リポート

【全日本学童群馬予選/決勝】完勝で県3冠!!玉村が初の全国へ見参

【全日本学童群馬予選/決勝】完勝で県3冠!...

2026.06.05

 全日本学童マクドナルド・トーナメントの群馬県予選会。決勝は玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎市)が、韮川レッズ(太田市)を下し、秋の新人戦、4月の選抜大会に続く県3冠となり、2014年の創立以来初めての全国切符も手にした。一方、2018年に続く銀メダルとなった韮川は、7月24日からの高野山旗(和歌山県)へ。ほぼワンサイドとなった大一番だが、ヒーローもグッドルーザーも輝いていた。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。優勝チームは「全日本学童大会」のコーナーで追って紹介します 優勝 =初 たまむら 玉村ジュニアベースボールクラブ [群馬/伊勢崎市] ■決勝 ◇5月31日 ◇上毛新聞敷島球場 ◇第2試合玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎) 101303=8 000002=2韮川レッズ(太田)【玉】竹之内-小湊【韮】岡本、竹田、石戸谷-竹田、岡本、竹田本塁打/小湊(玉)、竹田(韮)二塁打/野口、山本(玉)【評】四球、敵失、犠打、四番・小湊煌月の右犠飛で開始早々に先制した玉村が、以降も優位に試合を進めて完勝した。玉村は3回に三番・野口虹斗(5年)の二塁打と敵失で加点。続く4回も小湊の2点タイムリーなどで5対0まで引き離すと、6回にまた小湊が3ラン。守ってもノーエラーで、打たせて取る5年生右腕・竹之内翔真が完投した。一方、四球やミス絡みで失点を重ねた韮川だったが、5回に青木庵がチーム初ヒット。6回裏には一番・佐藤真晟が中前打、三番・竹田一翔が左越え本塁打で一矢を報いた。〇玉村ジュニアベースボールクラブ・髙木謙監督「感無量です。竹之内がよく投げました。ウチには後押ししてくれるOBや保護者がいて、頼れるコーチもいて。子どもたちは役割がわかっていて鼻が利くので助かります」●韮川レッズ・長谷川陽志監督「正直、力負けです。決勝でも場慣れしている玉村さんに対して、ウチは緊張しっ放しで。技術の差もだいぶあるなというふうには感じました」 1回表に先制犠飛の玉村・小湊は4回に2点タイムリー㊤、6回に3ラン。その前を打つ5年生の野口は3回に二塁打㊦など2安打1打点 玉村は先発の竹之内(5年)㊤が4安打2失点完投。守っては無失策で、4回には6-6-3併殺も決めた㊦ 6回表、守る韮川は1-2の返球でスクイズを阻む㊤。その裏、三番・竹田が左越え2ラン㊦   ―Pickup Hero―先制、中押し、ダメ押し。すべて四番のバットから こみなと・こうが 小湊煌月 [玉村6年/捕手]  第1打席のライトへの先制犠飛は、両翼70mの特設フェンスがあれば、超えていたかもしれない。第3打席は遊撃手の頭上へ2点タイムリー。そして第4打席は、右中間を鋭いゴロで抜いてのランニング3ラン。まさしく“四番の働き”でVの立役者となった。「うれしいです。冬にバッティングを強化したり、守備も練習してきて、チームも仕上がってました」 1回に右へ先制犠飛㊤、6回に右中間へ3ラン㊦  小湊煌月は、4年生の秋に五番・捕手で関東新人戦に出場。中前打を放ったほか、マスクをかぶっても上級生に劣らぬ動きをしていた(=㊦写真)。そして1年後の昨秋の新人戦も、群馬大会を制して関東大会へ。  小湊のほか松本咲斗主将、室岡京、竹田隼に、5年生の野口虹斗と萩原瀧皇の計6人は、レギュラーとして2度目の関東新人戦だった。当然、優勝を期していたが、1回戦でラウンダース(山梨)に完敗してしまう。 112kmを投じた相手エースを前に、打線は手も足も出ず。四番の小湊も追い込まれてから105㎞、106㎞をそれぞれ空振りしての2打席連続三振に。「悔しかったけど、相手ピッチャー(伊藤誉=「2026注目戦士❷」➡こちら)の球が速くて、コントロールも良かったので打てなかったです」  でもその経験が、冬場の鍛錬の大きなモチベーションに。6年生になると、その肩は敵を抑止するレベルにまで成長。この全国予選の準決勝と決勝は、相手の盗塁企図がゼロだった。5年生エース・竹之内翔真との息もぴったりで、2試合連続で完投勝利へ導いた。「全国大会でも絶対優勝をめざして、がんばります。打って守って、玉ジュニらしい試合をしたい」 上背はまだそこまでないが、風格すら漂う四番・捕手。8月の全国デビューを楽しみにしているのは、本人や身内だけではない。...

【全日本学童埼玉大会】吉川、朝霞、上藤沢、山野が4強!!全国切符の行方は!?

【全日本学童埼玉大会】吉川、朝霞、上藤沢、...

2026.06.04

「小学生の甲子園」高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会は5月30日に3回戦8試合、翌31日に準々決勝が東松山市野球場などで行われ、吉川ウイングス(吉川)、朝霞ホーネッツ(朝霞)、上藤沢ライオンズ(入間市)、山野ガッツ(越谷)の4強が出そろった。6月6日にはさいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝が行われ、県代表が決定する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません   ■準々決勝 ◇5月31日 ◇東松山市野球場▽第1試合 吉川ウイングス〇3対2●西埼玉少年野球  吉川ウイングスが昨秋の新人戦王者で2年連続全国出場を目指す西埼玉少年野球(飯能)に競り勝ち、5年ぶり3度目となる大舞台に一歩、近づいた。 1回表、吉川先発の松浦遥史は西埼玉の先頭打者・中村湊主将に右前打を許したものの、送りバントを狙った次打者が反則打球で倒れると、この回を打者4人でしのいだ。 その裏、吉川の二番、5年生の西田陸翔が放った当たりは相手右翼手の頭上を越え三塁打に。二死後、同じく5年生の玉井颯音が右翼前にポトリと落ちる二塁打を放ち、吉川が先制に成功した。 しかし、直後の2回表、西埼玉は六番の横田来芽が右越え三塁打を放つと、内野ゴロの間にかえって同点とし、3回には二番・清水洋の左越え三塁打と三番・會田健真の連打で勝ち越し点を奪った。 吉川の反撃は4回。この回先頭の玉井が左翼線をライナーで抜く二塁打を放つと(=写真㊦)、杉本颯斗がバントで送り、5年生の佐々木稜晟が左中間を破る適時三塁打。さらに続く進恵翔がスクイズを決め、一気に再逆転した(=写真㊤)。 吉川・松浦は4回以降を1安打1四球に抑え、西埼玉に三塁を踏ませない好投。リードを守り切って吉川が勝利を収めた。 前日に伏線!? 読みと作戦ピタリ  背番号「1」を背負う吉川・松浦が初回からテンポ良く好投(=写真㊦)。新人戦王者の西埼玉エース・渡辺桜生と見応えある投手戦を繰り広げた。 前日の3回戦では、昨年大会準優勝の東松山野球スポーツ少年団(東松山)とタイブレークにもつれる接戦を繰り広げた吉川。この一戦ではやや奇襲気味に、松浦ほどの球速はないが、コントロール抜群の西田を先発させた。「タイブレークまで行ったのは想定外でしたが」(岡崎真二監督)、松浦は5回二死からのリリーフ登板で、投球数を30球に抑えることができたのだった。「昨日は早く家に帰って、ゆっくり休めました」という松浦は準決勝の疲れを感じさせず、「いつもより調子良かったです」と安定した投球を披露。強打の西埼玉に2点を許したものの、相手打線の積極的な打撃にも助けられ、回を追って調子を上げた。 4回以降は1安打1四球と危なげない内容で、終わってみればトータル54球の6回完投。「相手はいいピッチャー(西埼玉・渡辺)なので、負けたくないと意識しました」と、この試合の振り返る。「みんなが守ってくれるから、長打を打たれないように、低めに投げることを意識しました」 好投のエースはにこやかに、しかし淡々と試合を振り返り、勝利の喜びをかみしめていた。 「去年のこの大会で、西埼玉さんとは準決勝で当たって負けたんです。だからここは、先輩たちの思いも背負っての戦いでした。3月の別大会で対戦したときには負けていたので、選手たちに苦手意識がないかも心配でしたが…」 吉川・岡崎監督は厳しい戦いをものにし、表情を緩めた。 スタメンに4人の5年生が名を連ねる、今年の吉川。昨年準優勝の東松山に続き、王者・西埼玉を下した戦いぶりは、快進撃と呼ぶにふさわしい。「個々の力では、向こうが上。とくに、(前日の)熊谷戦ですべての得点に絡んでいた一番打者(中村湊主将)と四番打者(渡辺)には細心の注意が必要です。仮設フェンスがなく、外野がフリーのこの会場では、抜けたら簡単に三塁打やホームランになってしまう。長打を防ぐことを最優先にしようと選手たちと話して。ピッチャーが丁寧に投げ、みんながよく守ってくれました」 点差はわずか1。最後まで1本の安打で状況が大きく変わりそうな緊張感の中、最終6回表には西埼玉先頭の四番・渡辺の放った強烈なセカンドゴロをきっちりとさばき、二死一塁からは後方にフラフラと上がった飛球を背走しながら後ろ向きに好捕と、落ち着いた守備で試合を締めくくった二塁手の城ヶ崎翔は「最後は微妙なフライで、センターが走ってくるのも見えていたけど、大丈夫、と思って落ち着いて捕ることができました」とうなずいた(=下写真㊤㊦)。  低めを意識するあまりに、ホームベース手前でワンバウンドする場面も多かった松浦の投球を、ひとつも後ろにそらすことなく、安定した守備でチームを引っ張った安保凱翔主将(=写真㊦)は「強敵の西埼玉を相手に、一体感を持って戦うことができました。4回に小玉(満春)コーチが『オレたちには実力もあるし、ツキもある。やってきたことを出すだけだ』と声を掛けてくれて、気合が入りました」と笑顔で振り返った。  6安打の西埼玉打線に対して5安打と、数では及ばなかったものの、吉川は1回に2安打、4回に3安打と、得点した2イニングに安打を集め、効率良く得点した。「相手がコントロールの良いピッチャーでしたから、外角の球をしっかり踏み込んで、ボールを長く見て逆方向に打とう、と選手たちには話していました。長打はまあ、おまけのようなものですね」(岡崎監督) 西埼玉の長打は2本の三塁打、吉川は2本の三塁打と2本の二塁打。その4安打全てが得点に直結。結果的に、長打の数の違いが点差となり、勝敗を決めたことになる。4回に同点打となる三塁打を放ち、次打者のスクイズで勝ち越しのホームを踏んだ佐々木(=写真㊦)は「外角の球をしっかり打ち返すことができました」と対策通りの打撃に胸を張った。 「長打はおまけ」というものの、決して偶然ではない。綿密なゲームプランに基づいた打撃だったのだ。 また、準々決勝のタイブレークを「想定外」と振り返った岡崎監督だったが、逆に見れば、そのタイブレーク以外はすべて想定しての戦いだった、とも理解できる。 この大会での吉川の抽選番号は「1」。対戦表の左端に名前があり、すべての試合がその日の第1試合に組まれる。試合後、常に次戦の相手の戦いをじっくりと観察し、対策を練ることができるアドバンテージを存分に生かした戦いでもあったのだ。 とはいえ、この週末の2勝は、いずれも薄氷を踏むような1点差の勝利。全てがプラン通りに運ぶわけではないことも、痛いほど実感させられた2試合であったことも確かだ。 「昨日の東松山(野球スポーツ少年団)戦、そして今日の西埼玉戦と、最大の難関と考えていた2試合に勝つことができました」 岡崎監督が表情を引き締める。「しかし、一昨年と昨年は、どちらも決勝進出を果たせず、3位で終わっています。今回も勝ち上がったチームはすべて強い。ここで安心することなく、緊張感をもって次の試合に備えます」 5年ぶりの全国切符まで、あと二つ。勢いに乗る吉川ナインだが、決して油断することなく、最終日の2試合に一丸で臨む。   無念…西埼玉は切り替えて次へ  昨秋の新人戦に続く県大会制覇、そして昨年に続く2年連続2度目の全国大会出場を目指した西埼玉少年野球の戦いは、ベスト4目前で終了となった。「力が入りすぎていましたね。あれだけポップフライを打ち上げてしまっては…」 綿貫康監督はサングラスを外すことなく、淡々と振り返った。「ただ、選手たちの成長は感じられた、ここまでの戦いでした。エラーではなく、打ち負けてしまったのですから、仕方がない」 違いを探すならば、万全に近い状態で完投した吉川・松浦に対し、前日、熊谷グリーンタウン(熊谷)とタイブレーク8回まで戦った3回戦で、投球制限近くまで投げ切ったエース・渡辺(=写真㊤)にやや疲れが見えたことか。60球に近づいた4回に2本の長打を許してしまった。 「これがあるんですよねぇ。やはり、マックは怖い」 そうしみじみと話した指揮官は、選手たちに向かっても、淡々と言葉を投げかけた。「高い打球を打ち上げても勝てないぞ、と話したと思う。分かったよな。これも教訓だ。ここまでよく戦ったと思う。ご苦労さま」 もちろん、これで全てが終わるわけではない。「今後はスポ少の県大会と、ミズノドリームカップとポップアスリートと…。切り替えて臨むだけです」 負けてなお強し。新人戦王者は気持ちを切り替え、次の戦いへと進む。   初出場の朝霞がサヨナラ満塁弾! ▽第2試合朝霞ホーネッツ〇10対9●西堀ファルコンズ   ※タイブレーク6回  朝霞ホーネッツは1回裏から打線が爆発。先頭の馬場海翔が左翼へ三塁打を放つと、木田悠利の右前適時打で先制。さらに四番・岩重陽己主将が左翼に三塁打、五番・駒田研人が左翼に二塁打を放ち、3点を先取。2回裏にも連続死球から三番・山本悠太の左前適時打などで2点を加えた。 しかし、5点を追う西堀ファルコンズ(新座)は3回表に中村悠馬、佐藤正次の連打などで2点を返すと、5回には佐藤が左越えの三塁打を放ち、田口朝陽も左中間を破る三塁打。さらに5年生の渡辺颯太、山崎蓮も連打で続くなど、この回4点を奪って逆転。制限時間を過ぎたその裏に朝霞が1点を返し、決着はタイブレークに持ち込まれた。 延長6回表、西堀は三沢斗真が適時打を放つと、四死球も加わるなど3得点。しかしその裏、朝霞は絶体絶命の二死満塁から山本が満塁本塁打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた(=写真㊦)。  創部7年、県大会初出場の朝霞が4強入りの快挙。山本貴宏監督は「いやあ、シビれました」と喜び、「ファルコンズさんとは何度か対戦したことがありますが、一度も勝ったことがなかったんです。ここで勝てるとは」。続けて「ただ、ここまで勝てると思ってなかったから、(最終日の)6日に出張を入れてしまっていまして…」と笑った。 劇的なサヨナラ満塁弾に加えて、剛速球が目を引くピッチングでも躍動した山本は「最終回の打席は、ホームランを狙って打ちました。最後は夢中でホームに滑り込んで…。最高です!」と笑顔だった。...

【全日本学童山梨大会/速報】ラウンダース盤石V。2年ぶり3回目の全国へ

【全日本学童山梨大会/速報】ラウンダース盤...

2026.05.31

 8月に愛媛県である「小学生の甲子園」第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの山梨代表は、ラウンダース(山梨市)に!! 5月31日、山日YBS球場での県決勝で、中央ジュニアベースボールクラブ(中央市)に6対1で勝利し、2年ぶり3回目の全国出場を決めた。準優勝の中央ジュニアは、コントリビュートカップ第49回関東学童(8月、神奈川県)へ。同日の3位決定戦は「甲府市対決」となり、2022年に全国出場の山城クラブが、甲府城東JBCに9対7で勝利している。 (写真&取材=大久保克哉) ※決勝と3位決定戦は、追って特報します ■決勝 5月31◇山日YBS球場 ▽第2試合中央ジュニアベースボールクラブ(中央) 000100=1 20310 X=6ラウンダース(山梨)【中】笠井、芦川-芦川、笠井【ラ】伊藤、深沢-中村本塁打/佐野(ラ)三塁打/奥山(ラ)二塁打/奥山(ラ)   ■3位決定戦 5月31日◇山日YBS球場▽第1試合山城クラブ(甲府) 0130104=9 3000022=7甲府城東JBC(甲府)※特別延長7回【山】久保寺、秋山-森田奏【城】鴻谷、川手-伊藤三塁打/手塚登(山)

【全日本学童群馬予選/3位決定戦】赤堀打線が猛爆、4回に一挙7得点でケリ

【全日本学童群馬予選/3位決定戦】赤堀打線...

2026.05.29

 47都道府県のチャンピオンによる「小学生の甲子園」こと、8月の全日本学童大会マクドナルド・トーナメント。関東地区では、今年も群馬県代表が最初に決まった。その予選の結果は速報済だが、最終日の3位決定戦からリポートしていこう。3回まで好勝負を展開した両軍は、全国予選での県4強以上は初めて。成り立ちも野球も異なるが、子どもの快活さは共通していた。なお、この一戦の勝者は阿波おどりカップ2026(徳島県)、敗れた4位チームはコントリビュートカップ第49回関東学童(神奈川県)と、8月の上部大会にそれぞれ出場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。決勝のリポートは追って公開します ■3位決定戦 ◇5月3日 ◇上毛新聞敷島球場群馬ワールドウイングス(高崎) 0010=1 0017x=8赤堀クラブスポーツ少年団(伊勢崎)【群】唐澤、安藤-桑原【赤】岩崎、吉田-藤倉三塁打/岩崎(赤)二塁打/神尾(赤)【評】4回表までは、緊迫の接戦だった。赤堀の先発・岩崎葵は打たせて取る投球で快調にアウトを重ねる。対する群馬も1回裏、二塁手の阿部力毅と中堅手の山本塁撰の好守でピンチを脱するなど、得点を与えない。その群馬が3回表、四球と犠打に二番・安藤翔輝の左前打で先制すれば、赤堀は一番・筑井勇征(5年)の左前打に二盗、四番・岩崎の中越え三塁打で1対1に。4回表、中堅手・神尾陽斗の美技など打者3人で守りを終えた赤堀は直後、一気に試合を決めた。先頭の五番・天野楓也から森下一槻(5年)、藤倉羚生の3連打で満塁とし、八番・神尾の左翼線二塁打で4対1に。さらに重盗や三番・吉田大蔵主将の中前打で加点し、六番・森下の右前タイムリーで8対1となり、コールドが成立した。〇赤堀クラブスポーツ少年団・吉田貴行監督「3回まで1点が重い展開だったんですけど、4回はウチのパターンに。ちょっと扉が開くと一気に爆発する(得点)。そういう選手ばっかりで良かったと思います」●群馬ワールドウイングス・大嶋良汰監督「1回、2回と守備で良いプレーもあったんですけど、4回にミスも続いて相手の攻撃を止められず…。監督として詰めの甘さと、苦しい場面で士気をつくれなかったのが反省点です」 赤堀の先発・岩崎㊤は3回1失点。群馬は1回裏二死一、三塁のピンチで、中堅手の山本が右中間への飛球を好捕㊦ 3回表、群馬の安藤が先制タイムリー㊤。赤堀はその裏、筑井(5年)が左前打㊦から二盗、岩崎の中越え三塁打で同点に 4回表に美技を披露した赤堀の中堅手・神尾㊤㊨が、裏の攻撃で満塁走者一掃の決勝二塁打。イニング11人目の打者・森下(5年)がコールド勝ちを決める適時打を右へ㊦   ―Team Inside Story➊―「楽しんでいこうゼ!」準備万端、おおらかな野球で大躍進 あかぼり 赤堀クラブスポーツ少年団 [群馬/伊勢崎市]➡阿波おどりカップ2026出場決定  前日の準決勝は、9安打11残塁で完封負け。最後の1安打が印象的だった。  0対5の6回表、二死無走者から九番・川田眞琥音が中前打(=㊤写真)。初球から4球ファウルした末に、チーム9本目の「H」を灯した川田は打席中、ただの一度もベンチを見なかった。打って出る! 堅固な意思は冒頭のスイングから読み取れたし、「好球必打」は他の打者も同じだった。 「9安打でゼロ点は監督の責任かな」と自嘲気味に笑った吉田貴行監督(=㊤写真)だが、後悔の色は浮かんでいない。そしてこう続けた。「上のカテゴリーでも通用する野球というのを私自身も求めていますので、あまり小細工をせずに『初球から良い球がきたら、いこう!』といつも。それで5球とかで攻撃が終わっちゃうこともあるんですけど、『楽しんでいこうゼ!』と。この大会(全日本学童マクドナルド・トーナメント※予選含む)と同じ合言葉でやってきていますので」 吉田主将は一本足打法㊤で2安打3打点。深澤大駕は前日の準決勝で中前打㊦  走者がいない打席では、ストライクを打つのみ。やるべきことが明確ゆえ、いちいち指導陣の顔色をうかがう必要もないのだ。 同様の方針を掲げる学童チームは少なくないが、赤堀クラブスポーツ少年団が特異なのは、何があろうとその根本が揺るがないこと。目先の1点や勝利を欲するがあまりに、「待て」を命じたり、凡退を咎めるような矛盾がベンチにない。  また大前提として、どの選手も打って出るだけのスイングを身につけている。実父でもある監督を「最高の監督で、最高のパパ」と語る吉田大蔵主将は、「火曜日と木曜日のナイター練習は厳しいです」とも口にする。 要するに、整ったお膳と明解なアプローチによって、おおらかな野球が展開されている。無責任と成り行き任せの「楽しむ」とは決定的に違う。県大会(全国予選)初出場で3位まで駆け上ってきた最大の要因も、そこではないだろうか。  3位決定戦も、1回、2回と好機はつくるも無得点。それでも二盗、三盗があり、無死一塁からヒットエンドラン敢行など、走者がいる場面ではサインプレーも見られた。そして3回表、岩崎葵の“四番のひと振り”でついに得点が入る(=㊤写真)。「昨日からずっとタイムリーが出てなかったので、絶対に自分が打ってやろうという気持ちでした」 外野オーバーの長打をこう振り返った岩崎は、相手の中継プレーで本塁タッチアウトとなり(記録は三塁打)、勝ち越しの生還はならずも1対1の同点に。待望のこのタイムリーが、攻撃の導火線に火をつけた。続く4回、打者11人の波状攻撃で7点を奪ってコールド決着に。  その超ビッグイニング中に、攻める赤堀側の一塁ベンチがドッと湧くシーンがあった。いきなりの連打で無死一、二塁となり、守る群馬ワールドウイングスが二番手投手をマウンドへ。このタイムの間に、いつもは沈着冷静な吉田監督をはじめ、指導陣の笑い声で盛り上がった(=㊤写真)。そのワケは――。「バントをしたい場面だったんですけど、本人(打席の七番・藤倉羚生)が、いかにも打ちたげな感じで(笑)。『信じてるから、打ちたいならバスターでいってこい!』と。期待に応えてくれましたね」(吉田監督)  藤倉は左前打(=㊤写真)で満塁とし、続く神尾陽斗の決勝タイムリーにつなげた。中堅守備も冴えていた神尾は、左打席から1球目2球目を一塁線へファウル。八番打者(準決勝は二番)とは思えぬ鋭い打球を連発すると、3球目を逆方向のレフト線に運ぶ技ありの一打(=㊦写真)で、走者3人を迎え入れた。 長短打7本で7得点した4回の攻撃は、五番・天野楓也の中前打㊦から始まった...

【全日本学童最終予選開幕】埼玉44、東京62チームが全国切符かけ激突!

【全日本学童最終予選開幕】埼玉44、東京6...

2026.05.21

 8月7日から愛媛県で行われる高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会と東京都大会が5月16日に開幕した。埼玉県大会には44、東京都大会には62の地区予選を勝ち抜いたチームが参加。それぞれのチームが全国大会への思いを胸に、代表権を懸けて熱戦を繰り広げる。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません ■埼玉県大会 開幕週で早くもベスト16  埼玉県大会は16日、さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で開会式を行った。午前8時30分、グラウンド内の外野フィールドに整列した参加44チームの選手たちが一斉にマウンド付近まで行進した。 名細少年野球クラブ(川越)・藤井樹來主将が「キャッチボールもできなかったボクたちをここまで成長させてくれた監督さん、コーチさん、熱い中、寒い中、いつも応援してくれた家族、そしてチームメートや対戦チームの皆さんに野球の楽しさを教えてもらいました。この大会に出場できることに誇りをもって、正々堂々と戦い抜くことを誓います」と元気良く選手宣誓した。 開会式後は4会場に分かれて1回戦12試合を行い、翌17日には6会場で2回戦16試合を消化。昨年優勝の西埼玉少年野球(飯能)、一昨年優勝の山野ガッツ(越谷)をはじめ、熊谷グリーンタウン(熊谷)、吉川ウイングス(吉川)、東松山野球スポーツ少年団野球部(東松山)、加須ドリーム(加須)といった、近年の優勝チームがそろってコールドで勝ち上がるなど、ベスト16が出そろった。6月6日にレジデンシャルスタジアム大宮で予定される決勝まで、熱い戦いが続く。   ■東京都大会 晴れ渡る夕刻に開会式  東京都大会は16日に府中市民球場で開会式を行い、翌17日に同市郷土の森第1野球場、同第2野球場で1回戦30試合を行った。 16日午後4時からの開会式では、一塁側、三塁側のフェンスを埋め尽くした参加チームの団旗や横断幕で彩られたグラウンドを、参加62チームの選手らが入場行進。ダイヤモンド内に整列した選手らに向かい、大会会長の長島昭久・都軟式野球連盟会長、府中市の高野律夫市長らが激励した。 ジュニアポニーズ(豊島)・長井慶吾主将が「この大会で勝ち抜くために仲間とともに汗を流し、たくさん練習を重ねてきました。最高の仲間と出会えたことに感謝し、野球ができる喜びを胸に、この大会を思い切り楽しみます。行きまーす!!」と元気良く選手宣誓を行った。 翌17日には、同士府中の森第1球場、同第2球場で1回戦30試合が行われた。昨年優勝の不動パイレーツ(目黒)、昨秋の都新人戦王者のレッドファイヤーズ(足立)、同準優勝のレッドサンズ(文京)などが順当に勝利。こちらは6月13日に府中市民球場で予定される決勝まで、全国大会行きの2枚の切符を懸け、激戦が続く。   ――Pick UP①―― 麻布、V候補と互角の戦いも金星スルリ ▽1回戦レッドサンズ〇4対3●オール麻布  オール麻布(港)が優勝候補の一角・レッドサンズに肉薄。最終回に同点まで追い詰めながら、サヨナラ負けで涙した。 初回、レッドサンズ・神谷駿に先頭打者本塁打を浴び、さらに1点を献上した麻布だったが、3回表、園山滉也の中前打と2四球に続き、吉本怜平が2点打を放ち同点に。その裏、1点を勝ち越されたものの、5回には安打の横山諒を阿曽謙誠主将の右前適時打でかえし、再び同点とした。 しかし、この時点で90分の制限時間を超え、この回が最終回に。その裏、四球と盗塁で勝ち越しの走者を得点圏に背負うと、1点を防ぐべく、連続申告敬遠で塁を埋めたが、最後はレッドサンズ・野村咲翔の高いバウンドの打球で三走がかえり、無念のサヨナラ負けとなった。 明らかに主導権を握っていた局面も多くあっただけに、選手たちの悔しさは晴れない様子。阿曽主将は「みんながチームのためにプレーして、ひとつになって戦えました。最後まで諦めなかったし、攻撃も守備もすごく成長したし、流れもよかったので…」と唇をかみしめた。 麻布は3回表、吉本が同点の2点適時打㊤。ピンチを切り抜け、ベンチで喜ぶシーンも㊦  年明けのフィールドフォースカップ4強入り(➡こちら)から、今大会港区予選での勝利と、目を見張る躍進を続けてきたオール麻布。この学年では、都大会でも好成績を残している地元のライバル・高輪クラブを逆転で破った予選からの戦いを振り返り、木下慎也監督は「港区予選の決勝で高輪さんに打ち勝てたことは大きかった。選手たちの自信にもなりましたし、良い流れのまま、この大会にも入ることができました」と語った。 打線の勢いだけではなく、守備や走塁にも積極性と堅実さが同居。最少失点で守り切り、攻め切って得点をもぎ取るしぶとい戦いに、選手たちの成長がうかがえる。指揮官は「らしさは出せたかなと思います。ここでも自分たちのプレーはできていた。ただただ、“あと一本”が足りなかったということでしょうか。みんな元気に、よく戦ってくれました」と奮闘のナインをねぎらった。 シーズン最初の大舞台は苦い一敗で終わったが、自分たちのプレーを全うし、優勝候補を追い詰めた戦いは、今後につながるはず。さらなる飛躍を期待したい。 サヨナラ勝ちのレッドサンズ㊤。門田憲治監督「危なかった。最終回は後攻だったので、タイブレークも頭に入れてリスクを取り、攻めることができました」   ――Pick UP②―― おばあちゃんに「打ったよ!」 ▽1回戦二小ジャガーズ〇15対1●和泉少年野球チーム  昨年のジャビットカップ王者・和泉少年野球チーム(千代田)と対戦した二小ジャガーズ(武蔵野)。初回はともに1点ずつを取り合い、混戦を予感させたが、2回には二小の打線が爆発。和泉少年の先発・今井遥士、二番手の加藤哲弘主将と、好投手二人を相手に安打を重ねた。 一番の荘司人哉主将は2回裏、一死満塁から左中間を破る満塁ランニング本塁打を放つ(=写真㊦)と、4回にも右翼線を破る3ランと2本塁打。二番の5年生・吉田蓮、三番の金田悠琉もそれぞれ2本塁打と大活躍だった。  2本塁打に加えて、最終回となった4回にはマウンドに上がり、きっちりと和泉少年打線を抑え、投打でチームを引っ張った荘司主将は「1試合2本(の本塁打)は初めてです。この調子で勝ち進みます!」と元気いっぱい。試合後はこの日、宮城県栗原市から駆けつけ、三塁側応援席で声援を送り続けていた、祖母の三田せつ子さんから「すごいね!...

【東日本交流大会/決勝】ラウン、粛々と初出場初V。大敗の上中妻にも真価あり

【東日本交流大会/決勝】ラウン、粛々と初出...

2026.05.11

 終わってみれば、大会初登場のラウンダース(山梨)のぶっちぎりVだった。第22回東日本交流大会の決勝は、地元・茨城県で新人戦4強の上中妻ニューフレンズに8対0で快勝。昨秋の関東新人戦で準優勝し、今夏の日本一を目標に掲げるチームは、雨や大差リードでも抜かりなく、細やかな野球を全員で貫いた。また、初の準優勝まで大躍進した上中妻も、「全国出場」を期するだけの実力と真価がうかがえた。戦評に続いて、両軍のインサイドリポートをお届けしよう。 (写真=大久保克哉、鈴木秀樹/文=大久保克哉) ※記録は編集部 ■決勝 4月4日◇希望ヶ丘公園野球場▽第2試合上中妻ニューフレンズ(茨城) 000000=0 20402 X=8ラウンダース(山梨)【上】鳥羽田、山﨑、桜井-小幡寛【ラ】佐野、国久-中村二塁打/小幡寛(上)、伊藤2(ラ)、三塚(上)、雨宮城(ラ) 【評】攻めては大技小技、守っては無失策で完封リレーと、ラウンが快勝した。1回裏、伊藤誉の先頭打者二塁打に犠打、佐野大翔の右前打で先制し、なおも二盗、進塁打、バッテリーミスで2点目。2回は双方に好守があった。ラウンが4-6-3の併殺を決めれば、上中妻は中堅手の山﨑大心が背後のライナーを好捕し、続いて三塚葵翔がライトゴロを決めた。勝負の分岐点は3回だった。上中妻は八番・綿引丈太朗の中前打から無死二塁とするも、送りバントをラウンの先発・佐野の好フィールディングで阻まれるなど無得点。その裏、ラウンは伊藤の適時二塁打など3連打や、奥山葵登主将の2ランスクイズで6対0に。5回には四番・雨宮城玖の適時二塁打などでダメを押したラウンは、二番手の国久大輝が6回を3者斬りで優勝を決めた。〇ラウンダース・日原宏幸監督「関東の強豪チームとやる緊張感の中で、タイムリーヒットもあり、小技と足技を駆使しての得点もあり。そして優勝することができた自信は大きいと思います」●上中妻ニューフレンズ・高野進一監督「普段はあまり県外のチームとやっていないので、この大会で良い経験になったと思います。打ちまくった感覚はありませんけど、初球ストライクから自分のスイングをすることはできていたと思います」 先制打のラウン・佐野は、投げては「打たせるピッチング」で4回0封㊤。一番・伊藤は2打席連続の二塁打で得点に絡んだ㊦ 小雨交じりの2回の守り。ラウンは4-6-3の併殺㊤、上中妻は三塚がライトゴロを決めた㊦㊧ 3回裏、四球を選んだラウンの深沢琉が、続く伊藤の右越え二塁打で長駆生還㊤。上中妻は3番手の桜井琳太郎㊦が粘投した   ―Team Inside Story➊―磐石のV。秋の新人戦から“圧巻”つづく 優勝 =初 ラウンダース [山梨]  同日の準決勝に先発して3回まで投げていた112㎞右腕、伊藤誉は既定の1日70球まで21球を残していた。「(心の中で)準備していたし、投げたかった」と話したミライモンスターだが、決勝は未登板のまま勝利。それも8対0というスコアで。ある意味、余力を残しての優勝。だが、全員でそれを勝ち取ったという表現のほうが適切だろう。 決勝はバットと遊撃守備で勝利に貢献した伊藤  3月の最後の土日から週またぎで計5試合。2回戦は茎崎ファイターズ(茨城)、準々決勝は平戸イーグルス(神奈川)、準決勝は吉川ウイングス(埼玉)と、気の抜けない全国区の強豪ばかりを相手にしてきた。そのなかで、遠征に参加した6年生12人全員がフィールドでプレーし、チームの勝利に貢献したのだ。 全6年生12人が機能  大会初登板の決勝で最後を締めた国久大輝は「緊張したけど、キャッチャーが落ち着かせてくれて、楽しく投げることができました」と笑顔。4番手の右腕だが「三振をたくさんとりたい」と向上心もあり、一塁コーチやボール係も務める。1回戦では代打で登場すると、内野ゴロで一塁へ頭から飛び込んだ(=㊦写真)。  出番があるから頑張るのではなく、いつでも何でも全力でやる。そういう選手だから、訪れた出番でパフォーマンスを発揮できるのだろう。同じく、昨秋の関東新人戦(準優勝)では出番のなかった、小玉翔太と佐藤統理もこの大会で確実に戦力となっていた。 実は大会3日目の最終日は、右翼手の降矢聖悟が体調不良で準決勝を欠場。だが、小玉と佐藤に、救援投手でもある深沢琉らの外野守備が安定しており、まったく穴を感じさせなかった。 準決勝で八番・右翼に入った小玉㊤。決勝でスタメンに復帰した降矢は5回、一死三塁から二ゴロで打点をマーク㊦  全員がフィールドで機能することを確認できた。これは5月の全国予選や、最多6連戦となる8月の全国舞台を踏まえても、大きな安心材料だろう。「これからも試合に出たら、しっかりと自信をもったプレーをして、試合に出なくても、チームのために何かできることを探してやりたいと思います」と小玉。「単打と足でチームに貢献して、みんなから注目される選手になりたいです」と佐藤。...

【東日本交流大会/番外編】新風から大旋風に!? 新興軍の確かな爪あと/逸材カタログ

【東日本交流大会/番外編】新風から大旋風に...

2026.05.07

 2003年(平成15年)に始まった東日本少年野球交流大会は、コロナ禍での中止を含めて23年の歴史がある。関東各地では全国大会の地域予選が始まる時期でもあり、「全国予選の試金石」との位置付けが定着。今年は参加32チームの半数に、全国大会(全日本学童マクドナルド・トーナメント)の出場実績があった。そうしたなかでは無名ながら、明らかに異彩を放つチームがあった。その真意に迫る特別ルポと、ベスト4以外で光った選手たちの写真カタログを番外編としてお届けする。 (写真&文=大久保克哉) ―On-the-ground report―革新のベンチワーク 3月29日◇希望ヶ丘公園多目的A ▽2回戦第1試合 ASAI KIDS☆UNITED(千葉) 120041=8 160002x=9吉川ウイングス(埼玉)  学生野球を取材して四半世紀。学童の現場へも足を運ぶようになって15年あまり。筆者が初めて目にするシーンがあったのは、大会の2日目。ASAI KIDS☆UNITED(千葉、以降「アサイキッズ」)と、吉川ウイングス(埼玉)による2回戦だった。 アサイキッズが3対1と勝ち越した後の2回裏。吉川が二死満塁から押し出しで1点を返し、クリーンナップを迎えたところで、守る一塁側のベンチが動いた。 「タイム!」 ゆっくりとベンチを出てきた背番号30は、マスクをかぶる伊藤龍成と言葉をやり取り(=㊤写真)。そしてそれから、球審に投手の交代を告げた。以下は、野口孝之介監督の弁。「自分の見た目と、球を受けているキャッチャーの意見は違うこともあるので、ピッチャーを変えるにしても必ず聞いてから。それも行き当たりばったりじゃなくて、投手陣には事前に声(登板予定)を掛けてあります。その上で、キャッチャーの判断と今までのデータから『こっちがいいよね』と最終確認をするように」  選手交代は独断という監督が、学生野球では圧倒的多数だろう。フィールドの選手の生声も踏まえて判断するなんて、それも学童野球で。少なくとも筆者は、他で見聞きしたことがない。 タイムをとった野口監督が、捕手の元へと歩いていくのにも理由があった。むろん、いたずらに時間を稼いだり、偉ぶっているわけではない。「まずは表情を見るんです。キャッチャーが困っているのか、ピッチャーが困っているのか。あの場面(2回裏)は、相手の良いバッターが続いていて、私の目にはピッチャーが押されちゃっていた。それをキャッチャーの子にも確認して、強気のピッチャーに代えよう、と」  背番号1の石田翔馬から、同18の中西奏太=㊤写真)へ。いずれも投げ方の基本が備わっている右腕だ。 ただし結果は、救援失敗。吉川は三番・安保凱翔主将(=㊦写真)と、四番・玉井颯音(5年)が連続長打など、3対7と一気に試合をひっくり返した。  アサイキッズにとっては、打者10人の長い守りが続いた。だがその間も、ベンチの30番は微動だにせず。そして3アウトを奪って戻ってくる選手たちを一人ずつ、グータッチで迎えた(=㊤写真)。表情はサングラスで隠れているが、あざけりや怒りといった負の空気感はゼロだ。「相手とか試合展開とかがどうであれ、自分は絶対に冷静に子どもたちに接する。人としても私がちゃんと見本にならないといけない。それはチームをつくったときから決めていることのひとつです」(野口監督) 「良い父親に!!」  アサイキッズは2022年に創部した。拠点は、太平洋を臨む九十九里町から内陸側に入った東金市にあり、「医療法人静和会 浅井病院」の社会人軟式野球部が運営母体となっている。  現役時代に外野手だった野口監督は、同野球部の主将となって2014年には全国準優勝(プライドジャパン甲子園大会)。その後は監督、現在は総監督という立場にある。地元の千葉で君津商高から城西国際大まで硬式でプレーした経験もあり、学生野球に潜む闇や理不尽を知らないわけではない。 何かにつけて「人間性」を口にする指導者が、それを真っ先に疑われる言動をしていたら始まらない。学童チームを立ち上げた野口監督のモットーは『(教え子に)良い父親になってほしい』というものだ。「やべぇ、学童野球ちょー楽しかったなって、野球人生がその後も続いて、いずれは野球を楽しく子どもに教えられる、そういうお父さんになってほしい。だからこそ、学童野球を目一杯に楽しむ。それもレベルの高いところで、こういう大会にも呼んでいただけるようなレベルで、勝つ」  先述のように、試合の守備の間はじっと戦況を見守る野口監督は、声もほとんど発しない。内外野へ指示をしているのは、ベンチの選手たちだ(=㊤写真)。このあたりにも、チームのあり方や指導スタンスがうかがえる。以下、指揮官の弁。「失敗してもいいから、基本は自分で考えて守りましょう、というのがチームの信条。場面とか相手打者の雰囲気、仲間のピッチャーの球威とかから各自で動く。私は勝たせてやりたいし、どうしても守備位置が気になるときは、ベンチの子に『あそこでいいと思う?』と話を振ってから、発信させる。するとそれで、ベンチの子も考えたり、覚えるじゃないですか」  主体的に事を運ぶ選手たちからは、結果や指導者に怯えている様子はうかがえない。それでいて一丸のムードがあるのは、共有する目標や目的があり、野球をしっかりと学んでおり、局面に応じてやるべきことを把握できているからだろう。 アサイキッズは、火曜と木曜に練習がある。病院と野球部のバックアップも受けて、屋内外の整った施設があり、個の育成は計測と年間計画に則って、練習は科学的な根拠にも基づいて。結果、チームは地域で勝ち進むようになり、秋の新人戦は2023年から2年連続で県大会に進出。昨年は『小学生の甲子園』全日本学童の予選となる県大会にも初出場し、低学年は県3位に食い込んだほか、NPBジュニアを2人輩出している。「土日に試合をして、その内容や反省も踏まえて、平日の夜に技術練習を目一杯にやらせてもらっています」(野口監督) あえての失敗も  さて、2回裏に大逆転された試合のほうは、終盤に再び大きく動いた。アサイキッズは5回表に7対7に追いつくと、6回表に1点を勝ち越す。しかし、その裏に吉川は長短打で8対8としてなお一死一、二塁で、2回に逆転二塁打を放っていた背番号10が右打席へ。  同じ会場内で同時進行中の他の2回戦を取材して回っていた筆者が、再びこの一戦に戻ってきたのはそのタイミング。アサイキッズは、背番号4の小島大輝を三番手でマウンドへ(=㊤写真)。やはり、身体の柔軟性と美しいフォームが光る右腕は、三番打者をフルカウントから内野フライに打ち取って二死とする。 だが、続く四番に右中間を破られ、8対9のサヨナラで決着した(=㊦写真)。  三番・四番の右強打者たちを打席に迎えたとき、ベンチの野口監督は珍しく大きなゼスチャーで、左翼手の守備位置を修正していた(=㊦写真)。「自分(監督)から動きたくないのが本心なんですけど、勝たせてやりたいので、ちょっと動いちゃって。最後も正直、次がボール球(見逃し)だったら『もうちょいこっち!』とベンチの子たちに言わせようと。でも一手が遅くて、(右中間へ)いかれてしまった。ガマンして自分を殺し過ぎると、こうなっちゃう…」  実は1週間前に『小学生の甲子園』につながる、地域予選の決勝で敗れたばかり。そして再起を誓ったこの東日本交流大会で、悪夢のような逆転サヨナラ負け。さすがに直後の指揮官は、いつもの凛ではいられなかったが、口調は穏やかだった。「う~ん…今日だけは勝たせてやりたかったですね…でも最後、外野を抜かれたのも『やっぱりだから、考えてやらなきゃね』という教えになる。明後日(火曜日の練習)に、みんなとまた顔を合わせるので。この負けを忘れないで、次につなげようよっていう練習ができるので」  ただ笑って楽しいではなく、存分に野球をしながら、より高いレベルに挑む。4年目の新興チームの新風に、やむ気配はない。あるいは、学生球界に根強い旧態依然や大人たちの理不尽をも吹き飛ばす、大旋風となる予感も。 この大会にアサイキッズを推薦したのは同じ千葉の強豪、豊上ジュニアーズの髙野範哉監督だった。その全国区の名将が筆者に漏らした一言も印象的だった。「これからは、ああいうチームに子どもが集まるでしょうね」  ...

【全日本学童群馬大会/速報】創設12年の玉村、歓喜の初V。文句なしの県3冠

【全日本学童群馬大会/速報】創設12年の玉...

2026.05.03

 第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの群馬県予選は5月3日、上毛新聞敷島球場で決勝を行い閉幕。玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎市)が、韮川レッズ(太田市)を8対2で下して初優勝し、8月に愛媛県で開催される『小学生の甲子園』出場を決めた。準優勝の韮川は高野山旗(7月、和歌山県)へ。また同日第1試合の3位決定戦を制した赤堀クラブスポーツ少年団(伊勢崎市)は、阿波おどりカップ(8月、徳島県)、4位の群馬ワールドウイングス(高崎市)は関東学童大会(8月、神奈川県)の出場権を手にしている。 (写真&取材=大久保克哉) ※記録は編集部。決勝と3位決定戦は、追って特報します ■決勝 5月3日◇敷島球場▽第2試合玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎) 101303=8 000002=2韮川レッズ(太田)【玉】竹之内-小湊【韮】岡本、竹田、石戸谷-竹田、岡本本塁打/小湊(玉)、竹田(韮)二塁打/野口、山本(玉) ■3位決定戦 5月3日◇敷島球場▽第1試合群馬ワールドウイングス(高崎) 0010=1 0017x=8赤堀クラブスポーツ少年団(伊勢崎)【群】安藤、唐澤-桑原【赤】岩崎、吉田-藤倉三塁打/岩崎(赤)

【東日本交流大会/準決勝❷】初顔対決その2。雨が何!? 7点差の“名勝負”90分

【東日本交流大会/準決勝❷】初顔対決その2...

2026.04.30

 大会最終日は、準決勝に続いて決勝と3位決定戦がある。大詰めでのダブルヘッダーは、全国予選でも珍しくはないし、投手の頭数と球数や継投策がカギを握ることも多々。メイン会場での準決勝で対峙した、ラウンダース(山梨)と吉川ウイングス(埼玉)は、ともにエース右腕が先発しての真っ向勝負を展開。最終的に点差は開いたものの、中盤戦まではスーパープレーや好守を応酬。雨天によるミスや四死球も霞んでしまう“名勝負”から、ヒーローと敗軍のサイドストーリーもお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部 ■準決勝2 4月4日◇希望ヶ丘公園野球場▽第1試合ラウンダース(山梨) 30005=8 10000=1吉川ウイングス(埼玉)【ラ】伊藤、深沢琉-中村【吉】松浦、小玉葵-安保三塁打/佐野(ラ)二塁打/杉本(吉)、小番(ラ) 【評】先行のラウンは伊藤誉、後攻の吉川は松浦遥史。先発投手がそれぞれ、一番打者としてヒットを放って攻防は始まった。ラウンは二死二塁から雨宮城玖、奥山葵登主将、中村悠の3連打で3点を先取すれば、吉川はその裏、二盗と内野ゴロ2つで1点を返す。2回裏にラウンの佐野大翔がセンターゴロを決めれば、吉川も3回表に二盗を2つ阻むなど、守っても互いに譲らない。ラウンは4回から左腕の深沢琉がマウンドへ。降り出していた雨が強まるなかで、吉川は徹底した待球作戦で3四球を選ぶも、得点はならず。直後の5回表、ラウンは打者10人の猛攻で5点を奪い、試合を決めた。〇ラウンダース・日原宏幸監督「タイムリーヒットは奇跡だと思っているんですけど、2アウトからタイムリーが出たり、バッティングが非常に良くなっていて私自身がびっくり。リードしているなかで失敗もありましたけど、自分たちのするべきことをしっかりと分かっているのも大きいと思います」●吉川ウイングス・岡崎真二監督「スコア以上に、戦えたかなと感じています。序盤の攻撃では、相手ピッチャーの伊藤クンの速い球にしっかり食らいついて良い打席が続いたと思いますし、ウチの松浦もよく投げました。初回も1点で抑えておけば…」 ラウンの伊藤㊤と吉川の松浦㊦は、ともに先頭打者安打から生還。投げてもゲームをつくった 1回表、ラウンは四番・雨宮城がレフトへ先制打㊤。続く奥山主将と中村㊦もタイムリーで3点を先取 吉川は2回、五番・杉本颯斗が右越え二塁打㊤も後続は好守で断たれる。ラウンは5回表、佐野の2点三塁打㊦など5本の長短打で8対1に   ―Pickup HERO―ふたつの敵とも格闘しつつの大収穫 ふかさわ・れん 深沢 琉 [ラウン6年/投手]  2点リードの4回裏。二番手で登板した深沢琉を待ち受けていたのは、ふたつの敵だった。まずは強まりだした雨脚。そして2ストライクまでじっくりと見定めてくる、相手打線だ。「今日みたいな雨で投げるのは初めてでした」  深沢は本来、制球力を主体にテンポよく打たせて取るタイプ。だが、すでに水が浮いてきていた足場のせいだろう、1球ずつを確かめるように左腕を振っていた。 それでも、一死から連続で与四球。明らかなボール球を続けるような乱調ではないものの、微細なコントロールがいまひとつ。また相手の吉川ウイングスも、常に全国大会をうかがう強豪チームだ。どの打者も、ボール球にみすみす手を出して助けるような愚を犯すはずもなかった。  内野ゴロで走者に守備妨害があり、どうにか二死。だが、続く打者には追い込んでからファウルで粘られた末、四球を与えてしまい、満塁のピンチとなる。 ここで一打が出れば同点、長打なら逆転だ。絶好機を迎えた吉川ベンチは、クリーンナップに入ることもある5年生の右バッターを代打で起用した。一方のラウンダースのベンチは、動く気配すらもない(=㊤写真)。さぁ、どうする深沢――。「(雨で)手もボールも濡れて結構、滑ったんですけど、ベンチとか内野からいろいろ声を掛けてもらったし、濡れてるから投げられないじゃなくて、濡れてても投げるのがピッチャーの仕事。なので、強い気持ちで押していきました」  結果、大ピンチを二飛で切り抜けた深沢は直後の5回表、先頭でクリーンヒットを放って大量5得点の足掛かりに(=㊤写真)。 ハイライトは2イニング目の投球にもあった。先頭打者の絶妙なセーフティバントを、機敏かつ完璧に処理してアウトにしてみせた。さらに強烈なピッチャーライナーも捕球、そして最後は投ゴロと、全3アウトを自身の守備で奪って勝ちゲームを締めた。「フィールディングは前は苦手だったんですけど、ヤマト(同じ左腕の佐野大翔)がすごく巧くて、それを何でだろう、みたいに考えて練習してきたことが実戦につながったと思います」 軟投派の背番号11は、落ち着いてそう話した。また選手個々のそういう努力もよく知っている指揮官は、手放しでこう称えた。「あのセーフティバントは瞬間、やられたと思いましたけど、よくアウトにしましたね。彼(深沢)はフィールディングが得意ではない部分があったし、秋からの課題でもあったなかで、練習してきた成果が出ましたね。バッティングもそう。私もホントにうれしいです」(日原宏幸監督)  ちなみに、深沢が同じ左腕の佐野のフィールディングから読み取った答えは、こういうものだった。「投げ終わったら、もう野手になる。ヤマトは、投げた後にすぐ別の動きに反応するのが速いなと思って、それをマネして練習しています」 強い、巧いだけではない。無機質な野球ロボットの衆でもない。子どもながらに思考を巡らせ、行動にも移せる。そういう選手も育つのが、ラウンダースというチーム。全員が活躍・機能した一戦のなかで、最も収穫を得たのは深沢だった。   ―Team Inside Story―関東準V王者に肉薄。手応えありの大会締め 第4位...

【東日本交流大会/準決勝❶】初顔対決その1。雨天下で上中妻が打ち勝つ

【東日本交流大会/準決勝❶】初顔対決その1...

2026.04.27

 関東戦線に異常あり!? 開催地の茨城県勢12チームをはじめ、関東を中心に1都7県から32チームが参戦した第22回東日本交流大会は、ベスト4がいずれも初の顔ぶれに。全国大会に連続出場中の茎崎ファイターズ(茨城)、不動パイレーツ(東京)、豊上ジュニアーズ(千葉)は、大会2日目で姿を消した。3日目の最終日は降雨もあったが、「全国予選の試金石」とされる伝統の大会は、時間を繰り上げて強行。まずは同時進行した、準決勝を1試合ずつリポートしていこう。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部 ■準決勝1 4月4日◇希望ヶ丘公園多目的広場A面▽第1試合上中妻ニューフレンズ(茨城) 002043=9 002010=3戸塚アイアンボンドス(神奈川)【上】鳥羽田、山﨑、桜井、菊池-小幡寛【戸】押田、加藤丈、ゲルバンド-佐藤光三塁打/小幡寛(上)二塁打/小幡寛(上)、松田、山本(戸)、山﨑(上) 【評】上中妻が3回表に小池星空、小幡寛大、山﨑大心の3連打と菊池豪主将の犠飛で2点を先取も、その裏、戸塚も連続四球と松田和樹の適時二塁打で同点に。それでも、上中妻は5回に連続死球と菊池主将の申告敬遠で塁を埋め、鳥羽田隼人の適時内野安打、さらに押し出し死球と暴投で計4得点。最終6回にも連打で3点を加えて戸塚を突き放し、勝利を収めた。 3回表、上中妻は小幡寛が先制二塁打㊤。その裏、戸塚の松田が同点二塁打㊦ 5回表、上中妻は二死満塁から鳥羽田の内野安打㊤などで4得点。その裏、戸塚は山本椰生主将の二塁打と松田の中前打で1点を返す㊦ 上中妻は6回表、九番・小池星空(5年=㊤)からの4連打で9対3とダメ押し。その裏は菊池主将が締めた㊦   第3位 とつか 戸塚アイアンボンドス [神奈川]    勝因は雨より打  地元・茨城の上中妻ニューフレンズが、神奈川の強豪・戸塚アイアンボンドスを退けて決勝進出を決めた。  大会ホストの一員でもあり、大会には毎年、参加してきた上中妻だが、「これまでの最高成績といっても、3回戦どまり。最終日まで残ったのは、これが初めてなんです」と高野進一監督が打ち明ける。「いつもはこんな打てるチームじゃないんですが…。たまたまですね。ははは」 もちろん、その言葉を額面通りに受け取るべきではないだろう。170cm62㎏の三番・菊池豪主将を核に、大型選手が並ぶ上位打線の迫力は抜群。この試合でも一番の小幡寛大が2本の長打を放ち、菊池主将もダ押し二塁打など2打点をマークした。 先発した鳥羽田㊤は2回無失点。マスクをかぶった小幡寛㊦ともに、打撃でも勝利に貢献した  ツキもあった。厚い雲が広がる曇天の中、予定よりも時間を早めて開始した準決勝。試合開始から間もなく、弱い雨が降り始めていたが、2対2から勝ち越しの4点を奪った5回表は、にわかに雨脚が強まったタイミングでもあった。  一死から死球、死球、内野ゴロ、申告敬遠、内野安打、死球、バッテリーエラーという流れは、雨の影響も決して少なくはなかっただろう。 とはいえ、6回にみせた、怒濤の連打による追加点を考えれば、ツキだけでないことも明らか。それでも、菊池主将は「相手のピッチャーはぜんぜん、フォアボールを出さないし、バッターは狙った球を確実に打ってくる。すごいと思いました」と、強豪が集う今大会での戦いについて、新鮮な驚きを口にした。 三番・菊池主将は3打数2安打2打点。写真は6回表のタイムリー 「1年の目標は、もちろんマック(全日本学童マクドナルド・トーナメント)ですが、ウチはとにかく野球を好きになってもらって、できれば高校まで続けてほしいなというのが、最大の目標なんです」と、再び高野監督。「それもあって、この大会以外で、県外のチームと対戦することは、ほとんどないんです。そういう意味でいえば、今回はここまで怖いもの知らずで、がむしゃらに戦ってくることができたのが結果につながった、というのはあるかもしれませんね」 だからこその、菊池主将の言葉なのだろう。続けて彼が発したのは「すごくいい経験ができていると思う」という言葉だった。「この経験を、マックにつなげたいです」 二番・山﨑大心はシュアな打撃で2安打1打点  菊池主将の後、四番に座る草野樹は「強いチームばかりで、刺激になります。ボクももっと長打を打てるバッターになりたい」と言い、一番打者として打線をけん引、捕手としてもチームを引っ張った小幡寛は「先頭打者としては、とりあえず自分が出塁することを目標にしています。キャッチャーとしても、ピッチャー支えられる存在になりたい」。  たくましく成長中の選手たちが一丸となって戦う上中妻。雨の降り止まない希望ヶ丘公園の応援席を、熱く盛り上げる1勝だった。...

【多賀グリーンカップ】3年生大会で”野球の幸せ”みんなで享受 - フィールドフォース

【多賀グリーンカップ】3年生大会で”野球の...

2026.04.07

 3年生以下で構成されたチームで戦う、多賀グリーンカップ2026が3月28、29の両日、滋賀県多賀町の多賀町民グラウンドと滝の宮スポーツ公園を会場に行われた。全日本学童大会マクドナルド・トーナメント優勝2度の名門・多賀少年野球クラブの呼び掛けにより始まった大会で、今回が22回目。全国各地から集まった32チームが真剣ゲームを楽しみ、交流を深めた。 (写真&文=鈴木秀樹) コスプレ!?も楽しむ式  午前8時15分過ぎ、多賀町民グラウンドに集まった、賑やかな3年生以下チームの選手たち。会場に音楽が鳴り響くと、どのチームもしっかりと整列し、入場行進が始まった。 ユニフォームの上に、思い思いのコスチュームを羽織ったチームが多数。チームの地元の土地柄や風土を想起させるものや、チームカラーを前面に押し出したものなど、デザインはさまざま。グラウンド脇から響く、父母らからの声援に、手を振ったり笑顔で応えながら、選手らはダイヤモンドをぐるりと回り、再び整列した。  前年優勝の大阪オールスターズJr(大阪).、同準優勝の多賀少年野球クラブ(滋賀)などから優勝旗やカップなどが返還され、大会会長の久保久良・多賀町長が「来年はみなさんに負けないよう、ボクも仮装で来ます。今日は絶好の野球日和。はつらつとしたプレーを期待します。頑張ってください」と歓迎のあいさつ。協賛社のフィールドフォース・吉村尚記社長は「大会を全力で盛り上げていきます。今日はたくさんの仲間といっぱい話して、友達をたくさんつくって帰って下さい」と選手らに呼び掛けた。 続いて、大阪オールスターズJr.の𠮷本碧主将が「ボクたち選手一同は多賀グリーンカップに出場できることを、お世話になっている監督やコーチ、いつも応援してくれている家族に感謝し、仲間を信じ、最後の1球まであきらめず全力プレーすることを誓います」と選手宣誓を行い、大きな拍手を浴びた。  さらにここで、開会式を盛り上げたチームを表彰。13クラブ(岐阜)、大阪ゴールデンファイヤー(大阪)、岡輝レンジャーズJr.軟式野球スポーツ少年団(岡山)、城西スポーツ少年団(滋賀)が「入場行進楽しんだで賞」、揥水野球少年団(三重)には「会場一番乗り賞」が、多賀少年野球クラブの辻正人監督から贈られた。  ここまでで開会式は終了。しかしこれで一旦、解散…とはならない、続いて、スポンサーからの協賛商品を懸けたじゃんけん大会が行われた。多賀・辻監督が司会となり、全選手がフィールドフォース製品などを目指して、大騒ぎのじゃんけん大会。勝ち上がった選手らは笑顔で賞品を受け取ると、気持ちを入れ替え、それぞれの試合会場へと向かっていった。   単独チーム中心の戦いに  全国的には一般的ではない、3年生以下のチームの大会。まして県をまたぎ、全国レベルの規模となると、この大会をおいてほかにない。大会を始めた当初の目的は、大会出場の機会が少ない3年生以下のチームに、試合を通して野球の楽しさを知ってもらうと同時に、ここを目標にすることで、モチベーション高く練習を続けてくれれば…というものだった。 それでも、回を重ねるにつれ、「大会を始めた当時とは比べものにならないくらいに、レベルが上がりましたね」と辻監督が話す。「昨年までは、人数がそろわないチーム同士での合同チームの参加も認めていましたが、今年からはそれもやめ、単独チーム中心の戦いとさせてもらいました」 いまや全国大会レベルといっていい、多賀グリーンカップ。とはいえ、「怒声・罵声禁止」で「子どもたちの成長を見守る」大会姿勢に変わりはない。応援も鳴り物すべてOKで、保護者も一体となって戦う試合風景は、野球の原点ともいえるものだ。 波乱の展開、接戦も多々  主な特別ルールとしては、試合は5回戦で行われ、塁間は21m、投球距離は14m。リエントリー制度を採用。盗塁などに関しては特別ルールはない。初日の1、2回戦は「1イニング3得点で攻守交替」が適用される(2日目、準々決勝以降は5得点で交代)。 大会は、前年の優勝、準優勝チームがいずれも2回戦で敗れ、初日で姿を消す波乱の展開。そんな中でも、この大会のためにセレクションを行い、選抜チームで臨んでいる北海道代表は北海道チャンピオンシップAceと北海道チャンピオンシップBestの2チームがともに勝ち上がった。  また、この大会に向けた予選として「ルーキーリーグ」と称する3年生の大会を行い、出場チームを決定している岡山代表も、和気ベースボールクラブは2回戦で北海道Aceに敗れたものの、岡輝レンジャーズJr軟式野球スポーツ少年団は2回戦で大阪オールスターズJr.を下してベスト8入りを果たした。 そんな中で目を引いたのは、そろってベスト8入りした初出場の13クラブ、2度目の出場の坂本野球少年団の岐阜県勢。坂本野球少年団の三浦雄己監督は「初出場の去年は初戦負けでした」と振り返り、「出場チームのレベルの高さももちろんですが、大会の持つ一体感が素晴らしい。絶対にまた来て、次は勝つんだという思いをチームみんなで共有して、1年間、活動してきたんです」。  一方の13クラブも、準々決勝で敗れはしたものの、試合後にはコーチ陣が選手らに向かい「こんな経験はめったにできない。今のこの気持ちを、これからに生かしていこうよ」と呼びかける姿が印象的だった。大会の開催趣旨をストレートに体現しているかのような、岐阜代表2チームだった。 決勝で道選抜が対峙  決勝に勝ち上がったのは、北海道選抜の2チーム。道内の選手120人がエントリーしたセレクションから選ばれた、18人ずつのチームだ。ともに冬の間は室内での練習だけで調整し、屋外で練習できたのは大会直前の2週間だけだったというが、そんなマイナスを感じさせない実力の高さ。 中でも北海道Bestはどの試合も、長打力のある打線が爆発。両翼約46mの会場では、1本もサク越え本塁打が出ない試合も珍しくない中、大会MVPに選ばれた白石礼偉は大会通算5本のサク越え弾と、飛び抜けた成績を残した。  決勝も序盤からBestが長打連発でAceを圧倒。4回までを終えて9対3と、勝利は確定しながら(最終5回にAceが反撃しても5得点で終了のため)、大会規定により最終回まで試合を行い、9対4での決着となった。「外での練習が少なく、不安はありましたが、チームがよくまとまったと思います」と北海道Bestの向井拡充監督。Aceの齋藤真智監督も「よくここまで戦ってくれました」と選手たちの奮闘をたたえていた。普段は同チームで戦うチームメートながら、BestとAceに分かれて戦った選手もいたという北海道代表2チーム。試合後は白いユニフォームのBest、赤いユニフォームのAceの選手たちが入り乱れ、喜び合う姿も見られた。 3位決定戦では、大阪ゴールデンファイヤー(大阪)が度会BEAST(三重)に勝利。ともにナインの健闘をたたえるとともに、次回大会での捲土重来を期して、会場を後にした。 【2日目試合結果】 ◇準々決勝大阪ゴールデンファイヤー(大阪)〇7対2●13クラブ(岐阜)北海道チャンピオンシップAce(北海道〇4対3●坂本野球少年団(岐阜)北海道チャンピオンシップBest(北海道)〇9対1●岡輝レンジャーズJr.(岡山)度会BEAST(三重)〇4対3●交野レインボーズ(大阪) ◇準決勝北海道チャンピオンシップAce〇7対0●大阪ゴールデンファイヤー北海道チャンピオンシップBest〇7対1●度会BEAST ◇3位決定戦大阪ゴールデンファイヤー〇6対5●度会BEAST ◇決勝北海道チャンピオンシップBest〇9対4●北海道チャンピオンシップAce  

【東日本交流大会/速報】ラウンダース初出場初V、さぁ全国予選へ!! - フィールドフォース

【東日本交流大会/速報】ラウンダース初出場...

2026.04.05

 第22回東日本少年野球交流大会は4月4日、茨城・希望ヶ丘公園野球場で最終日を迎え、ラウンダース(山梨)が初出場初優勝を遂げた。全国区同士の強豪対決を3連勝して迎えた決勝は、大型チームの上中妻ニューフレンズ(茨城)を8対0で撃破。準優勝した昨秋の関東新人戦を上回る、ぶっちぎりのハイパフォーマンスだった。最終日まで勝ち残った4強をはじめ、参加32チームの多くはそれぞれ、地元で全国予選を迎える。 (写真&取材=大久保克哉) ※大会の模様は学童野球メディアで順次、特報します ■決勝 上中妻ニューフレンズ(茨城)  000000=0  20402 X=8 ラウンダース(山梨)   ■準決勝1 ラウンダース(山梨)  300005=8  100000=1 吉川ウイングス(埼玉)   ■準決勝2 上中妻ニューフレンズ(茨城)  002043=9  002010=3 戸塚アイアンボンドス(神奈川)   ■3位決定戦 吉川ウイングス(埼玉)  2203=7  5111x=8...

【吉川市近隣大会】第40回で史上初、吉川ウイングスV3 - フィールドフォース

【吉川市近隣大会】第40回で史上初、吉川ウ...

2026.04.01

 埼玉県吉川市が「町」だった昭和時代の、1987年に始まった伝統の大会。吉川市近隣大会は県下6市1町と千葉県流山市の34チームによるトーナメント戦を2週にわたって行い、吉川ウイングス(吉川市)の3年連続7回目の優勝で閉幕した。節目の第40回大会にして3連覇は史上初。その王者を含め、3月21日の最終日まで勝ち進んだベスト4は、いずれも特筆に値するチームだった。 (写真&文=大久保克哉) ※学年未表記は新6年生。記録は編集部 ■決勝 3月21日◇旭公園野球場 ▽第3試合 吉川ウイングス(吉川市)  010234=10  200001=3 三郷スターズ(三郷市) 【吉】松浦、玉井-安保 【三】安是、長谷川-長谷川、及川 本塁打/玉井(吉) 三塁打/飛鳥田(三)、進2(吉) 二塁打/安保(吉)、長谷川(三)、岩熊、杉本、西田(吉)、安是(三) 【評】飛鳥田凌久の先頭打者三塁打からスクイズで先制した三郷スは、なおも長谷川蒼史主将の左翼線二塁打に、四番・菅原航太の右適時打でリードを2点に。投げては5年生の安是煌聖が、1失点で前半戦を折り返した。対する吉川ウは4回表、新5年生コンビの玉井颯音と岩熊正臣が連打で流れを変えた。続く杉本颯斗も四球を選んで無死満塁に。守る三郷スはここから1-2-3併殺を決めるも、吉川ウは八番・進恵翔の右越え三塁打で3対2と逆転に成功。吉川ウはさらに玉井のサク越え弾など、長打攻勢で計10点。先発の松浦遥史は、無四球完投まであと1人の好投で大会初の3連覇を呼んだ。 1回表、三郷スは飛鳥田の三塁打㊤と守藤悠人のスクイズで先制㊦ 吉川ウは松浦㊤、三郷スは5年生の安是㊦。両先発が大一番を引き締めた 吉川ウは八番・進の2打席連続の適時三塁打で4回に逆転㊤。5回には5年生の四番・玉井がレフトへ豪快にソロアーチ㊦   ―Team Inside Story➊― 指揮官「うれしい悩み」。チーム内競争激化で覚醒中 優勝 =3年連続7回目...

【京葉首都圏江戸川/決勝】逆転サヨナラHR! 船橋が深川下し2年ぶりV - フィールドフォース

【京葉首都圏江戸川/決勝】逆転サヨナラHR...

2026.03.19

 第23回京葉首都圏江戸川大会の準決勝と3位決定戦、決勝が2月23日、江戸川区・水辺のスポーツガーデン野球場で行われた。決勝は最終6回裏、船橋フェニックス(世田谷)が森下貴斗の逆転サヨナラ弾で深川ジャイアンツ(江東)を7対6で下し、参加57チームの頂点に輝いた。船橋は2年ぶり2回目の優勝で、森下貴斗が大会MVPに。3位決定戦は、山野レッドイーグルス(世田谷)が西田野球クラブ(杉並)を破っている。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※学年未表記は新6年生、記録は編集部 ■決勝 2月23日▽水辺のスポーツガーデン 深川ジャイアンツ(江東) 102300=6 102013x=7船橋フェニックス(世田谷)【深】狩野、佐藤-野崎【船】森下、大野、岡本、大野-石黒本塁打/佐藤(深)、森下2、大野(船)三塁打/植田(深) 【評】1回表、深川は先頭の佐藤輝陽主将の安打と植田爽太のバント安打で無死一、三塁とし、内野ゴロの間に先制。しかし、船橋がその裏、一番・森下貴斗、二番・大野凌駕の連続バント安打と四番・石黒信匡主将の適時打で同点に。3回には深川が狩野遥生、佐藤主将の安打と植田の右中間三塁打で2点を勝ち越すも、船橋はその裏に森下、大野の連続本塁打で同点に。深川は4回に佐藤主将の左越え3ランで三たび勝ち越したが、船橋は5回に1点を返すと、最終6回裏、1点を取ってさらに二死一塁から森下がこの試合2本目の本塁打を中越えに放ち、逆転サヨナラ勝ちで2年ぶりの優勝を決めた。   優勝 =2年ぶり2回目 ふなばし 船橋フェニックス [東京・世田谷区] 【戦いの軌跡】1回戦〇6対4ジュニアナインズ(江戸川)2回戦〇11対4戸塚エコーチャイルド(新宿)3回戦〇11対1瑞江スカイラーク(江戸川)準々決〇16対3豊島ブレイズ(豊島)準決勝〇11対0西田野球クラブ(杉並)決 勝〇7対6深川ジャイアンツ(江東)  最終6回裏。2点を追う船橋フェニックスは一死から七番・高橋冴優が四球で出塁し、けん制悪送球で二進。内野ゴロで二死三塁となった。 走者は進めたものの、絶体絶命の二死。すると九番・若月柊哉の放った飛球が右前に落ちた。高橋冴優がかえり1点差に。一塁には同点の走者たる若月が残った。打席には一番・森下貴斗──。  決勝の舞台、水辺のスポーツガーデン「A面」はレフト側こそ約50m先に旧江戸川が流れ、サク越えの本塁打が出やすい構造となっているが、ライト側の先には隣のB面が広がるばかり。右翼手はいくらでも下がって守れる。左打者の森下はこの試合、ここまでバント安打、中サク越え本塁打、内野安打。長打力のあるスラッガーではあるが、相手外野手もその分、深く守っている。 それでも、船橋のメンバーには予感があった。  この数年、この大会では毎年、死闘を演じている船橋と深川だが、船橋は優勝した一昨年は2回戦で、準優勝の昨年は準々決勝で対戦し、ともに勝利を収めている。一昨年の直接対決はサヨナラ本塁打で勝負を決したが、その一発を放ったのは、今年の主将・石黒信匡の兄、義啓さんだった。「ちょうど、その時の話をしていたんです」と船橋・岡本隼人監督が振り返る。 果たして、カウント1-1、森下が一閃したバットから放たれた打球は、相手センターの頭上をはるかに越え、旧江戸川に飛び込む逆転サヨナラのスプラッシュ・ヒットに。完璧すぎる当たりで物語を締めくくったヒーローを、もう一人の長距離打者、次打者の大野凌駕がホームの先で抱きとめた。 最終6回裏、森下が中越えに逆転サヨナラ弾㊤を放ち、ダイヤモンド一周後に次打者の大野と抱擁㊦ 「つなぐ気持ちで、多少、気持ちを楽に持って打てたのがよかったのかもしれません」と森下。ネクストバッターズサークルで待つ大野は170cm69kgと、森下よりもさらに高身長の大砲。深川バッテリーの側も、森下との勝負を避けるわけにはいかなかったのだ。「狙い球を絞って、甘く来た球をうまく打ち返すことができました」。この日の主役はそう振り返り、にっこりと笑った。  大会MVPに森下、優秀選手に大野。3回にはアベックホームランも放っている一、二番コンビだが、深川に先制を許した初回には連続セーフティバントで、3点を追う5回には森下の内野安打と大野のセーフティバントで好機をつくり、いずれも得点につなげた。そろって圧倒的な長打力を持ちながら、同時にチームきっての俊足コンビでもあり、ビハインドの場面では確実に1点を取る攻めをみせる。 1回裏、先頭の森下がセーフティバントから二盗、続く大野もバント安打㊤。そして一死二、三塁から、石黒主将が左前へ同点適時打㊦ 「バントのサインは出していません。6、7割は彼らに任せていて、二人がアイコンタクトで決めているようです」と岡本監督。「新6年生11人は、全員が空気感を共有できていて、後から反省というかすり合わせというか、そんなこともしている。厳しいことも遠慮なしに言い合い、修正すべきところは修正していますね。そのあたり、ボクから何か言うことはほとんどありません」と選手らの自律を見守っている。一方の大野は、「ランナーが塁にいればかえす。いなければ、ボクらが出る」。シンプルな考え方に、選手同士の信頼度の高さが垣間見える。  攻撃でいえば、この二人以外にも、四番の石黒主将と五番の岡本悠人は豊島ブレイズ(豊島)との準々決勝、西田野球クラブとの準決勝で、ともに2試合連続の本塁打を放っている(岡本は準々決勝では2本塁打)。さらに、準決勝では、スタメンのうち7人が長打を記録。どこからでも得点が期待できるうえに、機動力と柔軟性も併せ持つ強力打線だ。 決勝は森下㊤が先発、大野㊦は2度の好救援で流れを呼んだ  投手陣も、昨秋の都新人戦(準決勝で文京・レッドサンズに敗れ3位)当時に比べ、安定感を増している。リリーフエースの大野は「お父さんのアドバイスもあって、上からたたきつけるような投げ方を意識して、良い球が投げられています」と快投を披露。決勝では3回表、2点を奪われなおも一死一、三塁のピンチでマウンドに上がると、快速球を武器に2者連続三振でピンチを切り抜け、いったん中堅の守備に戻ったが、5回に再び登板し以降をゼロ封と、チームを優勝に導く好投を見せた。 他大会との兼ね合いにより、準々決勝以降が行われた連休は試合が続いていた船橋。厳しい投手のやりくりも続いていたはずだが、マウンドに上がった投手全員が力強いボールを投げていた。岡本監督は「失投を打たれた場面もありましたが、相手は深ジャンさん。甘い球は見逃してくれません」と決勝を振り返り、「厳しい戦いでしたが、ピッチャーはみんな、頑張ってくれました」と投手陣の奮闘に感謝した。  決勝では3番手で登板、球は走っていたものの失点を喫した岡本は「もっと気持ちを強く持って投げられるようにしないと」と反省。その一方で、準々決勝、準決勝と、打線に勢いをつけた打撃については「いいところで打てたと思います。大事な場面で打てる、頼れるバッターになりたい」と力を込めた。「最終回、最後の場面でボクはサードコーチャーだったんです。打順が一番にかえって貴斗が打席に入り、サヨナラもいけるんじゃないかって期待していたので、実際に打ったときには、すごく興奮しました」と話すのは石黒主将。「チームは新人戦のときよりも強くなっていると思います。みんな励まし合って戦えている。自分はキャプテンとして、しっかりみんなを引っ張って、今年は全国優勝を目指して戦います」と力強く宣言した。 今年は世田谷成城ジュニアーズが城南CUPで優勝、用賀ベアーズがナガセケンコー杯を制するなど、新人戦上位組が好調をキープ、ここでも山野レッドイーグルスが3位入賞と、激戦が予想される世田谷。まずは強敵がひしめく地元の戦いを突破し、出場すれば2年ぶりとなる真夏の大舞台、全日本学童マクドナルド・トーナメントを目指し、快進撃を続けたい。...

【速報/京葉首都圏江戸川】深川G、西田、山野、船橋Pが4強! - フィールドフォース

【速報/京葉首都圏江戸川】深川G、西田、山...

2026.02.22

 東京の激戦区・江戸川区を中心に、都内各区と近隣のチームが覇を競う第23回京葉首都圏江戸川大会は1月24日に同区の水辺のスポーツガーデン野球場などで開幕。2月22日に同野球場で準々決勝が行われ、ベスト4が決まった。23日には準決勝と決勝が同野球場で行われる。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※学年未表記は新6年生   ■準々決勝 2月22日◆A面 深川Gが逆転で準決勝へ ▽第1試合 深川ジャイアンツ(江東) 5-3 高島エイトA(板橋)  高島エイトAは2回表に二塁打の鈴木歩が内野ゴロと新5年・石井温仁の中犠飛でかえり先制、3回には飯塚透の右越えランニング本塁打で2点目を挙げた。投げては先発の綱嶋豪が深川ジャイアンツ打線を4回まで2安打に抑える好投を見せた。 しかし、5回裏に深川打線が反撃。一死から連続敵失で一、二塁とし、高萩晴大の適時打で1点。二死後に植田爽太の適時打で追いつくと、続く大貫航太郎が中越えの3点ランニング本塁打を放って勝ち越した。高島は最終6回に久保睦が左翼フェンス越えのソロ本塁打を放つと、その後も二死二、三塁まで詰め寄ったが、あと一本が出ず、深川が勝利を収めた。 決勝本塁打の深川・大貫航太郎は「最近打ててなかったから、ここで打たなきゃ、と思いました。センター方向は狙っていたわけじゃないけど、うまく打ち返すことができました」と会心の一本を振り返った。   山野、猛打で北原下す ▽第2試合 山野レッドイーグルス(世田谷) 10-1 北原少年野球クラブ(練馬)  山野レッドイーグルスは1点を追う2回裏、先頭の四番・田代旬主将が安打で出塁すると、飯田航大が送りバントを決め、田代環の右中間二塁打で同点に。さらに井土蒼一郎、松元陽生の適時打で2点を勝ち越した。3回には一死一、二塁から田代旬主将が右越えの3点ランニング本塁打を放ち、さらに田代環、安西栄滋、遠矢琉斗(新5年)、杉山亮太(新4年)も安打を放つなど、打者12人7得点の猛攻で、北原少年野球クラブを突き放した。 山野先発の田代環は初回に北原三番・山口銀士郎の適時打で1点を許したものの、4イニングを3安打1失点で投げ切り完投勝利と、攻守で活躍。「初回は緊張したけど、全体的にコントロール良くまとめることができました」と笑顔で話した。   2月22日◆B面 西田がサヨナラで激戦制す ▽第1試合 西田野球クラブ(杉並) 7-6 七北クラブ(江東)...

長曽根が貫禄の優勝劇!【2DAYs in SUITA❷】 - フィールドフォース

長曽根が貫禄の優勝劇!【2DAYs in ...

2026.02.19

 全国大会を目指す強豪16チーム参加による「目指せ!愛媛・スポ少2026 2DAYs IN SUITA」。大会2日目はベスト4に勝ち上がったチームにより準決勝と3位決定戦、決勝が万博記念公園野球場で行われた。朝から雪が降り続ける中、決勝で不動パイレーツ(東京)を退け優勝を果たしたのは王者・長曽根。同スポーツ広場では、敗れたチーム同士による敗者戦も行われた。 (本文&写真=鈴木秀樹) ■準決勝 シビれる投手戦を制して不動が勝利 ▽第1試合不動パイレーツ(東京) 001000=1 000000=0北名古屋ドリームス(愛知)【不】上田-瀧【北】坪井-中津 ▲好投の不動・上田主将㊤と北名古屋・坪井㊦▼  不動・上田廉主将、北名古屋・坪井心汰の両先発が好投、野手陣も好守備で投手をもり立て、見応えある投手戦が繰り広げられた。 1、2回をともに無得点で終え、迎えた3回表、不動は二死から九番・古谷蒼生が左前打で出塁すると、一番にかえり榎本健太が右前打、続く近藤蓮も内野安打を放ち、先制点を奪った。 ▲3回表、近藤の先制適時打㊤で不動が先制㊦▼  その裏、北名古屋も一死から八番・青山隼磨が左前打で出塁すると、九番・丹羽夏暉もバント安打で続いて一死一、二塁としたが、後続が倒れ、得点はならなかった。 以降は両軍とも走者を出しながらホームが遠い。不動は4回裏に一死一塁から併殺でピンチの芽を摘み、5回裏には一死二塁からの三盗を阻止するなど、好守備も光る試合運びで北名古屋に得点を許さず、3回に手にした1点を守り切り、接戦をものにした。 ▲北名古屋打線は5安打も好機であと1本が出なかった ▼5回には同点の走者が三盗を試みるも失敗  1、2回戦ではともに2ケタ得点で勝利を収めるなど、強力打線による得点力が目を引いた両チームだったが、直接対決は好守備も光る投手戦に。不動・上田博雄、北名古屋・岡秀信の両監督は互いをたたえ合い、「良い試合ができました」と、対戦の収穫を口にしていた。   初回の4得点から一気に寄り切り長曽根が勝利 ▽第2試合長曽根ストロングス(大阪) 400300=7 000100=1豊上ジュニアーズ(千葉)【長】山瀬、辻井、山田雄、山瀬-岡林【豊】加藤-関澤二塁打/吉見(長)、関澤(豊)  初回、長曽根は一番・吉見憲眞の左翼線二塁打に始まり、山田蒼、北原優響、岡林優志までの4連打で2点を先取し、内野ゴロ間にもう1点、六番・山田雄大の右前適時打でさらに1点と、いきなり4点のリードを奪った。 ▲長曽根は初回に先頭の吉見が二塁打㊤ ▼先制適時打を放つ長曽根・北原㊦  長曽根は好守備も光った。2回裏一死二、三塁のピンチでは、飛び出した相手三走をきっちりと刺して無失点で切り抜け、3回には先頭の打者を四球で出しながらも、次打者を内野ゴロ併殺に仕留めてピンチを未然に防いでみせた。4回、日本松龍、川添瑠希の連打から3点を加えた長曽根は、その裏に豊上三番・関澤月陸の右越え二塁打から1点を失うも、落ち着いた試合運び。投げては先発の山瀬晴から辻井恭悟、山田雄大主将、再び山瀬へとマウンドをつないで、豊上にさらなる反撃を許さなかった。 ▲豊上は2回、走塁死で得点ならず㊤ ▼4回の石井尊の適時打㊦による1点が豊上唯一の得点となった  初回の4失点でリズムを崩した豊上は1、2回戦の爆発的な攻撃力が影を潜めた。豊上ベンチからは、試合開始時から髙野範哉監督の「7点(が勝敗の分岐点となる)ゲームだぞ」の声も聞こえ、トータル7失点は試合前からの想定内だったようだが、攻撃面では長曽根投手陣に苦戦し、最後までリズムに乗ることができなかった。   ■3位決定戦 本塁打4本!!予想外の空中戦は豊上が〇 豊上ジュニアーズ 200016=9 202301=8北名古屋ドリームス【豊】蛭間、石井-関澤【北】加藤朝、今井大、今井悠、吉村、今井悠-中津本塁打/蛭間、後山(豊)、吉村、今井大(北)二塁打/後山、後藤、蒔田(豊)坪井(北)...

全国目指す強豪が集結!【2DAYs in SUITA➊】 - フィールドフォース

全国目指す強豪が集結!【2DAYs in ...

2026.02.18

 晴れの舞台で、今年も会おう! 高円宮賜杯全日本学童マクドナルド・トーナメントで8度優勝の“常勝軍団”長曽根ストロングス(大阪)の呼び掛けにより、全国大会を目指す強豪チームが集う、新年恒例の「目指せ!愛媛・スポ少2026 2DAYs IN SUITA」が1月24、25日、大阪府吹田市の万博記念公園野球場と同スポーツ広場で行われた。全国の都道府県から16チームが参加。大会初日は開会式に続き、万博記念公園スポーツ広場の4つの面に分かれ、1回戦と2回戦を行った。 (本文&写真=鈴木秀樹) 16チーム参加の壮観!開会式  開会式には参加16チームの選手、指導者が終結。互いに再会を喜ぶとともに、近況を報告し合う姿が見られた。 大会主催の長曽根ストロングス・熊田耐樹総監督は「昨年はこの大会に参加したチームのうち、8チームが全国大会に出場しました。ありがたいことに、この大会を『全国大会よりも全国区大会』と言ってくれる方もいます。長曽根も昨年、3回戦で不動パイレーツさん、決勝では伊勢田ファイターズさんと、大舞台で2チームと戦わせていただいた。今年も多くのチームと全国大会の舞台でお会いできるのを楽しみにしています」とあいさつ。辻本茂樹監督が参加チームの監督を紹介し、健闘を誓い合った。   【1面】長曽根ストロングスが快勝突破!  1面では、主催の長曽根ストロングスが吉川ウイングス(埼玉)との初戦を快勝、昨年のスポーツ少年団全国大会(エンジョイ! スポーツフェスティバル2025)覇者・大崎ジュニアドラゴン(宮城)との接戦を制した茎崎ファイターズ(茨城)と戦った2回戦も大差で勝利し、準決勝にコマを進めた。   【2面】不動パイレーツが強敵倒し勝ち抜け  2面では不動パイレーツ(東京)が勝ち抜け。初戦で小野東スポーツ少年団(兵庫)に6対1で勝利すると、昨夏の全日本学童準V・伊勢田ファイターズ(京都)を下した2年前の全国王者・新家スターズ(大阪)にも10対2で快勝した。敗れた3チームも、劣勢でも仲間を鼓舞する大きな声がベンチ内に響く、元気の良さが目を引いた。   【3面】豊上ジュニアーズが盤石勝利  3面では、昨年のこの大会の優勝チーム、山田西リトルウルフ(大阪)を下した豊上ジュニアーズ(千葉)が2回戦でも東16丁目フリッパーズ(北海道)に完勝。硬軟巧みな攻撃で確実に得点を重ねる勝負強さと同時に、内外野ともに完成度の高い守備力が目を引く、見事な試合運びを披露した。熊谷グリーンタウン(埼玉)は東16丁目との初戦で、力を出し切れないまま敗戦を喫した感が強い。東16丁目はこの時期、雪深い札幌で「外野のフライ練習などはほとんどできていない」(笹谷武志監督)中での奮闘だった。   【4面】接戦を制したのは北名古屋ドリームス  4面を勝ち上がったのは北名古屋ドリームス(愛知)。初戦で井原アローズジュニア(岡山)に大勝すると、安佐クラブ(広島)にも競り勝った。北名古屋・岡秀信監督は2回戦で対戦した安佐クラブについて「勝負強く、粘りがある素晴らしいチーム。初戦も北ナニワ(ハヤテタイガース=兵庫)さんと接戦して、競り勝っていた。初戦で点差をつけて勝たせてもらった分(余力があり)、ウチが勝たせてもらえたのでしょう。すごくいい試合経験になりました」 試合後には、各チームの指導者が率直に意見を交換する姿も。参加チームはそれぞれに、学びや課題の洗い出しなど、対戦で多くを得た様子だった。

『学童野球メディア』初代MVPは今――。 - フィールドフォース

『学童野球メディア』初代MVPは今――。

2026.02.06

 小学生の甲子園で衝撃の124㎞!! 2023年の学童球界を席捲した“スーパー6年生”は、その後も数々の伝説を残していた。中学入学から2ヵ月で大田スタジアムの外野席へ打ち込み、投げては翌月にノーヒットノーラン。1年夏に全国デビューし、2年夏の全国で胴上げ投手に。迎えた2026年、中学ラストイヤーは春の全国大会から始まる。東京・駿台学園中の藤森一生主将(新3年)は、学童野球メディアの『初代年間MVP』でもある。現在の最速は136㎞で、中1の秋から通算40本塁打。それらはいかにして生まれてきたのか――中学軟式の全国大会や部活動にも触れつつ、特別リポートをお届けしよう。 (動画&写真&文=大久保克哉) プレー動画➡こちら  ふじもり・かずき 藤森一生 [東京・駿台学園中/新3年] 【Personal Data】 出身地:東京都 出身チーム:東京・レッドサンズ(学童軟式)/読売ジャイアンツジュニア 投打:左投左打 ポジション:投手/一塁手 身長体重:172㎝64㎏ 50m走ベスト:6秒2 直球最速:136㎞(2025年12月/ヤクルト戸田球場) 通算本塁打:1年秋~40本(ランニング含む) 好きなプロ選手:今永昇太(カブス) ※2026年2月5日現在 ■学童野球メディア2023MVP記事 2023.12.31➡こちら すんだいがくえん 駿台学園中学校軟式野球部 【学校創立】1991年(平成3年)※休校を経て中高一貫校として開校 【学校所在地】東京都北区王子6丁目1−10 【野球部顧問】西村晴樹(2007年~コーチ、2010年~監督)/平田理樹/大島雅樹 【全国3大会成績】...

【ポップ杯全国★特別ルポ】真の“横綱”ここにあり!!常磐12戦士、万感フィナーレ - フィールドフォース

【ポップ杯全国★特別ルポ】真の“横綱”ここ...

2026.01.28

 思慮分別のある大人たちに促され、正々堂々の戦いで「冬の神宮」でもチャンピオンに輝いた常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)。ポップアスリートカップの全国ファイナルは2回目ながら、前回の2020年はコロナ禍で中止に。この実質的な初出場での初優勝は、6年生12人の学童野球フィナーレでもあった。協賛各社の色も生かしつつの、笑顔に富むセレモニーも見届けたV監督は「ぜひ、伝えてほしい!」と、こう続けた。「格式ばらずに、こんなに良い全国大会があったんですね。特にリエントリー制。より多くの子に出番をあげられるし、ホントに子どもを主役に考えてますよね」。むろん、常磐12戦士は全員が打席にも立っての戴冠だった。 (写真=大久保克哉、鈴木秀樹/文=大久保克哉) 【常磐軟式野球JSC】Back Number 『チームファイル』2023.07.25➡こちら 『レジェンド40年秘話』2024.01.26➡こちら 『監督リレートーク』2023.06.12➡こちら ―Team Inside Story― 3元号で継続する繁栄。ただ勝てばいい、そんなチームにあらず 優勝 じょうばん 常磐軟式野球スポーツ少年団 [福島県] 【戦いの軌跡】 1回戦〇7対0札幌南(北海道) 2回戦〇4対0平川Jr.(青森) 準決勝〇4対3長曽根(大阪)※リポート➡こちら 決 勝〇4対4名古屋ド(愛知)※リポート➡こちら 覇者たるもの…  決勝の5回裏。エース格の佐藤瑛介が二番手でマウンドに上がり、投球練習を終えたあたりで、試合時間は80分になろうとしていた。  既定の90分まで、残り10分足らず。1回表に4点先取後、じりじりと追い上げられていた常磐軟式野球スポーツ少年団のリードは、わずかに1点。  応援する側には、10分がより長く感じられたことだろう。では、ベンチの天井正之監督はどうだったのか。試合後に問うてみると、即座にひと言。 「いやぁもう、時間なんか関係なしにやりました!」  正々堂々。フィールドの選手たちが、それを証明していた。表の攻撃で残塁の走者となっていた、捕手の上遠野晃大は防具の装着もいつも通りにスムーズ。マウンドの佐藤瑛はストライク先行で、一番打者から3人を9球でアウトに。ものの5分とかけずに5回裏を終わらせたことで、試合は既定の最終回となる6イニング目に入った。...

【ポップ杯全国★決勝】初の“白河越え”。先行逃げ切り常磐V - フィールドフォース

【ポップ杯全国★決勝】初の“白河越え”。先...

2026.01.26

 2007年の第1回大会から19年目。ポップアスリートカップに新たな歴史が刻まれた。全国ファイナル決勝は、常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)が名古屋ドジャース(愛知)を4対3で振り切って初優勝。夏の全国大会(全日本学童マクドナルド・トーナメント)は最多出場記録24回を誇る常磐によって、優勝旗と優勝杯が初めて東北の地へ。「勝負の分かれ目」から大一番で“白河越え”に貢献したヒーロー、そして敗軍のストーリーまでをお届けしよう。 ※優勝チームの特別ルポは別途、近日中に公開します  (写真=大久保克哉、鈴木秀樹/文=大久保克哉) ■決勝 12月7日◇明治神宮野球場 ▽第3試合 常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)  400000=4  102000=3 名古屋ドジャース(愛知) 【常】奥山、佐藤瑛-上遠野 【名】若林、西出、三田村-成岡 二塁打/横須賀(常) 【評】横須賀大叶の先頭打者二塁打から4点を先取した常磐が、奥山煌都-佐藤瑛介の継投で逃げ切り、初優勝を遂げた。1回表、三番・村田琢真の2ランスクイズで先制した常磐は、さらに畳み掛ける。四番・上遠野晃大の中前打から一死二、三塁として、六番・齋藤慶季がまたスクイズ。これが敵失も誘って2人目も生還した。いきなり4点ビハインドの名古屋ドは、すぐに反撃。一番・若林優真主将が、四球から二盗、三盗を決めると三番・西出偉太の二ゴロでホームイン。3回裏には敵失と二番・大脇幸汰のタイムリーで3対4に。常磐の先発・奥山は、ここからさらに2安打されるも失点は回避し、4回も1点差を守り抜いた。そして5回からエース格の佐藤瑛が、パーフェクトリリーフで胴上げ投手となった。 1回表、常磐の一番・横須賀が中越えエンタイトル二塁打(上)、続く渡邉晃大はバントヒット(下) 1回表、常磐は無死二、三塁から三番・村田琢の2ランスクイズで先制 2点先取した常磐は上遠野の中前打(上)や四球、盗塁などで再び二、三塁として齋藤がスクイズ(下)。敵失もあって初回で4対0に 名古屋ドは1回裏、先頭の若林主将が四球から連続盗塁(上)、西出の二ゴロ(下)で生還  ダブルの2試合目で名古屋ドは4投手が登板。2番手の梶田将佑(上)がゲームをつくり、4番手の三田村柊吾は打者5人をシャットアウト   ―Turning Point of the Game― 同点回避へと作用した!?...