高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは8月21日、神宮球場で準決勝2試合を行い、ファイナリストが決まる。決戦を前に、ベスト4各チームの勝ち上がりと注目選手、指揮官のコメントをお届けしよう。
(取材&文=大久保克哉)
※試合評やヒーロー、グッドルーザーは大会後にお届けします
準決勝カード
■第1試合8:30開始
[大阪]3年連続4回目
新家スターズ
VS.
不動パイレーツ
[東京]2年連続5回目
※昨年決勝戦と同日カード(1年前の試合評➡こちら)
■第2試合10:25開始
[兵庫]2年連続4回目
北ナニワハヤテタイガース
VS.
牧野ジュニアーズ
[奈良]初出場
―TEAM01―
″整い野球″の不敗王者
関東勢4タテなるか!?
前年度優勝/大阪府新家スターズ
【今大会の軌跡】
2回戦〇10対7山野(埼玉)
3回戦〇9対1船橋(東京)
準々決〇11対5豊上(千葉)
準決勝 ?対?不動(東京)
千代松剛史監督「いやぁ、関東勢はホンマに強いですよ、みんな。ウチはこれまで苦戦してきてるけど、何とか勝つことはできてるので、ここまで来たらね、あともう1つ、2つ勝って2連覇!というのが正直な気持ちです。準決勝の相手、不動パイレーツは1月に大阪に来てくれて交流試合もさせてもらっている。去年の決勝もええ勝負をさせてもらいましたし、相手としても申し分のないチームやと思います」
上/庄司七翔(6年)=勝負強い四番打者。投手として昨年12月にも神宮(ポップ杯全国ファイナル)のマウンドに立っており、制球力により磨きが掛かって安定感も増した。非登板時は主に捕手か三塁手
中/今西海緒(6年)=鉄壁守備の三塁手。痛烈な打球も難なくグラブに収めて一塁へ矢のような送球。いかにも王者のホットコーナーで、マウンドにも上がる
下/藤田凰介 (6年)=攻守走にそつのない″整い野球”を象徴するキャプテン。出塁率の高い三番打者で、捕手のハイスキルの中でも捕球&ストップが際立つ。三塁、左翼も守る
―TEAM02―
1年前の”銀”より輝ける!?
進化もミラクルもノーリミット
東京都/第2代表不動パイレーツ
【今大会の軌跡】
1回戦〇15対3小名浜(福島)
2回戦〇7対5金田(福岡)
3回戦〇6対5北名古屋(愛知)
準々決〇7対2平戸(神奈川)
準決勝 ?対?新家(大阪)
鎌瀬慎吾監督「遥か遠くの見えないものを追うよりも、目の前のことに全力で取り組む。ウチの子たちはそれが合っているようです。この大会中は毎日、私は同じことを伝えています。『今日だけ、絶対に勝つぞ!』と。明日(準決勝当日)も同じですね。去年の全国もベンチ入りしていた選手が複数、全体でも8割以上は決勝を生観戦してました。新家さんの迫力あるシートノックや声なども気になると思いますが、他のことが気になってもプレーに影響しないのもウチの子たちの特長。試合中に蝶々が飛んでいても気にするくらいですから(笑)」
上/唐木俊和(6年)=遊撃守備は名人芸のよう。軽やかなアプローチにしなやかな捕球、そして正確な送球。非凡な能力は捕手や九番打者、走者としても垣間見える
中/山本大智(6年)=今大会で大ブレイク中!2回戦で決勝2ラン、準々決勝で先制2ランを含む2本塁打 など計4本のアーチをかけている。投手陣でも柱となってゲームメイク
下/鎌瀬清正(6年)=急成長中を象徴するキャプテン。捕手・投手で投げる球の強さ、二番打者としての勝負強さに打球の鋭さ、いずれも著しく増している
―TEAM03―
36年ぶりVの前に、
まず7年ぶり決勝へ!
兵庫県北ナニワハヤテタイガース
【今大会の軌跡】
1回戦〇6対5しらさぎ(東京)
2回戦〇17対4猪川(岩手)
3回戦〇1対0託麻(熊本)
準々決〇4対2安佐(広島)
準決勝 ?対?牧野(奈良)
石橋孝志監督「そんな、ウチがベスト4やて、笑うてまうな。ワーワー言われるチームと違うと、大会前から言うてきてるように、そんな怪物みたいな子もおらんし、小細工できるような器用なチームでもない。でもそんな子らでも、一生懸命にやって階段を一歩ずつ、よう上がってきてると思うわ。今日の試合(準々決勝)の守りでも、フライが上がって2人がお見合いしてから、ぶつかりながらも球は落とさなかったやろ。一番上まであと階段2つ。やるからには登り切りたいな」
上/山口琉翔(6年)=反応の鋭さに守備範囲、送球の正確性、いずれも文句なしの遊撃手兼投手。三塁を守る4年生・山川諒もフォロー。打線では広角に打てる一番打者
中/中川翔斗(6年)=パンチ力と走力を秘める「七番・左翼」のファイター。マジメな取り組みも評価され、7月に得たチャンスをものにしてレギュラーに
下/北嶋隼士(6年)=山口らと昨夏の全国も経験しているキャプテンで攻守の要。準々決勝は打たせて取る投球で6回完投勝利。左打席から鋭い打球を飛ばす
―TEAM04―
「初出場」組、最後の砦。
足と小技と果敢なスイングと
奈良県牧野ジュニアーズ
【今大会の軌跡】
2回戦〇10対4里庄町(岡山)
3回戦〇4対3東郷(福井)
準々決〇8対4宮ノ下(鳥取)
準決勝 ?対?北ナニワ(兵庫)
田中章夫監督「大会に入って試合を重ねるごとに、チームがより一丸となってきていると感じます。ベンチでも自然に良い声も出るように。ウチの持ち味は足と小技もありつつの、積極的なスイングでの打線のつながり。ウチは小手先で当てにいくスイングはしません。左腕エースの鶴岡歩夢が調子を上げているのも大きいですね。準決勝の相手は兵庫の強豪。胸を借りるつもりで、チャレンジャー精神で臨みたいと思います」
上/田中瑛人(6年)=遊撃手兼務の右腕エース。就任1年目の指揮官の息子でキャプテンも務める。コンパクトなテイクバックから角度のある速球を軸として、試合をつくっていく
中/倉好結真(6年)=準々決勝では、スクイズバントに中前2点タイムリーで勝利に大きく貢献。打つしかない場面では初球ストライクからの果敢なフルスイングも光る
下/鶴岡歩夢(6年)=柔軟でリズミカルなフォームから、伸びのある速球を投じる左腕エース。非凡な投力は中堅守備でも生かされている