高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの3回戦は8月19日(2試合は20日決着)、2会場で行われ、ベスト8が出そろった。「聖地」神宮では、東西の王者が激突した第1試合に始まり、特別延長戦で雨天順延となった第4試合まで白熱のバトルが展開された。第3試合は神奈川・平戸イーグルスが、過去2回Vの滋賀・多賀少年野球クラブにサヨナラ勝ちで準々決勝進出を決めている。
(写真&取材=大久保克哉)
※好勝負やチームや選手の深掘りリポートは追ってお届けします
■3回戦/神宮第1試合
前年王者が関東王者に完勝
7月末の高野山旗決勝以来となるリマッチを前に、新家・千代松剛史監督と船橋・木村剛監督が握手(上)。結果は新家が船橋を返り討ちに(下)※この試合は後日、特報予定
[大阪]3年連続4回目
新家スターズ
2601=9
1000=1
船橋フェニックス
[東京]2年連続2回目
新家は1回表、二番の西浦颯馬(下=写真は2回の左前適時打)から藤田凰介主将(上)、庄司七翔まで3連打でまず1点、さらに一、三塁からの重盗で三走・藤田主将が生還
船橋は1回裏、松本一(上)と竹原煌翔の連打などから併殺崩れで1点を返すが、以降は本塁が遠かった。手痛いミスも響いた中で、2回途中から登板した木村心大が気を吐いた
■3回戦/神宮第2試合
豊上・桐原、あわや完封の快投
豊上のエース・桐原慶(上)は5回二死まで71球で被安打4の7奪三振。2番手が適時打を浴びて2失点(自責点2)も、危なげのない快投だった。攻めては四番・高橋嶺斗(下)が先制犠飛に2打席連続タムリーで4打点。写真は3回の左前打
[徳島]16年ぶり2回目
大津西スポーツ少年団
000002=2
10203 X=6
豊上ジュニアーズ
[千葉]2年ぶり5回目
豊上・髙野範哉監督「1回戦からガミガミやり過ぎちゃって、昨日から体調が最悪。声も枯れちゃって(笑)。4打点の高橋は元々は不器用で補欠だった子。それが一生懸命に努力して最後に来て四番で頑張っている。きれいにレベルで振っているのでミート率が高いですね。明日の新家戦はガンガン打つだけ。ミスなしでバッティングがハマってくれたら良い勝負できるかな、という感じですね」(=写真上)
大津西・東芳昇監督「東京で4泊目になってみんなが疲れてしもうて。練習場所も少ないけん、なかなか…。子どもたちはみんなよう頑張ってくれました。里崎(智也=元千葉ロッテ)がおったころは私は怖い指導者でしたよ(笑)。まあ、今の時代はそうはいきませんのでね。5年生はおるんやけど、その下の人数がね。だけど、また全国に来たいですね」(=写真下中央)
■3回戦/神宮第3試合
平戸旋風!全国1勝から8強入り
6回裏、平戸は一死一、三塁から林凛音主将の中飛で三走・横地樹(5年)がタッチアップからサヨナラの生還(上)。福岡への転勤・転居に伴い今大会をもって退部する、指導歴15年の阿部将人ヘッドコーチ(下)へ3勝目をプレゼント
[滋賀]7大会連続17回目
多賀少年野球クラブ
000001=1
000101x=2
平戸イーグルス
[神奈川]2年ぶり2回目
平戸の先発・市村継心(上)は、6回二死まで76球で散発4安打の1失点で勝利を呼び込んだ。一番・城田直輝(下)は2安打で2得点に絡む活躍。写真は6回裏に好機を広げた左前打
多賀は6回表、松岡湧隼主将が左前打(上)から二盗、三盗を決めると、三番・松永眞生の投ゴロで同点のホームを踏むが…
平戸・中村大伸監督「昨日は大勝(21対0)で緊張感がなくなりやすいので、今日はリセットしてしっかり準備していこうと午前中から。市村がガマン強く良く投げてくれました。最後(6回裏一死一、三塁)はスクイズはまったく考えなかったです。キャプテンの林が調子が良くなくて悩んでいる感じもあったんですけど、よく犠牲フライを打ってくれました。相手のセンターが強肩なのは知ってましたけど、タッチアップで大正解。三走の横地は5年生で、ポカも多いけど一番前向きな子。ああいう選手が一発勝負に強いのかなと思います」(=写真上・右)
多賀・辻正人監督「相手のピッチャーが良かったですね。思ってるよりボールが伸びてきてましたよ。疲労もあったと思いますけど、秋はどの投手もワンランク低いので、そこで打ちまくって実力と勘違いしたらいけないですね。(力のない逆方向への打球が多かったが)確かに。でも、打撃の調子がどうとか子どもらに思わさんように、『守り切る!』と言い続けてノーエラーで来たんですけど…」(=写真下)
■3回戦/神宮第4試合
ミラクル対決、水入り後に軍配は不動に
5回表、2点を追う不動は代打で二塁打を放った5年生の田中璃空が、二番・鎌瀬慎吾主将の中前打で生還(下)。さらに三番・細谷直生の2ラン(上)で3対2と逆転に成功する
[東京第2]2年連続5回目
不動パイレーツ
000030021=6
011001020=5
北名古屋ドリームス
[愛知]2年連続6回目
※特別延長9回。雨天順延により、8回以降は20日・駒沢球場で実施
特別延長の9回表。不動は一死二、三塁で六番・米永結人が、バント失敗(写真上)など追い込まれてから三塁ゴロで1点。これが決勝点に
北名古屋は2回裏、七番・髙井信芭が右へ先制タイムリー(上)。先発の三島桜大郎(下)は5回二死から逆転されたものの、4回までは連打を許さず無失点と粘投が光った
北名古屋は逆転された直後の5回裏、3対3に追いつく。過去に大会準優勝の実績もある両軍の戦いは特別延長戦へ。そして7回を終えたところで、荒天による継続試合となって決着は翌日へ※この試合は後日、特報予定
■3回戦/町田第4試合
➡神宮※継続試合
逆転また逆転で牧野8強
4回表一死、牧野(上)が2対1で東郷(下)をリードしている状態で、荒天により翌日へ順延。継続試合は神宮に場所を移して始まった
[福井]初出場
東郷ヤンチャーズ
010020=3
02002 X=4
牧野ジュニアーズ
[奈良]初出場
牧野は2対3と逆転された直後の5回裏、七番・番匠隼平が起死回生の2点タイムリー(上)で再逆転に成功。「チームが上に行くために、絶対にここで自分が打って勝ちにつなげたいと思いました」(番匠)。そのまま逃げ切ると、2日間の熱戦を展開した相手ベンチへも挨拶(下)
東郷は5回表、二番の5年生・藤澤蓮翔の内野安打(上)で3対2と逆転。竹内浩二監督(下)の明るくポジティブな声掛けも印象的だった※後日、チームルポを予定