第45回全日本学童マクドナルド・トーナメント茨城大会は、6月22日にノールブルホームスタジアム水戸で3位決定戦と決勝を行い閉幕。諸川ファイターズ(古河)と、嘉田生野球スポーツ少年団(筑西)による3位決定戦は後半から大きくもつれ、特別延長の8回で決着するまでに約2時間半。3位表彰と決勝戦がすぐに始まり、試合後の取材ができなかったことから、戦評と写真ダイジェストをお届けする。
(写真&文=大久保克哉)
※記録は編集部
※※決勝戦リポートは近日中に掲載します
第3位
もろかわ
諸川ファイターズ
[古河市]
※県代表として出場した8月2・3日の関東学童で優勝
■3位決定戦
◇6月22日
◇ノーブルホームスタジアム水戸
▽第1試合
諸川ファイターズ(古河)
00021028=8
00010221=4
嘉田生野球スポーツ少年団(筑西)
※特別延長8回
【諸】真船、白石、樫村-白石、樫村、白石
【嘉】坂本、根本、坂本、国府田-山中
本塁打/宮崎(諸)
三塁打/白石、小又渓(諸)
二塁打/小倉、宮崎(諸)
【評】8時20分過ぎに始まった試合は、前半戦の3回を消化するのに30分とかからず。嘉田生野球スポーツ少年団は左腕の坂本繋心が、諸川ファイターズは右腕の真船睦巳が、それぞれ粘り強く投げ合った。
3回までに生まれたクリーンヒットは、嘉田生の五番・山中隆惺の左前打1本のみで、双方とも野手はノーエラー。諸川は二塁を守る樫村晃太郎主将が、内外野へ盛んに指示を出しながら守備を統率する。一方の嘉田生は5年生コンビの二遊間、田中明日斗と橋本大輝の適切な判断と堅実性が光っていた。
均衡が破れたのは4回表だ。諸川の四番・宮崎翔がレフトへサク越えの先制2ラン。豪快なこの一発は、乱戦の始まりを告げるゴングだったのかもしれない。嘉田生はその裏、六番・吉田結人の右前タイムリーで1点を返すが、続く5回表に諸川は九番・小又渓の右越え三塁打を足掛かりに、敵失で3対1とする。
5回途中から登板していた諸川の二番手・白石琉汰朗は、制球も安定しており、2点差で逃げ切るかと思われた。ところが、外野手の落球に始まった6回裏に追いつかれてしまう。嘉田生は四番・古橋琉蒼主将と山中の連打などで満塁としてから、吉田が押し出しの四球を選ぶ。さらに八番・鷺谷陽真の中犠飛で3対3とした。
試合は無死一、二塁で始まる特別延長へ。7回表は諸川が八番・斉藤柊耶と二番・小倉幸之佑のタイムリーで2点。嘉田生は一番・坂本のタイムリーと二番・橋本のスクイズ(野選)ですぐさま追いつく。なおも一死三塁とサヨナラの好機だったが、スクイズ失敗などもあって勝負は8回へ。
逆転サヨナラ負けの危機を脱した諸川は、一気に打線がつながった。8回表、一死満塁から七番・山本楯、斉藤、小又渓の連続安打で3点。上位に戻って小倉と宮崎に長打も生まれ、大量8得点だ。これには嘉田生の粘りも及ばず、内野ゴロによる1点のみで終了したとき、時計の針は10時45分あたりを指していた。
なお、3位となった諸川は、8月のコントリビュートカップ第48回関東学童に茨城県代表として出場し、優勝を果たしている。
【写真ダイジェスト】
両先発投手が粘投で3回まで無失点。写真上は嘉田生の坂本、下は諸川の真船
4回表、諸川は白石の三塁打(上)に続いて、宮崎が両翼70mの特設フェンスの向こうへ先制アーチ(下)
嘉田生の右翼手・吉田は3回の守りでダイビング捕球に失敗も、その裏に適時打、5回表にはライトゴロを決めた(上)。だが、諸川は一死から小又渓の三塁打(下)と敵失で3対1に
嘉田生は1対3で迎えた6回裏、敵失に古橋主将(上)と山中の連打で満塁とし、押し出しと鷺谷の中犠飛(下)で同点に
特別延長7回表、諸川は斉藤と小倉(上)の適時打で2点。裏の嘉田生は坂本の適時打と橋本(5年)のスクイズで5対5に(下)
8回表、諸川は山本(上)と斉藤(下)の連続タイムリーなど打者10人で8得点
8回裏は3番手・樫村主将が3人斬り(上)で、諸川が13対6の勝利。9人の6年生(登録全17人=下)で戦い抜いて県3位に輝いた