今年も女子学童野球の東京都大会"エリエールトーナメント"が開幕!
東京都内の各支部(区や市)単位で戦う都大会は、上位2チームが全国大会へ進めるとあって毎年熱い勝負が繰り広げられます。
全国的にみても女子学童野球人口が圧倒的に多い東京都ですが、それでも地区ごとの競技人口格差は広がっています。
今回は開会式で選手宣誓に込められたメッセージをご紹介します。
2025年6月8日更新
6年生は私ひとりです
先述したように各区や市ごとに女子チームを結成して出場していますが、人数が集まらない地区は 2~3支部が "合同" チームを結成しています。
2025年度大会では全26チーム中6チームが合同チームです。
今大会で選手宣誓をしたのは台東支部:台東キャンディーズとして出場している 墨田区在住の佐藤選手 です。
『2区合同チームとして参加していますが、私の所属する墨田区の6年生は私ひとりです。私が女子野球の楽しさや素晴らしさをプレーで伝えることで、地域の女子野球選手が増えてほしいです』
そんなメッセージが込められたグラウンドにいる大人たちにも考えさせられる、そしてグッと刺さる選手宣誓でした。
女子学童&女子中学合同の開会式の様子
全国そして都内でも競技人口格差が課題に
冒頭で記載したようにこの都大会は全国大会の予選を兼ねています。
東京都のように予選を勝ち抜いたチームが全国大会へ出場する都道府県もあれば、県選抜というように道府県全体で選手を集めて1つのチームを結成している地域もあります。
全国的にみても野球人口・女子野球人口に差があるのは致し方ない現状といえますが、それは東京都内をとっても例外ではありません。
全26チームが出場する都大会ですが、5つが合同チームであることに加えて、5~6年生で20名以上の選手が集まっている支部もあれば、2年生まで入れてやっと12~13人というチームもあります。
前回大会優勝の江戸川支部:江戸川エンジェルズは区内でも4つのチームを結成し、その中の5~6年生による選抜チームで都大会へ
競技人口のバランスが平均的になることは難しくとも、自チーム(日頃活動する男女問わない学童チーム)だけでなく、女子チームでも野球をしたいという選手が人数不足で活動できないことは解決していきたい課題のひとつです。
とはいえ、そもそもの野球人口・学童野球人口が減少している昨今では、年々選手やチームが増えている女子野球はまだまだ可能性が広がっている競技なのかもしれません。
東京の女子学童を支える監督たち
女子野球界全体として、敵チームであっても "女子野球仲間" という絆があることがどのカテゴリにも表れています。
もちろん試合に勝つために熱くなることもありますが、指導者同士の交流が盛んだったり、選手同士も試合以外では大会会場でも仲良くおしゃべりをしていたり…
特に監督やチーム代表者たちは『女子野球の発展のために』という想いが強く、支部内に捉われず協力し合い、選手ファーストで日々工夫しながら活動しています。
なぜか監督たちの集合写真を撮影するという恒例行事も(笑)
地域や支部によって競技人口や環境に差があろうとも、この素敵な笑顔の監督たちが支えていることで、東京都の女子学童野球の未来は間違いなく明るいでしょう!
編集後記
私が仕事を通じて女子学童野球に関わり始めた当初、一番最初に学んだことは監督たちが常に選手の目線で語りかけているということでした。
高い位置から見下ろさず、ガタイの良い大男たちが(笑)同じ目線になるようしゃがんで、選手一人ひとりに言葉を伝えている姿に心打たれたことを覚えています。
それから8年、今でも私自身が女子学童野球にハマってしまっているのは、この選手宣誓のように女子選手に心を動かされ、それを支える指導者の方々のあたたかさがグラウンドに溢れているからです。
フィールドフォース 小林
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