リポート

【ポップ杯全国ファイナル/準決勝❷京都vs.徳島】写真ダイジェスト&ヒーロー&グッドルーザー

【ポップ杯全国ファイナル/準決勝❷京都vs...

2025.01.19

 第18回ポップアスリートカップくら寿司トーナメントの全国ファイナル。「冬の神宮」の準決勝第1試合は、ワンサイドの内容ながら、最後まで緊張が途切れなかった。京都・伊勢田ファイターズは、2年連続で夏の全国出場中と躍進が目覚ましく、今大会では夏の「小学生の甲子園」準Vの強豪も撃破。一方、全選手が200人規模の喜来小(きらい)に通う徳島・喜来キラーズは、普段着の野球で勝ち進んできた。両軍のマッチアップで、ヒーローとグッドルーザーが生まれている。 (写真&文=大久保克哉) 準決勝 ◇12月22日 ◇第1試合 伊勢田ファイターズ(京都)  010010=2  000000=0 喜来キラーズ(徳島) 【伊】幸、田見-森田 【喜】富士田煌、下村、矢間勇-山本 二塁打/貝谷、森田、荻田(伊) 【評】大量点を奪えそうで奪えない伊勢田と、大崩れしそうで耐える喜来。双方向の「ガマン比べ」が続いた6イニングだった。1回はともに三番打者が右前打も無得点。2回表、伊勢田は六番・荻田琉聖の左前打と連続の敵失で先制する。なおも無死三塁からスクイズ(ファウル)など攻め立てるが、喜来の先発・富士田煌途が加点を許さない。2回裏は喜来が、六番・下村悠真の左前打とバントで二死二塁とするも、伊勢田の先発・幸大貴主将がやはり踏ん張って無得点に。そして3回から救援した伊勢田の田見哲也は、スローボール主体に打たせて取る投球が冴え、許した走者は四球と内野安打の2人だけだった。攻めては3回、4回と、三塁に走者を置きながら無得点と嫌なムードもあったが、5回に四番・森田颯真の中越え二塁打と六番・荻田の右越え二塁打で、待望の追加点が生まれて2対0に。喜来は4回から右の下村悠真、5回途中から左の矢間勇冴がそれぞれ粘投したが、打線は反撃の糸口をつかめなかった。結果、毎回走者を出して押し気味に試合を進めた伊勢田が、僅差で喜来を振り切って決勝進出を決めた。 ●喜来キラーズ・髙井和人監督「ピンチの連続の中で『ワンチャンあるから!』と言い続けてきて、何とか持ち堪えたんですけどね。相手の2番手投手に、うまく打たされてしまいました。それでも最終回に中川(優懼)が内野安打で出ましたし、子どもたちは最後までようがんばりました。神宮の土を踏めたことは人生でも財産になると思いますし、ここまで連れてきてくれたことに感謝しています」 2回表、伊勢田は先頭の荻田が左前打(上)、続く七番・松倉駿(5年)の内野ゴロが相手の連続ミスを誘って先制。なおも無死一、三塁としたが、喜来の右腕・富士田煌(下)が90㎞台半ばの速球で押して追加点を許さず 喜来は2回裏、六番・下村の左前打(上)と七番・森悠晴主将の犠打で二死二塁とする。だが、バント処理も落ち着いていた伊勢田の先発・幸主将(下)が後続を断つ 3回は双方が堅守で無失点に。喜来は三塁手・松永紋侍のゴロ処理で3アウト目を奪い(上)、無死一、三塁からの大ピンチを脱した。伊勢田は正捕手・森田が二盗を阻止(下) 伊勢田は2番手の田見が3回1安打1四球で無失点の快投(上)。5回表は先頭の四番・森田(下)がまずは中越え二塁打 5回表、一死三塁で喜来は左腕の矢間勇がマウンドへ。攻める伊勢田は、幸智之監督が三走の森田と打席の荻田を呼んで言葉を掛ける(上)。再開後、荻田は右越えタイムリーと敵失で一気に三進(下) 遅球を打たされて3回から無安打だった喜来は6回裏、二死から二番・中川が意地の内野安打(上)、続く富士田煌も中前へライナーを放つ。だが、途中出場の伊勢田の中堅手・臼田塁人(5年)がダイレクト捕球で試合終了(下)   ―Pickup Hero― 仲間に恩返しの好守&2安打 かいたに・だいき 貝谷大騎 [伊勢田6年/二塁手]...

たかが3球、されど3球。冬の神宮を熱した“珠玉の対決”~ポップ杯全国準決勝❶~

たかが3球、されど3球。冬の神宮を熱した“...

2025.01.16

「冬の神宮」は栄誉であると同時に、6年生には“別れの舞台”となることも多く、夏とはまた違ったドラマがある。中でも真っ先にお伝えしたいのが、勝負所で正々堂々の力勝負でスタジアムを沸かせた2人の6年生と、わずか3球の勝負に詰まった、あれこれ。2024年の12月21・22日に東京・明治神宮野球場で行われた、第18回ポップアスリートカップくら寿司トーナメントの全国ファイナル。リポートは準決勝の第2試合、“珠玉の6年生対決”から始めよう。 (動画&写真&文=大久保克哉) ※全球対決動画1min➡こちら ドラマの主人公は2人の6年生。しらさぎ・田中伊織(上)と、新家・山田拓澄(下) 準決勝 ◇12月22日 ◇第2試合 しらさぎ(東京) 000000=0 00002 X=2 新家スターズ(大阪) 【し】新井、田中-方波見 【新】山田-庄司 本塁打/山田(新) 二塁打/方波見(し) スコアレスの5回表までの山場は2回表だった。しらさぎが五番・方波見大晴主将の二塁打(上)と犠打で一死三塁とし、七番・田中の2球目でスクイズ。だが、新家ベンチはこれを読んでのウエスト指示で空振り(中央)、三走はタッチアウトに(下)  投手は全力で腕を振って快速球を投げ込み、打者は確かなステップからフルスイングで応じる。プロ野球のオールスターゲームのような真っ向勝負が、学童の大舞台で実現した。  たかが3球、されど3球。ボールカウント1-1からの3球目を前に、冬の神宮は一瞬の静寂に包まれたのち、ライト方向へ舞い上がっていく白球とともに大歓声に包まれた。結果、神々しいまでに明と暗とに分かれた両雄だが、どちらの野球人生にも明るい未来が待っていることだろう。 いきなり大会最速111㎞  バックボーンも異なる6年生の2人が、マウンドと打席で対峙したのは、ポップアスリートカップの全国ファイナル準決勝。0対0で迎えた5回裏、大阪・新家スターズの攻撃のことだった。  守る東京・しらさぎは、この回から左翼の田中伊織が二番手でマウンドへ。気合いの五輪刈りの右腕はいきなり、111kmのスピードボールを投じた(=下写真)。  準決勝2試合と決勝の3試合が行われた大会最終日は、バックスクリーン上の電光掲示に投手の球速が表示されていた。4チームで計11人(同一選手の重複含む)が登板した中で唯一、「110」の壁を超えたのがこの田中だった。自己最速115㎞には届かなかったものの、やがて迎えた最強の打者を前に、スピードはさらに増していくことになる。 「左の新井(葵葉)から右の田中という、いつもの予定通りのウチの継投でした」と振り返ったのは、しらさぎの坂野康弘監督。試合直前に、采配は2試合(同日の決勝も)を想定して行うかを問うと、こう即答していた。 「もちろん一戦必勝です!(準決勝の)相手はチャンピオンですから!」  そう、新家は絶対的な王者である。夏には「小学生の甲子園」全日本学童マクドナルド・トーナメントで、2連覇を達成していた。このポップ杯も前年優勝枠の出場で予選は免除。前日の全国ファイナル初日は、西埼玉少年野球(埼玉)と平川Jr.ベースボールクラブ(青森)にそれぞれ完封勝ち。V2まであと2勝に迫っていた。 度肝抜く王者の金看板...

『学童野球メディア』2024年MVPは!?

『学童野球メディア』2024年MVPは!?

2024.12.31

 2024年の大みそか。『学童野球メディア』から、第2代の年間最優秀選手を発表します。当メディアは日本唯一の学童専門の報道メディアとして、昨秋の新人戦から1年間、できる限り現場に足を運んでレポートをしてきました。大会取材だけでもスコアブック3冊以上、100試合を超えます。夏の夢舞台「全日本学童マクドナルド・トーナメント」は、全50試合のうち18試合の取材など、すべては網羅できていません。それでも、直接に見て聞いた6年生は相当な数になります。その中から『2024年MVP』を選出。そして改めてインタビューすると、新たな真実も明かされました。 (選出=編集部/写真&動画&文=大久保克哉) 【2024年最優秀選手】 ほそや・なおき 細谷直生 [東京・不動パイレーツ] 6年/一塁手兼捕手/右投右打/157㎝69㎏ ※プレー動画➡こちら 【主な成績と掲載記事】 ※時系列、掲載順 東日本交流大会★準優勝➡こちら 全日本学童都大会★準優勝 ・チーム紹介➡こちら 全日本学童大会★3位 ・準決勝➡こちら ・名勝負❷➡こちら ・名勝負❹➡こちら ・『金の卵』12戦士➡こちら 東京都王座決定戦★優勝➡こちら  夏の「小学生の甲子園(全日本学童)」のリポートでも触れたかもしれないが、昨年はやはり、特異だったようだ。初代MVP(➡こちら)に輝いた藤森一生(東京・駿台学園中1年)は、全国舞台で最速124㎞を投じている。  今夏の全国取材では、120㎞超のスピードボールを見ることはなかった。当メディアが1年間、現場を回った限りでは、そういう突出した“未来モンスター”には出会えず。もちろん、粒はそろっていたし、「今年は例年並」という評価が適切なのだろう。  そういう中から、能力や成績にフィールドでのパフォーマンスや衝撃度、野球に取り組む姿勢やキャラクターも加味した上で、「2024年MVP」を決した。 夏の全国舞台で3アーチ  不動パイレーツ(東京)の細谷直生。夏の全国大会は4強入り。持ち前のパンチ力で大会単独2位となる3本のサク越えアーチを放っている。出場するだけでも至難の全国舞台で、よりハイレベルとなる準決勝以降の本塁打は、この右バッターの1本だけだった(※全39本塁打一覧➡こちら)。  全国V2を遂げることになる大阪・新家スターズに準決勝で敗北も、序盤から一方的にリードされた中で、一時1点差に迫る細谷の2ランに神宮はどよめいた。見逃せば明らかなボール球の高めを、強引にレフトの70m特設フェンスの向こうまで運んだ(=上写真)。  またそれ以上の殊勲で、ベンチとスタンドをお祭り騒ぎとしたのが、3回戦の終盤に放った逆転2ラン(=下写真)だった。全国大会常連の強豪、愛知・北名古屋ドリームスに4回まで0対2とリードされており、打線は散発の3安打。守っても与四球やエラー絡みで失点と、敗北の色が増す中で、5回表にようやく1点を返す。...

【関東新人戦決勝】東京勢V3。ミス&フォロー、旗の台が初の最高峰で破顔一笑

【関東新人戦決勝】東京勢V3。ミス&フォロ...

2024.12.28

 ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会は11月24日、東京・旗の台クラブの初優勝で閉幕した。同日の準決勝に続くダブルヘッダーとなった決勝は、栃木・阿久津スポーツと激しい点取り合戦に。旗の台は計13選手、5投手をつぎ込んでこれを制し、秋の最高位となる関東チャンピオンに輝いた。そんな王者のインサイドストーリーと、グッドルーザーもお届けしよう。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (写真&文=大久保克哉) 優勝=初 [東京] 旗の台クラブ   準優勝 [栃木] 阿久津スポーツ   ■決勝/第3試合 ◇11月24日 ◇茨城・水戸 旗の台クラブ(東京)  00344=11  01140=6 阿久津スポーツ(栃木) 【旗】栁澤、岡野、豊田、大島、大野-岡野、遠藤 【阿】二ノ宮、川尻、森田-丸山 二塁打/川尻(阿)、岡野(旗)、丸山(阿)、国崎(旗)    関東王者を決める大一番。結果としてクローズアップされたのは『投手は1日70球まで』という投球制限ルールだった。というのも、双方の先発投手が70球に達しての降板から試合が激しく動いたからだ。 規定70球まで投げ合い  後攻めの阿久津スポーツは、エースの栗林海斗が準決勝で70球を投じており、決勝は遊撃の守備へ。準決勝で救援していた右腕・二ノ宮直之が、決勝のマウンドで43球目からスタートした。  90㎞前後の速球を中心に、相手の強力打線を2回までヒット1本に抑える好投。先制直後の3回表に、テキサス安打とバックのミスで1対1に追いつかれたものの、続く打者を二飛に打ち取って70球、お役御免となった。 「この大会は栗林も二ノ宮も、素晴らしいピッチングをしてくれて、ウチらしい守り勝つ野球ができました」と、阿久津・小林勇輝監督は両右腕を称えた。...

【関東新人戦準決勝❷神奈川vs.東京】写真ダイジェスト&ヒーロー

【関東新人戦準決勝❷神奈川vs.東京】写真...

2024.12.27

 ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会の準決勝第2試合は、ともに失点につながるミスがありつつも、投手陣が粘り強く投げて1点を争う好勝負に。4年前はコロナ禍で中止という憂き目を経験している東京・旗の台クラブが、2015年王者の神奈川・平戸イーグルスを振り切り、決勝進出を決めた。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (取材&文=大久保克哉) ■準決勝/第2試合 旗の台が接戦制す。平戸は主将が完投 ◇11月24日 ◇茨城・水戸 平戸イーグルス(神奈川)  002000=2  210000=3 旗の台クラブ(東京) 【平】富田-小林琉 【旗】豊田、栁澤-遠藤 二塁打/岡野(旗) 【評】旗の台の好守で始まった。1回表、一死二塁のピンチで左翼線へのライナーを岡野壮良が好捕。二塁手の国崎瑛人も後方の飛球を倒れ込みながら捕球し、無失点で立ち上がる。直後の1回裏、一番・高市凌輔から二番・柳咲太朗、三番・国崎までの3連打で先制した旗の台が2回に加点する。七番・岡野が右翼線へ二塁打、遠藤雄大主将が犠打を決めると、一・二番コンビが連続タイムリーで3対0に。対する平戸は3回表に反撃。先頭の太田修穂が四球を選ぶと、二番・横地樹と三番・高田幸太郎(4年)の連打で満塁とし、敵失で2点を返した。平戸は先発右腕の富田涼太主将が、3回から無安打投球。マスクを被る小林瑠珈は二盗を阻止、4回にはウエストでスクイズも阻んだ。旗の台も左腕の豊田一稀が4回まで毎回走者を負いながら2失点(自責0)に抑え、5回からは栁澤勇莉が無安打投球で逃げ切った。 ●平戸イーグルス・中村大伸監督「取れるアウトを取れないと失点につながっちゃうよ、というのは言わずもがな。まだまだ、勝った負けた、という時期じゃないけど、良い経験になったと思います。課題がすんごい山積で、やることてんこ盛りですので早く帰って練習したい(笑)。1つの失敗を引きずらないようにしてほしいなと思っています」 第3位 [神奈川] 平戸イーグルス   1回表、平戸は一死二塁から三番・高田(4年)が左翼線へヒット性の当たり。これを旗の台の岡野がダイレクト捕球(上)で二死、続く二塁後方への飛球は国崎が好捕(下)して攻守交代 1回裏、旗の台は高市が遊撃頭上へ先頭打者ヒット(上)、二番・柳は三遊間を破って(下)続くと、三番・国崎がセンターへ先制タイムリー 2回裏、旗の台は七番・岡野が右翼線へ二塁打(上)。二死三塁となって高市が中前タイムリー(下)で2対0に 2回裏、2対0とした旗の台は、なおも二番・柳の左前打(上)で加点。序盤で失点した平戸の先発・富田主将(下)だが、以降は打者10人を無安打に封じていくことに  3回表、平戸は二番・横地(上)と三番・高田(下)の連打や四球、敵失で2点を返す 追加点が欲しい旗の台は4回裏、敵失から好機を広げて九番・米田然がスクイズ。平戸のバッテリーはこれをウエストで外し、三走をタッチアウトに(下) 旗の台の先発・豊田(上)は4回5安打2失点とゲームメイク。二番手の栁澤(下)は2回2四球も、無安打無失点で締めた...

【関東新人戦準決勝❶栃木vs.茨城】写真ダイジェスト&ヒーロー

【関東新人戦準決勝❶栃木vs.茨城】写真ダ...

2024.12.26

 関東新人戦の2日目は、準決勝2試合と決勝を行い閉幕。準決勝の第1試合は、22年ぶり3回目出場の栃木・阿久津スポーツが、7年ぶり6回目の優勝を期す茨城・茎崎ファイターズに完勝した。1回戦同様に大技小技で序盤からリードを広げ、エース右腕がゲームをつくって逃げ切った。1回戦でV候補の千葉・豊上ジュニアーズを下していた茎崎は、序盤の守りのミスが尾を引いてしまった形に。指揮官は来年に向けてチームの立て直しを口にしている。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (取材&文=大久保克哉) ■準決勝/第1試合 阿久津が攻守でリード、茎崎の追撃かわす ◇11月24日 ◇茨城・水戸 阿久津スポーツ(栃木)  301200=6  000003=3 茎崎ファイターズ(茨城) 【阿】栗林、二ノ宮-丸山 【茎】山﨑、石塚-佐々木 二塁打/湯浅(阿)、柿沼、本田(茎) 【評】終わってみれば毎回安打の阿久津が、守りでも相手を上回って完勝した。四球や敵失絡みで開始から6球で先制すると、四番・湯浅朝陽が逆方向への適時打で2対0に。なお一死満塁からのスクイズバントは投前に転がって三走は本塁封殺も、2-3-2と転送(失策)の間に二走・湯浅が生還した。茎崎は2回裏、四球や敵失などで一死二、三塁としてスクイズも、これが飛球となって併殺で無得点に。波に乗る阿久津は3回、湯浅と川尻一太主将の連打で無死一、三塁に。ここで二盗は阻まれるも、直後に六番・森田哲大がスクイズ(野選)を決めて4点目。4回は川尻の中前2点タイムリーで6対0とした。6回裏、茎崎は3四死球と渡部竜矢主将の一ゴロでようやく1点を返す。さらに代打・本田大輝の左越え二塁打で2点を加えたが、反撃もここまでだった。 ●茎崎ファイターズ・吉田祐司監督「初回にバタバタして(3失点)、リズムに乗れなかったのがすべてですね。あれだけリズムが狂うと、なかなか難しいし、バッティングに頼っているとこんなゲームになってしまう。冬場はもう一度、全員がゼロからスタート。レギュラーも何もなく、フラットな状態から競争してもらいます。チームとしては経験値がまだまだなので、上で戦えるように経験も積んでいきたいと思います」 第3位 [茨城] 茎崎ファイターズ   1回表、阿久津は一死一塁から二番・平山皓哉(4年)の犠打(上)が敵失を誘って先制。茎崎は吉田監督がタイムを取る(下) 1回表、2点を先取した阿久津はなお、一死満塁から二ノ宮直之がスクイズ(上)。低めの球にヒザを追って対応したバントは投前に転がり、三走は本塁封殺も、一塁転送の間に二走・湯浅が生還(下) 3点を追う茎崎は2回裏、四球と敵失に百村優貴(4年)の犠打(上)で一死二、三塁とする。そしてスクイズ敢行も、阿久津の右腕・栗林海斗の好フィールディングで投直併殺に(下) ピンチを脱した阿久津は直後の3回表、四番・湯浅が左中間二塁打(上)を放つと、五番・川尻主将が左前打(下)で続く。二盗失敗で一死三塁となるも、六番・森田がスクイズを決めて4対0に 4回表、阿久津は先頭の九番・岡田大翔(4年)の内野安打(上)から二死満塁と攻め立て、川尻の中前打(下)で2人がホームイン   打線が沈黙していた茎崎は4回に百村がチーム初安打(上)、5回には代打・柿沼京佑が右中間へ二塁打を放つも、ともに得点ならず...

【関東新人戦1回戦❹群馬vs.東京】写真ダイジェスト&チームストーリー

【関東新人戦1回戦❹群馬vs.東京】写真ダ...

2024.12.10

 ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会。1回戦の第4試合は、双方ともノーエラーで1点を争う好勝負が展開された末、逆転サヨナラで決着した。敗軍には多くの涙があったが、そのプレーぶりやベンチワークは、未成熟な時期の模範とも言えるものだった。そのクローズアップを、写真ダイジェストとともにお届けする。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (取材&文=大久保克哉) ■1回戦/第4試合 6回二死満塁、四番が逆転サヨナラ打 ◇11月23日 ◇茨城・水戸 玉村ジュニアBBC(群馬)  010000=1  000002x=2 旗の台クラブ(東京) 【玉】山本大-小湊 【旗】豊田、栁澤-岡野 二塁打/柳、米田、大島(旗) 【評】編成は好対照なチームが、ともに無失策の好ゲームを展開した。旗の台のスタメンはオール5年生。先発した左本格派の豊田一稀は、5回まで毎回の計7奪三振と力投する。しかし、先制したのはスタメン6人が下級生で、うち2人は3年生という玉村だった。2回表、野口杏斗主将と小湊煌月(4年)の連打から無死二、三塁として、井上楽惟がスクイズに成功。旗の台は3回裏、米田然の二塁打から一死三塁として、高市凌輔が逆方向へゴロを転がすも、二塁手・野口虹斗(3年)の本塁好返球で同点ならず。以降は静かに進んで迎えた6回裏、旗の台打線がついに目覚めた。玉村の右腕・山本大芽は、遅球を巧みに使って5回まで被安打2。しかし最終回、旗の台が八番・米田から泉春輝、高市まで3連打で無死満塁に。二塁手の野口虹が2度目の本塁好返球など、玉村は勝利までアウト1つとするも、旗の台の四番・大島健士郎が左中間へサヨナラ打を放って幕が下りた。 両先発が好投。旗の台の豊田(上)は90㎞台後半の速球で押し、玉村の山本大(下)は70㎞台の遅球を巧みに投げ分けた 1回裏、旗の台は二番・柳咲太朗(上)の左越え二塁打と、国崎瑛人のバント(下)で二死三塁とするも、無得点 2回表、野口杏主将(上)と4年生・小湊(下)の連打から玉村が無死二、三塁とする 2回表無死二、三塁から玉村は井上がスクイズを決めて先制(上)。続くスクイズは、旗の台バッテリーがウエストから三走をアウトに(下) 旗の台は3回裏、米田の左翼線二塁打(上)と泉のバントで一死三塁とする 玉村は3回裏、一死三塁のピンチからの二ゴロで、三走を本塁憤死で1点を守る 6回裏、1点を追う旗の台は米田(上)と泉(下)の連打と、高市のバント安打で無死満塁に 無死満塁で一打サヨナラ負けのピンチに、玉村は邪飛と二ゴロ(本塁返球)で二死とする(上)。だが旗の台の四番・大島が打った瞬間にそれと分かる長打を左中間へ(下)   ―Pickup TEAM― 下級生6人も堂々のノーミスを招いた、指揮官の必然...

【関東新人戦1回戦❸埼玉vs.神奈川】写真ダイジェスト&ヒーロー

【関東新人戦1回戦❸埼玉vs.神奈川】写真...

2024.12.07

 ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会。1回戦の第3試合は、2015年に初優勝している神奈川・平戸イーグルスが完勝した。今夏の全国8強入りメンバーのうち、レギュラー2人が新チームにいる中で、無印の4年生が存在感を発揮。写真ダイジェストとヒーローをお届けしよう。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (取材&文=大久保克哉) ■1回戦/第3試合 守りで明暗、平戸が完勝で発進 ◇11月23日 ◇茨城・水戸 加茂川ワイルドダックス(埼玉)  010000=1  03101 X=5 平戸イーグルス(神奈川) 【加】大野、小林-上野 【平】沼崎、富田-小林琉 二塁打/高田、高津、川原田(平) 【評】先制、中押し、ダメ押しと、平戸が理想的な試合運びで完勝した。初回は先攻の加茂川が一死二、三塁、後攻の平戸は二死三塁と、それぞれ好機も無得点。以降は守備で明暗を分けた。平戸は2回裏、敵失と高津陸の左中間二塁打で先制すると、続く小林琉珈のバント安打で無死一、三塁に。加茂川の左腕・大野岳はここから二死を奪うも、平戸の一番・川原田漣が中越え二塁打で3対0に。直後の3回表、加茂川は2四球から四番・政理仁と五番・田壷峻太郎の連続テキサス安打で1点を返すも、併殺で追加点ならず。平戸は5回、三番・高田幸太郎(4年)と四番・佐々木一太の連打でダメを押した。投げては3回途中から救援した富田涼太主将が、バックの2併殺にも助けられて無安打の快投。加茂川は守備と走塁のミスが響いた中で、3盗塁や4年生・蓜島湊斗の粘り強い打撃が目を引いた。 先発した平戸の沼崎永嗣(上)、加茂川の大野(下)。ともに球速は80km台でも、身体を使って腕が振られていた 2回裏、平戸は無死二塁から六番・高津が先制二塁打(上)。続く小林琉がバント安打(下)と二盗でなお、無死二、三塁に 失策に始まり、先制を許してなお続く2回のピンチで加茂川・小竹則晃監督がタイム(上)。しかし、平戸の一番・川原田が中越え二塁打(下)で3対0に 加茂川は3回表、2四球に政(上)と田壷(下)の連打で1点を返す 平戸は3回表、一死一、二塁で中村大伸監督が投手交代を告げてマウンドへ(上)。救援した富田主将(下)が1失点で切り抜けると、後半3イニングを無安打無失点に封じた 5回裏、平戸は中前打から二盗の高田が、続く佐々木(上)の左前打で生還する(下)   ―Pickup Hero― あっぱれ4年生!ここにも たかだ・こうたろう...

【関東新人戦1回戦❷】写真ダイジェスト&グッドルーザー

【関東新人戦1回戦❷】写真ダイジェスト&グ...

2024.12.06

 新チームの1都7県王者による、ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会。1回戦の第2試合は、今夏の全国大会にも出場した強豪同士による注目のカードだ。隣県のライバルにして交流もあり、同日の開会式後には両指揮官ががっちりと握手。試合のほうは双方にミスが複数あった中、それぞれ一発も飛び出して投手陣が粘投するなど、潜在能力の高さもうかがえた。写真ダイジェストとグッドルーザーをお届けしよう。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (取材&文=大久保克哉) ■1回戦/第2試合 ミス補った茎崎、五番が決勝3ラン ◇11月23日 ◇茨城・水戸 茎崎ファイターズ(茨城)  01400=5  01101=3 豊上ジュニアーズ(千葉) 【茎】石塚、百村-佐々木 【豊】山﨑、神林-神林、長谷部匠 本塁打/関(茎)、神林(豊) 二塁打/百村2(茎)、中尾(豊) 【評】ともに全国大会で複数のメダルを手にしている強豪同士のビッグカード。隣県のライバルで新チームも練習試合で手合わせ済だが、公式戦での初対決はともに硬さが見られた。前半戦は落球や悪送球、目測の誤りなど守備のミスやけん制死も。2回表に茎崎が先制スクイズを決めると、その裏に豊上が一、三塁からの重盗で同点に。3回表、敵失や併殺崩れに四番・佐々木瑠星の中前打で2対1と勝ち越した茎崎が、続く五番・関凛太郎の3ランで4点差に。豊上も三番・神林駿采と四番・中尾栄道の長打攻勢で1点ずつを返したが、敵失で得た好機になかなか1本が出ず。茎崎は先発の石塚匠と二番手の百村優貴(4年)が粘り強く投げ抜いた。豊上の好左腕・山﨑柚樹は103㎞(今大会最速)をマーク。 茎崎・吉田祐司監督(上)と豊上・髙野範哉監督(下)。ともに全国区の名将が関東初戦で相対した 豊上の先発・山﨑(上)は先頭打者を102㎞で見逃し三振など、3者凡退で立ち上がる。茎崎の先発・石塚(下)はバックの再三のミスでも切れず、4回途中まで無四球ピッチング(申告敬遠1) 2回表、百村(4年)のエンタイトル二塁打(上)で一死二、三塁とした茎崎は、渡部竜矢主将がボール球を確実に見送って(下)のカウント3-1から先制スクイズを決める 豊上は先制された直後の2回裏、六番・濱谷悠生(上)と九番・土屋孝侑(下)の右前打で二死一、三塁とする 2回裏、豊上が二死一、三塁からの重盗(上)で同点に(代走の4年・玉井蒼祐が生還)。茎崎はすぐさま、四番・佐々木の勝ち越し打(下)と五番・関の3ランで4対1と突き放す 豊上は3回裏、四番・中尾の左越え二塁打(上)から1点、6回には三番・神林がレフトへソロアーチ(下) 茎崎は守備がバタついた中で、遊撃の佐藤大翔(上)は確実に打球を捌いて4回裏には美技も。終盤は吉田監督が何度かタイム(下)も取って逃げ切った   ―Good Loser― ポテンシャル示した意地の一発...

【関東新人戦1回戦❶山梨vs.栃木】写真ダイジェスト&ヒーロー

【関東新人戦1回戦❶山梨vs.栃木】写真ダ...

2024.12.04

 関東1都7県では新人戦の最高位となる、ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会。それぞれ予選を制してきた都県代表のチャンピオンシップのトーナメント1回戦4試合を、写真ダイジェストとともに特筆したいヒーローや指導者をお届けしていこう。第1試合は9人が役割を全うした栃木代表が、理想的な内容で勝利している。 ※記録は編集部、学年未表記は5年生 (取材&文=大久保克哉) ■1回戦/第1試合 四番が3安打4打点の大仕事 ◇11月23日 ◇茨城・水戸 甲斐JBC(山梨)  000000=0  30100X=4 阿久津スポーツ(栃木) 【甲】岡田、豊泉-志澤泉 【阿】栗林、二ノ宮-丸山 三塁打/湯浅(阿) 二塁打/湯浅(阿) 【評】双方のスタメンに下級生が2人ずつというオープニングゲームは、ミスの少ない引き締まった内容だった。軍配は、エースが抑えて四番が打った、阿久津に。先発の栗林海斗は立ち上がりの一死三塁のピンチを切り抜けると、4回まで2安打無失点と流れを呼んだ。打線は四番・湯浅朝陽の左中間三塁打とスクイズで初回に3点を先取し、3回には2安打で4対0に。バントの精度がとりわけ高かった。一方の甲斐はなかなか打線がつながらず、本塁が遠かったが、守備は鍛えられていた。相手の再三のバントをほぼ確実に処理して内野安打は1本に。三塁手の3年生・志澤侶南のフットワークと強肩、先発した右腕・岡田蒼生の整ったフォームも目を引いた。 甲斐は1回表、二番・池田爽八が中前打(上)から二盗とボークで三進も、無得点。先発の岡田(下)は最速97㎞   阿久津は1回裏、四球と連続バント(安打1)から四番・湯浅が2点三塁打(上)で先制。続く川尻一太主将がスクイズを決めて3対0に(下) 阿久津のエース・栗林(上)は4回2安打、四球と失点ゼロとゲームメイク。打線は5つのバントを決めた。写真下は2打席連続バントに中前打も放った三番・丸山智暉 甲斐は堅守の三塁手・志澤侶(3年)が3回に左前打(上)。6回には池田が2安打目、三番・豊泉隆大(下)も中前打でようやく連打も、後続が倒れた 阿久津は選手たちで守備のタイムも(上)。二番手の二ノ宮(下)も得点を許さず、完封リレー   ―Pickup Hero― あっぱれ4年生、万能のリトル戦士 ひらやま・こうや...

【関東新人戦/速報】旗の台、笑顔満開の初V!新チームの関東は3年連続で東京の天下

【関東新人戦/速報】旗の台、笑顔満開の初V...

2024.11.25

 新チームの関東王者は、旗の台クラブ! ノーブルホームカップ第26回関東学童秋季大会が11月23・24日、茨城県のノーブルホームスタジアム水戸であり、東京・旗の台クラブが初優勝を果たした。大会は1都7県の新人戦王者8チームによるトーナメント戦で、東京勢の優勝は3年連続で5回目。旗の台は2度目の出場だったが、前回の2020年はコロナ禍で中止に。底抜けに明るい選手たちが、4年前の無念も晴らして新人戦の最高位に輝いた。 (写真&取材=大久保克哉) ※大会の模様は『学童メディア』で、順次特報する予定です   ■決勝 東京・旗の台 11対6 栃木・阿久津   ■準決勝 ❶栃木・阿久津 6対3 茨城・茎崎 ❷東京・旗の台 3対2 神奈川・平戸   【1回戦】 ❶栃木・阿久津 4対0 山梨・甲斐 ❷茨城・茎崎 5対3 千葉・豊上 ❸神奈川・平戸 5対1 埼玉・加茂川...

【関東学童栃木新人戦/決勝】終盤6連打で熱戦制す。阿久津が22年ぶり3回目V

【関東学童栃木新人戦/決勝】終盤6連打で熱...

2024.11.23

 ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の栃木県予選。芳賀町ひばりが丘公園野球場での決勝は、阿久津スポーツが真岡クラブを7対1で破り、2002年以来22年ぶり3回目の優勝を飾った。1対1で迎えた5回表、阿久津が6連打で4得点など終盤に突き放した。11月23日の関東大会1回戦は、山梨代表の甲斐JBCと対戦する。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 優勝=22年ぶり3回目 あくつ 阿久津スポーツ   準優勝 もうか 真岡クラブ   ■決勝 ◇10月26日 阿久津 001051=7 真 岡 000100=1 【阿】栗林、二ノ宮-丸山 【真】林、舘野、小林洸-仲島  決勝で相対した両チームは交流があり、実はこの県大会の開幕前に練習試合をしていたという。そのときは阿久津スポーツの一方的な内容で、スコアは12対1だった。 ともに全国区の名門 「阿久津」というチーム名でピンとくるのは、県外では滋賀県の名将・辻正人監督(多賀少年野球クラブ)かもしれない。3回目の出場だった2003年の全日本学童大会の1回戦で対戦し、8対5で多賀が勝利しているからだ。 阿久津は登録19人で5年生7人。小林監督(下)はOBで指導歴7年、指揮官5年目で3年生の輝希は三男  阿久津の全国出場はその1回のみだが、当時の綱川治彦監督が現在も総監督を務めている。81歳とは思えぬ若さは、火曜から金曜日までの平日練習を一手に担っているせいだという。 「週末や試合の采配なんかは全部監督だけど、平日の練習は任せてもらっているので責任感みたいのがあるでしょ。教え子も誰か、必ず手伝いに来てくれるので助かます」  過去2回の県新人戦優勝も、綱川総監督が率いた時代のこと。5年前からはOBの小林勇輝監督が率いており、今大会は2回戦でサヨナラスクイズを決めるなど、勝負強さも発揮しながら決勝へ。  対する真岡クラブは、2009年と2015年に全日本学童に出場。初出場の09年に3回戦まで進出している。 真岡は登録19人で5年生は5人。コーチを務めてきた舘野監督(下)は新チームから指揮官に...

【関東学童茨城新人戦/決勝】“関東の雄”が圧勝。2年ぶり11回目、茎崎V

【関東学童茨城新人戦/決勝】“関東の雄”が...

2024.11.22

 ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の茨城県予選。決勝は、茎崎ファイターズが神栖マリーンズを4回コールドで下し、2年ぶり11回目の県新人王に輝いた。1年前は決勝で大敗した茎崎は、今夏の全国舞台でよもやの初戦敗退。新チームの5年生たちが、6年生たちの悪夢のひとつをまずは払拭した形に。地元・茨城である関東大会の1回戦(11月23日)は、千葉代表・豊上ジュニアーズとの注目の対決となる。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 優勝=2年ぶり11回目 くきざき 茎崎ファイターズ   準優勝 かみす 神栖マリーンズ   ■決勝 ◇10月20日 ◇第3試合 神栖マ 0000=0 茎 崎 4303x=10 ※4回コールド 【神】天野陽、沼田-伊藤夏 【茎】石塚-佐々木 茎崎は一番・投手で先発の石塚が、攻守でチームをけん引した  茎崎ファイターズは、3年秋から不動のレギュラー遊撃手・石塚匠がついに最上級生(5年)に。2年続けて夏の全国舞台でもプレーしている俊英が、学童野球ラストイヤーをまずは無難に滑りだした。  新チームの最初のタイトルを賭けた県決勝は、満を持してマウンドへ。球速は大半が80㎞台後半で、驚くようなボールではないが、左右コーナーにきっちりと投げ分けていく。  打者一巡目をパーフェクト(失策と守備妨害あり)に抑えた後の3回に初安打を許したが、レギュラー2年目の捕手・佐々木瑠星との共同作業で二盗を阻止。そして終わってみれば、許した走者は2人だけという、ほぼ完璧なピッチングで胴上げ投手となった。 神栖は3回表に一番・野口治主将が中前打(上)。先発の天野陽(下)は大量失点も、4回途中まで1四死球と根気強く投げた 「優勝できてまずは良かったです」と石塚。1年前は同じ決勝のマウンド(リポート➡こちら)で、悪夢のような苦い経験をしただけに、安堵もひとしおといったところか。  試合評が選手紹介のような走り出しになったのは、他でもない。それほどワンサイドのゲームとなり、一番の立役者が元“スーパー3年生”であったからだ。  打線においては前年度から一番固定の石塚は、バットと足でも流れを引き寄せた。1回裏、左打席からライトへ鮮やかにヒットを放つと、次打者の初球で二盗。同じく、満を持して先発した神栖マリーンズの天野陽斗は、力強いボールを投じるも、機先を制されて揺さぶられ、波に乗れなかった。...

【関東学童茨城新人戦/準決勝❷】コールド負け危機から大逆転。神栖マが、茎崎との決勝へ

【関東学童茨城新人戦/準決勝❷】コールド負...

2024.11.21

 ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の茨城県予選。新人戦の準決勝第2試合は、4回表を終えて7点差と、コールド決着も見えてきた矢先に同点となり、特別延長のサヨナラ劇で決着した。互いに適時失策と四死球も複数あった一方で、同じく2ケタ安打で2ケタ得点。ミラクルを呼ぶ守備の連係プレーもあり、両ベンチに学ぶべき点もある大乱戦だった。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 第3位 さくらがわ 桜川ツインズ   ■準決勝2 ◇10月20日 ◇第2試合 桜川ツ 52111=10 神栖マ 20072x=11 ※5回特別延長 【桜】木内、高島、七ツ役-七ツ役、木内 【神】伊藤夏、沼田-天野陽、伊藤夏 桜川は5年生10人でスタメンもオール5年生(上)。神栖は5年生7人、スタメンに3年生が2人、4年生が1人(下)  どう甘く見ても、打者のヒットにはならない。フライの捕球体勢に入ってからの落球や、無理のない体勢からの悪送球は、小学生の野球でも明らかなエラーだ。  そういうミスが双方に複数あって、失点にも絡んだから「好ゲーム」とは言えまい。ただし、新チームが走り出して間もないこの時期には、ままあることだ。粗を突くより、両軍がマークした2ケタ安打の2ケタ得点のほうに目を向けたい。またどちらの選手たちも、試合展開による緊張はうかがえたものの、ベンチや結果に怯えてプレーしている感じはまるでなかった。 1回表、桜川が坂本(上)、鳥羽慶斗(中央)、高柳奏斗(下)の各タイムリーで5得点  最大7点差もひっくり返った末のサヨナラだから、「大乱戦」という表現が適切だろう。勝者には流れを引き寄せる守備のビッグプレーがあったことも見逃せない。 好調打線vs.粘る守備  打力が秀でていたのは、5年生9人がスタメンに名を連ねた桜川ツインズだ。1回戦から準々決勝まで3試合すべて2ケタ得点で、2回戦では21得点。準決勝もバットが振れていた。 1回裏、神栖は一番・野口治主将の中前打(上)から二死満塁とし、六番・野口昌がレフトへ2点タイムリー(下)  1回表、四番・坂本海侍の先制2点タイムリーを含め、5本の長短打で5点を先取。2回は五番・木内陽斗、3回には二番・高島幸がそれぞれタイムリーを放った。さらに4回表は、先頭の坂本が左中間二塁打を放ち、続く木内のバント安打の間に本塁を陥れて9点目が入る。 「この大会は打ち勝つぞ! とやってきたチームですが、1点がほしい場面ではバントもします」と桜川・矢﨑利樹監督。打点がついた走者二塁からのバントのサインには、コールド勝ち(5回7点差)につなげようとの意図も含んでいたという。 桜川の先発・木内(上)は3回まで2失点とゲームメイクし、打っても3安打3打点。二番・高島は3安打で2本目の二塁打は当初、ダイレクトでサク越えとの判定で笑顔でラン(下)  対する神栖マリーンズは、そこから驚異的な粘りを発揮した。スタメンの3人が下級生という若い布陣ながら、1回戦では9対8と接戦をものにしている。この準決勝で特筆するべきは、4回裏の猛反撃へとつなげた、表の守りだった。...

【関東学童茨城新人戦/準決勝❶】「土浦支部」対決はコールド決着も、双方に見どころ

【関東学童茨城新人戦/準決勝❶】「土浦支部...

2024.11.20

 11月23・24日のノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会。そのメイン会場となる、茨城県のノーブルホームスタジアム水戸では、10月20日に県予選の最終日があった。70mの特設フェンスがある中で、準決勝2試合と決勝1試合でサク越えアーチはなし。それでも見どころのあった3試合を、順番にレポートしていこう。まずは同支部対決となった準決勝の第1試合。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 第3位 さくらがくえん 桜学園ベースボールクラブ   ■準決勝1 ◇10月20日 ◇第1試合 桜学園 0100=1 茎 崎 0074x=11 【桜】東郷、戸頃、東郷-堀柊 【茎】百村-佐々木 茎崎は5年生11人で、佐々木と佐藤は8月の全国舞台でもプレーしている(上)。桜学園は合併6年目で、今夏の全国予選県大会も5年生10人の多くが経験(下)  準決勝の第1試合では、つくば市で活動する2チームが激突した。  茎崎ファイターズは45年の伝統と、今夏を含めて全日本学童11回出場の実績がある。2019年の夏には全国準優勝を遂げたが、同年の4月に地元3チームが合併して産声をあげたのが、桜学園ベースボールクラブ。こちらは3年目の2021年の代に、新人戦と全国予選で県大会初出場を果たしている。  主導権を先に奪ったのは、その新興チームだった。立役者は先発右腕の東郷直翔だ。70㎞台のボールで打たせて取っていく。  1回裏は二死から与四球と2盗塁でピンチを招くも、茎崎の四番をフルカウントから二飛に。すると2回表、四番・戸頃魁星主将が四球を選んでからエンドランの内野ゴロで二進。そして七番・東郷の中前打で先制のホームを踏んだ。 桜学園・東郷が抑えて打って、序盤戦リードの引き金に  自らのバットで先取点を生んだ東郷は、波に乗る。2回裏は一死から与四球も、一塁けん制でアウトに。そして3アウト目を71㎞の右飛で奪うと、ベンチへと戻っていく足取りが自ずと弾み、顔もほころんだ。 「東郷がテンポよく投げてくれて、すごく良い流れで試合に入ることができました」と、桜学園の大﨑将一監督。好投の右腕に限らず、選手たちの表情が瑞々しい。順調な立ち上がりが大きな理由だが、「思い切って伸び伸びと、楽しくやろう!」という、県大会の位置付けが呼び水となっていた。 「練習試合は厳しくなっちゃいますけど、県大会は恐怖を感じる場所ではない。ある意味、発表会? そういうことですね」(同監督) 2回表、東郷の中前打で二走・戸頃主将が一気に生還(上)。大﨑監督(下)は息子と娘が在籍した前身のチームから指導者で、桜学園で初代の指揮官に  さて、2回までノーヒットの茎崎打線。「新チームは、いつものウチらしい野球に戻りました」と吉田祐司監督は事前に話していたが、3回裏の攻撃にそれが見て取れた。  俊足の左打ちの八番・本田大輝が、セーフティバントでチーム初安打。次打者の初球で二盗、3球目で三盗(=下写真)を決めてたちまち無死三塁に。九番・野刈家快成も四球を選ぶと、桜学園は戸頃主将をマウンドへ。左腕から90㎞を超える速球をバンバン投げ込んだが、相手に傾いた流れは止められなかった。  無死一、三塁から二盗と四球で満塁となり、暴投で二走・野刈家まで生還して茎崎が2対1と逆転。なおも四球、バント安打、テキサス安打で5点目が入り、五番・関凛太郎の左中間へのエンタイトル二塁打(=上写真)で6対1に。...

【関東学童都新人戦/決勝】旗の台、涙の4年ぶりV。先輩たちの無念も背負い、初の関東へ出陣

【関東学童都新人戦/決勝】旗の台、涙の4年...

2024.11.18

 ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の予選を兼ねた東京都新人戦は10月6日、旗の台クラブの4年ぶり2回目の優勝で閉幕した。大会2連覇中だった船橋フェニックスとの決勝は、開始から一進一退の展開に。70mの特設フェンスがない板橋区立城北野球場で、ランニング本塁打が5本も飛び出したが、パンチ力以外にも両軍の色と可能性がうかがえる熱戦だった。旗の台は11月23・24日の関東大会(茨城)と、来年7月の高野山旗(和歌山)に出場。準Vの船橋は来夏の阿波おどりカップ(徳島)出場権を得ている。 ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング (写真&文=大久保克哉) 優勝=4年ぶり2回目 はたのだい 旗の台クラブ   準優勝 ふなばし 船橋フェニックス ■決勝 船 橋 20030=5 旗の台 20150x=8 ※時間規定により、5回裏二死で終了 【船】前西、中司-佐藤 【旗】大野、豊田-遠藤 本塁打/佐藤2、高橋(船)、大島、柳(旗)  5年生主体の新チームの代となっても、東京都は変わらずハイレベル。群雄が割拠し、有能なプレーヤーも点在している。来年6月の全日本学童予選、翌7月の都知事杯も激戦必至だろう。この新人戦の推移と大一番の決勝は、そう思わせるに十分だった。 船橋は登録25人、うち5年生が21人。森重監督(下)は長男の代から指導者となり11年目の61歳  47都道府県で唯一、1000チーム以上が加盟する東京都では、4年生以下の王者を決めるジュニアマック(マクドナルド・チャンピオンシップ)という大会がある。この新人戦で地区予選を制し、都大会に出てきたチームの多くは、1年前に同舞台を経験している。  その王者・カバラホークスを1回戦で、準Vのレッドサンズを3回戦でそれぞれ下し、決勝まで駒を進めてきたのが、船橋フェニックスだった。1年前のジュニアマックは予選敗退も、5年生の中心選手たちは今夏の全日本学童(16強)でベンチ入りし、夢舞台のレベルや熱気を肌で感じている。 旗の台は登録23人で5年生が16人。チーム代表を兼ねる酒井監督(下)は10月で64歳に。昨年のジュニアマックは3回戦まで進出  そしてトーナメントのもう一方の山を、ぶっちぎりで勝ち上がってきたのは、旗の台クラブ。2回戦から準決勝まで4試合連続で2ケタ得点の大勝だった。そして迎えた決勝は、1年前と同一カード。このときは4対1で船橋が勝利している(リポート➡こちら) 見応え十分の初回攻防  それぞれのベンチの顔ぶれは、6年生チームとは異なる。それでも変わらぬハイレベルを強烈に印象づけたのは、1回の攻防だった。  先攻は新人戦2連覇中の船橋だ。佐藤優一郎主将の目の覚めるような先頭打者ホームランで先制すると、続く二番・柴原蓮翔はセーフティバントを敢行。一発直後の小技というアイデアもさすがだが、三塁線に転がるバントを完璧に捌いた左利きの三塁手・豊田一稀もお見事だった。...

【特別リポート】不遇体験から栄誉!産学共同開発品を題材に、元JK軟式球児が学会アイデアコンペでW受賞

【特別リポート】不遇体験から栄誉!産学共同...

2024.10.23

 真っすぐな想いと行動力が、人の心をも動かす――。中京大中京高(愛知)の女子軟式野球部員と、野球用具メーカーのフィールドフォースが昨年、共同開発して完売した「簡易型更衣テント」。この再販に向けた大学生のアイデアが、スポーツの産学連携を推進する学会のコンペで2つの賞を独占した。受賞したのは同野球部OGで、中京大スポーツ科学部3年の前田汐帆理さん。高校では満足な野球生活を送れずも、プレゼンの「オンライン甲子園」で全国優勝。それから3年、女性アスリートの環境改善への変わらぬ想いが受賞作への引き金となり、再販も秒読み間近だという。前田さんの動向を中心に、一連を学童野球メディアが特報する。 (取材・文=大久保克哉) (資料提供=中京大スポーツ科学部草薙ゼミ) ■日本スポーツ産業学会 【創設】1990年(平成2年) 【会員】正会員584人/学生会員118人/賛助会員13社/法人会員9社・1団体※2024年7月現在 【主な学会員】大学教授・大学院生ら研究者と大学生。スポーツや健康産業、宣伝・報道に関わる民間企業、プロスポーツ団体など 【主な活動】学会大会、学会誌発行、セミナー、コンペ、カンファレンスほか 【公式HP】https://spo-sun.gr.jp/ 日本スポーツ産業学会「アイデアコンペ」口頭発表後の懇親会にて。中京大中京高の女子軟式野球部OGの中京大3年、前田さん(左から3番目)が2つの賞を独占した  スポーツを産業として発展させつつ、より豊かで、より多くのビジネスを創出することに寄与する。1990年に設立された「日本スポーツ産業学会」の研究の主眼は、おおよそそういったところか。  今でこそ違和感も生じないが、当初は風当たりも強かったという。非科学な根性論や常軌を逸した精神主導主義と、体育(スポーツ)を商いとすることへの表向きな嫌悪感。これらのピークは過ぎていたとはいえ、色濃く残る昭和末期から平成初期の時代も生きてきた中高年には、同学会の存在意義や貢献度をはかり知ることもできるだろう。  中京大の前田汐帆理さんの受賞は、同学会でのアイデアコンペの口頭発表によるもの。「スポーツ庁長官賞」と「スポーツ産業学会会長賞」の表彰2部門を独占した。ダブル受賞は歴代初で、企業や大学院生ではなく、大学生の受賞も珍しいことだという。  そもそも、最終ステージの口頭発表まで進むだけでも栄誉だ。数ある応募作品がまずは書類選考でふるいにかけられ、二次選考で15作品から絞られた5作品が発表の場へ。前田さんが大学で在籍するスポーツ科学部の草薙ゼミでは、8チームが同コンペに応募も、いずれも途中で選外に。前田さんの受賞作は、個人として企画・応募したものだったという。  それだけの“偉業”である。少し長くなるが作品名をノーカットで紹介しよう。 『女性アスリートの問題解決! “簡易型更衣テント”による女性スポーツ実践者の増加を目指した簡易型更衣テントの販促方法の実践!!!』 窮状や悲哀に始まり 「簡易型更衣テント」については、学童メディアが開設してすぐの昨年春に特報している(➡こちら)。  同商品の企画発案は、高校女子軟式野球部員として、窮状や悲哀を憂える中京大中京高(愛知)の有志たち。「環境をより良くすることから、女子野球の発展に貢献したい!」との熱い想いと、具体的で本気の取り組みが野球用具メーカーを動かした。そして意志を汲んだものが新商品(=下写真)として市場に登場し、完売している。  中京大の前田さんも同部のOGで、3年時の2021年には東海大会を制して全国出場を決めたものの、コロナ禍で全国大会は開催されず。新型コロナウイルスの蔓延で立ち消えた全国大会は、野球競技に限らない。  しかし、それは2020年のことで、翌21年は参加・観戦方法などを変更して大半が復活した。ところが、学生スポーツ界がその流れにあった中で、女子軟式野球の中高の全国大会は2年連続の中止。蚊帳の外に置かれてしまったのだった。  前田さんら当時の3年生部員は、その無念とエネルギーを「女子野球の発展」という前向きな想いへ転換。そしてそれをプレゼンという具体的な形へ落とし込み、「オンライン甲子園」で日本一に。そして卒業後も高校の後輩たちと連携し、フィールドフォース(FF社)のバックアップを受けて世に生んだのが「簡易型更衣テント」だった。  同商品の“売り”は、持ち運びも組み立ても簡単で、コンパクト(1辺2mの立方体)であること。そのため、場所を選ばずに女子選手も安心して着替えなどができる。また、「手間いらず」や「省スペース」は、FF社がメインとする自主練習用具の基本コンセプトとも重なっており、ユーザーに理解されるのも早かった。  こうして産学連携で生まれた同商品は、あっという間に在庫が尽く。だが、その後は円安の影響もあって、製造はストップしたまま。女子選手を取り巻く環境も大きな進展がなく、根本的な問題はほとんど解決していない。  大学3年生になった前田さんが、今回の産業学会のアイデアコンペに応募を決めたのは、そういう現実をより広く知ってもらうことが第一義だったという。 「自分自身が高校時代に感じていた不便さとかは、今もあまり変わっていない気がします。『女子なのに野球!?』とか言われない世界。性別に関係なく、誰でも自分らしく快適にスポーツができる世の中になってほしい」...

【都王座決定戦/速報】不動が最後で栄冠に。船橋、初の都4冠ならずも「まだ先ある」

【都王座決定戦/速報】不動が最後で栄冠に。...

2024.09.10

 東京都の年間最後のタイトル。全日本学童予選と都知事杯の各4強による、第16回東京都学童王座決定戦は9月8日、駒沢硬式野球場で準決勝と決勝を行い閉幕。決勝は不動パイレーツが、船橋フェニックスを8対7で破り、2年連続5回目の優勝を果たした。 (写真&取材=大久保克哉)  8月にはそれぞれ全日本学童に出場して、不動は3位に。5年生以下の新チームはすでに別で動き出している。年度の最後となるタイトル戦の決勝は、6年生だけの総力戦となった。昨秋の新人戦からタイトルを総なめにしてきた船橋は史上初の都4冠に向け、2回に木村心大の2ランや神田咲太のタイムリーなどで7対1と大きくリードした。  しかし、不動はその裏、菅井大翔、細谷直生、米永結人がそれぞれ二塁打など打者10人の猛攻ですぐさま7対7に追いつく。そして、3回裏に鎌瀬清正主将の右タイムリー(=下写真)で勝ち越すと、4回表はマウンドの唐木俊和が無死一塁のピンチを脱し、0点に抑えたところでタイムアップとなった。 決勝 ◇9月8日 ◇駒沢硬式野球場 船橋フェニックス[世田谷区]  2500=7  161 X=8 不動パイレーツ[目黒区] ※4回時間切れ 【船】高橋、吉村、木村-竹原 【不】細谷、佐伯、唐木-鎌瀬、細谷 本塁打/木村(船) 三塁打/石田(不)、竹原(船) 二塁打/難波、菅井、細谷、米永(不)   優勝 不動パイレーツ 鎌瀬慎吾監督「この子たちは、ちょっとやそっとの展開では慌てなくなってきたんですよね。今日も2回に1対7になりましたけど、心理的な動きがどうこうというのはなくて。ベンチも、別に船橋なら打つでしょ、くらいな感じ。なので逆転勝ちはうれしいですけど、そこまで大きな驚きはないです」 鎌瀬清正主将(決勝の右前打)「最後に良い試合、かどうかは分からないですけど、優勝で終われてよかったです。5年生は新チームで動き出しているので、今日は6年生11人だけで初めてピッチャーやるのもいたり。逆にそういうところでチームの一体感が高まったのかなと思います。(決勝打の打席は)自信はなくて、スローボールもあるなと狙っていました。良い所に飛んでくれてよかったです」 難波壱外野手(2打数2安打2打点)「2回に6点差(ビハインド)でヤバいなと思ったけど、すぐに打線がつながったので(第2打席は)強い気持ちで打つことができました。東京の最後の大きな大会で良い思い出ができました」 細谷直生内野手(2回に2点二塁打)「(107㎞の速球を逆方向へエンタイトル二塁打)素直に打ち返せました。船橋に勝てていやぁ、マジでめっちゃうれしいです。ハマヤン(船橋・濱谷隆太※小4まで別チームでバッテリーを組んできた仲)にマウント取れますね。取りまくる(笑)」 米永結人内野手(2回に7対7に追いつく適時二塁打)「船橋に勝って優勝できて最高です。今年の4月くらいからスクールに通い始めてからバッティングの調子が良くなりました。中学でも野球を続けます。試合の流れを変えられるような選手になっていきたいです」  ...

【都知事杯/決勝&ヒーロー】東京無双。3冠奪取でいざ、夢舞台へ!船橋が前年王者との初対決も制す

【都知事杯/決勝&ヒーロー】東京無双。3冠...

2024.08.11

 新人戦、全日本学童予選、都知事杯と“東京グランドスラム”を船橋フェニックスが達成した。第47回東京都知事杯フィールドフォーストーナメントの最終日、準決勝に続く決勝で前年度優勝のレッドサンズに10対5の勝利。主将が体調不良でダウンも、従来からの複数ポジション制と控え選手で十分に穴埋め。重量打線も3本塁打など、大目標の日本一へ弾みをつけた。真っ向勝負で散ったレッドサンズは、全国大会と同時期の関東学童へ出場する。  (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング 優勝=初 船橋フェニックス   準優勝=関東学童へ レッドサンズ ■決勝 ◇7月15日 ◇スリーボンドスタジアム八王子 レッドサンズ  20012=5  5112 X=10 船橋フェニックス ※5回時間切れ 【レ】大熊、中田、高橋-杵淵 【船】松本、木村、吉村-竹原 本塁打/半田(船)、高橋(船)、吉村(船) 昨年はレッドサンズが全日本学童予選と都知事杯の2冠、新人戦は船橋が初優勝。新チームになっての対戦は初めてだった。レッドは登録21人(下)、船橋は同15人(上)  都知事杯を掛けたファイナルで、新旧の王者が激突。意外にも、新チームとなってからは初めての顔合わせだった。ともにダブルヘッダーの2試合目ながら、先発のマウンドにはエース格の右腕をそれぞれ送り出した。  後攻の船橋フェニックスは松本一、先攻のレッドサンズは大熊一煕。ともに世代を代表するレベルの選手だ。  そしてこの大一番をより盛り上げたのは、前年王者のレッドだった。直近1年の実績では大きく水を開けられているものの、昨夏の全国銅メダリストも何人か残る。気後れも遠慮もなかったことは、佐藤公治監督の試合後のコメントからもうかがえた。 「ウチはチャレンジャーのつもりでいきました。初回の攻撃は良かったですね」 1回表、レッドは中田(上)と高橋(下)の連打に盗塁、敵失で2点を先取する...

【都知事杯/準決勝&敗軍ヒーロー】レッドは3発&大熊がサイクル安打。無敵の船橋も11安打大勝でファイナルへ

【都知事杯/準決勝&敗軍ヒーロー】レッドは...

2024.08.10

 第47回東京都知事杯フィールドフォーストーナメントの最終日、準決勝2試合はいずれもコールドで決着した。ほぼワンサイドとなった展開の中で、レッドサンズの大熊一煕選手(6年)がサイクル安打の偉業を達成。敗れた2チームにもまた、特筆に値する働きや存在感を示したヒーローがそれぞれにいた。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング 3位 小山ドラゴンズ   3位 高島エイト ■準決勝1 ◇7月15日 ◇スリーボンドスタジアム八王子 小山ドラゴンズ  10042=7  8141 X=14 レッドサンズ ※5回コールド 【小】横山、中村、玉田-肥沼 【レ】大熊、門田、中田-杵淵、山本 本塁打/竹澤(レ)、大熊(レ)、中田(レ) ★大熊一煕(レッドサンズ6年)がサイクル安打を達成 1回表、横山の三塁打(上)と中村の左前打(下)で小山が先制  前日の準々決勝で終盤に逆転勝ちした勢いそのままに、小山ドラゴンズが幸先よく先制した。  1回表、三番・横山翔大主将の左越え三塁打と、続く中村優護の左前打で1点。だが、その裏のマウンドに上がった左腕の横山主将が、前日とは別人のように制球が乱れてしまった。3つ目の四死球が押し出しとなって1対1、なおも無死満塁のピンチが続く。  前年度王者のレッドサンズは、この大チャンスを逃さなかった。五番の5年生・門田亮介が右へ2点二塁打、続く竹澤律志主将はレフトの頭上へ鮮やかに打ち返す2ラン。さらに打順2巡目に入って、久保俊太(5年)と大熊一煕の連続三塁打で一気に8得点と、大勢をほぼ決めた。 レッドは竹澤主将の2ラン(上)や5年生・久保(中央)の適時三塁打などで初回に8点。2回も高橋勇人(下)の三塁打から加点...