リポート

【埼玉新人戦】夏に全国1勝の西埼玉、新チームも県王者に

【埼玉新人戦】夏に全国1勝の西埼玉、新チー...

2025.10.08

 西埼玉、関東大会へ──。5年生以下の新チームで戦う、ノーブルホームカップ第27回関東学童軟式野球秋季大会の埼玉県予選大会は9月13日に開幕。地区代表40チームが参加し、県内の各球場で熱戦が繰り広げられ、同21日には県営大宮公園野球場で準決勝と決勝が行われた。決勝では西埼玉少年野球(飯能)が熊谷ウイングス(熊谷)を下し、2年ぶり3回目の優勝を決めた。西埼玉は11月22、23日に水戸市で行われる関東大会に出場する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■決勝 ◇9月21日◇大宮公園野球場 ▽第3試合 熊谷ウイングス(熊谷) 016101=9 34301 X=11西埼玉少年野球(飯能)【熊】荒木、江黒、橋本-須藤【西】武内、渡辺、鈴木、渡辺、武内-横田来、清水本塁打/武内(西)三塁打/須藤、沼上、秋庭(熊)武内、清水、中村(西)二塁打/橋本、江黒(熊)清水、荒井(西) 【評】1回裏、西埼玉は先頭の清水洋が右越え二塁打を放つと、次打者の内野ゴロが敵失を誘い無死一、三塁。盗塁で二、三塁とし、三番・武内瑛汰主将が左中間を破る三塁打を放ち2点を先制。さらに會田健真の犠飛で3点目を挙げた。西埼玉は2回にも清水、荒井若獅の連打、中村湊の左中間三塁打などで4得点。追う熊谷は2回表に1点を返すと、3回には一死から須藤旭が右越え三塁打、四番・秋庭真博の申告敬遠に続き大谷夏輝、江黒隼が連続適時打、さらに一死満塁から沼上晴雅が走者一掃の左越え三塁打を放つなど、打者一巡の猛攻で一挙6点を挙げて試合を振り出しに。それでも、西埼玉は直後の3回裏に清水、荒井の連打に続き武内主将が左越えの3ラン本塁打を放って再び熊谷を突き放し、5回にも1点を追加、追撃する熊谷を振り切って2年ぶりの優勝を決めた。(了)   優勝 =2年ぶり3回目 にしさいたま 西埼玉少年野球 [飯能市] 全国経験組を中心に攻守充実  最終日の午前中、準決勝の第1試合でレッドファイターズ(春日部)に5対2で勝利し、11対0で決着した、熊谷と上藤沢ライオンズ(入間)との第2試合を見ていた西埼玉・綿貫康監督がつぶやいた。「熊谷さんは打ちますねぇ…」 ただでさえ、投手のやりくりを考えると、点の取り合いになりやすい、ダブルヘッダーの2試合目。試合は予想通りの打撃戦となった。 注目の初回、先発の武内瑛汰主将が熊谷打線をゼロで抑えた西埼玉が、その裏に先制。2回表には、熊谷に1点を返され、なお一死二、三塁と同点のピンチを迎えたが、武内主将が三振で2つ目のアウトを奪うと、次打者の放った、抜ければ同点という飛球を、中堅手の鈴木聖絆が「微妙と思ったけど、思い切って行きました」と飛び込んでキャッチ。「突っ込んでいってよかった!」と窮地を脱したのだった。 2回表二死二、三塁、抜ければ同点の当たりを中堅手の鈴木(手前)が好捕(上)。その裏、一死一、二塁から中村が左中間に2点三塁打(下)     2回裏、西埼玉はさらに4点を追加。完全に西埼玉の流れと思われたが、3回表にまさかの6失点で同点に。「あの(2回までの)リードで“勝った”とは、思っていませんでしたよ」という西埼玉・綿貫監督の言葉通りの展開となった。  それでも、「ウチもみんな、よく振ってきましたから。3週間ごとに、バットのグリップを巻き替えなきゃいけないくらいには、やってきた。選手たちも、打ち負けない自信はあったんじゃないでしょうか」──。 試合を決めたのは、準決勝でも2本の本塁打を放ってチームを勝利に導いた、武内主将のひと振りだった。3回裏無死、清水洋、荒井若獅の連打に続き、相手左翼手の頭上を大きく越える3点本塁打。「ホームランを狙っていたわけじゃないけど、必ず走者をかえすつもりで、責任感を持って打席に入りました」とニッコリ笑った。 3回裏一死、清水が3安打目の右前打(上)。その裏一死一塁から荒井が左前打(下)  綿貫監督が「とにかく、優しい子。自分が投げているときに味方がエラーしても、まったく嫌な顔をせず、必ず『気にするな』と声を掛ける。周りのみんなが“彼のためなら”と思ってくれるような、そんな選手なんです」と評する好漢。「そのおかげで、チームワークもすごくいい」 最終6回表、1点を返され、なおも二死三塁。4回途中から渡辺桜生、鈴木、再び渡辺とつないできたマウンドに再び上がり、内野ゴロで試合を締めくくった武内主将の周りに、西埼玉ナインがワッと集まった。飛び跳ねて優勝を喜び合う西埼玉ナイン。一番の笑顔を見せているのは、その真ん中にいるキャプテン自身だった。 3回裏、竹内主将が左越え3ラン(上)。ダイヤモンド一周後も笑顔が弾ける(下)  今夏には、6年生中心のチームで、全日本学童マクドナルド・トーナメントに初出場を果たした西埼玉。2回戦で戦いを終えた全国大会では、9人の5年生もベンチ入りしていた。  その中で、武内主将は2試合ともに途中出場していた。上位進出を期待されながら、2戦目で涙をのんだ大舞台の戦いを、こう振り返る。「6年生の先輩たちの強さは、自分も一緒に戦っていたから、分かっていたつもりだったんですけど…それでも、負けてしまった。一つのアウトの大切さっていうか、たとえば2アウト目をとっても、少しの瞬間も油断しちゃいけないんだ、ということを学んだ気がするんです」...

【都新人戦2・3回戦】ベスト8出そろう。4年秋の王者は涙

【都新人戦2・3回戦】ベスト8出そろう。4...

2025.10.03

 東京都新人戦は9月27、28日、荒川戸田橋野球場で2、3回戦を行い、ベスト8が決まった。2回戦では、江戸川勢の葛西ファイターズB、江戸川ジュニアリバーズ、下鎌田イーグルスと、世田谷勢の用賀ベアーズ、世田谷成城ジュニアーズ、船橋フェニックスがそろって勝利。3回戦では、深川ジャイアンツ(江東)が昨年のジュニアマック(4年生都大会)王者の用賀ベアーズに逆転勝ち。レッドファイヤーズ(足立)、不動パイレーツ(目黒)、レッドサンズ(文京)ら有力チームも8強入りした。準々決勝は10月4日、準決勝は翌5日に予定。2回戦で国立ヤングスワローズB(国立)を破るなど躍進中の豊島ブレイズ(豊島)は、大会2連覇中の船橋と準々決勝で激突する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はランニング。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら) ■3回戦 ◇9月28日▽D面第1試合 深川G歓喜!用賀との激戦制す 用賀ベアーズ(世田谷) 2021030=8 2020041x=9深川ジャイアンツ(江東)※タイブレーク7回  深川ジャイアンツが最終6回に4点差を追いつき、タイブレークの末に4年生王者の用賀ベアーズを下した。  用賀が1回表、一番・藤熊恭士の安打に続き、岡田大和の2ラン本塁打で先制も、その裏、深川が植田爽太の内野安打と四球を足掛かりに、寺門大地のスクイズと、3年生ながら五番に座る内木謙斗の適時二塁打で同点に。3回にも用賀が藤熊、岡田の連打から2点を奪ったが、その裏に深川が寺門、内木、樋口睦人の連打などで追いついた。  用賀は4回に平尾大地の右二塁打と早川和輝の安打、大村駿太主将の犠飛で1点、6回にも敵失と四球で得た好機に藤熊と岡田が連続適時打を放ち3点を加え、得点差を4に広げたが、深川は最終6回裏に樋口、野崎健太、遠藤栄翔、狩野遥生の連打で猛追、「考えすぎると楽に打てないので、何も考えずに打席に入りました」という大貫航太郎の2点適時打で同点に追いついた。  勝負は無死一、二塁のタイブレークへ。表の用賀の攻撃を失策で無死満塁とされながらも、ゼロで切り抜けた深川は、その裏、敵失で二塁走者の大貫がホームを駆け抜け、うれしい逆転勝ちで8強入りを決めた。 「何といっても、相手は用賀さん。必死です。最終回には、点差があったのでとにかく『打て、打て』と」と深川・寺門宏監督。「きょうの最終回は、見本のような“つなぐ野球”をしてくれましたね。運もありましたが、選手たちのおかげです」。  タイブレーク7回表、二死満塁から内外野の間に上がった難しい飛球を「グラブ任せに、手を伸ばしたら捕れました!」と喜ぶ佐藤輝陽主将は「チーム一丸の勝利です」と声を張り上げた。 茫然のジュニアマック王者  4点差を追いつかれ、敗れた用賀ナインはぼう然。まさかの逆転劇に、応援席も静まり返った。  村上太郎監督の落ち込みも激しく、「気持ちで負けてしまったのかなあ…。やっぱりミスが出るとなあ…。でも、選手は責められないよなあ…。深ジャンさんはよく鍛えられているなあ……」と反省の弁が止まらない。それでも切り替えて、「これも経験。来年の飛躍に向けての試練と、プラスに捉えます。うん。まずは、これから地元で始まる城南カップから、しっかり戦っていきます」と前を向いた。  敗れはしたが、こちらも投手力、守備力、打力のいずれも高く、世代上位の実力は間違いない。敗戦の悔しさを糧に、今後の躍進に期待したい。   ■2&3回戦 新打線機能!ヤングパワーズが快進撃 ◆2回戦 ◇9月27日▽D面第2試合ヤングパワーズ(墨田) 00272=11 30401=8調布ファイターズ(調布)※5回時間切れ ◆3回戦 ◇9月28日▽F面第1試合ヤングパワーズ 14035=13 00000=0町田玉川(町田)※5回コールド  ヤングパワーズ(墨田)の勢いが止まらない。  西砂ベアーズ(立川)との初戦を9対1で勝ち上がると、2回戦では調布ファイターズ(調布)、3回戦では町田玉川(町田)と、都大会常連の強豪を立て続けに2ケタ得点で破り、8強に名乗りを上げた。...

【都新人戦】関東キップをかけ、62チームの熱戦に火ぶた

【都新人戦】関東キップをかけ、62チームの...

2025.09.27

 5年生以下の新チームで東京No.1を競う、東京新聞杯争奪第43回東京都学童軟式野球大会新人戦が9月23日、板橋区の荒川戸田橋野球場で開幕した。この大会はノーブルホームカップ第27回関東学童軟式野球秋季大会の予選も兼ねるほか、来年夏の高野山旗(和歌山)は優勝チーム、阿波おどりカップ(徳島)は準優勝チームが出場権を得る。各支部代表62チーム参加の開会式の後、1回戦30試合が行われた。 (写真&文=鈴木秀樹) 最後まであきらめず全力で戦います!  午前8時45分からは、都内各支部代表の62チームが集結し、開会式が行われた。入場行進を行い、ダイヤモンドを埋め尽くすように整列した約1000人の選手らは、新チームで臨む初めての都大会に、緊張の面持ち。  前年優勝の旗の台クラブ(品川)・五十嵐暖人主将から優勝旗、永井滉人選手から優勝杯がそれぞれ返還された。そして昭島ヤングライオンズ(昭島)の鷹取都和主将が選手宣誓。「監督、コーチ、お父さん、お母さんに支えられ、仲間たちと一緒に頑張ってきました。この大会では最後まであきらめず、全力で戦うことを誓います」と、元気よく言葉を発した。 不動、レッドなど初戦突破  開会式に続いて1回戦30試合が行われ、都大会常連の不動パイレーツ(目黒)は稲城ブラッキーズ(稲城)に10対0で勝利、レッドサンズ(文京)はいちがやチーターズ(新宿)に22対3で快勝した。一方、連覇がかかる旗の台クラブは、清瀬レッドライオンズ(清瀬)とタイブレークにもつれた接戦の末に辛勝。昨年の4年生大会、マクドナルド・ジュニアチャンピオンシップで準優勝の高輪クラブ(港)は、10対9の逆転サヨナラで花小金井サイドワインダーズ(小平)を下した。 27日には2回戦16試合、28日には3回戦8試合が行われる。決勝は10月12日、板橋区の城北野球場を予定。   ■1回戦 ※スコアは編集部。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら) ◇9月23日▽5面第3試合 清瀬、旗の台を追い詰めるも惜敗 旗の台クラブ(品川) 03314=11 04030=7清瀬レッドライオンズ(清瀬)※タイブレーク5回  ここでは伏兵といっていい清瀬レッドライオンズが、前年王者の旗の台クラブを驚異の追い上げで追い詰めたが、タイブレークの末に金星を逃した。 2回表に旗の台が先制。先頭の五番・中澤福丸が安打で出塁すると、為谷海渡の適時三塁打で先制し、福田光成、佐々木稜也の連打でさらに2点を追加した。清瀬はその裏、連続四球を足掛かりに、森下恭介の2点適時二塁打などで4点を奪い逆転。しかし、直後の3回表、3失点で旗の台に再逆転を許すと、4回にも1点を奪われ、4対7とリードを広げられた。 それでも、粘る清瀬は、90分の時間制限が迫った4回裏、石井大登主将、青木友愛の連打に敵失が加わり1点を返すと、さらに二死一、三塁から佳賀匡祐が右中間に2点二塁打を放ち、土壇場で同点に追いついた。 この時点で90分を過ぎており、勝負は無死一、二塁開始のタイブレークへ。延長5回表、旗の台に4点を許した清瀬は、その裏の攻撃を無得点で終え、接戦を落とした。 無念の惜敗に「よく頑張ってくれたんですけどねぇ」と天を仰いだ清瀬・坂本直樹監督は、「ただ、ここまで戦えることが分かったのは収穫。課題は守備、走塁とはっきりした。来年に向けて、良いに経験になりました」と気持ちを新たにしていた。石井主将は「もともとみんな、バッティングが良いので、力は出せたと思います。来年に向けて、もっと守備を鍛えないといけないと思いました」と、こちらも6年生に上がる、来年の飛躍を期していた。   ◇9月23日▽6面第3試合 高円寺が好発進!いつか茎崎Fと! 府ロクスポーツ少年団野球部(府中) 0001=1 6401x=11高円寺メイトA(杉並)※4回コールド  初回の攻防が勝負を分け、気づけば大差のコールドゲームとなった。「めっちゃ緊張しました。ドキドキで」 高円寺の先発マウンドに上がった田中瑛主将が振り返る。 1回表の守りを、2つの内野フライと、1つの外野フライでゼロに抑えた高円寺は、その裏、先頭の田中主将が右前打で出塁すると、二番の奥村友英も左前打。さらに四球、篠原瑛太の内野安打と続き、打者一巡で一挙6点を先取した。田中主将は「みんなが守ってくれて、その裏に点を取ることができた。みんな打てていたので、あれで落ち着いたかなという感じです」と、仲間に感謝した。  2回にも4点を加えた高円寺は、4回表に1点を許したものの、その裏に1点を挙げたところで「4回10点差」のコールド試合が成立、快勝で初戦を突破した。田中主将は「すごくうれしいです!」と笑顔を見せ、「次は強敵なので、それに向けて練習しないと」と、旗の台クラブとの対戦が決まった2回戦に向けて、切り替えていた。 田中主将の父で、背番号28を背負う田中晋輔コーチは茨城県出身で、関東を代表する全国大会常連の茨城・茎崎ファイターズを率いる吉田祐司監督とは幼なじみ。竜ケ崎一高では、ともに甲子園で戦ったチームメートでもあり、いまも連絡を取り合う仲という。「茎崎は全国クラスの強豪ですが、いつか戦えたらなあ、と思っているんですよ」と話していた。

【NPBジュニアトーナメント2025】年末4度目Vへ、巨人Jr.18戦士が始動

【NPBジュニアトーナメント2025】年末...

2025.09.26

 学童球児の年末の夢の祭典「NPBジュニアトーナメントKONAMI CUP2025」(日本野球機構、NPB12球団主催)に向けて、NPB12球団ほか全16球団のジュニアチームが各地で始動してきている。過去3回優勝の読売ジャイアンツジュニアは、9月13日に都内で練習をスタート。プロOBの指導陣の下、選ばれし18人のメンバーが基本的なメニューを精力的にこなした。今後も週末を中心とした活動で切磋琢磨しながら、2014年以来となるジュニア日本一へ向かう。 (写真&文=鈴木秀樹) 16+2人で練習をしっかり  今年のジャイアンツJr.のメンバー(※ページ最下部参照)は昨年同様、大会規定のベンチ入り16人に、サポートメンバー2人を加えた18人。7~8月に行われたセレクションを経て選ばれた精鋭たちの中には、春から夏にかけて行われた、学童軟式の全国大会や都県大会を賑わせた顔も多い。 2022年と翌23年に準優勝へ導いた西村健太朗監督は、就任6年目になる。活動開始の3連休(9月13~15日)は都内のグラウンドで、13、14日を練習に、最後の15日を練習試合にあてた。 14日の練習は、午前中限定で4時間弱。本格的な走塁練習こそメニューになかったものの、ポジション別に連係も含めた守備練習や、穴あきボールを使った打撃練習を集中的に行った。  ジャイアンツJr.には、優先的に利用できるグラウンドがない。そこで昨年までは、他のジュニアチームや各地の学童選抜チーム、中学軟式野球部などとの練習試合を積極的に組み、実戦を通したチームづくりが恒例だった。だが、今回は少し違うようだ。「今年はできるだけグラウンドを確保して、練習をしっかりしていきたいんです」と西村監督は語る。例年、選手らの長所を見出し、個々の将来まで見据えた起用とチームづくりが印象的。今年はさらに踏み込み、限られた期間ながら、技術面の指導と育成も活動の軸に据えていくという。  練習2日目は、西村監督は専門分野の投手陣を中心に全体を見て回った。また、内野守備は黒田響生コーチ、外野守備と打撃は大田泰示コーチと、それぞれ専門分野を中心としながら選手らの動きをチェックし、アドバイスを送る姿があった。  そのほか成瀬功亮マネジャー、與那原大剛サブマネジャーら、通年スクール「ジャイアンツアカデミー」のコーチ陣も加わり、充実の指導体制。巨人の一・二軍でのコーチ歴も長い、同アカデミーの高田誠副校長は、捕手候補の選手たちに基本動作をみっちりとたたき込んでいた。  今年から新たに加わった大田コーチは、2009年にドライチで巨人に入団し、昨季までDeNAでプレーしていた35歳。この1月からジャイアンツアカデミーでもコーチとして、高学年選手の指導にあたっている。 「ジュニアチームも6年生ですし、違和感なくやれています。(ジュニアチームの指導は)まだ活動が始まって間もないので、これからですが、選手一人ひとりの長所を引き出してあげることができたら」(大田コーチ) 昨年同様16チームで開催  第21回となる今年のNPBジュニアトーナメントは12月26~29日、神宮球場と横浜スタジアムを舞台に行われる。第1回大会から出場しているNPB12球団のジュニアのほか、昨年は招待チームとして参加したオイシックス、くふうハヤテ、日本独立リーグ野球機構のルートインBCリーグ、四国アイランドリーグplusを加えた、ジュニア16チームが正式な出場チームとなり、日本一を競う。   ■2025読売ジャイアンツジュニア メンバー ※名前50音順。取材時点で背番号は未公開。チーム名の太字は全日本学童大会出場 荒武晄大(谷端ジュニアスポーツ少年団)香川幹大(西埼玉少年野球)金山晃大(狛江ロッキーズ)鴨志田京(高輪クラブ)木村慎太郎(和泉少年野球チーム)熊井健隼(深川ジャイアンツ)榊原輝人(小金井三小メッツ)笹川隼人(グレートベアー)佐々木雄一郎(府中五小ファイブファイターズ)篠田凌(用賀ベアーズ)納冨航成(野川レッドパワーズ)平塚翔馬(南六郷ライダース)舩山海翔(松風スラッガーズ)松尾錠(深川ジャイアンツ)丸山永翔(習志野サンデーズ)山㟁陽(豊島ブレイズ)山崎央月(国立ヤングスワローズ)割石有音(文京パワーズ)

【都学童王座決定戦】2025東京無双の不動が三冠達成、全国の無念も晴らす

【都学童王座決定戦】2025東京無双の不動...

2025.09.24

 全日本学童マクドナルド・トーナメント東京予選と、都知事杯フィールドフォース・トーナメントの上位チームが集い、あらためて頂上を競う「東京都スポーツ文化事業団理事長杯駒沢ジュニアベースボール大会 第17回東京都学童王座決定戦」は8月24、30、31日に東京都世田谷区の駒沢硬式野球場で行われた。決勝では大会3連覇のかかる不動パイレーツ(目黒)と国立ヤングスワローズA(国立)が激突。最終回の大逆転劇で不動が勝利を収め、3年連続6回目の優勝を果たした。 (写真=大久保克哉/文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はランニング ■決勝 ◇8月31日◇駒沢硬式野球場 不動パイレーツ 000103=4 020000=2国立ヤングスワローズA 【不】山田、木戸-岡本、山田【国】山崎、谷津、宮下瞬-濱田三塁打/田中、山田、茂庭(不)吉川(国) 【評】国立は2回、先頭の四番・吉川陽壱主将が右翼線を破る三塁打を放つと、続く清水升爲のスクイズで先制、さらにこの打球が悪送球を誘い、清水も二塁へ。その後一死三塁とし、濱田藍のスクイズで2点目を奪った。追う不動は4回、四球の寺田悠人を一塁に置き、四番・山田理聖が右翼線を破る適時打。しかし、三塁を回った山田が走塁死し、追加点はならず。しかし、不動は1対2で迎えた最終6回表、竹中崇と山田の連打に四球が加わり、茂庭大地、北條佑樹がバントを決めるなど、機動力も絡めて3点を奪い逆転、その裏の国立の攻撃をゼロで抑え、厳しい戦いを制し、都大会3冠を達成した。   優勝:不動パイレーツ 打線は爆発せずとも、巧みに攻め勝つ“不動流”  初回に先頭の田中璃空主将が中越え三塁打を放つ(=下写真㊤)も、次打者の投ゴロでホームを狙い走塁死(=下写真㊦)。2回にも先頭の山田理聖が安打で出塁したが、二死二塁からの遊飛で帰塁できず、併殺で攻撃終了となった。  1度ならず2度までも、先制の好機を生かせず、わずか半月前の全国大会での悔しい敗戦から立ち直れていないのか──とも思わせた不動パイレーツだったが、そうではなかった。 「すぐに切り替えて、この駒沢王座で優勝し、都大会3冠を達成することが、本当の自分たちの強さを示す唯一の道だと、選手たちと話し合ったんです」と田中和彦監督。  優勝することになる長曽根ストロングス(大阪)に敗れた全国大会3回戦は、いわば“相撲に勝って勝負に負けた”試合内容。しかし、ここまで、内容でも結果でも勝ちにこだわることで進化してきた、今年の不動だけに、ここでは何としても結果を出したい。序盤のちぐはぐな攻撃は、いわば気合が入りすぎたゆえの空回りだったということなのだろう。 決勝はスピードのある山田が先発のマウンドに  相手は国立ヤングスワローズ。全日本学童予選では準々決勝でぶつかり、最終回に逆転し、なんとか勝利を収めた強敵だ。田中監督が付け加える。 「ピッチャーの山崎(央月)君をはじめ、国立さんの選手たちも、以前戦ったときと比べても、ものすごく力をつけているのが分かります。その状況下でも勝ち切ることが、自分たちの力を証明するためには必要なんだ、と話したんですよ」 こだわってきた、勝つためのスタイル  序盤に許した2点が重くのしかかる展開の中、反撃は4回の1点にとどまっていたが、最終6回、ついに不動打線が本来の力を発揮した。この回は長打こそなかったものの、単打とバント、四球に足を絡めて3得点。4つの盗塁のうち、2つは三盗だ。  相手のスキを突く盗塁で流れをぐっと引き寄せて畳みかける、年明け以降、不動がこだわってきた「負けない」ための気持ちの強さが前面に出た逆転劇だった。  3回からは木戸恵悟がマウンドに上がった 「全国大会は、4回時間切れで負けたんですよね。選手たちには『あの悔しさを思い出せ』と。あのときは5回、6回、戦うことすらできなかったんだぞ、と。今日は6回までできるんだ、ここで逆転しないでどうする、そんな言葉を掛け続けて、選手たちがそれに応えてくれたんですよ」  そう話す田中監督も笑顔だ。「これからは、受験でチームを抜ける選手も出てくる。このメンバーで戦えるのもわずかなんだから、楽しんで来い、とも言ったんです。彼らにとって、良い思い出になってくれたらいいんですが」。 6回表には竹中と山田㊤の連打で、竹中が同点のホームを踏んだ㊦...

【全日本学童茨城大会/決勝】茎崎、ほぼ満点!3年連続12回目V

【全日本学童茨城大会/決勝】茎崎、ほぼ満点...

2025.08.07

 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント茨城県大会は、茎崎ファイターズ(土浦市)の3年連続12回目の優勝で閉幕した。楠クラブスポーツ少年団(結城市)との決勝は8対0の5回コールド。2ケタ安打に被安打2の無失策と、ほぼ満点に近い内容だった。その絶対的な王者へも好戦的なスタイルを貫いた楠も、無失策など特質すべきチームだった。茎崎は11日開幕の全国大会に出場するが、準Vの楠もその後の予選を突破し、本日8日開幕のスポーツ少年団の全国大会(エンジョイ!野球フェスティバル)に初登場する。 (写真&文=大久保克哉) ※全国展望チーム紹介「茎崎ファイターズ」➡こちら 優勝 =3年連続12回目 くきざき 茎崎ファイターズ [土浦市]   準優勝 くすのき 楠クラブスポーツ少年団 [結城市]   ■決勝 ◇6月22日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 ▽第2試合 楠クラブスポーツ少年団(結城)  00000=0  3221 X=8 茎崎ファイターズ(土浦) ※5回コールド 【楠】直井大、三宅-阿部孝 【茎】百村、石塚-佐々木 本塁打/佐々木(茎)...

【全日本学童茨城大会/3位決定戦・写真ダイジェスト】2時間超の乱戦、諸川が8回でケリ

【全日本学童茨城大会/3位決定戦・写真ダイ...

2025.08.06

 第45回全日本学童マクドナルド・トーナメント茨城大会は、6月22日にノールブルホームスタジアム水戸で3位決定戦と決勝を行い閉幕。諸川ファイターズ(古河)と、嘉田生野球スポーツ少年団(筑西)による3位決定戦は後半から大きくもつれ、特別延長の8回で決着するまでに約2時間半。3位表彰と決勝戦がすぐに始まり、試合後の取材ができなかったことから、戦評と写真ダイジェストをお届けする。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部 ※※決勝戦リポートは近日中に掲載します 第3位 もろかわ 諸川ファイターズ [古河市] ※県代表として出場した8月2・3日の関東学童で優勝   ■3位決定戦 ◇6月22日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 ▽第1試合 諸川ファイターズ(古河)  00021028=8  00010221=4 嘉田生野球スポーツ少年団(筑西) ※特別延長8回 【諸】真船、白石、樫村-白石、樫村、白石 【嘉】坂本、根本、坂本、国府田-山中 本塁打/宮崎(諸) 三塁打/白石、小又渓(諸) 二塁打/小倉、宮崎(諸) 【評】8時20分過ぎに始まった試合は、前半戦の3回を消化するのに30分とかからず。嘉田生野球スポーツ少年団は左腕の坂本繋心が、諸川ファイターズは右腕の真船睦巳が、それぞれ粘り強く投げ合った。  3回までに生まれたクリーンヒットは、嘉田生の五番・山中隆惺の左前打1本のみで、双方とも野手はノーエラー。諸川は二塁を守る樫村晃太郎主将が、内外野へ盛んに指示を出しながら守備を統率する。一方の嘉田生は5年生コンビの二遊間、田中明日斗と橋本大輝の適切な判断と堅実性が光っていた。...

【全日本学童千葉大会/決勝】15得点&完封。豊上の牙城揺るがず6度目V

【全日本学童千葉大会/決勝】15得点&完封...

2025.08.04

 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント千葉県予選大会は、豊上ジュニアーズ(柏)の2年連続6回目の優勝で閉幕した。匝瑳東ベースボールクラブ(東総)との決勝は、18安打2本塁打の15得点に完封で4回途中で終了。王者の牙城は極めて堅固であった一方、初のファイナルまで躍進してきた匝瑳東も毎回安打で守ってはノーエラーを貫いた。戦評に続いて、ヒーローと敗軍の横顔をお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※全国展望チーム紹介「豊上ジュニアーズ」➡こちら 優勝 =2年連続6回目 とよがみ 豊上ジュニアーズ [柏市]   準優勝 そうさひがし 匝瑳東ベースボールクラブ [東総/匝瑳市]   ■決勝 ◇6月21日 ◇国府台スタジアム 匝瑳東ベースボールクラブ(東総)  0000=0  0681=15 豊上ジュニアーズ(柏) ※4回裏途中、時間切れ 【匝】宮内勇、丸山駿、鶴岡ー伊藤龍、宮内勇 【豊】山﨑、中尾-神林 本塁打/中尾、村田(豊) 三塁打/後山、矢島、福井、中尾(豊)...

【東京都女子学童エリエールT/決勝】江東、コールド勝ちで初優勝!

【東京都女子学童エリエールT/決勝】江東、...

2025.07.30

 東京都知事杯第14回東京都女子学童軟式野球大会エリエール・トーナメントは7月13日、奥戸総合スポーツセンター野球場(奥戸野球場)で決勝が行われ、オール江東女子がオール葛飾アイリスを破り、大会初制覇を果たした。葛飾と江東はともに、8月14日から岡山県で行われるNPBガールズトーナメント2025への出場が決まっている。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部   ■決勝 ◇奥戸総合スポーツセンター野球場オール葛飾アイリス 1000=1 146x=11オール江東女子※4回コールド【葛】橋本、米山、橋本-嵯峨【江】小林-高澤三塁打/橋本(葛)二塁打/米山(葛) 序盤の攻防が流れを左右  あるいは、まったく逆の結果もありえたのかもしれない。 序盤の攻防が明暗を分けた。 1回表、オール葛飾アイリスは先頭の秋山莉花が四球で出塁する。一死後に三番・橋本珠莉が右中間を破る長打を放ったが、一気に本塁を狙うもタッチアウト(=下写真)。先制したものの、追加点は奪えなかった。  その裏、オール江東女子は先頭の佐藤紫が右前打を放つと、その後は四球、三振、四球、三振。二死満塁で迎えた六番・高澤はるか主将がカウント2-2から粘って四球を選び、同点とした(=下写真)。しかし、その後は続かず3者残塁と、こちらも同点どまりだった。  2回、葛飾は先頭の五番・米山愛莉が右中間二塁打。四球と盗塁で一死二、三塁としたが、あと1本が出ず、無得点に終わった。一方の江東は、その裏に好機をものにした。簡単に二死となって打順が先頭に返ると、佐藤の内野安打を足掛かりに力石果穂、小林咲葵、清水せいら、石坂樹苺まで5連打(=下写真㊤㊦)。さらに敵失も加わり、この回4点を勝ち越すことに成功した。  3回にも二死満塁のピンチをゼロでしのいだ江東は、その裏、安打はすべてシングルながら、打者11人の猛攻(=下写真)で6点を加え試合の大勢を決する。回を追って調子を上げてきたエース・小林は、投ゴロ、三振、三振で締め、4回10点差のコールド決着となった。   ―優勝― オール江東女子 [江東区] 監督だけがガチガチ 「とにかく、選手の家族の一体感や、選手たちが普段プレーする地元チームの協力がすごいんです」 長江彰孝監督の言葉を裏付けるかのような大きな歓声が、三塁側応援席を包んだ。応援席を埋め尽くした、選手の父母や祖父母、深川レッドソックスやニュー愛宕といった、地元チームの仲間たちによるものだ。「僕はもう、昨日の晩からソワソワしちゃって、きょうも6時過ぎに、会場一番乗りですよ」 指揮官の興奮は冷めやらない。「でも、選手たちは思った以上に、いつもどおりで。こんなに良い球場で試合なんて、ふつう緊張するものだと思うんですが、ウチの選手は、グラウンドに入ると、普段どおりに鬼ごっこはするわ、芝生で寝転ぶわで…。僕ひとりが、緊張でガチガチでしたね」 それは試合中も変わらなかった。「僕はずっと、最悪のケースを想定していました。2アウトからのチャンスでは、ここで終わってしまったら、とか、相手のチャンスでは、ここで打たれてしまったら、とか…。走塁ミスなどもありましたが、選手たちはそれを引きずることもなく。すべてが良い方に出たんです」  そうなのだ。この日のオール江東は、驚くほどに泰然としたプレーで、試合を支配していた。面白いように打線がつながり、大量のリードを手にしてからは、なおさらだ。「試合の前、ブルペンではよくなかったんです」とは完投勝利の小林。「でも、みんなが点を取ってくれて、最近は打ててなかったんだけど、自分もヒットを打つことができて、それでピッチングも良くなってきて…」 もちろん、それらが偶然の連続なのかといえば、そうではない。 2回の大量得点のきっかけは、前日に練習したプレーからだった。「ランエンドヒットですね。『やることがあるかもしれないぞ』って言って、昨日、練習したんですよね。そしたら、あの場面でうまくいった」 この試合で、オール江東打線が放った11安打は、すべて単打。 「大きい当たりは出なくても、みんなでつないで、走って。それがオール江東の野球です。あと、みんな笑顔で、野球を楽しむこと」と高澤主将。「優勝までは考えていなかったけど、この大会では厳しい試合も勝って、自信をつけることができました」 東京代表として、全国の舞台へ。長江監督が表情を引き締めた。「今年は守って打てる、そんな選手がそろったチームではあるんです。なんとか初戦を勝ちたい。そうすれば…」 真夏の大舞台に思いをはせる指揮官に、すっかり昼食モードの選手たちが声をかけた。「監督、きょうは泣かないんですかー!?」   ―準優勝― オール葛飾アイリス [葛飾区] NPBガールズで雪辱だ!!  準決勝で快投を見せ、チームを全国大会出場に導いたオール葛飾アイリスのエース・橋本が、この日はコントロールに泣いた。 紙一重だった。1回二死、あと1つストライクが入っていれば…。もちろん、この場面は江東の打者・高澤主将の粘り勝ちではあったのだが、あまりに大きい1球だった。 攻撃面もしかり、だ。二死からの得点で波に乗った相手に対し、葛飾はあと1本が出ず、徐々に元気もなくなっていった。積極的な打撃も裏目に出る形で、序盤は制球に苦しんでいた相手投手の立ち直りをアシストする結果にもなってしまったのだった。「いや、きょうは力負けですよ。結果的に、手も足も出なかった」 葛飾・西村光輝監督は選手同士も仲の良い、江東の選手らを笑顔で祝福した。  その一方で、ここまで大量得点で勝ち上がってきた葛飾だけに、きっかけさえあれば、打線は爆発していたはず。やはり、好機で1本出ていれば…の思いは強かったようで、あらためて「これが野球なんですよね…」とかみしめるようにつぶやいた。 しかし、悔やんでいる暇はない。こちらも全国大会出場は決めているのだ。「もちろんです。むしろ、これからですからね」 8月の岡山では、ひと回り成長したチームの姿を見ることができそうだ。...

【全日本学童東京大会/決勝】1047チームの王者は不動!!越中島と堂々のバトル

【全日本学童東京大会/決勝】1047チーム...

2025.07.26

 東京1047チームの王者を決するファイナル。第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの予選会決勝は、逆転また逆転のバトルの末、不動パイレーツ(目黒)が越中島ブレーブス(江東)を破り、4年ぶり3回目の優勝を果たした。全国大会は8月11日に新潟県で開幕し、競技は翌12日に始まる。東京第1代表の不動は1回戦第2試合で、宮古ヤングパワーズ(岩手)と対戦。第2代表の越中島は1回戦シードで、2回戦の第2試合から登場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※全国展望チーム紹介「越中島ブレーブス」➡こちら ※※※全国展望チーム紹介「不動パイレーツ」は追って掲載します 優勝 =4年ぶり3回目 ふどう 不動パイレーツ [目黒区]     準優勝 えっちゅうじま 越中島ブレーブス [江東区]   ■決勝 ◇府中市民球場 ◇第2試合 不動パイレーツ(目黒)  02525=14  04010=5 越中島ブレーブス(江東) 【不】木戸、岡田-山田 【越】石原、宮川、一木-長島穂...

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち➍船橋フェニックス

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.24

 両投げの“ミライモンスター”を擁して東京で準優勝し、全国デビューしたのが2年前。翌2024年は、NPBジュニアも6人輩出することになる“タレント軍団”で、全国3回戦まで進出した。そして今年は、夢舞台へあと一歩で涙――。けれども、その取り組みは今の時代の先端をゆく斬新なもので、その後もトライを続けている。全日本学童大会マクドナルド・トーナメント東京予選の特集「敗れざる者たち」の最終回は、第3位の船橋フェニックス(世田谷)。勝ち負けを超えたストーリーをお届けする。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はランニング 最上の結果は得られずも、続く斬新なトライ ■敗れざる者たち➍ 船橋フェニックス [世田谷区]  第3位 【戦いの軌跡】 1回戦〇30対0桃五少年野球クラブ 2回戦〇11対4清瀬ツインズ 3回戦〇8対5城東ベースボールクラブ 準々決〇21対4城北メッツ※リポート➡こちら 準決勝●3対7不動パイレーツ※リポート➡こちら 3位決〇4対1レッドサンズ※戦評➡こちら 衝撃のグランドスラム  こんなにすごい選手が、まだいたのか!?――。 “東京無双”にあった1年前にタイムスリップしたような衝撃を覚えたのは、準々決勝(対城北メッツ)のことだった。  おそらくは公式戦初スタメンの背番号7。九番・右翼に入った長身の右打者が、いきなり満塁ホームランをかっ飛ばしたのだ(=上写真)。逆方向へ放ったその打球がまた何とも、えげつがなかった。  深めにいた右翼手の頭上をあっという間に超えて落ち、みるみると遠ざかっていく。そして隣の面の、一塁側の金網フェンスにまで達した。打者走者は二塁ベースを蹴ったあたりから、少し抜いて走るほど文句なしのホームランだった。  そして好対照な小兵、一番・佐藤優一郎主将が左越えの連続ホームラン(=上写真)で続き、船橋フェニックスは初回で8対0と大量リード。以降も打ちまくり、計16安打4本塁打21得点の4回コールドで圧勝している。  またこの試合終盤には、控えの選手が続々と登場した。代打に阿部航己と田村悠、代走に正田統真、守備固めに竹内颯希。右腕の田村はそのまま4回裏に大会初登板し、3点は失ったが最後まで投げ切った。 準々決勝、阿部は代打(上)から中堅守備へ。正田は代走(下)から右翼の守備へ  この日は大会唯一のダブルヘッダーで、準々決勝に勝てば全国切符をかけた準決勝が待っていた。田村の初登板もあって、船橋はエース右腕の前西凌太朗を準決勝へ温存できた。控え組がどんどん起用されたのは同様に、主力組を休ませる意図も当然あったことだろう。  ただし、目的と意義はそれだけではなかった。そもそも、背番号7の先発出場と本塁打からして、チームにとってはエポックメイキング。組織での新たなチャレンジが、ひとつの花を咲かせたということでもあったのだ。 準々決勝、田村は代打(上)からマウンドへ。竹内は4回裏から左翼の守りへ(下)...

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち❸レッドサンズ

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.19

 全日本学童大会マクドナルド・トーナメント東京予選の「3位決定戦」――。2009年から昨年までであれば、ラスト1枚の全国切符をかけた戦いだった。だが、全国大会の東京固定開催は昨年で終了し、「開催地代表」枠は今年は新潟へ移り、東京の全国出場は2枠に。要するに、東京3位を決する一戦は、全国大会とは無縁となった。それでも十分に、見応えのあるゲームが展開された。9月のGasOneカップという上部大会の出場権も懸かっていたが、1週間前の準決勝で涙したばかりの両軍、その対決から読み取れたのは、ブライドや向上心。やはり彼らも“敗れざる者たち”だった。まずはレッドサンズ(文京区)のストーリーをお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■3位決定戦 ◇6月14日 ◇府中市民球場 ▽第1試合 船橋フェニックス(世田谷)  00220=3  00010=1 レッドサンズ(文京) 【船】前西、佐藤-佐藤、高橋 【レ】田代、久保、門田、田代、門田、久保-中澤 本塁打/田代(レ) 二塁打/柴原2(船)、久保(レ) 【評】開始から押し気味に試合を進めたのは、船橋フェニックスだった。1回表は二番・柴原蓮翔の二塁打から四球、佐々木暦望の左前打で一死満塁に。続く2回は四球と敵失で無死三塁と、先制のチャンスをつくった。  レッドサンズの先発・田代航志郎は、開幕カードの113㎞を上回る115㎞をマーク(=上写真)。ただし、速球一本槍ではなく、遅球も交えた投球で、船橋打線にあと1本を許さない。初回の守りでは、遊撃の久保俊太が機敏なゴロ処理で本塁封殺。2回には田代がけん制で三走を挟殺した。こうなると、守り切ったほうに流れは傾くものだが、船橋のエース右腕が大きく立ちはだかった。  船橋の先発・前西凌太朗(=上写真)は、3回途中4失点だった準決勝とは別人のように、落ち着き払っていた。100㎞手前の速球をコーナーに集め、クリーンヒットと連打を許さない。4回にはレッドの四番・田代に、左中間を破られてソロホームラン(=下写真)となったが、安定感は変わらなかった。  船橋打線は奮投するエースを中盤戦から援護。まずは3回表、四球と柴原の二塁打(=上写真)で無死二、三塁とし、三番・中司彗太の二ゴロ(=下写真)でついに均衡を破る。さらにバッテリーミスで加点し、2対0とした。レッドはこの回から細かな継投に入るが、船橋の攻撃は執拗だった。  4回表、連続四球と犠打で一死二、三塁とした船橋は、九番・長野隼也のスクイズと、一番・佐藤優一郎主将の中前タイムリー(=上写真)で4対1とした。レッドは続く5回の守りで犠打を封じ、一死満塁から6-2-3の併殺(=下写真)で裏の攻撃へ。  船橋は1週間前の準々決勝で好投していた佐藤主将が、5回からマウンドへ。先頭のレッド・久保にテキサス安打(二塁打)を許したものの、続く3者を連続斬りでタイムアップに。最後の打者は、本塁打を放っていた田代だったが、申告敬遠をせずにレフトライナーに打ち取っている。   ■敗れざる者たち❸ レッドサンズ [文京区] 第4位...

【全日本学童東京大会/準決勝】対策ハマる!1年前の決勝と同一カードで、不動が完勝

【全日本学童東京大会/準決勝】対策ハマる!...

2025.07.17

 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会の準決勝。郷土の森野球場での1試合は、昨年の決勝と同一カードとなった。どちらが勝っても、3年連続の全国出場となるが、負ければ夢は幻となる。さて、運命の一大決戦、内容と結末はいかに。なお、別会場で同時進行した準決勝のもう1試合は、越中島ブレーブス(江東区)がレッドサンズ(文京区)に9対5で勝利し、9年ぶり2回目の全国出場を決めている。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※上位4チームのインサイドストーリーを追って掲載します ■準決勝 ◇6月7日 ◇郷土の森野球場 ▽C面第3試合 船橋フェニックス(世田谷)  000012=3  11032 X=7 不動パイレーツ(目黒) 【船】前西、中司-佐藤 【不】岡田、寺田、木戸、高浦-山田 三塁打/北條(不) 二塁打/北條(不)  東京の全国出場枠は「2」。準決勝の勝者が、その切符の一枚を手にする。奇しくも1年前、両チームは決勝で相対して好勝負を展開し、船橋が9対6で逆転勝ちしている。その一戦でもプレーしていた選手となると、不動の田中璃空主将(=上写真※三塁打)のみだが、双方の現6年生の多くはベンチで大一番を見届けていた。  新チーム始動以降、彼らの対戦は1度きり。昨年の12月1日だった。大田、世田谷、目黒、品川の近隣4区で開催している城南カップの決勝で対決し、船橋が8対1で勝利して優勝。不動の田中和彦監督にとっては、ショッキングな内容で尾を引く1敗だったという。 「大田スタジアム、素晴らしい球場でやらせてもらったんですけど、自分たちの良いところをひとつも出せずに、チンチンにやられましたからね。船橋さんは新人戦でも東京で準優勝、ウチは1回戦負け。ホントにもう、夢のような存在でした…」 対策バッチリで攻略  2回目の邂逅。当日はそれぞれ、準々決勝を戦ってきていた。船橋は第1試合で4回コールド勝ち。16安打4本塁打21得点と打線が機能したことに加え、背番号1の前西凌太朗(=下写真)は未登板。エース右腕を温存できたことは、決勝を迎える上でも大きな安心材料となっていたことだろう。  第2試合だった不動は、大いに冷や汗をかいた。6回表の攻撃を迎えた時点で、1対2のビハインド。国立ヤングスワローズの本格派右腕・山崎央月を打ちあぐねて、1安打に封じられてきたが、同投手は既定の70球に達して5回で降板。すると最終回、この時を待ってました、とばかりに、竹中崇と間壁悠翔(5年=上写真)の連続ホームランなどで逆転勝ちした。  船橋のエースか、不動のミラクル打線か――。東京の“横綱対決”とも言えた第3試合、準決勝は午後1時半に始まった。そして結果として、流れと結果を大きく左右したのは、初回の攻防だった。  先攻の船橋は3連続四球で一死満塁の好機も、1-2-3の併殺で無得点に終わってしまう。大ピンチを脱した不動は、得意のパターンで先制することになる。一番の田中主将が右前打で出てから一死三塁とし、三番・竹中の内野ゴロ(=下写真)であっさりと1点。 1回裏、一死三塁から竹中の三ゴロ(上)で、三走の田中主将が生還(下)。不動が早々と先制して主導権を握った...

【全日本学童神奈川大会/最終日】川和が戸塚アイアン下し初優勝!

【全日本学童神奈川大会/最終日】川和が戸塚...

2025.07.16

 全日本学童大会マクドナルド・トーナメント神奈川県予選会は6月15日、川崎市の等々力球場で準決勝と決勝を行い、決勝では川和シャークス(横浜)が戸塚アイアンボンドス(同)を破り初優勝した。優勝の川和は8月11~17日に新潟県で行われる全国大会、準優勝の戸塚は9月6、7日に埼玉県で行われる第18回GasOneカップに出場する。野川レッドパワーズ(川崎)と久本ブルーエンジェルス(同)が3位だった。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部※※全国展望チーム紹介「川和シャークス」➡こちら ■決勝 ◇6月15日 ◇等々力球場  ▽第3試合川和シャークス(横浜) 200040=6 000004=4戸塚アイアンボンドス(横浜)【川】吉本、阿部-田村、吉本【戸】佐藤駿-小林怜本塁打/吉本(川)加藤丈(戸)二塁打/亀井大、谷口(川)山本(戸) 【評】川和シャークスは初回、先頭の谷口蒼馬が内野安打で出塁、二死後に四番・亀井大翔の左越え適時二塁打で先制(=下写真㊤)する。さらに、亀井大も捕逸でホームを陥れ(=下写真㊦)、2点を先取。一方、先発の吉本結楽が小気味よい投球で戸塚アイアンボンドス打線を3回まで内野安打1本、打者10人で切り抜ける好投。4回裏、一死から安打と四球でピンチを背負うが、ここでマウンドに上がった阿部孝太朗主将が内野ゴロ併殺でこれを切り抜け、5回もゼロで抑えた。  5回には谷口の適時打、三番・吉本の3ラン(=下写真㊤)で川和のリードは6対0に。戸塚は最終6回裏に猛攻に転じ、加藤丈志の本塁打、北川倫太郎、小林怜翔主将の連打、さらに山本梛生の適時二塁打で一気に4点を奪う(=下写真㊦)。だが、最後は阿部主将が踏ん張って川和が2点差で逃げ切り、歓喜の瞬間を迎えた。 ○川和シャークス・阿部孝太朗主将「この大会は先輩たちも目指して、悔しい思いをしてきた大会。勝つことができて、すごくうれしいです」 ●戸塚アイアンボンドス・小林怜翔主将「プレッシャーはあったけど、しっかり戦えました。ライバルたちと戦って、ためになった大会でした。最後はいい攻撃ができたので、次の大会につなげたいと思います」   ■準決勝 ▽第1試合野川レッドパワーズ(川崎) 000000=0 000000=0川和シャークス(横浜)※抽選で川和の勝ち上がり【野】納冨、竹下-園部【川】田村、阿部-吉本 【評】野川レッドパワーズ・納冨航成主将、川和シャークス・田村大翔の両先発、さらにマウンドを引き継いだ野川・竹下健太、川和・阿部孝太朗主将も好投をみせると、バックも好守備を連発、スコアレスのまま最終6回までの攻防を終えた。 神奈川県大会の規定により、延長・タイブレークはなく、6回終了同点で抽選に(=上写真)。再三、走者を得点圏に進めながら、ホームが遠く、無得点に終わっていた川和が抽選勝ちで決勝進出を決めた。 ●野川レッドパワーズ・納冨航成主将「最後は負けてしまったけれど、粘り強く投げられたし、楽しむことができました。守備のチーム。きょうもみんなが守ってくれました。これからもまだ県大会があるので、打撃をもっと上げて、気持ちを切り替えて頑張ります」   ▽第2試合久本ブルーエンジェルス(川崎) 02012=5 22210=7戸塚アイアンボンドス(横浜)【久】塚野、竹内-佐々木【戸】北川、佐藤光-小林怜本塁打/北川(戸)塚野(久)二塁打/佐々木(久)小林怜、綱川(戸)山田(久)加藤丈(戸) 【評】1回裏に二番・松田和樹の左前打と、三番・北川倫太郎の右越え2点本塁打で戸塚アイアンボンドスが先制。2回表には、久本ブルーエンジェルスに2点を返され同点とされたが、勝ち越しのピンチを併殺で防ぐと、その裏に松田の2点適時打で再び勝ち越し。戸塚は3回にも小林怜翔主将の二塁打を足掛かりに2点を勝ち越すと、4、5回で3点を奪われたが、久本の追撃を振り切って勝利を収めた。 ●久本ブルーエンジェルス・奥田直樹監督「低学年のころから、上の学年がいなくて、ひとつ上の学年と試合をしてきた世代。エースで本塁打を打った塚野太一、四番の竹内陽哉、五番の佐々木太観と、力のある選手はいるので、今後も期待したい」

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち❷旗の台クラブ

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.11

 新人戦の関東王者が散る――。全日本学童マクドナルド・トーナメントの東京予選2回戦を、当メディアはそういう見出しで速報した。序盤戦で主役級を失った大会だが、その後もハイレベルな戦いが続いて盛り上がった。それでも一抹の寂しさを禁じえなかったのは、明るさと実力を伴う新人戦王者の残像のせいだったのかもしれない。むごい散り様だったが、賢明な指揮官の下、1試合のなかで奇跡的な粘り腰もみせた。その彼らも「敗れざる者たち」であるに違いない。シリーズの第2回は、旗の台クラブ(品川区)。いたずらな美化を避け、個性的な面々と敗因にも迫った。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■2回戦 ◇5月18日 ◇郷土の森野球場 ▽A面第1試合 旗の台クラブ(新人戦優勝/品川)  0010120=4  0040001x=5 レッドサンズ(文京) ※特別延長7回 【旗】栁澤、岡野-遠藤 【レ】田代、久保、田代-中澤 本塁打/柳(旗) 二塁打/豊田(旗) 【評】外野の天然芝で弾む打球の処理というのは、なかなか難しい。芝の長さや大地の硬さは球場で異なる。まして軟式球は、天候や気温でも跳ね方が変わってくるから、目測を誤りやすい。  奇しくも3回、双方の守りでその処理にミスが生まれて、打者走者がそのまま生還する形で試合が動いた。外野へクリーンヒットを放ったのは、先攻の旗の台クラブが一番の高市凌輔(=上写真)、後攻のレッドサンズは三番の井口凱斐(=下写真)。1本ずつだったが、スコアには差が生じた。塁上に走者がいなかった旗の台に対して、レッドは2四球と久保俊太の右前打で満塁としていたので、4対1に。  それでも、適時失策直後に両軍の守りが崩れなかったことで、緊張の糸は保たれた。レッドはバント安打など走者2人を許すも、6-4-3の併殺(=上写真)で3アウトに。無死だった旗の台は、先発の栁澤勇莉(=下写真)が四番打者から3人をピシャリ。一死からは連続の遊ゴロを米田然が華麗に捌いた。  3点を追う旗の台は5回表、高市が右前打から二盗を決めると、三番・国崎瑛人が逆方向の左前に落とす技ありのタイムリーで2点差に迫る。さらに6回表、一死から代打・豊田一稀が右中間へ二塁打を放つと、続く七番・柳咲太朗が起死回生の右越え同点2ラン(=上写真)。  スコアは4対4で、7回から特別延長戦に入る。一死二、三塁からの内野ゴロで本塁封殺(=下写真)など、表の守りを無失点で終えたレッドがその裏、二番・山下礼葵のバント安打で満塁とし、続く井口が四球を選んでサヨナラ決着となった。   ■敗れざる者たち❷ 旗の台クラブ [品川区] ※チーム関連記事...

【東京都女子学童エリエールT/準決勝速報】葛飾と江東が全国出場決める!

【東京都女子学童エリエールT/準決勝速報】...

2025.07.09

 女子学童の東京No.1を決める、東京都知事杯第14回東京都女子学童軟式野球大会エリエール・トーナメントは7月6日、足立区の舎人公園野球場で準決勝が行われ、オール葛飾アイリスとオール江東女子が決勝進出を決めた。足立フェアリーと品川レディースが3位。葛飾と江東は8月14日から岡山県で行われるNPBガールズトーナメント2025へ、足立と品川は9月6、7日に埼玉県で行われる第13回EneOneカップへの出場を決めた。13日には葛飾区の奥戸総合スポーツセンター野球場(奥戸野球場)で決勝が行われる。 (写真&文=鈴木秀樹) ■準決勝 ◇舎人公園野球場▽第1試合オール葛飾アイリス(葛飾) 13115=11 00011=2足立フェアリー(足立)※5回コールド【オ】橋本、米山-嵯峨【足】志村、神谷、矢島-古舘本塁打/秋山、嵯峨(オ)三塁打/幡山(足 オール葛飾、 大勝で2年ぶり全国決める!  オール葛飾アイリスが大勝で全国大会出場を決めた。 初回に四番・嵯峨結菜の適時打で先制すると、2回には一番・秋山莉花、栗原あかり主将、橋本珠莉の3連打などで3点を追加。3回にも1点、4回にも1点、5回には鈴木紗由、朝田佳歩、佐藤ゆうかの連打、嵯峨の2点ランニング本塁打なども飛び出し、一気に差を広げた。 投げては先発の橋本(=下写真)が力強いストレートで足立フェアリー打線を抑え、4イニングを3安打1失点に抑える好投。コールドでの完勝となった。 「きょうは調子良く、行けるんじゃないかという予感はありました。みんな落ち着いていた。自チームでしっかりと調整してくれたんだと思いますよ」と葛飾・西村光輝監督。 全国大会出場は2年ぶり。4~6年生で構成されていた一昨年と違い、ことしのメンバーには、2年生まで名前を連ねる。「学年の幅は広いですね。でも、低学年の選手までよくまとまっていて、一体感がある。きょうもみんなで、リストバンドやリボンをチームカラーの紫でそろえたりしてね」(同監督)  好投の先発・橋本は「お父さんとお母さんが動画を撮って、見せてくれたりして、フォームを修正したんです。きょうは調子良く投げられました」とニコニコ。攻守でエースの力投を援護した嵯峨捕手も「お父さんがいろいろ教えてくれるんです。バッティングも守備も、お父さんです!」と両親に感謝した。「みんな所属チームで鍛えられているし、父母もコーチも協力的。ここでは、気持ちよく、持っている力を出してもらうことに専念するだけですよ」と西村監督。上位進出を狙う全国大会も、自然体で臨む。   足立フェアリー、成長の銅メダル  敗れた足立・西岡一弘監督は「いやあ、残念ですが、あのピッチャーにあれだけ投げられたら、仕方ないでしょう」と葛飾・橋本の投球を絶賛。それでも、二番・久米理子は2安打、四番・幡山天音は三塁打を放った。内野陣の好守備も多く、「自分たちの力は出してくれた。ここまで、よく戦ってくれましたよ」と、指揮官は銅メダル獲得のナインを称えた。   ▽第2試合品川レディース(品川) 010000=1 01220x=5オール江東女子(江東)【品】古澤、玉利-林【オ】小林、力石-高澤本塁打/清水、高澤(オ)三塁打/林(品)小林(オ) オール江東、悲願のファイナル&全国!  ともに打線の評判が高く、打撃戦が予想された一戦だが、ふたを開けてみれば両軍の好守備が光る展開となった。 2回表、品川レディースが林絵真主将の左翼への三塁打から先制点を奪うも、その裏、オール江東女子は清水せいらの中越えランニング本塁打で同点に。江東は3回二死二塁から、小林咲葵の右中間適時三塁打と清水の適時内野安打で2点を加えると、4回にも高澤はるか主将が右越えの本塁打など2点を追加。守っては、正捕手の高澤主将が3つの盗塁を刺すなど流れを渡さず、先発の小林から力石果穂へとマウンドをつないで品川打線を2安打1点に抑えた。  初の全国出場を決めたオール江東女子・長江彰孝監督は目に涙をため、天を仰いだ。 2014年から指揮を執り、12年目の大会で初の決勝進出と全国切符。「これまで、準決勝までは3回来て、すべて負けていましたからね。やっとです」。  とはいえ、勝つために厳しい練習をしてきたわけではない。「野球人口のすそ野を広げる」ことを第一に考え、「選抜チーム」の形をとりながらも、他チームに先駆けて、区内のどのチームにも所属しない選手も積極的にチームに受け入れ「野球を楽しむ」ことを最優先に、チームづくりに取り組んできた。 攻守でチームを引っ張る、捕手の高澤主将は「みんな明るいチームで、雰囲気は最高。きょうは勝ててうれしいです」と笑顔。試合についても「品川とは合同練習をしたりして、みんな仲良し。楽しめました」と話していた。 品川レディース、涙の準Vで関東大会へ  品川レディースにとっては、厳しい流れが続いた試合だった。攻撃では、良い当たりの打球がことごとく相手野手の正面に飛ぶなど、ツキもなかった。原田真吾監督は「ウチは守りを武器にしてきたチーム。守備に乱れがあっては、やっぱり勝てませんね」と無念の表情。「敗戦の責任は僕ですよ」と言い、3位入賞で出場を決めたEneOneカップ(関東大会)での健闘を誓っていた。   \そのほか女子野球情報はこちら/

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち❶カバラホークス

【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...

2025.07.08

「敗れざる」とは、敗者を指す言葉ではなく、「負けはしない」という意味である。スポーツに勝敗はつきもので、小学生の野球でも結果は覆りはしない。けれども、チームやプレーヤーの真価や存在意義は、勝利だけで決まるものだろうか。たとえ敗れようとも、すべてが打ち消されるわけではない。むしろ、そのプロセスや戦いぶりも含めて、称賛や支持を得ることもある。全国最多の1047チームが加盟する東京都における、全日本学童マクドナルド・トーナメントの予選大会では、そういう「敗れざる者たち」に複数出会った。決勝戦のリポートや代表チームの紹介に先駆けて、まずはシリーズでお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■1回戦 ◇5月11日 ◇府中市民球場 ▽第1試合 レッドサンズ(文京)  002010=3  100000=1 カバラホークス(足立) 【レ】田代、久保、田代-中澤 【カ】亀田、長野-田中 本塁打/久保(レ) 二塁打/小田(カ) 【評】レッドサンズは右腕の田代航志郎、カバラホークスは左腕の亀田淳斗。サイズにも恵まれた両先発が、真上から投げ込む速球でぐいぐいと押すなかで、初回はくっきりと明暗に分かれた。  先攻のレッドは、二番・山下礼葵が四球から二盗と敵失で三進。そして三番・井口凱斐が投前へ3バントスクイズも、1-2とボールが渡って山下は本塁憤死(=上写真)。ピンチを脱したカバラはその裏、一番・石井心結(女子)が初球攻撃の右前打で出る。続く木原颯太の遊ゴロで二塁へ進んだ石井心は、三番・亀田淳斗の中前打で先制のホームを踏んだ(=下写真)。  2回はともに3者凡退。1回二死から4者連続の奪三振という田代の力投に、レッド打線が応えたのは3回だ。九番・淺田統吾がフルカウントから四球を選ぶと、一番・久保俊太の打球は左翼手の頭上へ一直線。そのまま3バウンドで外野フェンスへ達する間に、久保もダイヤモンドを駆け抜けて逆転2ランとなった(=下写真)。遊撃を守る久保は、4回裏の守りで三塁側ファウルエリア深くの飛球をキャッチする美技。これで一死を奪うとそのままマウンドへ上がり、6回二死までカバラを無得点に封じる。  カバラは4回に小田颯心が右中間へ二塁打、5回には2四球を選ぶも、あと1本が生まれない。逆にレッドは5回表、一死一、三塁から井口が再びスクイズ(=下写真)。今度はこれが決まって3対1、貴重な追加点を奪うと、最後は田代が再登板して勝ちゲームを締めた。   ■敗れざる者たち① カバラホークス [足立区] 「どの道、結局は強いチームとあたるので、それが早いか遅いかの違いだけ。こういう良い経験をさせてもらったので、次の大会に生かせたらなと思います」(カバラホークス・斉藤圭佑監督=上写真)  一塁側の通路を抜けてスタジアムを背にした敗軍の将は、わずかに残る気力を振り絞るようにして報道陣の短い取材に応じた。その後、すでに大泣きの6年生たちを集めて輪になると、涙腺が崩壊。それを見た選手たちの嗚咽が、またいちだんと大きくなった。 垂涎の開幕カード...

【都知事杯/2回戦速報】注目の決戦、国立が前年王者・船橋に辛勝!

【都知事杯/2回戦速報】注目の決戦、国立が...

2025.07.02

 夏の到来を告げる伝統の大会、東京都知事杯第48回東京都学童軟式野球大会フィールドフォース・トーナメントは7月29日、八王子市の滝ガ原運動場野球場で2回戦16試合が行われた。全日本学童東京大会王者の不動パイレーツ(目黒)、大会常連の高島エイトA(板橋)などがベスト16入り。昨年王者の船橋フェニックス(世田谷)と国立ヤングスワローズA(国立)の注目の一戦は、中盤に逆転、リードした国立が船橋の猛追を振り切って勝利を挙げた。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません。 ■2回戦 ◇滝ガ原運動場1面 ▽第1試合 国立ヤングスワローズA(国立) 00421=7 10104=6船橋フェニックス(世田谷)【国】山崎、宮下、山崎、宮下、谷津、山崎、谷津-岩本【船】前西、佐藤-佐藤、高橋本塁打/山崎(国)三塁打/吉川(国)二塁打/吉川(国) 全国予選の教訓!? 国立が逃げ切り  全日本学童東京大会ベスト8の国立ヤングスワローズA(国立)が、昨年王者で全日本学童東京大会3位の船橋フェニックス(世田谷区)を撃破した。 初回に連続四球からピンチを背負い、犠飛で船橋に先制点を献上した国立。それでも、3回表に宮下瞬と岩本虎太朗の安打で一死一、三塁とし、長嶋健介のスクイズで同点とすると、山崎央月が左越えの2ランを放って勝ち越し。さらに吉川陽壱主将と清水升爲の連打で1点を加え、4対1と突き放した。  その後は双方が得点し、制限時間により最終回となった5回裏。5点リードしていた国立は、被安打は2本ながら四死球と失策も重なり、1点差に迫られる。しかし、最後は二死一、三塁から、リリーフの谷津綾和が「(走者が)一番、油断する場面だと思った」と、逆転の走者を見事なけん制で刺し、激戦に終止符を打った。  全日本学童東京大会の準々決勝で、不動パイレーツ(目黒区)を相手に、最終回までリードを奪いながら逆転負けで涙をのんでいた国立。杉本敬司監督は「あのときと同じような展開。前回の教訓が生きたんでしょうか。選手たちが落ち着いてプレーしてくれました」と胸をなでおろし、「結果的に、初回に1点で済んだのが大きかったですね」と振り返った。 先発したエース右腕の山崎は、初回は先制点につながる連続四球を出したものの、2回の再登板後は安定した投球をみせて勝利に貢献。「良いコースに投げても打たれるし、際どいコースは見送られるし、嫌な打線だったけど、うまく修正して投げることができました」と、こちらもホッとした様子で、力投が報われた勝利を喜んでいた。 ◇       ◇ ◇滝ガ原運動場1面 ▽第2試合 レッドサンズB(文京) 00000=0 12211x=7山野レッドイーグルスA(世田谷)※5回コールド【レ】野村雄、竹内、齊藤-大塚【山】伊藤-鈴木三塁打/齊藤(レ)二塁打/杉山、皆見(山) 山野が貫録、5年生軍団に完勝  レッドサンズB(文京区)は選手全員が5年生ながら、1回戦では2ケタ得点で大勝(11対0)していた。対する山野レッドイーグルスAは初回、3四球と5年生・波多豪の適時打で先制すると、2回以降も毎回得点で5回コールド勝ち。ここでは負けられないとばかり、5回コールド勝ちでベスト16入りを決めた。「初戦は全力で投げるあまり、力みにより自分でピンチをつくっていた伊藤晴が、きょうは落ち着いて投げてくれたのが大きかったですね」と米谷昭良監督。指揮官の「打たれてもいいから、楽しんで投げろ」の指示を胸に、この日は無四球投球でチームの勝利に貢献した伊藤は「自主練で遠投してフォームを見直したりして、うまく調整できたのもよかったと思います」と、胸を張った。 ◇       ◇ ◇滝ガ原運動場1面 ▽第4試合 昭島クラブ(昭島) 2000=2 3351x=12不動パイレーツ(目黒)※4回コールド【昭】峰岸、宇田川-矢田、峰岸【不】木戸-山田本塁打/田中(不)二塁打/宇田川(昭) 東京2冠へ死角なし!? 不動が圧勝  全日本学童東京大会王者の不動パイレーツ(目黒区)が万全の試合運びで、同大会ベスト8の昭島クラブ(昭島市)を退けた。 1回表、昭島が峰岸優伍、市川春馬、宇田川椋平の連打などで2点を先取。しかし、不動はその裏、先頭の田中璃空主将が中越えのランニング本塁打。続けて二番・寺田悠人、三番・竹中崇の連打と四球で塁を埋めると、五番の茂庭大地と六番の山田理聖が連続でスクイズを決め、あっさりと逆転する。2回以降も安打はすべてシングルながら、昭島守備陣のミスを誘発するほど、積極的でスピード感抜群の走塁を武器に、毎回得点の4回コールドで快勝した。 失点後も慌てず、計算ずくの逆転シーン。安定感抜群の守備。昭島・林一行監督の「きょうのウチのチームでは、10回戦っても勝てる気がしません……」という言葉が、そのスキのなさをよく表している。「選手たちが自信をもってプレーしてくれています」と不動・田中和彦監督。チーム状態は止まることなく、上昇を続けているようだ。 「きょうのウチだと…」と林監督が話した昭島にとっても、この敗戦は貴重な経験となるはずだ。流れを引き寄せ、決して渡すことのない不動の試合運びに、2回以降は翻弄されたが、初回の攻撃では力を発揮できていた。この日の悔しさが、さらなるチーム成長のきっかけになることを期待したい。

【全日本学童埼玉大会/最終日】悲願成就! 西埼玉少年野球が初の全国へ!

【全日本学童埼玉大会/最終日】悲願成就! ...

2025.06.30

 高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント埼玉県予選会は6月14日、熊谷市のおふろcafeハレニワスタジアム熊谷(ハレスタ熊谷)で準決勝と決勝を行い、決勝では西埼玉少年野球(飯能)が東松山野球スポーツ少年団(東松山)を下し、初の全国大会出場を決めた。西埼玉は8月11~17日に新潟県で行われる全国大会、東松山は8月2、3日に茨城県土浦市で行われるコントリビュートカップ第48回関東学童軟式野球大会に出場する。3位は比企野球少年団(比企)と吉川ウイングス(吉川)だった。 (写真&文=鈴木秀樹) ※全国展望チーム紹介「西埼玉少年野球」➡こちら ■決勝 ◇6月14日 ◇ハレスタ熊谷 ▽第3試合西埼玉少年野球(飯能) 0000025=7 0010103=5東松山野球スポーツ少年団(東松山)※タイブレーク7回【西】新井、高橋、香川、関川-矢澤【東】鶴岡、石川-石川、鶴岡三塁打/香川(西)二塁打/香川(西) 【評】タイブレーク7回裏、一死一、三塁。同点の走者を背負いながら、最後の打者を遊ゴロ併殺で締め、西埼玉少年野球が悲願の優勝、全国大会出場を決めた。 昨年大会も3回戦でぶつかり、敗戦を喫している東松山野球スポーツ少年団との決勝。初回に先頭打者の香川幹大が右前打で出塁も、送りバントが小フライとなり併殺。2回にも一死満塁の好機を得ながら、あと1本が出ずに無得点に終わっていた西埼玉は3回裏、安打、送りバント、タイムリーで東松山に先制点を奪われる、厳しい流れとなった。5回には、満塁からの押し出し四球で2点目を許し、流れは東松山にあった。  それでも、試合は終わっていなかった。6回表、先頭の香川が左中間を破る二塁打を放つと、一死後に三番・水村玲雄が中前に適時打を放ち1点。四番・新井一翔も安打で続くと、次打者の内野ゴロで、併殺を焦った東松山がエラー。その間に水村が同点のホームを陥れ、勝負をタイブレークに持ち込んだ。 すっかり息を吹き返し、流れにも乗った西埼玉は、無死一、二塁開始のタイブレーク7回には、四球と武内瑛汰の適時打、さらに香川の左翼への2点適時三塁打などで5点を奪うと、その裏のピンチを好守備で乗り切り、歓喜の瞬間を迎えたのだった。 〇西埼玉少年野球・綿貫康監督「完封負けするような打線ではないと、信頼はしていましたが……。それにしても、キャプテン香川を中心に、よく戦ってくれました。大したものです。監督としても感謝しかありません」 ●東松山野球スポーツ少年団・久保滋典監督「悔しいですね。打ち勝ってきた印象があるチームですが、一番、ほめていたのは守備。本当にうまいんです。それだけに、(併殺なら勝利だった)6回の失策が悔やまれます。ただ、一致団結してよく戦った」 ―Pickup Hero― 投打でチームをけん引! 香川幹大(西埼玉/投手・中堅手)  準決勝で強敵・吉川ウイングス打線を抑え、決勝でもマウンドへ。さらにタイブレーク7回には勝負を決める適時三塁打と、この日も八面六臂の活躍を見せた。6回、7回の打席は「絶対に打ってやるんだって思ってました」と振り返り、「優勝できてよかった」と満面の笑み。綿貫康監督が「誰よりも野球を楽しんでいる選手」と太鼓判を押すヒーローがチームを全国大会に導いてみせた。   勝負強さが光るスラッガー 水村玲雄(西埼玉/三塁手)  準決勝で3打数3安打と大暴れし、決勝では敗戦の危機にあった6回に起死回生のタイムリーを放つなど、勝負強さが光った。「この打線で三番を任されているので、打たなきゃと思っていました。ここからまたスタート。気を引き締めて、全国大会でも活躍できるよう頑張りたいです」と静かに振り返り、気合を入れた。まだ見ぬ、全国の好投手たちについては「よく行くバッティングセンターでは135㎞くらいの球も打っているので大丈夫です!」。 スピードとセンス光る扇の要 矢澤凌(西埼玉/捕手)  捕手を始めたのは、この2月。「低学年の頃にもやったことはあったんですけど、その後はずっとショートだったんです」。なるほど、遊撃の守備も見てみたい、軽々とした身のこなしなのだ。決勝では「捕手としての負担を考え」(綿貫監督)六番だった、打撃のセンスも光る。「打順も考えて、つなぐ意識を強く持ってやりました」という通り、右方向を意識した打撃でつなぎに徹したり、しっかりと粘って四球を選んだり。センスあふれる扇の要にも期待だ。   頼もしさも加わった大型スラッガー 石川惺央(東松山/捕手・遊撃手・投手)...

【全日本学童群馬予選/決勝】新里の“堅実野球”実る。前年3位の上川を下し、全国初名乗り

【全日本学童群馬予選/決勝】新里の“堅実野...

2025.06.27

 47都道府県の王者が出場する全日本学童大会マクドナルド・トーナメントは8月11日に新潟県で開幕する。関東地区で最初に代表が決まったのは、群馬県。どちらが勝っても初の全国出場となった決勝は、いつも通りの1点を奪う野球を貫いた新里スターズが、上川ジャガーズを4対1で破り、初優勝を飾った。戦評に続いて、ヒーローとグッドルーザーをお届けしよう。なお、優勝チームについては、『全日本学童大会』の展望コーナーで紹介している。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※全国展望チーム紹介「新里スターズ」➡こちら 優勝=初 にいさと 新里スターズ [群馬/桐生市] ■決勝 ◇5月4日 ◇上毛新聞敷島球場 ▽第2試合 上川ジャガーズ(前橋)  000010=1  10012 X=4 新里スターズ(桐生) 【上】細野-横堀 【新】中村、坂田-加藤 本塁打/蓮沼(新) 三塁打/加藤(新) 二塁打/細野(上) 【評】ともに初の県決勝で、どちらが勝っても全国初出場となる。昨秋の新人戦は、新里スターズが県ベスト8。上川ジャガーズは地区予選で敗退も、1年前の今大会で3位となり、その経験者も複数いる。  迎えた大一番は、終盤まで1点を争う展開となったが、明暗は初回から分かれた。先攻の上川は、死球と四番・酒井智奈美の中前打で二死一、三塁と好機をつくるも無得点。対する新里は敵失と盗塁、進塁打で一死三塁とし、三番の5年生・岩田彗真の投ゴロ(=上写真)で1点と、無安打で先制点を奪った。  上川は2回に一死三塁をつくるも、3バント失敗など無得点。3回には三番・細野良太が逆方向へ二塁打を放ち、二死から五番・横堀旭(5年)も右前へ打ち返したものの、ライトゴロとなって1点が奪えない。それでも先発右腕の細野が奮投し、1点差をキープしてきたが、4回にまたミス絡みで失点してしまう。 3回表、上川は細野が二塁打(上)。二死後、5年生の横堀(下)の打球は一、二塁間を破ったがライトゴロに...