高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント(以下、全日本学童)の開幕まで41 日。『学童野球メディア』では、今年もすでに特報をスタートしていますが、6月30日で47都道府県の予選大会がすべて終了し、出場全53チームが決まりました。ではあらためて、出そろった顔ぶれを過去の全国2大大会の実績とともにお届けしましょう。開幕日8月11日の前日までのプレビューでは「ここだけの特ダネ」として、予選大会を踏まえた出場チーム・注目選手の紹介、7月23日の組み合わせ抽選を経ての展望や見どころなどをお伝えしていきます。
(写真&文=大久保克哉)
※大会の歴史や方式などは2023年プレビュー❶参照➡こちら
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「小学生の甲子園」は2009年から昨年まで、東京都で固定開催されてきたが、今年から全国9ブロックの持ち回り制に移行。今夏は新潟県が開催地となり、8月11日にHARD OFF ECOスタジアム新潟で開会式を行い、翌12日から8会場でトーナメント1回戦が始まる。6日間で52試合を一気に消化し、荒天などのアクシデントがなく順調に進めば、8月17日に2025年の学童日本一チームが誕生する。
唯一無二のチャンピオンシップ大会
今日では「全国」と称する大会が多数あるが、昭和の時代から学童球児の憧れであり続けるメジャーな夢舞台はふたつしかない。この全日本学童大会と、日本スポーツ協会が主催する全国スポーツ少年団軟式野球交流大会で、いずれも8月に開催されている。後者の大会は、今年度から「エンジョイ!野球フェスティバル」に改称しているが、簡単に言えばスポーツ少年団の全国大会のこと。そこで、出場全53チームの一覧表には例年通り、両大会の出場実績を入れている。
全日本軟式野球連盟(JSBB)に加盟する学童チームは、8680(2024年度)。その全チームに等しく予選参加資格があり、47都道府県での予選を制した優勝チームによる真のチャンピオンシップとなる「全国大会」は、今も昔も全日本学童大会だけだ。
ここ20年は加盟チーム数の減少傾向が強まるばかりで、2022年度にはついに大台の1万割れ。それでもまだ、予選参加規模は日本のスポーツ界でおそらく第1位(団体競技)。予選突破の至難さは例年、半数近くが初出場チームであることからも読み取れる。
今年は開催地の新潟県から4チームが出場することで、全体でも昨年までより2チーム増の53チーム。このうち、初出場は26チームで、2022年から31、25、25とほぼ同数で推移している。
過去の日本一チームは6
過去の優勝チームは、昨年まで3年間は「4」で推移してきたが、今年は6チームに増えた。中でも最古の優勝チームは牛島野球スポーツ少年団(秋田)で、1986年の第6回大会(当時の参加は27チーム)を制している。初出場は前年の1985年(1回戦敗退)で、これが今大会出場チームの中で最も古い出場記録となる。1997年以来28年ぶり5回目の出場を決めた現チームに、39年前の日本一や40年前の初出場時を知る人物はいるのだろうか。
最多優勝は長曽根ストロングス(大阪)の7回。これは大会記録で、直近の優勝は2021年になる。2010年に優勝した常磐軟式野球スポーツ少年団(福島)は、保持する最多出場記録を「24」に更新している。また、平成の最終年と令和の元年にかけて連覇を遂げた多賀少年野球クラブ(滋賀)は、大会新記録となる「8大会連続出場」を決めた(※コロナ禍で非開催の2020年を挟む)。
目下、2連覇中の新家スターズ(大阪/前年度優勝)は、史上初の3連覇への挑戦権を得ている。2016年にベスト4、翌17年に優勝と、北海道勢の歴史を塗り替えてきた東16丁目フリッパーズ(北海道南)は、3年ぶりに夢舞台に戻ってくる。
巨大トーナメントの組み合わせ抽選は、7月23日(水)の14時から。ここ何年かは左ブロックに有力チームが固まる傾向にあったが、今年は果たして――。開幕前日まで、マニアックなプレビュー「ここだけの特ダネ」をお届けしていきたい。