リポート

【全日本学童茨城大会/決勝】8カ月前の再現!!まくりの竹園、逆転サヨナラ初V

【全日本学童茨城大会/決勝】8カ月前の再現...

2026.07.22

 第46回全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの茨城県大会決勝は、8カ月前の新人戦決勝と同一カードに。そして同様の逆転劇で、県2冠王が誕生した。6月21日、ノーブルホームスタジアム水戸で対峙した両軍は、ともに初の全国予選ファイナル。序盤は豊ナインズ(取手)が6対0と独走気配も、じわりと差を詰めてきた竹園が5回裏、8対7とついに逆転したところでタイムアップ。新人戦に続く逆転Vの竹園は、8月8日の全国1回戦で土居北JBC(愛媛)と対戦する。準優勝の豊は7月11日、スポーツ少年団の関東大会に県代表として臨むも、全国には届かなかった。 (写真&文=大久保克哉) ※優勝チームは「全国大会プレビュー」のコーナーで、追って紹介します 優勝 =初 たけぞの 竹園ヴィクトリーズ [土浦支部/つくば市] ■決勝 6月21日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 豊ナインズ(取手) 42010=7 03122x=8竹園ヴィクトリーズ(土浦)※試合時間の規定により5回で終了【豊】飯泉、長濱、飯泉-宇佐美【竹】小泉、松林-吉田本塁打/松林(竹)三塁打/長濱(豊)二塁打/飯泉2、石塚作2、吉田(豊)、齋藤、中川、吉田、松田(竹)【評】豊の鮮やかな速攻で始まった。二番・飯泉空大、四番・石塚作太朗、六番・吉田京平がそれぞれ二塁打など、打者一巡の5安打で4得点。勢いのまま、2回表も一番・長濱誠之心主将と飯泉の連続長打と敵失で6対0とした。だが、竹園はその2回途中で救援した松林晃徳主将が3三振を奪って風向きを変える。そして直後の2回裏、四球から好機を広げて七番・中川和真と八番・小杉透真の連続タイムリーなどで3点、続く3回にも四番・吉田結乃助の適時二塁打で2点差に迫った。豊は4回表、長濱主将が四球から2盗塁、三番・宇佐美叶聖の右ゴロで7対4に。だが、竹園は中堅手・松田晴の美技で守りを終えると、直後の4回裏に松林主将の2ラン(=㊤写真)で1点差に。そして5回裏、四球、テキサス安打、バント安打で無死満塁から、六番・松田が左翼手の頭上へ打ち返す。これで8対7と竹園が逆転したときには試合時間が90分を過ぎており、サヨナラ決着となった。 1回表、2点を先取した豊はなお、六番・吉田のエンタイトル二塁打㊤で、三走の石塚と二走の柴野快が生還㊦ 竹園は2回途中から救援した松林主将㊤がピンチを脱すると、その裏、五番・齋藤陽太の適時二塁打㊦などで3点を返す 竹園は4回表、一死三塁から右に弾き返されて失点も、一塁は右翼手・小杉透真の好送球でアウトに㊤。そして5回裏、3連続長短打で逆転サヨナラ勝ち㊦ ―Pickup Two Heroes― ケガや痛みを克服したご両人!!幕切れ舞台でそろって大手柄 まつだ・はる 松田晴 [竹園6年/中堅手] まつばやし・あきと 松林晃徳 [竹園6年/遊撃手兼投手]  実のところ、松田晴のケガは続いている。右ヒジが悲鳴をあげたのは、昨秋の新人戦で県大会出場を決めたころだった。 ボールを投げるどころか、バットすら振れない重症度との診断。10月の県新人戦(優勝して関東大会出場)から今春までは、三塁のランナーコーチを務めてきた(=㊦写真)。「ケガしなければな、という悔しい気持ちでした」  松田はでも、地団駄を踏むだけではなく、常識破りの努力を重ねてきた。それが何と「左で捕って左で投げる」というもの。言うは易しであるが、非利き手でスローイングがある程度できるようになるだけでも、どれだけの時間と数を費やしてきたことか。小泉隆監督はこう振り返る。「当初はバットスイングも左手だけだったんですよ。1年間ね、ホントにガマンしてガマンして片手で打って投げて、一生懸命に。今年の4月くらいに『両手でスイングしてもいい』となって、試合に出させたんです」...

【全日本学童東京大会/決勝】珠玉の125分!!軍配は船橋、2年ぶり王座奪還

【全日本学童東京大会/決勝】珠玉の125分...

2026.07.15

 準決勝の勝利で全国出場を決めている同士の大一番は、掛け値なしのハイレベルな好勝負となった。既定の6回を終えて、それぞれ7安打の3得点。特別延長戦で、船橋フェニックス(世田谷)がレッドサンズ(文京)に打ち勝ち、2年ぶり2回目の優勝を遂げた。47都道府県で最多の941チームが加盟する東京都の全国予選はこれで終了、第46回全日本学童マクドナルド・トーナメントは8月7日に愛媛県で開幕する。2年ぶり3回目の出場となる船橋と、3年ぶり5回目のレッドとの、リマッチがあるとすると8月16日の決勝となる。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。全国出場する2チームの紹介記事は後日、それぞれ公開します ■決勝 6月13日◇府中市民球場 船橋フェニックス(世田谷) 1002005=8 1010100=3レッドサンズ(文京)※特別延長7回【船】森下、大野、森下、大野-石黒【レ】神谷、武内、大塚-原川本塁打/森下、佐々木(船)三塁打/原川(レ)、若月(船)二塁打/大野2(船)、原川2(レ)、岡本、森下(船)【評】先攻の船橋が、森下貴斗の先頭打者本塁打で先制すれば、レッドは原川瑛仁主将の三塁打と武内瑛汰の犠飛ですぐさま1対1に。3回裏、レッドが原川主将の適時二塁打で2対1と勝ち越せば、船橋は4回表に佐々木翔瑛が逆転2ラン。5回裏、レッドは原川主将の3本目となる長打で一死二、三塁とし、敵失で3対3に追いつくも、守る船橋はエンドランを外しての三振併殺で勝ち越しを許さない。そして勝負は無死一、二塁で始まる特別延長戦へ。7回表、九番・若月柊哉から二番・大野凌駕までの3連続長短打に、五番・岡本悠人の左前適時打で5得点した船橋が、レッドの反撃を断って2年ぶりに東京王者となった。 ―SPECIAL REPORT―6回までのシーソーゲームに「驚き」と「感心」が交錯  ボカ~ン!だったか、ドスン!だったか。突飛なその“生音”はよく響いたが、筆者も初耳で音色をよく覚えていない。いや、あまりの興奮で記憶中枢が一時的にフリーズしたのかもしれない。 ともあれ、激レアな衝撃音から、東京の頂上決戦は本格的に始まった。学童用の軟式J号球が、両翼95mの球場フェンスにダイレクトで直撃。開始から3球目のことだった。  打ったのは、船橋フェニックスの一番・森下貴斗(=㊤写真)。左打席でジャストミートした打球はライト方向へ舞い上がり、フェンスにぶち当たってから人工芝の上を転々。「(フェンスを)越えてほしかったです」と振り返ったトップバッターだが、駆ける足のまた速いこと。50m走6秒7のスピードで、あっという間にダイヤモンドを一周しての先頭打者ホームランとなった。 その1球を投じたのは、レッドサンズのエース・神谷駿(=㊦写真)。よく整っている投球フォームは、昨秋の新人戦でも際立った本格派の右腕だ。ちなみに、この世代の両軍が公式戦で対するのは新人戦の都準決勝以来2回目で、前回は4対2でレッドが勝利(準優勝)。だが、3月のナガセケンコー杯の準々決勝では、船橋が5対0でリベンジしている。  開始2人目の打者までは、何らかのエラーで球速の表示がされなかったが、神谷の速球はほぼ100㎞前後。球威のあるフォーシームだからこそ、3球目の“激レアな衝突音”も生まれたのだろう。「(守る)みんなを信じて、自分が出し切れるボールをしっかり投げられたと思うので、やってしまった!というのはなかったです」 こう振り返った神谷は、先頭打者本塁打を許した後、イニングまたぎで船橋の四番打者から4者連続三振を奪うなど、さすがはエースのピッチング。センター後方の球速表示を振り返りもせず、4回にマークした自己最速「102㎞」(=㊤写真)も、試合後に人から言われて知ったほど、勝負に集中していた。  こうして船橋は「驚き」を、レッドは「感心」を、その後も喚起させていくことになる。全国出場を決めている同士のガチンコ勝負は、目の離せないシーソーゲームに。 そして既定の6イニングを終えて3対3、ヒット数も双方7本で並んでいた。船橋は守りのミスが、レッドは攻撃の失敗が響いたシーンもあったが、それすらも好勝負を引き立てるスパイスに感じられた。 驚愕の120㎞、怯まぬ打線  船橋の2つ目の「驚き」は、先頭打者弾を放った森下(=㊦写真)が、先発のマウンドから投じた1球目だ。いきなり117㎞のストライク。こちらの右腕は自己最速を119㎞まで更新することになるが、「感心」したのは少しも怯まぬレッド打線だった。  1回裏、二番・原川瑛仁主将は118㎞を左中間へ弾き返して三塁まで進むと、続く武内瑛汰が117㎞を逆方向へ打ち上げての犠飛で、あっさりと1対1に。 結果として、この試合の最後の打者となった原川主将は「(守備の)中継ミスとか、走塁ミスとかが…」と真っ先に反省が口をついたが、船橋の猛者たちに劣らぬ打力を披露。3回の第2打席は二死一、二塁から、左翼線へ勝ち越しの適時二塁打を放った(=㊦写真)。  またその直前に、船橋は大型左腕の大野凌駕(=㊤写真)へとスイッチ。左打席の原川主将は120㎞、121㎞(※大野のMAX)と「驚き」の剛速球で追い込まれた後、29㎞も遅くなった3球目をピリャリと打ち返してみせたのだった。 そして船橋のスーパー左腕と、レッドのキャプテンとの再対決があった5回裏が、この一戦の最大のヤマ場となった。 レッドは五番・山本駿翔㊤が2安打、途中出場の加藤は7回裏に右前打㊦ 1点勝ち越された船橋は直後の4回表、岡本の右翼線二塁打㊤と佐々木の右越え本塁打で3対2と逆転 長く濃厚なイニング  船橋は4回表、二死無走者から五番・岡本悠人が二塁打を放つと、続く佐々木翔瑛が逆転2ラン。そのまま1点リードで迎えた5回裏に、長くて濃ゆい攻防があった。  レッドは先頭の代打・加藤光志朗が死球で一塁へ。続く一番・神谷はバントヒット(=㊤写真)で無死一、二塁に。しかし、三番・原川主将は送りバントを空振りし、飛び出していた二走が捕手に刺されてしまう(=㊦写真)。  そして一死一塁でカウント1-1になったところで、船橋ベンチが再び動く。4回から再登板していた右腕・森下に代わり、スーパー左腕の大野をまたマウンドへ(=㊦写真)。打席のレッドのキャプテンとの対決を1球ずつ辿ると、以下になる。  117㎞ファウル、116㎞ファウル、119㎞ボール、121㎞ボールでフルカウントに(=㊤写真)。さらに左翼線へのファウルが2球続いた後の117㎞を、原川主将は左中間へ打ち返した(=㊦写真)。これが二塁打となって一死二、三塁に。 左対左の一騎打ち第2ラウンドも、レッドのキャプテンの手が挙がった。すると攻めるベンチは、迷わず勝負に出た。  三番・武内は1ボールから2球目をスクイズ。これがファウルになると、続く3球目はエンドランだ。守るベンチはそれを読んでおり、バッテリーはローウエストで空振りを奪った。スタートを切っていた三走は塁間に出ている。 しめた! ついさっきは強肩で一死を奪っていた船橋の捕手、石黒主将はそう思ったに違いない。ボールを保持して三走を軽く追ってから三塁へ送球。だが、それが大きく横に逸れてしまい、三走の神谷が同点のホームを踏んだ。  3対3となってなお、一死三塁。大ピンチが続く船橋だが、ここで真価を発揮したのがスーパー左腕の大野だ。6日前の準決勝は球がややバラついたが、この日はストライク先行の投球だった。 「まぁ、打たれても大丈夫。周りの守備が絶対に助けてくれると思っていました」(大野)...

【全日本学童東京大会/準決勝❷】6連打で大逆転逃げ切り。レッドが3年ぶり全国

【全日本学童東京大会/準決勝❷】6連打で大...

2026.07.10

 第46回全日本学童マクドナルド・トーナメント都大会の準決勝第2試合は、2022年の決勝と同一カードとなった。4年前は9対3の勝利で優勝しているレッドサンズ(文京区)が、今回も深川ジャイアンツ(江東区)を7対3で下し、3年ぶり5回目の全国出場を決めた。「小学生の甲子園」では8月8日の1回戦で、塩尻UNIONS(長野)と対戦する。一方、3位となった深川は、阿波おどりカップ2026(8月、徳島県)への出場が決まっている。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング ■準決勝2 6月6日◇郷土の森野球場 ◇C面第2試合レッドサンズ(文京) 00502=7 10011=3深川ジャイアンツ(江東)【レ】神谷、武内、大塚-原川【深】寺門、狩野-西山本塁打/佐藤(深)三塁打/大橋(深)二塁打/齊藤、原川、門田、野村(レ)【評】先手を取ったのは深川。先発右腕の寺門大地が3者凡退で立ち上がるとその裏、一番・佐藤輝陽主将と狩野遥生の連打から一死三塁として、三番・大貫航幸太郎の内野ゴロ(野選)で1点を奪う。だが3回表、レッドは九番・並木恒太朗から驚異の6連打で試合をひっくり返す。二番・原川瑛仁主将が同点打、続く武内瑛汰が中前へ2点打、五番・山本駿翔も適時打、そして六番・門田千資の右犠飛で5対1に。レッドは5回にも八番・野村咲翔の適時二塁打で2点を追加。深川も4回に5年生・大橋正が適時三塁打、5回裏には佐藤主将が右越え本塁打、狩野も中前打で続いた。しかし、レッドは救援した大塚結心が落ち着いて3アウト目を奪ったところで、試合が既定の90分を過ぎており、7対3で決着した。 1回裏、深川は佐藤主将と狩野㊤の連打から一死三塁として、大貫がオープンスタンスからのゴロ打ち㊦で先制 3回表、レッドは九番・並木から五番・山本までの6連続長短打㊤で4点、さらに六番・門田の犠飛㊦で一気に5対1に 5回表、レッドは野村の2点二塁打㊤でダメ押し。深川はその裏に佐藤主将が左越え本塁打も、4点届かずタイムアップ   ―Pickup HERO―“不動心&全力”貫く投打二刀流にキュン かみや・しゅん 神谷 駿 [レッド6年/投手兼遊撃手]  打席から一塁への駆け方。それだけでも、身体能力やパーソナリティがある程度は読み取れる。 レッドサンズの神谷駿が強力打線の一番にいるのは、「不変の全力走」も大きな要因だろう。その懸命な背中が仲間の心に火をつけ、試合の流れを呼ぶこともある。  2月のフィールドフォースカップ準決勝もそうだった。レッドは山野ガッツ(埼玉※全国出場決定)に特別延長でサヨナラ勝ちしているが、その最後の攻撃で無死一、二塁から送りバントを決めたのが神谷だった。 初球はセーフティ(ファウル)、次はきっちりと転がしてから駆け出した。タイミング的には、一塁セーフの可能性は低かったが、フルスロットルの全力走(=㊦写真)はベンチを沸かせ、筆者の胸まで熱くさせた。そして申告敬遠で満塁の後、押し出し死球で勝利。  打力も高い選手だけに、打ってヒーローになりたい気持ちも山々ではなかったか。試合後の本人にそう水を向けると、サラリとこうかわした。「いえ、そういうのは特に。攻撃に入るときに監督から『送りバント』と言われてたので、最初はセーフティ気味に。それを決められたら良かったですけど」 チームは続く決勝で、豊上ジュニアーズ(千葉※全国出場決定)を破って優勝。あれから4カ月、二刀流の神谷は投打ともスケールアップしていた。 6日後の決勝では、最速102km(球場表示)をマークすることに  もちろん、攻撃時の「全力」はやはり変わらない。準決勝は3打数2安打、3回のビッグイニングにあった6連打の2本目(=㊤写真)が神谷だった。「この大会は自分の力を100%出せるように、頑張ってきました」 投手陣の柱として、登録21選手全員が出場した3回戦以外はすべて先発し、ゲームをつくってきた。「全国切符」をかけた準決勝は開始8球で1点を失うも、大崩れしない“不動心”がエース右腕の真骨頂だ。 「やっぱり、全国出場がかかっていたので、プレッシャーとか緊張感がありました。で も、プレーそのものはいつもと変わらずにやれたと思います」 2回裏には与四球の走者をけん制で刺し(=㊤写真)、3回表の猛攻につなげた。5対1と大逆転した後の3回裏は、降っていた雨が強まるなかで、ヒット2本と四球で一死満塁のピンチ。そして四番打者を迎えるも、注文通りの1-2-3併殺で切り抜け、主導権を確実なものにした。「雨はそんなに気になりませんでした」 4回は遊撃、5回の途中からは三塁を守って勝利の瞬間を迎えると、両手を広げて喜びを爆発させた。 「全国大会に行けるということで、夢のひとつが叶えられたのは満足です。自分の力というより、他の子たちといつも競い合いなので、みんなの力を合わせて全国優勝できるチームになるように貢献したいです」 ほかの夢については、チームの悲願が叶ってから存分に語ってもらおう。   ―Good Loser―伝統も踏襲しつつ、父親監督とジャンプアップ...

【全日本学童東京大会/準決勝❶】壮大とスリルのバトル!!制した船橋が2年ぶり全国

【全日本学童東京大会/準決勝❶】壮大とスリ...

2026.07.08

 全国最多の900チーム以上が加盟する、東京都の全国出場枠は「2」。できることなら、一枚の切符を半分にして双方へ。第46回全日本学童マクドナルド・トーナメント都大会の準決勝第1試合は、そう思いたくなるほどのスケール感とスリルに満ちていた。「世田谷区対決」でもあった一戦に勝利した船橋フェニックスは、2年ぶり3回目の全国出場が決定。敗れた用賀ベアーズは、6日後に開幕した都知事杯で4強まで勝ち進んでおり、同じく4強にいる船橋と、7月19日の決勝で再激突する可能性がある。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング ■準決勝1 6月6日◇郷土の森野球場 ◇C面第1試合船橋フェニックス(世田谷) 130014=9 000401=5用賀ベアーズ(世田谷)【船】森下、大野、森下、大野-石黒【用】佐藤、岡田-大和本塁打/森下(船)、鵜入(用)三塁打/大野(用)、石黒(船)二塁打/髙橋亮(船)、常永(用)【評】二番・大野凌駕のバント安打と二盗、続く倉持怜央の右前打で先制した船橋が、前半戦の主導権を握る。1回裏の守りを4-6-3併殺で終えると2回表、七番・髙橋亮馬の二塁打と髙橋冴優のバント安打で無死一、三塁に。ここでスクイズは失敗も、敵失と倉持の中犠飛で4対0とした。風向きが変わったのは4回。用賀は二番手の右腕・岡田大和が二死二、三塁のピンチを脱するとその裏、四球と四番・常永悠斗の左前打で無死一、二塁に。そして救援した船橋の大型左腕・大野から、五番・大野時生がライト頭上を襲う三塁打でまず2点。さらにバッテリーミスで1点、九番・早川和輝の適時打で4対4とした。だが、直後の5回表に、船橋は四番・石黒信匡主将の右越え三塁打と六番・佐々木翔瑛の中犠飛で勝ち越し。6回表には森下の3ランなどでリードを5点に。用賀はその裏、八番・鵜入瑛登が右中間へ本塁打。さらに二死一、二塁から三番・岡田もセンターへ大飛球を放つも、中堅手の森下がキャッチし、マウンドの大野が天高く飛び跳ねた。 船橋は1回表、倉持の中犠飛㊤で先制。裏の守りでは4-6-3併殺を決めた㊦ 用賀は4回裏、岡田が四球㊤、常永が左前打。そして大野が右越え2点三塁打㊦から、暴投で生還 4回裏、1点差に迫った用賀はなお、渡辺の右前打㊤から二死二塁として、早川が右翼線へ同点タイムリー㊦ 追いつかれた船橋は5回表、石黒主将の三塁打㊤と佐々木の犠飛で勝ち越し。続く6回、森下の3ラン㊦が決勝打に   ―Pickup HERO―“怪物級ツインタワー”に続く、頼もしき仕事人 くらもち・れお 倉持怜央 [船橋6年/左翼手]  サイズと投打走のパフォーマンスは、もはや高校生の域に近いツインタワー。森下貴斗と大野凌駕の一・二番を筆頭に、破壊力も満点の船橋フェニックス打線にあって、いぶし銀の光を放っているが、三番の倉持怜央だ。  2回には中犠飛を放つ(=㊤写真)など、もちろんパンチ力もある上に、状況に応じた打撃に小技もできる。「タカト(森下)とリョウガ(大野)がいつも塁に出てくれて、後ろにはノブ(四番・石黒信匡主将)とかがいてくれるので、自分はアウトになっても、できるだけランナーをかえせるように」 常にそういう意識でいるからだろう、どの打席も落ち着いている。ベンチのサインや指示にも「はい!」と、ごく自然に出る返事は、己の準備と指揮官の思惑との符号を示すシグナルのよう。  1回表、一死二塁では逆方向のライト前へ転がした(=㊤写真)。流れも引き寄せた先制タイムリーは、こういう狙いの果てだった。「フライを上げたら、ただアウトを増やすだけなので、なるべく流すことと、ゴロで内野を抜けたらいいなと」 しっかりとボールを呼び込みつつ、浅めのテイクバックから確実にミート。プロセスも見事に意図に沿っていた。6回には送りバント(=㊦写真)で、イニング4得点目(記録は野選)をアシストした三番バッターは、全国大会に向けての抱負をこう語っている。「自分が出るのが最優先じゃなくて、ランナーがいたらかえして、いなかったら次につなげるようなバッティングをしたいです」   ―Good Loser―「大東京に用賀あり!!」黄金世代のエポックメイキング 第3位 ようが 用賀ベアーズ [世田谷区]...

【全日本学童埼玉予選/決勝】打ち合いなら負けない!! 山野が2度目全国へ

【全日本学童埼玉予選/決勝】打ち合いなら負...

2026.07.05

「小学生の甲子園」こと高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。その埼玉県予選大会は6月6日、さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝を行った。決勝は一昨年の大会覇者・山野ガッツ(越谷)が吉川ウイングス(吉川)を下し、2年ぶり2度目の優勝を果たした。山野は8月7日から愛媛県で始まる全国大会、吉川は8月8日から神奈川県でのコントリビュートカップ第49回関東学童に、それぞれ県代表として出場する。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部 ■決勝 6月6日◇レジデンシャルスタジアム大宮▽第3試合 山野ガッツ(越谷) 016200=9 012203=8吉川ウイングス(吉川) 【山】吉岡、渕川─塩見、吉岡【吉】松浦、西田、玉井─安保三塁打/中村(山)佐々木2、西田、阿部(吉)二塁打/塩見(山)玉井、松浦進(吉) 【評】山野は2回、四球の冨田真平が盗塁と渕川拓馬のバントで三進、遠矢雄志のスクイズで先制。吉川もその裏、四球と5年生の佐々木稜晟の左中間三塁打で同点とした。しかし、山野は3回に二死走者なしから三番・吉岡泰平の安打、塩見理人の左越え二塁打で勝ち越すと、さらに秋山侑輝の左前適時打、渕川の右前打、中村翔の右翼線を抜く2点三塁打などで加点し、この回、一挙6得点。その裏、吉川に2点を献上も、4回には島村力翔の安打、秋山、冨田の適時打などで2点を加えた。追う吉川は4回裏にも2点を返すと、5対9で迎えた最終6回裏には、佐々木、阿部稜央、西田陸翔の5年生3人がそろって三塁打を放つなど、一打同点まで詰め寄ったが、あと一本が出ず、山野が逃げ切って勝利を収めた。   虎視眈々! 2年越しの悲願なる 優勝 =2年ぶり2回目 さんや 山野ガッツ [埼玉/越谷支部]  ゲームセットのその時まで、どちらかといえば険しい表情で戦況を見守っていた山野ガッツ・瀬端哲也監督が、満面の笑顔で、飛び跳ねるようにベンチを飛び出し、コーチらと抱き合った。「いやぁ…そんな簡単には勝たせてもらえません!」 そう言いながらも、ニコニコだ。「ウチはロースコアゲームで勝てるチームではありません。吉川さんも素晴らしい打線ですが、打ち合いなら負けない、という自信をもって戦うことができました。こんな展開になってくれたのは、すごく大きかった」 そんな指揮官の強気発言を後押しする事実もあった。「この大会では初戦から、一度も相手にリードされることなく、戦いきることができたんです」 そう言った後で、瀬端監督は「あ、違うな」と訂正した。「間違えました。(上藤沢ライオンズとの)準決勝では初めて先制されて、追いかける形になりました。ただ、ライオンズさんは何度か戦ってきた相手だったので、そこは慌てずに戦えたんです。逆転されると弱さが出るチームですが、常に先手を取って戦えたことで、この結果を手にすることができたんでしょう」 先手必勝。その中でも、逆転され、追いかける展開に一度もならなかったことが、優勝できた一番の要因だという。 △力投が光った先発の吉岡は準決勝に続く登板だった 2回表、遠矢のスクイズ㊤で冨田がかえり㊦先制  地区代表44チームが出場した今大会のトーナメント表で、吉川ウイングスが左端のチーム番号「1」、東松山野球スポーツ少年団(東松山)が「5」、熊谷グリーンタウン(熊谷)が「8」、そして新人戦王者の西埼玉少年野球(飯能)は「10」に並んだ。 優勝候補と目されたチームの多くが、トーナメント表の左側4分の1に集中したのだ。 そんなトーナメント表の反対側、右側4分の1あたり、チーム番号「35」を引き当てたのが山野だった。有力視されるチーム同士が激戦を繰り広げるのを横目に、着実に白星を重ね、勝ち上がってきたのだった。「自信はね、正直、あったんです」 瀬端監督が語る。おどけた口調ではあるが、迷いは感じられない。本音なのだろう。「打線は力があります。五番打者までは安定しているし、大会では下位打線に入った選手も調子良く打ってくれていました」 3回表、二死無走者から吉岡㊤、塩見㊦の連打を足掛かりに6得点  あえていえば、前週の準々決勝ではむしろ、中軸がおとなしかった印象だが、この日は上位から下位まで、満遍なく結果を出していた。「とくに今日は、冨田が良かったですね」 この日、六番に入った冨田は、送りバントを決めた準決勝の第1打席以降は安打、安打、決勝も四球、四球、安打と全打席出塁している。 準決勝も決勝も、山野は長打による派手な得点よりも、バントも含め、打線をつなぐことで得点を重ねている。「打ち勝つ」といっても、必ずしも長打に頼るわけではない。それが今年の山野打線の特徴ということになるのだろうか。 ナインだけでなく、応援団もこれ以上ない歓喜に沸く中、喜びの中にも冷静に、孫山知幸主将は今年の山野をこう評し、胸を張った。「ボクたちの打線の良いところは、みんながカバーし合って、つなげられるところなんです」 2回裏㊤、3回裏㊦と、内野ゴロからバックホームで吉川の三走をタッチアウトに  瀬端監督が続ける。「守備は2年前よりも固いんじゃないかと思います。とくに外野は良いと思います」 確かにこの日も、打たれることはあっても、失策がらみの失点は皆無。むしろ、決勝ではホームでの補殺を2つ記録しており、“打ち合い”と言いながら、見方によっては守備力も勝敗を分けた、ひとつのポイントになっていた。 ただ、唯一、投手陣には一抹の不安を感じていたようだ。主戦である渕川拓馬(=写真㊦)が前週まで、故障で登板できなかったためだ。「その渕川がようやく間に合い、今日は投げることができました。これが大きかった。安定感という意味では、彼以上の投手はいません。ウチはほかにも、今日も投げましたが、吉岡と塩見が投げます。2人とも力のあるボールを放ります。ただ、ひとたび崩れると、なかなかこちらに戻ってきてくれない」 指揮官はそう言って笑うのだった。 決勝は最終回、吉川打線にあと1点まで迫られ、なおも同点の走者を三塁に背負うピンチだった。マウンドには4回から登板の渕川。エースではあるが、先発よりもリリーバーとしての登板が基本だ。 「あそこで渕川を代える気は全くなかったです。あの流れで投げ切れるピッチャーは、ウチには彼しかいない。剛腕投手がいるわけではありませんし…。彼があそこで打たれるのだったら、仕方がないと割り切っていました」 そんな指揮官の信頼は、渕川本人にも伝わっていたのだろう。「最後はちょっと焦ったけど、開き直って、集中して投げることができました」。渕川のボールを受け続けた吉岡も「最後は、最悪、打たれてもタイブレーク。必ず勝てると思っていたので、焦りはなかったです」と、過度に気負うことなく戦いきった。 タイブレークになろうとも「打ち合いなら負けない」(吉岡)という自信が、山野ナインの精神的な支えとなっていたのだろう。どの選手に聞いても、「絶対に勝てると思ってました!」と、その自信は揺らぎない。周囲からのダークホース扱いなど、どこ吹く風だ。「(全国大会で2回戦惜敗に終わった)2年前のチームに何かが足りなかった、とは思ってないんです。だからこそもう一度、しっかりチームを作って、ウチらしい戦いで、またあの舞台に挑みたいと思ったんです」と瀬端監督。 ある意味、先輩たちの“忘れ物”を取り戻す戦いにもなる、今回の全国大会。全員が自信に満ちた、“らしい”戦いで打ちまくり、頂点を目指す姿が見たい。  ...

【全日本学童千葉大会/決勝】豊上ぶっちぎり3連覇!!真っ向勝負にドラマも

【全日本学童千葉大会/決勝】豊上ぶっちぎり...

2026.07.03

 第46回全日本学童マクドナルド・トーナメントの千葉県予選大会決勝は、豊上ジュニアーズ(柏)が、大橋みどりファイターズ(東葛)に8対1の5回コールドで勝利した。豊上は3年連続7回目の優勝で、指揮官の胴上げは悲願の日本一までお預け。一方の大橋みどりは2021年、東京新聞カップ関東学童(現コントリビュートカップ)の千葉大会で優勝も、コロナ禍で本大会中止の憂き目に。今回の準優勝でその関東学童(8月、神奈川県)出場を決めた。決勝はほぼワンサイドとなるも、心の和む人間模様が複数あった。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はランニング。優勝チームは「全日本学童大会」のコーナーで追って紹介します 優勝 =3年連続7回目 とよがみ 豊上ジュニアーズ [千葉/柏市]   ■決勝 ◇6月6日 ◇中田スポーツセンター野球場大橋みどりファイターズ(東葛) 00001=1 2510 X=8豊上ジュニアーズ(柏)※5回コールド【大】太田、丸山-宮﨑【豊】加藤豪-関澤本塁打/増渕(豊)三塁打/後山、玉井(豊)【評】遊ゴロ、三ゴロ、見逃し三振。先発の加藤豪篤が1回表を8球で終わらせた豊上は直後、後山晴と玉井蒼祐の連続三塁打で1点を先取。四番・蒔田昊明のスクイズで2点目を奪う。豊上は続く2回も七番・須藤結太の中前打から好機を広げ、玉井と五番・蛭間悠智主将のタイムリーなどで7対0に。3回には六番・増渕碧人の一発で8点差とした。一方、1安打に封じられてきた大橋は5回表に反撃。五番・宮﨑慎也が中前打を放つと、丸山大智主将と古庄恵大(5年)が四球を選んで無死満塁に。守る豊上はタイムの後、1失点と引き換えに4-6-3の併殺を決めて後続も断ち、7点差のコールド勝ちを決めた。加藤豪は62球完投。 〇豊上ジュニアーズ・髙野範哉監督「県大会ではそのままの力を出しますね、ウチは。打線の一・二番がよく機能してくれました。DH(指名打者)を使ったのは今年が初めてでしたけど、須藤が見事にハマっていい感じでした」●大橋みどりファイターズ・西原大助監督「豊上さんが一枚上手でした。ウチは打って点を取るチーム。結果はどうあれ、子どもたちはいつも通り、自分たちで考えながらよくがんばってくれました」 1回裏、豊上は一・二番の後山㊤と玉井㊦の連続三塁打で先制する 豊上は2回、蛭間主将の2点タイムリー㊤など打者一巡の猛攻。3回には増渕の左越え本塁打㊦で8対0に 大橋は3回表に青木俊翔が中前へチーム初安打㊤。5回には宮﨑の中前打㊦から1点につなげた   ―Pickup Two Heroes― 吉兆とMOM、ナイスガイそれぞれ躍動 すどう・ゆうた 須藤結太 [豊上6年/指名打者] たまい・そうすけ 玉井蒼祐...

【全日本学童埼玉予選/準決勝】朝霞と上藤沢、収穫の3位

【全日本学童埼玉予選/準決勝】朝霞と上藤沢...

2026.07.02

 8月に愛媛県で開催される「小学生の甲子園」こと高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。その県代表を決する、埼玉県予選大会は6月6日にさいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝が行われた。まずは準決勝2試合の模様をリポートする。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング※決勝のリポートは追って公開します ■準決勝 6月6日◇レジデンシャルスタジアム大宮▽第1試合 朝霞ホーネッツ(朝霞) 1000=1 094x=13吉川ウイングス(吉川) ※4回コールド 【朝】山本、深草、駒田、山本─小山【吉】森、小玉葵─安保本塁打/佐々木(吉)三塁打/岩重(朝)岩熊、西田(吉)二塁打/佐々木、進(吉) 吉川快勝、朝霞も悔いなき躍進  初回、朝霞ホーネッツは二死から三番・山本悠太が敵失で出塁すると、続く岩重陽己主将が右越えに三塁打を放ち、先制に成功した。 朝霞先発の山本は1回裏、吉川ウイングス打線に二死満塁と攻められながらも無失点で切り抜けたが、守備で交錯のアクシデントもあり、「リズムも悪かったので調整の意味もあって」(山本貴宏監督)この回でいったん降板。すると、2回には吉川の猛攻が始まった。 七番の5年生・佐々木稜晟から進恵翔、城ヶ崎翔までの三連打であっさりと逆転した吉川は、さらに5年生の西田陸翔、安保凱翔主将も安打を放ち、あっという間に5得点。朝霞の積極的な継投も流れを変えることはできず、吉川はこの回、打者13人で9点を奪った。 吉川は3回にも先頭の西田が三塁打。すると、朝霞はここでエース・山本が再びマウンドに。しかし、その山本から佐々木が中越えの本塁打を放つなど、吉川はこの回も計4点を奪い、リードを12点まで広げた。 吉川は先発の森圭佑から小玉葵生へとマウンドをつないで朝霞に反撃を許さず、コールド快勝で試合を締めくくった。 △投打でチームをけん引し、躍進の立役者となった朝霞・山本悠太㊤ ▽2回裏、2点目のホームを踏み吉川・松浦(左)とハイタッチを交わす進。吉川はこの回大量9得点で主導権を握った ◇朝霞ホーネッツ・山本貴宏監督「吉川さんが強かった。全国レベルのチームには、ここまで打たれるんだと、あらためてショックを受けました。ただ、ここまで選手たちがよく頑張ったし、最終日まで残れたことは、チームにとっても大きな経験になりました。ここからまたスタートです」◇同・岩重陽己主将「負けたのは悔しいけど、ここまで勝ち上がれて、充実感もあります。ホーネッツは強くなりました。吉川のバッティングはすごかった。悔しさは、これからの大会に生かします」   ▽第2試合 山野ガッツ(越谷) 0044=8 1100=2上藤沢ライオンズ(入間市) ※4回時間切れ 【山】塩見、吉岡、渕川─吉岡、塩見【上】栗原、金児、手島、久礼─河野本塁打/河野(上)三塁打/吉岡、塩見(山) 山野逆転勝ち。上藤沢は初の「銅」  上藤沢ライオンズは初回、河野新主将が右越えに先頭打者本塁打を放ち先制。2回にも四球で出塁の中田航大を手島純平がバントで送ると、津田彰久が左前に適時打を放って1点を加えた。 しかし、3回には山野ガッツが反撃を開始。敵失で出塁の孫山知幸主将を三番・吉岡泰平が左越え三塁打でかえし、続く塩見理人も適時打。さらに冨田真平の適時打、四死球と敵失などで、この回4点を奪い逆転すると、4回には塩見が適時三塁打、冨田が2打席連続の適時打を放つなど、この回も4点を挙げた。 その裏、上藤沢の攻撃中に試合制限時間の90分に達し、その回をゼロで抑えた山野が勝利を収めた。 △1回表、先頭打者弾で先制のホームを踏む上藤沢・河野主将㊤ ▽試合後のあいさつをし、笑顔でベンチに戻る山野の選手ら㊦ ◇上藤沢ライオンズ・星修二監督「ウチは基本的に、藤沢南小というひとつの学校が母体となってできた、創立60年を超える町のチームなんです。そのチームが新人戦に続いて、この県大会でも準決勝まで残れたことは素晴らしい。選手たちにとっては学童野球で終わりではないので、これからもライオンズでは野球の楽しさを教えることを第一に、全力疾走で、あきらめない野球を続けていきます」◇同・河野新主将「去年のノーブル(県新人戦)も3位でした。そのときよりも、みんな練習して力をつけていたので、余計に悔しいです。これからも全員一丸で戦っていきます」

【全日本学童山梨大会/決勝】3年前の雪辱も。ラウンダースが快勝V

【全日本学童山梨大会/決勝】3年前の雪辱も...

2026.06.23

高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの山梨県大会は5月31日、山日YBS球場で決勝を行い閉幕。ラウンダース(山梨)が中央ジュニアベースボールクラブ(中央)に6対1で勝利し、2年ぶり3回目の全国出場を決めた。準優勝の中央ジュニアは、8月に神奈川県で開催されるコントリビュートカップ関東学童大会に出場する。

【全日本学童茨城大会/速報】6点差から逆転サヨナラ!!竹園が初V

【全日本学童茨城大会/速報】6点差から逆転...

2026.06.22

 第46回全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの茨城県大会決勝が6月21日、ノーブルホームスタジアム水戸であり、竹園ヴィクトリーズ(土浦)が豊ナインズ(取手)に逆転サヨナラ勝ちを収め、初優勝を果たした。8月の全国出場を決めた竹園は、昨秋の県新人戦に続いて茨城2冠。準優勝の豊は、スポーツ少年団の全国最終予選となる関東大会(7月11日、山梨県)へ。また、20日の3位決定戦を制した上中妻ニューフレンズは、8月のコントリビュートカップ関東学童(神奈川県)に出場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。試合評やチーム紹介などは追って掲載します ■決勝 6月21日◇ノーブルホームスタジアム水戸 竹園の二番手・松林晃徳主将㊤が最速115㎞をマーク㊦ 豊ナインズ(取手) 42010=7 03122x=8竹園ヴィクトリーズ(土浦)【豊】飯泉、長濱、飯泉-宇佐美【竹】小泉、松林-吉田本塁打/松林(竹)三塁打/長濱(豊)二塁打/飯泉2、石塚作2、吉田(豊)、齋藤、中川、吉田、松田(竹)

【全日本学童山梨大会/3位決定戦】名誉の7イニング、山城が制す

【全日本学童山梨大会/3位決定戦】名誉の7...

2026.06.19

 全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの最終予選は、複数の上部大会の予選を兼ねている都道府県が多い。でも山梨県は、準Vチームが夏の関東学童へ進むのみ。準決勝敗退組には上のステージは用意されておらず、3位決定戦は順位を決めるだけのものだ。しかし、目の前にニンジンがなかろうとも、真剣勝負や全力プレーは今年も変わらなかった。卑屈も打算もない。名誉の戦いは特別延長にまで及び、両チームのカラーと魅力、学童野球の素晴らしさを暗に訴えるものだった。 (写真&文=大久保克哉) ※決勝戦のリポートと優勝チームの紹介は、後日公開します ■3位決定戦 5月31日◇山日YBS球場▽第1試合山城クラブ(甲府) 0130104=9 3000022=7甲府城東JBC(甲府)※特別延長7回【山】久保寺、秋山-森田奏【東】鴻谷、川手-伊藤三塁打/手塚登(山)二塁打/功刀(東)【評】甲府城東が1回裏、一番・関敢太主将から功刀琉(5年)、川手想真の3連打と敵失で3点を先取した。しかし、直後にスクイズで1点を返した山城が3回表、二死無走者からの4連打で逆転する。一番・手塚登陽が内野強襲安打から二盗、続く土橋陸音主将の中前タイムリーで1点。さらに森田奏登も中前打、四番・秋山凛太郎の左前2点打で4対3に。山城は5回にも敵失絡みで加点し、ダメを押したかに思われたが甲府城東が粘る。6回裏、四球から好機を広げて、九番・椚廉太郎(5年)と二番・功刀のタイムリーで7対7に。特別延長の7回表、敵失やスクイズ、手塚登の三塁打などで4点を入れた山城に対し、甲府城東も鴻谷太輔と渡邉剣士郎(5年)の連続タイムリーで食い下がったが、あと2点届かなかった。 甲府城東は1回裏、関主将、功刀(5年)、川手の3連打と敵失で3点を先取㊤。山城の先発・久保寺英翔㊦は、切れずに2回、3回を0点に 山城は3回表、4連打目となる四番・秋山の2点タイムリーで逆転㊤。6回表、守る甲府城東は6-4-3併殺を決めて攻撃へ㊦ 6回裏、甲府城東は椚㊤と功刀の「クヌギ」5年生コンビの適時打で7対7に。7回表、山城の九番・髙野莉瑚のスクイズが決まり㊦、これが決勝点に   ―Pickup HERO―打のヒーローが、それ以上に得たもの あきやま・りんたろう 秋山凛太郎 [山城6年/一塁手兼投手] 「うれしいはうれしいですけど…そんなに喜べないというか…」 勝利後も、どうも歯切れのよくない秋山凛太郎。銅メダルが気に入らないわけではないし、これに続く上部大会がないことが理由でもない。自分に少々、腹を立てていたのだった。  とはいえ、3位決定戦の打の殊勲者は間違いなく、この四番打者である。2回に中前打(=㊤写真)で1得点の起点となると、続く3回には二死二、三塁からレフトへ逆転の2点タイムリー。第3打席の6回には逆方向へヒットを放っている(=㊦写真)。「2回の1点(スコアは1対3)じゃ厳しいという思いもあって、しっかりピッチャーを援護できるようにと思って、3回は打席に入りました」  両チームを通じて3安打は他に、一番・手塚登陽だけ。だが、秋山はそれ以上のチームへの貢献を、自身に課していたのだった。「きのう(準決勝)はオレのせいで負けたので、きょうは大活躍して勝ってやるという思いでいました」 準決勝は、中央ジュニアベースボールクラブに3対6で敗北。1対1で迎えた4回裏の5失点が響いたが、このイニングで救援し、一死も奪えずに降板したのが秋山だった。  一死三塁のピンチから、1安打4四球で4失点。恵まれた体格も利した投球フォームはダイナミックで、まとまっている。許したヒットは完全に打ち取った当たり。またボール球ばかりを続けたわけでもなかったが、勝負どころの1球がことごとく、ストライクゾーンを外れた。「ブルペンではめちゃくちゃ良い投球をしてたのでね…。まぁ、ちょっと緊張しちゃったのかな」 クールに交代を告げた村田郷監督は翌日、失意の右腕をまた当然のようにマウンドへ送った。  4対3とリードの4回から登板した秋山は、5回まで無失点。だが、勝利目前の6回裏につかまり、2四球と2安打で同点とされてしまう。続く特別延長の7回表に9対5と勝ち越して迎えた裏は、いきなり連打を浴びて2点差に迫られる。 先発して3回まで投げたエースの久保寺英翔は、既定の70球まで7球を残していた。だが、ベンチの30番は動かない。秋山の球と目は死んでいなかったし、3回までは守る一塁から誰より大きな声を発していたのが、この背番号3だった(=㊦写真)。  7回裏、2点を失ってからは立て続けに3つのアウトを奪って試合終了。最後は見逃し三振、マウンドの右腕は雄叫びをあげていた。「これからは上に上がっていっても、しっかりと当たり前に打って、当たり前に投げられる選手になっていきたいです」 好きなプロ野球チームは日本ハム。スケール感のある二刀流が、経験値を爆上げした2日間だった。 ―Team Inside Story❶―ミスも挽回できる土壌。元独立リーガーが率いて1年目の進撃 第3位 やましろ 山城クラブ...

【全日本学童東京大会/速報】船橋が2年ぶり王座返り咲き、レッドも3年ぶり全国!!

【全日本学童東京大会/速報】船橋が2年ぶり...

2026.06.13

 第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は6月7日、郷土の森野球場で準決勝を、同13日に府中市民球場で決勝を行い閉幕した。準決勝で勝利した、船橋フェニックス(世田谷区)とレッドサンズ(文京区)による決勝は、特別延長7回、2時間を超える熱戦に。結果、8対3で制した船橋が、2年ぶり2回目の東京王者に輝いた(全国出場は3回目)。レッドは東京第2代表として、3年ぶり5回目の全国出場となる。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング。詳細なリポートを後日、お届けします ■決勝 6月13日◇府中市民球場船橋フェニックス(世田谷)1002005=81010100=3レッドサンズ(文京)※特別延長7回【船】森下、大野、森下、大野-石黒【レ】神谷、武内、大塚-原川本塁打/森下、佐々木(船)三塁打/原川(レ)、若月(レ)二塁打/大野2(船)、原川2(レ)、岡本、森下(船)   ■準決勝 6月6日◇郷土の森野球場◇C面第1試合船橋フェニックス(世田谷)130014=9000401=5用賀ベアーズ(世田谷)【船】森下、大野、森下、大野-石黒【用】佐藤、岡田-大和本塁打/森下(船)、鵜入(用)三塁打/大野(用)、石黒(船)二塁打/髙橋亮(船)、常永(用) ◇C面第2試合レッドサンズ(文京)00502=710011=3深川ジャイアンツ(江東)【レ】神谷、武内、大塚-原川【深】寺門、狩野-西山本塁打/佐藤(深)三塁打/大橋(深)二塁打/齊藤、原川、門田、野村(レ)

【全日本学童神奈川大会開幕/1回戦】32チームが全国切符かけ激突!

【全日本学童神奈川大会開幕/1回戦】32チ...

2026.06.12

 高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント神奈川県予選大会は6月7日、川崎市の等々力球場で開会式を行い、8月7日から愛媛県で行われる全国大会への切符を懸けた戦いが始まった。この日は午前8時30分から行われた開会式に続き、同球場など川崎市内4会場で1回戦16試合が行われた。6月28日に同球場で予定される決勝まで、熱戦が続く。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません※公式記録は神奈川県野球連盟のホームページでご確認ください   ――1回戦Pick UP―― 6月7日◇大師公園軟式球場◇第2試合清水ヶ丘ジャイアンツ〇4対0●栗木ジャイアンツ 新人戦関東王者におごりなし  昨秋の新人戦関東王者・清水ヶ丘ジャイアンツ(横浜)は川崎の強豪・栗木ジャイアンツとの“ジャイアンツ対決”に臨んだ。 1回裏に連続四球や六番・長養陽輝の左越え適時三塁打などで3点を先取した清水ヶ丘は、先発の松﨑星太朗主将が4回までを被安打3のゼロ封。5回を長養、最終6回を皆川遥人がきっちりと抑えて栗木打線を完封。攻めては5回にも1点を加え、危なげなく初戦を突破した。 清水ヶ丘は1回裏、四球で出塁の川崎晃輔が内野ゴロの間に先制のホームイン㊤ 長養は左越えに適時三塁打㊦  試合前には、「ウチには新人戦で優勝させてもらった、最後の武器“まぐれ”がありますから。頑張ります」と笑っていた清水ヶ丘・益留順一監督。ところが、完封快勝にも、試合後の表情は厳しい。「ぜんぜん、ダメですね」 まずは投手陣に苦言を呈した。 先発の松﨑主将はコントロール良く試合をまとめたが、「ムダな球が多いんですよね」と指揮官。松﨑主将本人も「集中が足りないまま、なんとなく投げてしまい、ボールが先行してしまう場面が何度かあって…」と反省する。 2番手の長養は伸びのあるストレートで、1イニングながら2奪三振と好投したが、「丁寧さが足りない。雑すぎる」とばっさり。最終回、皆川への継投は「懲罰交代ですよ」と、にべもない。その皆川については「彼は故障明け。といっても完治していますが。ただ、無意識だと思うんですが、まだ腕を振るのに躊躇があるようです」と、三者三様の課題を挙げる。 攻撃についても手厳しい。「とくに先頭打者については、もっと粘り強く攻めてほしい。どうにか出塁するんだ、という執念が足りないというか。淡白すぎるんですよ」 注文は多い。ただ、裏を返せば、この結果でも厳しい注文をつけたくなるほどに、地力をつけているということでもあろう。 益留監督が振り返る。「新人戦後は、多くのチームと対戦させていただきました」 新人戦王者に対して、関東圏の数多くのチームから対戦申し込みがあるのは、恒例行事のようなものだ。そうして多くの強豪と試合を重ねる中で、相手チームから学ぶところも多かったようだ。「攻撃面などは特にそうですね。できる、できないは別として、こういう形があるのか、といったことです。勉強になりました」 と指揮官。「ウチも(川崎晃輔、松﨑主将、皆川の)一、二、三番の打順は固定できるようになってきたんですよ」 今も進化の途中、といったところか。彼らがすべて注文通りに動けるようになれば…。今後の楽しみは大きい。 が、当然ながら、まずはここで結果を出したい。益留監督に油断はない。「(同じ横浜市の強豪の戸塚)アイアンボンドスさんは強いですから…」 おごりや、思い上がりは皆無。どこまで飛躍できるか。注目したい。   若き栗木Gは粘り光る  ここでは清水ヶ丘に及ばなかった栗木だが、初回の3失点にもかかわらず、粘り強く戦い抜いた。 四番に座り、3回表にはチーム唯一の長打となる二塁打を右中間に放った小林新拓(=㊦写真)、1回裏途中から、リリーフのマウンドに上がり2、3、4回を3者凡退で切り抜ける、堂々の投球を披露した餘助康生は、ともに5年生。スタメンには小林新拓、餘助を含め3人の5年生と、4年生1人が名を連ねる、若い戦力だ。  小林和洋監督は「人数は決して多くない5年生ですが、実力のある選手が多いんです。4年生にもいい選手がいる。まだこれからですが、新人戦に向けての楽しみもあります」 大舞台ではあるが、それゆえ、力のある下級生たちに経験を積ませるための選手起用、という意味合いもあったようだ。「敗戦には終わりましたが、収穫もあった試合でした」 と小林監督。「これからまだ地元の大会も、県大会もあります。6年生たちにも頑張ってもらいたいですし、5年生以下は新人戦もありますしね」 今後に注目したい、実力派軍団だ。

【全日本学童群馬予選/決勝】完勝で県3冠!!玉村が初の全国へ見参

【全日本学童群馬予選/決勝】完勝で県3冠!...

2026.06.05

 全日本学童マクドナルド・トーナメントの群馬県予選会。決勝は玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎市)が、韮川レッズ(太田市)を下し、秋の新人戦、4月の選抜大会に続く県3冠となり、2015年の創立以来初めての全国切符も手にした。一方、2018年に続く銀メダルとなった韮川は、7月24日からの高野山旗(和歌山県)へ。ほぼワンサイドとなった大一番だが、ヒーローもグッドルーザーも輝いていた。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。優勝チームは「全日本学童大会」のコーナーで追って紹介します 優勝 =初 たまむら 玉村ジュニアベースボールクラブ [群馬/伊勢崎市] ■決勝 ◇5月3日 ◇上毛新聞敷島球場 ◇第2試合玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎) 101303=8 000002=2韮川レッズ(太田)【玉】竹之内-小湊【韮】岡本、竹田、石戸谷-竹田、岡本、竹田本塁打/小湊(玉)、竹田(韮)二塁打/野口、山本(玉)【評】四球、敵失、犠打、四番・小湊煌月の右犠飛で開始早々に先制した玉村が、以降も優位に試合を進めて完勝した。玉村は3回に三番・野口虹斗(5年)の二塁打と敵失で加点。続く4回も小湊の2点タイムリーなどで5対0まで引き離すと、6回にまた小湊が3ラン。守ってもノーエラーで、打たせて取る5年生右腕・竹之内翔真が完投した。一方、四球やミス絡みで失点を重ねた韮川だったが、5回に青木庵がチーム初ヒット。6回裏には一番・佐藤真晟が中前打、三番・竹田一翔が左越え本塁打で一矢を報いた。〇玉村ジュニアベースボールクラブ・髙木謙監督「感無量です。竹之内がよく投げました。ウチには後押ししてくれるOBや保護者がいて、頼れるコーチもいて。子どもたちは役割がわかっていて鼻が利くので助かります」●韮川レッズ・長谷川陽志監督「正直、力負けです。決勝でも場慣れしている玉村さんに対して、ウチは緊張しっ放しで。技術の差もだいぶあるなというふうには感じました」 1回表に先制犠飛の玉村・小湊は4回に2点タイムリー㊤、6回に3ラン。その前を打つ5年生の野口は3回に二塁打㊦など2安打1打点 玉村は先発の竹之内(5年)㊤が4安打2失点完投。守っては無失策で、4回には6-6-3併殺も決めた㊦ 6回表、守る韮川は1-2の返球でスクイズを阻む㊤。その裏、三番・竹田が左越え2ラン㊦   ―Pickup Hero―先制、中押し、ダメ押し。すべて四番のバットから こみなと・こうが 小湊煌月 [玉村6年/捕手]  第1打席のライトへの先制犠飛は、両翼70mの特設フェンスがあれば、超えていたかもしれない。第3打席は遊撃手の頭上へ2点タイムリー。そして第4打席は、右中間を鋭いゴロで抜いてのランニング3ラン。まさしく“四番の働き”でVの立役者となった。「うれしいです。冬にバッティングを強化したり、守備も練習してきて、チームも仕上がってました」 1回に右へ先制犠飛㊤、6回に右中間へ3ラン㊦  小湊煌月は、4年生の秋に五番・捕手で関東新人戦に出場。中前打を放ったほか、マスクをかぶっても上級生に劣らぬ動きをしていた(=㊦写真)。そして1年後の昨秋の新人戦も、群馬大会を制して関東大会へ。  小湊のほか松本咲斗主将、室岡京、竹田隼に、5年生の野口虹斗と萩原瀧皇の計6人は、レギュラーとして2度目の関東新人戦だった。当然、優勝を期していたが、1回戦でラウンダース(山梨)に完敗してしまう。 112kmを投じた相手エースを前に、打線は手も足も出ず。四番の小湊も追い込まれてから105㎞、106㎞をそれぞれ空振りしての2打席連続三振に。「悔しかったけど、相手ピッチャー(伊藤誉=「2026注目戦士❷」➡こちら)の球が速くて、コントロールも良かったので打てなかったです」  でもその経験が、冬場の鍛錬の大きなモチベーションに。6年生になると、その肩は敵を抑止するレベルにまで成長。この全国予選の準決勝と決勝は、相手の盗塁企図がゼロだった。5年生エース・竹之内翔真との息もぴったりで、2試合連続で完投勝利へ導いた。「全国大会でも絶対優勝をめざして、がんばります。打って守って、玉ジュニらしい試合をしたい」 上背はまだそこまでないが、風格すら漂う四番・捕手。8月の全国デビューを楽しみにしているのは、本人や身内だけではない。...

【全日本学童埼玉大会】吉川、朝霞、上藤沢、山野が4強!!全国切符の行方は!?

【全日本学童埼玉大会】吉川、朝霞、上藤沢、...

2026.06.04

「小学生の甲子園」高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会は5月30日に3回戦8試合、翌31日に準々決勝が東松山市野球場などで行われ、吉川ウイングス(吉川)、朝霞ホーネッツ(朝霞)、上藤沢ライオンズ(入間市)、山野ガッツ(越谷)の4強が出そろった。6月6日にはさいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝が行われ、県代表が決定する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません   ■準々決勝 ◇5月31日 ◇東松山市野球場▽第1試合 吉川ウイングス〇3対2●西埼玉少年野球  吉川ウイングスが昨秋の新人戦王者で2年連続全国出場を目指す西埼玉少年野球(飯能)に競り勝ち、5年ぶり3度目となる大舞台に一歩、近づいた。 1回表、吉川先発の松浦遥史は西埼玉の先頭打者・中村湊主将に右前打を許したものの、送りバントを狙った次打者が反則打球で倒れると、この回を打者4人でしのいだ。 その裏、吉川の二番、5年生の西田陸翔が放った当たりは相手右翼手の頭上を越え三塁打に。二死後、同じく5年生の玉井颯音が右翼前にポトリと落ちる二塁打を放ち、吉川が先制に成功した。 しかし、直後の2回表、西埼玉は六番の横田来芽が右越え三塁打を放つと、内野ゴロの間にかえって同点とし、3回には二番・清水洋の左越え三塁打と三番・會田健真の連打で勝ち越し点を奪った。 吉川の反撃は4回。この回先頭の玉井が左翼線をライナーで抜く二塁打を放つと(=写真㊦)、杉本颯斗がバントで送り、5年生の佐々木稜晟が左中間を破る適時三塁打。さらに続く進恵翔がスクイズを決め、一気に再逆転した(=写真㊤)。 吉川・松浦は4回以降を1安打1四球に抑え、西埼玉に三塁を踏ませない好投。リードを守り切って吉川が勝利を収めた。 前日に伏線!? 読みと作戦ピタリ  背番号「1」を背負う吉川・松浦が初回からテンポ良く好投(=写真㊦)。新人戦王者の西埼玉エース・渡辺桜生と見応えある投手戦を繰り広げた。 前日の3回戦では、昨年大会準優勝の東松山野球スポーツ少年団(東松山)とタイブレークにもつれる接戦を繰り広げた吉川。この一戦ではやや奇襲気味に、松浦ほどの球速はないが、コントロール抜群の西田を先発させた。「タイブレークまで行ったのは想定外でしたが」(岡崎真二監督)、松浦は5回二死からのリリーフ登板で、投球数を30球に抑えることができたのだった。「昨日は早く家に帰って、ゆっくり休めました」という松浦は準決勝の疲れを感じさせず、「いつもより調子良かったです」と安定した投球を披露。強打の西埼玉に2点を許したものの、相手打線の積極的な打撃にも助けられ、回を追って調子を上げた。 4回以降は1安打1四球と危なげない内容で、終わってみればトータル54球の6回完投。「相手はいいピッチャー(西埼玉・渡辺)なので、負けたくないと意識しました」と、この試合の振り返る。「みんなが守ってくれるから、長打を打たれないように、低めに投げることを意識しました」 好投のエースはにこやかに、しかし淡々と試合を振り返り、勝利の喜びをかみしめていた。 「去年のこの大会で、西埼玉さんとは準決勝で当たって負けたんです。だからここは、先輩たちの思いも背負っての戦いでした。3月の別大会で対戦したときには負けていたので、選手たちに苦手意識がないかも心配でしたが…」 吉川・岡崎監督は厳しい戦いをものにし、表情を緩めた。 スタメンに4人の5年生が名を連ねる、今年の吉川。昨年準優勝の東松山に続き、王者・西埼玉を下した戦いぶりは、快進撃と呼ぶにふさわしい。「個々の力では、向こうが上。とくに、(前日の)熊谷戦ですべての得点に絡んでいた一番打者(中村湊主将)と四番打者(渡辺)には細心の注意が必要です。仮設フェンスがなく、外野がフリーのこの会場では、抜けたら簡単に三塁打やホームランになってしまう。長打を防ぐことを最優先にしようと選手たちと話して。ピッチャーが丁寧に投げ、みんながよく守ってくれました」 点差はわずか1。最後まで1本の安打で状況が大きく変わりそうな緊張感の中、最終6回表には西埼玉先頭の四番・渡辺の放った強烈なセカンドゴロをきっちりとさばき、二死一塁からは後方にフラフラと上がった飛球を背走しながら後ろ向きに好捕と、落ち着いた守備で試合を締めくくった二塁手の城ヶ崎翔は「最後は微妙なフライで、センターが走ってくるのも見えていたけど、大丈夫、と思って落ち着いて捕ることができました」とうなずいた(=下写真㊤㊦)。  低めを意識するあまりに、ホームベース手前でワンバウンドする場面も多かった松浦の投球を、ひとつも後ろにそらすことなく、安定した守備でチームを引っ張った安保凱翔主将(=写真㊦)は「強敵の西埼玉を相手に、一体感を持って戦うことができました。4回に小玉(満春)コーチが『オレたちには実力もあるし、ツキもある。やってきたことを出すだけだ』と声を掛けてくれて、気合が入りました」と笑顔で振り返った。  6安打の西埼玉打線に対して5安打と、数では及ばなかったものの、吉川は1回に2安打、4回に3安打と、得点した2イニングに安打を集め、効率良く得点した。「相手がコントロールの良いピッチャーでしたから、外角の球をしっかり踏み込んで、ボールを長く見て逆方向に打とう、と選手たちには話していました。長打はまあ、おまけのようなものですね」(岡崎監督) 西埼玉の長打は2本の三塁打、吉川は2本の三塁打と2本の二塁打。その4安打全てが得点に直結。結果的に、長打の数の違いが点差となり、勝敗を決めたことになる。4回に同点打となる三塁打を放ち、次打者のスクイズで勝ち越しのホームを踏んだ佐々木(=写真㊦)は「外角の球をしっかり打ち返すことができました」と対策通りの打撃に胸を張った。 「長打はおまけ」というものの、決して偶然ではない。綿密なゲームプランに基づいた打撃だったのだ。 また、準々決勝のタイブレークを「想定外」と振り返った岡崎監督だったが、逆に見れば、そのタイブレーク以外はすべて想定しての戦いだった、とも理解できる。 この大会での吉川の抽選番号は「1」。対戦表の左端に名前があり、すべての試合がその日の第1試合に組まれる。試合後、常に次戦の相手の戦いをじっくりと観察し、対策を練ることができるアドバンテージを存分に生かした戦いでもあったのだ。 とはいえ、この週末の2勝は、いずれも薄氷を踏むような1点差の勝利。全てがプラン通りに運ぶわけではないことも、痛いほど実感させられた2試合であったことも確かだ。 「昨日の東松山(野球スポーツ少年団)戦、そして今日の西埼玉戦と、最大の難関と考えていた2試合に勝つことができました」 岡崎監督が表情を引き締める。「しかし、一昨年と昨年は、どちらも決勝進出を果たせず、3位で終わっています。今回も勝ち上がったチームはすべて強い。ここで安心することなく、緊張感をもって次の試合に備えます」 5年ぶりの全国切符まで、あと二つ。勢いに乗る吉川ナインだが、決して油断することなく、最終日の2試合に一丸で臨む。   無念…西埼玉は切り替えて次へ  昨秋の新人戦に続く県大会制覇、そして昨年に続く2年連続2度目の全国大会出場を目指した西埼玉少年野球の戦いは、ベスト4目前で終了となった。「力が入りすぎていましたね。あれだけポップフライを打ち上げてしまっては…」 綿貫康監督はサングラスを外すことなく、淡々と振り返った。「ただ、選手たちの成長は感じられた、ここまでの戦いでした。エラーではなく、打ち負けてしまったのですから、仕方がない」 違いを探すならば、万全に近い状態で完投した吉川・松浦に対し、前日、熊谷グリーンタウン(熊谷)とタイブレーク8回まで戦った3回戦で、投球制限近くまで投げ切ったエース・渡辺(=写真㊤)にやや疲れが見えたことか。60球に近づいた4回に2本の長打を許してしまった。 「これがあるんですよねぇ。やはり、マックは怖い」 そうしみじみと話した指揮官は、選手たちに向かっても、淡々と言葉を投げかけた。「高い打球を打ち上げても勝てないぞ、と話したと思う。分かったよな。これも教訓だ。ここまでよく戦ったと思う。ご苦労さま」 もちろん、これで全てが終わるわけではない。「今後はスポ少の県大会と、ミズノドリームカップとポップアスリートと…。切り替えて臨むだけです」 負けてなお強し。新人戦王者は気持ちを切り替え、次の戦いへと進む。   初出場の朝霞がサヨナラ満塁弾! ▽第2試合朝霞ホーネッツ〇10対9●西堀ファルコンズ   ※タイブレーク6回  朝霞ホーネッツは1回裏から打線が爆発。先頭の馬場海翔が左翼へ三塁打を放つと、木田悠利の右前適時打で先制。さらに四番・岩重陽己主将が左翼に三塁打、五番・駒田研人が左翼に二塁打を放ち、3点を先取。2回裏にも連続死球から三番・山本悠太の左前適時打などで2点を加えた。 しかし、5点を追う西堀ファルコンズ(新座)は3回表に中村悠馬、佐藤正次の連打などで2点を返すと、5回には佐藤が左越えの三塁打を放ち、田口朝陽も左中間を破る三塁打。さらに5年生の渡辺颯太、山崎蓮も連打で続くなど、この回4点を奪って逆転。制限時間を過ぎたその裏に朝霞が1点を返し、決着はタイブレークに持ち込まれた。 延長6回表、西堀は三沢斗真が適時打を放つと、四死球も加わるなど3得点。しかしその裏、朝霞は絶体絶命の二死満塁から山本が満塁本塁打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた(=写真㊦)。  創部7年、県大会初出場の朝霞が4強入りの快挙。山本貴宏監督は「いやあ、シビれました」と喜び、「ファルコンズさんとは何度か対戦したことがありますが、一度も勝ったことがなかったんです。ここで勝てるとは」。続けて「ただ、ここまで勝てると思ってなかったから、(最終日の)6日に出張を入れてしまっていまして…」と笑った。 劇的なサヨナラ満塁弾に加えて、剛速球が目を引くピッチングでも躍動した山本は「最終回の打席は、ホームランを狙って打ちました。最後は夢中でホームに滑り込んで…。最高です!」と笑顔だった。...

【全日本学童山梨大会/速報】ラウンダース盤石V。2年ぶり3回目の全国へ

【全日本学童山梨大会/速報】ラウンダース盤...

2026.05.31

 8月に愛媛県である「小学生の甲子園」第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの山梨代表は、ラウンダース(山梨市)に!! 5月31日、山日YBS球場での県決勝で、中央ジュニアベースボールクラブ(中央市)に6対1で勝利し、2年ぶり3回目の全国出場を決めた。準優勝の中央ジュニアは、コントリビュートカップ第49回関東学童(8月、神奈川県)へ。同日の3位決定戦は「甲府市対決」となり、2022年に全国出場の山城クラブが、甲府城東JBCに9対7で勝利している。 (写真&取材=大久保克哉) ※決勝と3位決定戦は、追って特報します ■決勝 5月31◇山日YBS球場 ▽第2試合中央ジュニアベースボールクラブ(中央) 000100=1 20310 X=6ラウンダース(山梨)【中】笠井、芦川-芦川、笠井【ラ】伊藤、深沢-中村本塁打/佐野(ラ)三塁打/奥山(ラ)二塁打/奥山(ラ)   ■3位決定戦 5月31日◇山日YBS球場▽第1試合山城クラブ(甲府) 0130104=9 3000022=7甲府城東JBC(甲府)※特別延長7回【山】久保寺、秋山-森田奏【東】鴻谷、川手-伊藤三塁打/手塚登(山)二塁打/功刀(東)

【全日本学童群馬予選/3位決定戦】赤堀打線が猛爆、4回に一挙7得点でケリ

【全日本学童群馬予選/3位決定戦】赤堀打線...

2026.05.29

 47都道府県のチャンピオンによる「小学生の甲子園」こと、8月の全日本学童大会マクドナルド・トーナメント。関東地区では、今年も群馬県代表が最初に決まった。その予選の結果は速報済だが、最終日の3位決定戦からリポートしていこう。3回まで好勝負を展開した両軍は、全国予選での県4強以上は初めて。成り立ちも野球も異なるが、子どもの快活さは共通していた。なお、この一戦の勝者は阿波おどりカップ2026(徳島県)、敗れた4位チームはコントリビュートカップ第49回関東学童(神奈川県)と、8月の上部大会にそれぞれ出場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。決勝のリポートは追って公開します ■3位決定戦 ◇5月3日 ◇上毛新聞敷島球場群馬ワールドウイングス(高崎) 0010=1 0017x=8赤堀クラブスポーツ少年団(伊勢崎)【群】唐澤、安藤-桑原【赤】岩崎、吉田-藤倉三塁打/岩崎(赤)二塁打/神尾(赤)【評】4回表までは、緊迫の接戦だった。赤堀の先発・岩崎葵は打たせて取る投球で快調にアウトを重ねる。対する群馬も1回裏、二塁手の阿部力毅と中堅手の山本塁撰の好守でピンチを脱するなど、得点を与えない。その群馬が3回表、四球と犠打に二番・安藤翔輝の左前打で先制すれば、赤堀は一番・筑井勇征(5年)の左前打に二盗、四番・岩崎の中越え三塁打で1対1に。4回表、中堅手・神尾陽斗の美技など打者3人で守りを終えた赤堀は直後、一気に試合を決めた。先頭の五番・天野楓也から森下一槻(5年)、藤倉羚生の3連打で満塁とし、八番・神尾の左翼線二塁打で4対1に。さらに重盗や三番・吉田大蔵主将の中前打で加点し、六番・森下の右前タイムリーで8対1となり、コールドが成立した。〇赤堀クラブスポーツ少年団・吉田貴行監督「3回まで1点が重い展開だったんですけど、4回はウチのパターンに。ちょっと扉が開くと一気に爆発する(得点)。そういう選手ばっかりで良かったと思います」●群馬ワールドウイングス・大嶋良汰監督「1回、2回と守備で良いプレーもあったんですけど、4回にミスも続いて相手の攻撃を止められず…。監督として詰めの甘さと、苦しい場面で士気をつくれなかったのが反省点です」 赤堀の先発・岩崎㊤は3回1失点。群馬は1回裏二死一、三塁のピンチで、中堅手の山本が右中間への飛球を好捕㊦ 3回表、群馬の安藤が先制タイムリー㊤。赤堀はその裏、筑井(5年)が左前打㊦から二盗、岩崎の中越え三塁打で同点に 4回表に美技を披露した赤堀の中堅手・神尾㊤㊨が、裏の攻撃で満塁走者一掃の決勝二塁打。イニング11人目の打者・森下(5年)がコールド勝ちを決める適時打を右へ㊦   ―Team Inside Story➊―「楽しんでいこうゼ!」準備万端、おおらかな野球で大躍進 あかぼり 赤堀クラブスポーツ少年団 [群馬/伊勢崎市]➡阿波おどりカップ2026出場決定  前日の準決勝は、9安打11残塁で完封負け。最後の1安打が印象的だった。  0対5の6回表、二死無走者から九番・川田眞琥音が中前打(=㊤写真)。初球から4球ファウルした末に、チーム9本目の「H」を灯した川田は打席中、ただの一度もベンチを見なかった。打って出る! 堅固な意思は冒頭のスイングから読み取れたし、「好球必打」は他の打者も同じだった。 「9安打でゼロ点は監督の責任かな」と自嘲気味に笑った吉田貴行監督(=㊤写真)だが、後悔の色は浮かんでいない。そしてこう続けた。「上のカテゴリーでも通用する野球というのを私自身も求めていますので、あまり小細工をせずに『初球から良い球がきたら、いこう!』といつも。それで5球とかで攻撃が終わっちゃうこともあるんですけど、『楽しんでいこうゼ!』と。この大会(全日本学童マクドナルド・トーナメント※予選含む)と同じ合言葉でやってきていますので」 吉田主将は一本足打法㊤で2安打3打点。深澤大駕は前日の準決勝で中前打㊦  走者がいない打席では、ストライクを打つのみ。やるべきことが明確ゆえ、いちいち指導陣の顔色をうかがう必要もないのだ。 同様の方針を掲げる学童チームは少なくないが、赤堀クラブスポーツ少年団が特異なのは、何があろうとその根本が揺るがないこと。目先の1点や勝利を欲するがあまりに、「待て」を命じたり、凡退を咎めるような矛盾がベンチにない。  また大前提として、どの選手も打って出るだけのスイングを身につけている。実父でもある監督を「最高の監督で、最高のパパ」と語る吉田大蔵主将は、「火曜日と木曜日のナイター練習は厳しいです」とも口にする。 要するに、整ったお膳と明解なアプローチによって、おおらかな野球が展開されている。無責任と成り行き任せの「楽しむ」とは決定的に違う。県大会(全国予選)初出場で3位まで駆け上ってきた最大の要因も、そこではないだろうか。  3位決定戦も、1回、2回と好機はつくるも無得点。それでも二盗、三盗があり、無死一塁からヒットエンドラン敢行など、走者がいる場面ではサインプレーも見られた。そして3回表、岩崎葵の“四番のひと振り”でついに得点が入る(=㊤写真)。「昨日からずっとタイムリーが出てなかったので、絶対に自分が打ってやろうという気持ちでした」 外野オーバーの長打をこう振り返った岩崎は、相手の中継プレーで本塁タッチアウトとなり(記録は三塁打)、勝ち越しの生還はならずも1対1の同点に。待望のこのタイムリーが、攻撃の導火線に火をつけた。続く4回、打者11人の波状攻撃で7点を奪ってコールド決着に。  その超ビッグイニング中に、攻める赤堀側の一塁ベンチがドッと湧くシーンがあった。いきなりの連打で無死一、二塁となり、守る群馬ワールドウイングスが二番手投手をマウンドへ。このタイムの間に、いつもは沈着冷静な吉田監督をはじめ、指導陣の笑い声で盛り上がった(=㊤写真)。そのワケは――。「バントをしたい場面だったんですけど、本人(打席の七番・藤倉羚生)が、いかにも打ちたげな感じで(笑)。『信じてるから、打ちたいならバスターでいってこい!』と。期待に応えてくれましたね」(吉田監督)  藤倉は左前打(=㊤写真)で満塁とし、続く神尾陽斗の決勝タイムリーにつなげた。中堅守備も冴えていた神尾は、左打席から1球目2球目を一塁線へファウル。八番打者(準決勝は二番)とは思えぬ鋭い打球を連発すると、3球目を逆方向のレフト線に運ぶ技ありの一打(=㊦写真)で、走者3人を迎え入れた。 長短打7本で7得点した4回の攻撃は、五番・天野楓也の中前打㊦から始まった...

【全日本学童最終予選開幕】埼玉44、東京62チームが全国切符かけ激突!

【全日本学童最終予選開幕】埼玉44、東京6...

2026.05.21

 8月7日から愛媛県で行われる高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会と東京都大会が5月16日に開幕した。埼玉県大会には44、東京都大会には62の地区予選を勝ち抜いたチームが参加。それぞれのチームが全国大会への思いを胸に、代表権を懸けて熱戦を繰り広げる。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません ■埼玉県大会 開幕週で早くもベスト16  埼玉県大会は16日、さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で開会式を行った。午前8時30分、グラウンド内の外野フィールドに整列した参加44チームの選手たちが一斉にマウンド付近まで行進した。 名細少年野球クラブ(川越)・藤井樹來主将が「キャッチボールもできなかったボクたちをここまで成長させてくれた監督さん、コーチさん、熱い中、寒い中、いつも応援してくれた家族、そしてチームメートや対戦チームの皆さんに野球の楽しさを教えてもらいました。この大会に出場できることに誇りをもって、正々堂々と戦い抜くことを誓います」と元気良く選手宣誓した。 開会式後は4会場に分かれて1回戦12試合を行い、翌17日には6会場で2回戦16試合を消化。昨年優勝の西埼玉少年野球(飯能)、一昨年優勝の山野ガッツ(越谷)をはじめ、熊谷グリーンタウン(熊谷)、吉川ウイングス(吉川)、東松山野球スポーツ少年団野球部(東松山)、加須ドリーム(加須)といった、近年の優勝チームがそろってコールドで勝ち上がるなど、ベスト16が出そろった。6月6日にレジデンシャルスタジアム大宮で予定される決勝まで、熱い戦いが続く。   ■東京都大会 晴れ渡る夕刻に開会式  東京都大会は16日に府中市民球場で開会式を行い、翌17日に同市郷土の森第1野球場、同第2野球場で1回戦30試合を行った。 16日午後4時からの開会式では、一塁側、三塁側のフェンスを埋め尽くした参加チームの団旗や横断幕で彩られたグラウンドを、参加62チームの選手らが入場行進。ダイヤモンド内に整列した選手らに向かい、大会会長の長島昭久・都軟式野球連盟会長、府中市の高野律夫市長らが激励した。 ジュニアポニーズ(豊島)・長井慶吾主将が「この大会で勝ち抜くために仲間とともに汗を流し、たくさん練習を重ねてきました。最高の仲間と出会えたことに感謝し、野球ができる喜びを胸に、この大会を思い切り楽しみます。行きまーす!!」と元気良く選手宣誓を行った。 翌17日には、同士府中の森第1球場、同第2球場で1回戦30試合が行われた。昨年優勝の不動パイレーツ(目黒)、昨秋の都新人戦王者のレッドファイヤーズ(足立)、同準優勝のレッドサンズ(文京)などが順当に勝利。こちらは6月13日に府中市民球場で予定される決勝まで、全国大会行きの2枚の切符を懸け、激戦が続く。   ――Pick UP①―― 麻布、V候補と互角の戦いも金星スルリ ▽1回戦レッドサンズ〇4対3●オール麻布  オール麻布(港)が優勝候補の一角・レッドサンズに肉薄。最終回に同点まで追い詰めながら、サヨナラ負けで涙した。 初回、レッドサンズ・神谷駿に先頭打者本塁打を浴び、さらに1点を献上した麻布だったが、3回表、園山滉也の中前打と2四球に続き、吉本怜平が2点打を放ち同点に。その裏、1点を勝ち越されたものの、5回には安打の横山諒を阿曽謙誠主将の右前適時打でかえし、再び同点とした。 しかし、この時点で90分の制限時間を超え、この回が最終回に。その裏、四球と盗塁で勝ち越しの走者を得点圏に背負うと、1点を防ぐべく、連続申告敬遠で塁を埋めたが、最後はレッドサンズ・野村咲翔の高いバウンドの打球で三走がかえり、無念のサヨナラ負けとなった。 明らかに主導権を握っていた局面も多くあっただけに、選手たちの悔しさは晴れない様子。阿曽主将は「みんながチームのためにプレーして、ひとつになって戦えました。最後まで諦めなかったし、攻撃も守備もすごく成長したし、流れもよかったので…」と唇をかみしめた。 麻布は3回表、吉本が同点の2点適時打㊤。ピンチを切り抜け、ベンチで喜ぶシーンも㊦  年明けのフィールドフォースカップ4強入り(➡こちら)から、今大会港区予選での勝利と、目を見張る躍進を続けてきたオール麻布。この学年では、都大会でも好成績を残している地元のライバル・高輪クラブを逆転で破った予選からの戦いを振り返り、木下慎也監督は「港区予選の決勝で高輪さんに打ち勝てたことは大きかった。選手たちの自信にもなりましたし、良い流れのまま、この大会にも入ることができました」と語った。 打線の勢いだけではなく、守備や走塁にも積極性と堅実さが同居。最少失点で守り切り、攻め切って得点をもぎ取るしぶとい戦いに、選手たちの成長がうかがえる。指揮官は「らしさは出せたかなと思います。ここでも自分たちのプレーはできていた。ただただ、“あと一本”が足りなかったということでしょうか。みんな元気に、よく戦ってくれました」と奮闘のナインをねぎらった。 シーズン最初の大舞台は苦い一敗で終わったが、自分たちのプレーを全うし、優勝候補を追い詰めた戦いは、今後につながるはず。さらなる飛躍を期待したい。 サヨナラ勝ちのレッドサンズ㊤。門田憲治監督「危なかった。最終回は後攻だったので、タイブレークも頭に入れてリスクを取り、攻めることができました」   ――Pick UP②―― おばあちゃんに「打ったよ!」 ▽1回戦二小ジャガーズ〇15対1●和泉少年野球チーム  昨年のジャビットカップ王者・和泉少年野球チーム(千代田)と対戦した二小ジャガーズ(武蔵野)。初回はともに1点ずつを取り合い、混戦を予感させたが、2回には二小の打線が爆発。和泉少年の先発・今井遥士、二番手の加藤哲弘主将と、好投手二人を相手に安打を重ねた。 一番の荘司人哉主将は2回裏、一死満塁から左中間を破る満塁ランニング本塁打を放つ(=写真㊦)と、4回にも右翼線を破る3ランと2本塁打。二番の5年生・吉田蓮、三番の金田悠琉もそれぞれ2本塁打と大活躍だった。  2本塁打に加えて、最終回となった4回にはマウンドに上がり、きっちりと和泉少年打線を抑え、投打でチームを引っ張った荘司主将は「1試合2本(の本塁打)は初めてです。この調子で勝ち進みます!」と元気いっぱい。試合後はこの日、宮城県栗原市から駆けつけ、三塁側応援席で声援を送り続けていた、祖母の三田せつ子さんから「すごいね!...

【東日本交流大会/決勝】ラウン、粛々と初出場初V。大敗の上中妻にも真価あり

【東日本交流大会/決勝】ラウン、粛々と初出...

2026.05.11

 終わってみれば、大会初登場のラウンダース(山梨)のぶっちぎりVだった。第22回東日本交流大会の決勝は、地元・茨城県で新人戦4強の上中妻ニューフレンズに8対0で快勝。昨秋の関東新人戦で準優勝し、今夏の日本一を目標に掲げるチームは、雨や大差リードでも抜かりなく、細やかな野球を全員で貫いた。また、初の準優勝まで大躍進した上中妻も、「全国出場」を期するだけの実力と真価がうかがえた。戦評に続いて、両軍のインサイドリポートをお届けしよう。 (写真=大久保克哉、鈴木秀樹/文=大久保克哉) ※記録は編集部 ■決勝 4月4日◇希望ヶ丘公園野球場▽第2試合上中妻ニューフレンズ(茨城) 000000=0 20402 X=8ラウンダース(山梨)【上】鳥羽田、山﨑、桜井-小幡寛【ラ】佐野、国久-中村二塁打/小幡寛(上)、伊藤2(ラ)、三塚(上)、雨宮城(ラ) 【評】攻めては大技小技、守っては無失策で完封リレーと、ラウンが快勝した。1回裏、伊藤誉の先頭打者二塁打に犠打、佐野大翔の右前打で先制し、なおも二盗、進塁打、バッテリーミスで2点目。2回は双方に好守があった。ラウンが4-6-3の併殺を決めれば、上中妻は中堅手の山﨑大心が背後のライナーを好捕し、続いて三塚葵翔がライトゴロを決めた。勝負の分岐点は3回だった。上中妻は八番・綿引丈太朗の中前打から無死二塁とするも、送りバントをラウンの先発・佐野の好フィールディングで阻まれるなど無得点。その裏、ラウンは伊藤の適時二塁打など3連打や、奥山葵登主将の2ランスクイズで6対0に。5回には四番・雨宮城玖の適時二塁打などでダメを押したラウンは、二番手の国久大輝が6回を3者斬りで優勝を決めた。〇ラウンダース・日原宏幸監督「関東の強豪チームとやる緊張感の中で、タイムリーヒットもあり、小技と足技を駆使しての得点もあり。そして優勝することができた自信は大きいと思います」●上中妻ニューフレンズ・高野進一監督「普段はあまり県外のチームとやっていないので、この大会で良い経験になったと思います。打ちまくった感覚はありませんけど、初球ストライクから自分のスイングをすることはできていたと思います」 先制打のラウン・佐野は、投げては「打たせるピッチング」で4回0封㊤。一番・伊藤は2打席連続の二塁打で得点に絡んだ㊦ 小雨交じりの2回の守り。ラウンは4-6-3の併殺㊤、上中妻は三塚がライトゴロを決めた㊦㊧ 3回裏、四球を選んだラウンの深沢琉が、続く伊藤の右越え二塁打で長駆生還㊤。上中妻は3番手の桜井琳太郎㊦が粘投した   ―Team Inside Story➊―磐石のV。秋の新人戦から“圧巻”つづく 優勝 =初 ラウンダース [山梨]  同日の準決勝に先発して3回まで投げていた112㎞右腕、伊藤誉は既定の1日70球まで21球を残していた。「(心の中で)準備していたし、投げたかった」と話したミライモンスターだが、決勝は未登板のまま勝利。それも8対0というスコアで。ある意味、余力を残しての優勝。だが、全員でそれを勝ち取ったという表現のほうが適切だろう。 決勝はバットと遊撃守備で勝利に貢献した伊藤  3月の最後の土日から週またぎで計5試合。2回戦は茎崎ファイターズ(茨城)、準々決勝は平戸イーグルス(神奈川)、準決勝は吉川ウイングス(埼玉)と、気の抜けない全国区の強豪ばかりを相手にしてきた。そのなかで、遠征に参加した6年生12人全員がフィールドでプレーし、チームの勝利に貢献したのだ。 全6年生12人が機能  大会初登板の決勝で最後を締めた国久大輝は「緊張したけど、キャッチャーが落ち着かせてくれて、楽しく投げることができました」と笑顔。4番手の右腕だが「三振をたくさんとりたい」と向上心もあり、一塁コーチやボール係も務める。1回戦では代打で登場すると、内野ゴロで一塁へ頭から飛び込んだ(=㊦写真)。  出番があるから頑張るのではなく、いつでも何でも全力でやる。そういう選手だから、訪れた出番でパフォーマンスを発揮できるのだろう。同じく、昨秋の関東新人戦(準優勝)では出番のなかった、小玉翔太と佐藤統理もこの大会で確実に戦力となっていた。 実は大会3日目の最終日は、右翼手の降矢聖悟が体調不良で準決勝を欠場。だが、小玉と佐藤に、救援投手でもある深沢琉らの外野守備が安定しており、まったく穴を感じさせなかった。 準決勝で八番・右翼に入った小玉㊤。決勝でスタメンに復帰した降矢は5回、一死三塁から二ゴロで打点をマーク㊦  全員がフィールドで機能することを確認できた。これは5月の全国予選や、最多6連戦となる8月の全国舞台を踏まえても、大きな安心材料だろう。「これからも試合に出たら、しっかりと自信をもったプレーをして、試合に出なくても、チームのために何かできることを探してやりたいと思います」と小玉。「単打と足でチームに貢献して、みんなから注目される選手になりたいです」と佐藤。...

【東日本交流大会/番外編】新風から大旋風に!? 新興軍の確かな爪あと/逸材カタログ

【東日本交流大会/番外編】新風から大旋風に...

2026.05.07

 2003年(平成15年)に始まった東日本少年野球交流大会は、コロナ禍での中止を含めて23年の歴史がある。関東各地では全国大会の地域予選が始まる時期でもあり、「全国予選の試金石」との位置付けが定着。今年は参加32チームの半数に、全国大会(全日本学童マクドナルド・トーナメント)の出場実績があった。そうしたなかでは無名ながら、明らかに異彩を放つチームがあった。その真意に迫る特別ルポと、ベスト4以外で光った選手たちの写真カタログを番外編としてお届けする。 (写真&文=大久保克哉) ―On-the-ground report―革新のベンチワーク 3月29日◇希望ヶ丘公園多目的A ▽2回戦第1試合 ASAI KIDS☆UNITED(千葉) 120041=8 160002x=9吉川ウイングス(埼玉)  学生野球を取材して四半世紀。学童の現場へも足を運ぶようになって15年あまり。筆者が初めて目にするシーンがあったのは、大会の2日目。ASAI KIDS☆UNITED(千葉、以降「アサイキッズ」)と、吉川ウイングス(埼玉)による2回戦だった。 アサイキッズが3対1と勝ち越した後の2回裏。吉川が二死満塁から押し出しで1点を返し、クリーンナップを迎えたところで、守る一塁側のベンチが動いた。 「タイム!」 ゆっくりとベンチを出てきた背番号30は、マスクをかぶる伊藤龍成と言葉をやり取り(=㊤写真)。そしてそれから、球審に投手の交代を告げた。以下は、野口孝之介監督の弁。「自分の見た目と、球を受けているキャッチャーの意見は違うこともあるので、ピッチャーを変えるにしても必ず聞いてから。それも行き当たりばったりじゃなくて、投手陣には事前に声(登板予定)を掛けてあります。その上で、キャッチャーの判断と今までのデータから『こっちがいいよね』と最終確認をするように」  選手交代は独断という監督が、学生野球では圧倒的多数だろう。フィールドの選手の生声も踏まえて判断するなんて、それも学童野球で。少なくとも筆者は、他で見聞きしたことがない。 タイムをとった野口監督が、捕手の元へと歩いていくのにも理由があった。むろん、いたずらに時間を稼いだり、偉ぶっているわけではない。「まずは表情を見るんです。キャッチャーが困っているのか、ピッチャーが困っているのか。あの場面(2回裏)は、相手の良いバッターが続いていて、私の目にはピッチャーが押されちゃっていた。それをキャッチャーの子にも確認して、強気のピッチャーに代えよう、と」  背番号1の石田翔馬から、同18の中西奏太=㊤写真)へ。いずれも投げ方の基本が備わっている右腕だ。 ただし結果は、救援失敗。吉川は三番・安保凱翔主将(=㊦写真)と、四番・玉井颯音(5年)が連続長打など、3対7と一気に試合をひっくり返した。  アサイキッズにとっては、打者10人の長い守りが続いた。だがその間も、ベンチの30番は微動だにせず。そして3アウトを奪って戻ってくる選手たちを一人ずつ、グータッチで迎えた(=㊤写真)。表情はサングラスで隠れているが、あざけりや怒りといった負の空気感はゼロだ。「相手とか試合展開とかがどうであれ、自分は絶対に冷静に子どもたちに接する。人としても私がちゃんと見本にならないといけない。それはチームをつくったときから決めていることのひとつです」(野口監督) 「良い父親に!!」  アサイキッズは2022年に創部した。拠点は、太平洋を臨む九十九里町から内陸側に入った東金市にあり、「医療法人静和会 浅井病院」の社会人軟式野球部が運営母体となっている。  現役時代に外野手だった野口監督は、同野球部の主将となって2014年には全国準優勝(プライドジャパン甲子園大会)。その後は監督、現在は総監督という立場にある。地元の千葉で君津商高から城西国際大まで硬式でプレーした経験もあり、学生野球に潜む闇や理不尽を知らないわけではない。 何かにつけて「人間性」を口にする指導者が、それを真っ先に疑われる言動をしていたら始まらない。学童チームを立ち上げた野口監督のモットーは『(教え子に)良い父親になってほしい』というものだ。「やべぇ、学童野球ちょー楽しかったなって、野球人生がその後も続いて、いずれは野球を楽しく子どもに教えられる、そういうお父さんになってほしい。だからこそ、学童野球を目一杯に楽しむ。それもレベルの高いところで、こういう大会にも呼んでいただけるようなレベルで、勝つ」  先述のように、試合の守備の間はじっと戦況を見守る野口監督は、声もほとんど発しない。内外野へ指示をしているのは、ベンチの選手たちだ(=㊤写真)。このあたりにも、チームのあり方や指導スタンスがうかがえる。以下、指揮官の弁。「失敗してもいいから、基本は自分で考えて守りましょう、というのがチームの信条。場面とか相手打者の雰囲気、仲間のピッチャーの球威とかから各自で動く。私は勝たせてやりたいし、どうしても守備位置が気になるときは、ベンチの子に『あそこでいいと思う?』と話を振ってから、発信させる。するとそれで、ベンチの子も考えたり、覚えるじゃないですか」  主体的に事を運ぶ選手たちからは、結果や指導者に怯えている様子はうかがえない。それでいて一丸のムードがあるのは、共有する目標や目的があり、野球をしっかりと学んでおり、局面に応じてやるべきことを把握できているからだろう。 アサイキッズは、火曜と木曜に練習がある。病院と野球部のバックアップも受けて、屋内外の整った施設があり、個の育成は計測と年間計画に則って、練習は科学的な根拠にも基づいて。結果、チームは地域で勝ち進むようになり、秋の新人戦は2023年から2年連続で県大会に進出。昨年は『小学生の甲子園』全日本学童の予選となる県大会にも初出場し、低学年は県3位に食い込んだほか、NPBジュニアを2人輩出している。「土日に試合をして、その内容や反省も踏まえて、平日の夜に技術練習を目一杯にやらせてもらっています」(野口監督) あえての失敗も  さて、2回裏に大逆転された試合のほうは、終盤に再び大きく動いた。アサイキッズは5回表に7対7に追いつくと、6回表に1点を勝ち越す。しかし、その裏に吉川は長短打で8対8としてなお一死一、二塁で、2回に逆転二塁打を放っていた背番号10が右打席へ。  同じ会場内で同時進行中の他の2回戦を取材して回っていた筆者が、再びこの一戦に戻ってきたのはそのタイミング。アサイキッズは、背番号4の小島大輝を三番手でマウンドへ(=㊤写真)。やはり、身体の柔軟性と美しいフォームが光る右腕は、三番打者をフルカウントから内野フライに打ち取って二死とする。 だが、続く四番に右中間を破られ、8対9のサヨナラで決着した(=㊦写真)。  三番・四番の右強打者たちを打席に迎えたとき、ベンチの野口監督は珍しく大きなゼスチャーで、左翼手の守備位置を修正していた(=㊦写真)。「自分(監督)から動きたくないのが本心なんですけど、勝たせてやりたいので、ちょっと動いちゃって。最後も正直、次がボール球(見逃し)だったら『もうちょいこっち!』とベンチの子たちに言わせようと。でも一手が遅くて、(右中間へ)いかれてしまった。ガマンして自分を殺し過ぎると、こうなっちゃう…」  実は1週間前に『小学生の甲子園』につながる、地域予選の決勝で敗れたばかり。そして再起を誓ったこの東日本交流大会で、悪夢のような逆転サヨナラ負け。さすがに直後の指揮官は、いつもの凛ではいられなかったが、口調は穏やかだった。「う~ん…今日だけは勝たせてやりたかったですね…でも最後、外野を抜かれたのも『やっぱりだから、考えてやらなきゃね』という教えになる。明後日(火曜日の練習)に、みんなとまた顔を合わせるので。この負けを忘れないで、次につなげようよっていう練習ができるので」  ただ笑って楽しいではなく、存分に野球をしながら、より高いレベルに挑む。4年目の新興チームの新風に、やむ気配はない。あるいは、学生球界に根強い旧態依然や大人たちの理不尽をも吹き飛ばす、大旋風となる予感も。 この大会にアサイキッズを推薦したのは同じ千葉の強豪、豊上ジュニアーズの髙野範哉監督だった。その全国区の名将が筆者に漏らした一言も印象的だった。「これからは、ああいうチームに子どもが集まるでしょうね」  ...

【全日本学童群馬大会/速報】創設12年目、玉村が歓喜の初V。文句なしの県3冠

【全日本学童群馬大会/速報】創設12年目、...

2026.05.03

 第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの群馬県予選は5月3日、上毛新聞敷島球場で決勝を行い閉幕。玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎市)が、韮川レッズ(太田市)を8対2で下して初優勝し、8月に愛媛県で開催される『小学生の甲子園』出場を決めた。準優勝の韮川は高野山旗(7月、和歌山県)へ。また同日第1試合の3位決定戦を制した赤堀クラブスポーツ少年団(伊勢崎市)は、阿波おどりカップ(8月、徳島県)、4位の群馬ワールドウイングス(高崎市)は関東学童大会(8月、神奈川県)の出場権を手にしている。 (写真&取材=大久保克哉) ※記録は編集部。決勝と3位決定戦は、追って特報します ■決勝 5月3日◇敷島球場▽第2試合玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎) 101303=8 000002=2韮川レッズ(太田)【玉】竹之内-小湊【韮】岡本、竹田、石戸谷-竹田、岡本本塁打/小湊(玉)、竹田(韮)二塁打/野口、山本(玉) ■3位決定戦 5月3日◇敷島球場▽第1試合群馬ワールドウイングス(高崎) 0010=1 0017x=8赤堀クラブスポーツ少年団(伊勢崎)【群】安藤、唐澤-桑原【赤】岩崎、吉田-藤倉三塁打/岩崎(赤)