿部孝太朗主将が内野ゴロ併殺でこれを切り抜け、5回もゼロで抑えた。  5回には谷口の適時打、三番・吉本の3ラン(=下写真㊤)で川和のリードは6対0に。戸塚は最終6回裏に猛攻に転じ、加藤丈志の本塁打、北川倫太郎、小林怜翔主将の連打、さらに山本梛生の適時二塁打で一気に4点を奪う(=下写真㊦)。だが、最後は阿部主将が踏ん張って川和が2点差で逃げ切り、歓喜の瞬間を迎えた。 ○川和シャークス・阿部孝太朗主将「この大会は先輩たちも目指して、悔しい思いをしてきた大会。勝つことができて、すごくうれしいです」 ●戸塚アイアンボンドス・小林怜翔主将「プレッシャーはあったけど、しっかり戦えました。ライバルたちと戦って、ためになった大会でした。最後はいい攻撃ができたので、次の大会につなげたいと思います」   ■準決勝 ▽第1試合野川レッドパワーズ(川崎) 000000=0 000000=0川和シャークス(横浜)※抽選で川和の勝ち上がり【野】納冨、竹下-園部【川】田村、阿部-吉本 【評】野川レッドパワーズ・納冨航成主将、川和シャークス・田村大翔の両先発、さらにマウンドを引き継いだ野川・竹下健太、川和・阿部孝太朗主将も好投をみせると、バックも好守備を連発、スコアレスのまま最終6回までの攻防を終えた。 神奈川県大会の規定により、延長・タイブレークはなく、6回終了同点で抽選に(=上写真)。再三、走者を得点圏に進めながら、ホームが遠く、無得点に終わっていた川和が抽選勝ちで決勝進出を決めた。 ●野川レッドパワーズ・納冨航成主将「最後は負けてしまったけれど、粘り強く投げられたし、楽しむことができました。守備のチーム。きょうもみんなが守ってくれました。これからもまだ県大会があるので、打撃をもっと上げて、気持ちを切り替えて頑張ります」   ▽第2試合久本ブルーエンジェルス(川崎) 02012=5 22210=7戸塚アイアンボンドス(横浜)【久】塚野、竹内-佐々木【戸】北川、佐藤光-小林怜本塁打/北川(戸)塚野(久)二塁打/佐々木(久)小林怜、綱川(戸)山田(久)加藤丈(戸) 【評】1回裏に二番・松田和樹の左前打と、三番・北川倫太郎の右越え2点本塁打で戸塚アイアンボンドスが先制。2回表には、久本ブルーエンジェルスに2点を返され同点とされたが、勝ち越しのピンチを併殺で防ぐと、その裏に松田の2点適時打で再び勝ち越し。戸塚は3回にも小林怜翔主将の二塁打を足掛かりに2点を勝ち越すと、4、5回で3点を奪われたが、久本の追撃を振り切って勝利を収めた。 ●久本ブルーエンジェルス・奥田直樹監督「低学年のころから、上の学年がいなくて、ひとつ上の学年と試合をしてきた世代。エースで本塁打を打った塚野太一、四番の竹内陽哉、五番の佐々木太観と、力のある選手はいるので、今後も期待したい」

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち❷旗の台クラブ

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.11

 新人戦の関東王者が散る――。全日本学童マクドナルド・トーナメントの東京予選2回戦を、当メディアはそういう見出しで速報した。序盤戦で主役級を失った大会だが、その後もハイレベルな戦いが続いて盛り上がった。それでも一抹の寂しさを禁じえなかったのは、明るさと実力を伴う新人戦王者の残像のせいだったのかもしれない。むごい散り様だったが、賢明な指揮官の下、1試合のなかで奇跡的な粘り腰もみせた。その彼らも「敗れざる者たち」であるに違いない。シリーズの第2回は、旗の台クラブ(品川区)。いたずらな美化を避け、個性的な面々と敗因にも迫った。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■2回戦 ◇5月18日 ◇郷土の森野球場 ▽A面第1試合 旗の台クラブ(新人戦優勝/品川)  0010120=4  0040001x=5 レッドサンズ(文京) ※特別延長7回 【旗】栁澤、岡野-遠藤 【レ】田代、久保、田代-中澤 本塁打/柳(旗) 二塁打/豊田(旗) 【評】外野の天然芝で弾む打球の処理というのは、なかなか難しい。芝の長さや大地の硬さは球場で異なる。まして軟式球は、天候や気温でも跳ね方が変わってくるから、目測を誤りやすい。  奇しくも3回、双方の守りでその処理にミスが生まれて、打者走者がそのまま生還する形で試合が動いた。外野へクリーンヒットを放ったのは、先攻の旗の台クラブが一番の高市凌輔(=上写真)、後攻のレッドサンズは三番の井口凱斐(=下写真)。1本ずつだったが、スコアには差が生じた。塁上に走者がいなかった旗の台に対して、レッドは2四球と久保俊太の右前打で満塁としていたので、4対1に。  それでも、適時失策直後に両軍の守りが崩れなかったことで、緊張の糸は保たれた。レッドはバント安打など走者2人を許すも、6-4-3の併殺(=上写真)で3アウトに。無死だった旗の台は、先発の栁澤勇莉(=下写真)が四番打者から3人をピシャリ。一死からは連続の遊ゴロを米田然が華麗に捌いた。  3点を追う旗の台は5回表、高市が右前打から二盗を決めると、三番・国崎瑛人が逆方向の左前に落とす技ありのタイムリーで2点差に迫る。さらに6回表、一死から代打・豊田一稀が右中間へ二塁打を放つと、続く七番・柳咲太朗が起死回生の右越え同点2ラン(=上写真)。  スコアは4対4で、7回から特別延長戦に入る。一死二、三塁からの内野ゴロで本塁封殺(=下写真)など、表の守りを無失点で終えたレッドがその裏、二番・山下礼葵のバント安打で満塁とし、続く井口が四球を選んでサヨナラ決着となった。   ■敗れざる者たち❷ 旗の台クラブ [品川区] ※チーム関連記事...