5年生以下の新チームで東京No.1を競う、東京新聞杯争奪第43回東京都学童軟式野球大会新人戦が9月23日、板橋区の荒川戸田橋野球場で開幕した。この大会はノーブルホームカップ第27回関東学童軟式野球秋季大会の予選も兼ねるほか、来年夏の高野山旗(和歌山)は優勝チーム、阿波おどりカップ(徳島)は準優勝チームが出場権を得る。各支部代表62チーム参加の開会式の後、1回戦30試合が行われた。
(写真&文=鈴木秀樹)
最後まであきらめず全力で戦います!
午前8時45分からは、都内各支部代表の62チームが集結し、開会式が行われた。入場行進を行い、ダイヤモンドを埋め尽くすように整列した約1000人の選手らは、新チームで臨む初めての都大会に、緊張の面持ち。
前年優勝の旗の台クラブ(品川)・五十嵐暖人主将から優勝旗、永井滉人選手から優勝杯がそれぞれ返還された。そして昭島ヤングライオンズ(昭島)の鷹取都和主将が選手宣誓。「監督、コーチ、お父さん、お母さんに支えられ、仲間たちと一緒に頑張ってきました。この大会では最後まであきらめず、全力で戦うことを誓います」と、元気よく言葉を発した。
不動、レッドなど初戦突破
開会式に続いて1回戦30試合が行われ、都大会常連の不動パイレーツ(目黒)は稲城ブラッキーズ(稲城)に10対0で勝利、レッドサンズ(文京)はいちがやチーターズ(新宿)に22対3で快勝した。一方、連覇がかかる旗の台クラブは、清瀬レッドライオンズ(清瀬)とタイブレークにもつれた接戦の末に辛勝。昨年の4年生大会、マクドナルド・ジュニアチャンピオンシップで準優勝の高輪クラブ(港)は、10対9の逆転サヨナラで花小金井サイドワインダーズ(小平)を下した。
27日には2回戦16試合、28日には3回戦8試合が行われる。決勝は10月12日、板橋区の城北野球場を予定。
■1回戦
※スコアは編集部。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら)
◇9月23日▽5面第3試合
清瀬、旗の台を追い詰めるも惜敗
旗の台クラブ(品川)
03314=11
04030=7
清瀬レッドライオンズ(清瀬)
※タイブレーク5回
ここでは伏兵といっていい清瀬レッドライオンズが、前年王者の旗の台クラブを驚異の追い上げで追い詰めたが、タイブレークの末に金星を逃した。
2回表に旗の台が先制。先頭の五番・中澤福丸が安打で出塁すると、為谷海渡の適時三塁打で先制し、福田光成、佐々木稜也の連打でさらに2点を追加した。清瀬はその裏、連続四球を足掛かりに、森下恭介の2点適時二塁打などで4点を奪い逆転。しかし、直後の3回表、3失点で旗の台に再逆転を許すと、4回にも1点を奪われ、4対7とリードを広げられた。
それでも、粘る清瀬は、90分の時間制限が迫った4回裏、石井大登主将、青木友愛の連打に敵失が加わり1点を返すと、さらに二死一、三塁から佳賀匡祐が右中間に2点二塁打を放ち、土壇場で同点に追いついた。
この時点で90分を過ぎており、勝負は無死一、二塁開始のタイブレークへ。延長5回表、旗の台に4点を許した清瀬は、その裏の攻撃を無得点で終え、接戦を落とした。
無念の惜敗に「よく頑張ってくれたんですけどねぇ」と天を仰いだ清瀬・坂本直樹監督は、「ただ、ここまで戦えることが分かったのは収穫。課題は守備、走塁とはっきりした。来年に向けて、良いに経験になりました」と気持ちを新たにしていた。石井主将は「もともとみんな、バッティングが良いので、力は出せたと思います。来年に向けて、もっと守備を鍛えないといけないと思いました」と、こちらも6年生に上がる、来年の飛躍を期していた。
◇9月23日▽6面第3試合
高円寺が好発進!いつか茎崎Fと!
府ロクスポーツ少年団野球部(府中)
0001=1
6401x=11
高円寺メイトA(杉並)
※4回コールド
初回の攻防が勝負を分け、気づけば大差のコールドゲームとなった。
「めっちゃ緊張しました。ドキドキで」
高円寺の先発マウンドに上がった田中瑛主将が振り返る。
1回表の守りを、2つの内野フライと、1つの外野フライでゼロに抑えた高円寺は、その裏、先頭の田中主将が右前打で出塁すると、二番の奥村友英も左前打。さらに四球、篠原瑛太の内野安打と続き、打者一巡で一挙6点を先取した。田中主将は「みんなが守ってくれて、その裏に点を取ることができた。みんな打てていたので、あれで落ち着いたかなという感じです」と、仲間に感謝した。
2回にも4点を加えた高円寺は、4回表に1点を許したものの、その裏に1点を挙げたところで「4回10点差」のコールド試合が成立、快勝で初戦を突破した。田中主将は「すごくうれしいです!」と笑顔を見せ、「次は強敵なので、それに向けて練習しないと」と、旗の台クラブとの対戦が決まった2回戦に向けて、切り替えていた。
田中主将の父で、背番号28を背負う田中晋輔コーチは茨城県出身で、関東を代表する全国大会常連の茨城・茎崎ファイターズを率いる吉田祐司監督とは幼なじみ。竜ケ崎一高では、ともに甲子園で戦ったチームメートでもあり、いまも連絡を取り合う仲という。「茎崎は全国クラスの強豪ですが、いつか戦えたらなあ、と思っているんですよ」と話していた。