第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は5月18日、継続試合の1回戦と2回戦16試合を郷土の森野球場で行い、ベスト16が出そろった。昨秋の新人戦優勝枠で出場の旗の台クラブ(品川)が特別延長で敗れるなど、波乱含みの序盤戦。エトセトラをお届けしよう。
※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません。
(写真&文=大久保克哉)
■2回戦
◇A面第1試合
旗の台クラブ(品川)
0010120=4
0040001x=5
レッドサンズ(文京)
※特別延長7回
【旗】栁澤、岡野-遠藤
【レ】田代、久保、田代- 中澤
本塁打/柳(旗)
二塁打/豊田(旗)
2年ぶり5回目の全国出場へ、レッドサンズが猛進!1回戦では、2年前のジュニアマック(4年生以下の都大会)決勝で敗れていたカバラホークスに(足立)にリベンジ。そしてこの2回戦では、昨秋の東京&関東王者の旗の台クラブと、特別延長7回に及ぶ大熱戦を演じてサヨナラ勝ち。
「旗の台さんは友好チームで、これまで何度も手合わせをしていただきました。能力も高い素晴らしいチームですので、2回に3点リードしてからもこのままいくとは思っていませんでした。目標はもちろん全国出場ですけど、旗の台さん、カバラさんの分まで一戦一戦、がんばります」と坂路友一監督(=写真上)。
旗の台は2対4で迎えた6回表に、柳咲太朗が右越えに同点2ラン(=下写真)。特別延長の7回裏に、押し出し四球で涙となった。
※この試合は当メディアで追って特報します。
■2回戦
◇B面第3試合
52013=11
00202=4
清瀬ツインズ(清瀬)
※5回コールド
【船】前西、中司-佐藤、柴原
【清】鈴木、安達-馬渡
本塁打/安達(清)
三塁打/中司(旗)、安達(清)
二塁打/佐々木、柴原(船)、馬渡(清)
大会2連覇と3年連続の全国出場を期す船橋フェニックスが、1回戦に続くコールド勝ちで3回戦へ駒を進めた。1回表に中司慧太の先制三塁打(=上写真)など長短打4本の打者一巡で5得点。4回には桜井翠がスクイズバントを決め、5回には重盗で1点、中司と四番・高橋泰生の連続タイムリーで計11点とした。
清瀬ツインズは2年前にジュニアマック(4年生以下の都大会)でベスト16。 昨年は6年生1人で今大会に出場し、今年は6年生12人と5年生3人で2年連続で清瀬市代表に。序盤で守りのミスも相次いで大量失点も、「切り替えろ!」「次に捕ればいい!」「1個ずついくぞ!」とベンチからも前向きな声掛けが聞かれた。
3回裏には一番・鈴木凱斗から板倉敬次郎、安達昊太主将までの3連続長短打で2点を返すと、5回には安達主将が左越え2ランで意地を見せた。
「父親コーチたちが一生懸命にやってくれているので、私は監督というよりは親と子のバックアップ役であり、パイプ役という感じ。まだジャビットカップもあるので、がんばります」と、就任7年目の横内憲監督。
―Pickup Hero―
打っても投げてもピカイチ
NPBジュニアを目指す10番
あだち・こうた
安達昊太
[清瀬6年/遊撃手兼投手]
全身を使った、しなやかで美しい投げ方が試合前のキャッチボールから際立っていた。3回から登板すると、2安打と四球で一死満塁のピンチを招いたが、強力打線を球威で押し込んで無失点に。4回から失点はしたが、自信も増せる内容だった。
「投げ方は2年生から、コーチとお父さんに教えてもらいました」
3回裏には中越えの2点タイムリー三塁打(=下写真)、5回裏には左越え本塁打と、スイング力もハンパなかった。
「ホームランは今年は5本。去年、NPBジュニアのセレクションを受けて落ちました。球団はどこでもいいので今年は入りたい。チームのみんなは明るいけど、なかなか言うことを聞いてくれない(笑)。でも、ジャビットカップもがんばります。今日も楽しかったです」
気付けば、談話を聞きに寄ってきていた仲間も大人たちも、みんな笑顔だった。
■2回戦
◇D面第4試合
東村山3RISEベースボールクラブ(東村山)
100000=1
30001 X=4
不動パイレーツ(目黒)
【東】小野、尾﨑-佐藤徠
【不】木戸、岡田-山田
本塁打/茂庭(不)
二塁打/竹中(不)
昨秋の新人戦の都大会1回戦と同一カードとなった2回戦。前回は9対10で敗れていた不動パイレーツが、1回裏に五番・茂庭大地の3ラン(=上写真)で逆転し、そのまま逃げ切り。雪辱を果たした田中和彦監督の目には、光るものも。
「大会初戦の難しさというのと、前回の対戦の苦い思い出もやっぱり…。その中でノーエラーで通せたことも彼らは成長できたかなと思います。去年の6年生たちも、新人戦で負けていた相手(立川クラブ)にこの全国予選でリベンジして乗っていきました(全国4強)。自分たちもまずここを取れたのは大きいし、これからも選手たちの背中を押していきたいなと思います」(同監督)
東京予選の各会場は、両翼70mの特設フェンスがない。その中でとりわけ、光ったのが両チームの外野守備だった。不動は中堅手の竹中崇、敗れた東村山3RISEベースボールクラブも中堅手の橋田英治主将や右翼手の並木開(=上写真)が、抜ければ本塁打という特大飛球を相次いで好捕。三塁打コースの打球を、二塁打やシングルに留めるような守備も複数あった。
「少年野球の外野だからダメってことじゃなくて、ちゃんとしっかり守れる子を育ててきました」と尾﨑俊生監督。6年生が4人しかいないチームを昨秋は都8強まで導いた指揮官は「打って走って楽しむというコンセプト」で2022年にチームを創立した。
今大会はその1年目から4年連続の出場で、2023年の新人戦は都4強まで進出している。結成当初から続く躍進の最大の要因は場数と努力で、「試合数と練習量はたぶん、どこにも負けてないかというくらい」と尾﨑監督。年間で130試合程度を消化、週末の活動は雨でも休まないという。この試合に先発した右腕・小野暁稀ら5年生は10人。東村山に起こった“日の出(3RISE)”は、まだまだ終わる気配がない。
■番外編
発起人兼監督の43歳誕生日に
ジャイアントキリング
■2回戦
◇A面第3試合
城東ベースボールクラブ(江戸川)
2対0
深川ジャイアンツ(江東)
創設から5年、軟式野球連盟に加盟3年目で、2年連続の今大会出場となった城東ベースボールクラブも快進撃。1回戦を13対0でコールド発進すると、迎えたこの2回戦は全国出場2回の深川ジャイアンツを撃破した。
「引き締まったゲームを何とかものにできました。ジャイアントキリング、やっちゃいましたね。実は今日、私の誕生日なんです」と森糸法文監督は満面の笑み。忘れられない43回目のバースデーになったという。
3回戦の相手は、前年優勝チームの船橋フェニックス。果たして、1度あることは、2度ある!?