2018年11月の初期モデル(FKAM-1000)発売から8年が経とうとしている小型アーム式ピッチングマシンFKAM-1001と、やや遅れて発売した中型アーム式ピッチングマシンFKAM-1500(現行機は1501)。その開発経緯と特徴、秘話は以前、当コーナーでも取り上げたが(→こちら)、その後も順調に販売数を伸ばしており、この2機種を合わせた累計販売数は1400台を超えたという。
累計販売数、1400台突破!

発売から8年、フィールドフォースの商品ラインアップにあっては、最高額商品であることに変わりない小型/中型ピッチングマシンFKAM-1001/1501。発売当初はスポーツ量販店などで扱いのあった時期もあったが、現在はフィールドフォースのECサイトと、各ボールパークでの店頭販売という、直販のみとなっている。
それでも、以前と変わらずコンスタントに売れ続けているのは、ネットも含めた口コミと、チーム同士の横のつながりによるところが大きいようだ。
マシンの外商と納品、メンテナンスを担当している営業企画部の井口大也によれば、2機種はすでに47都道府県すべてに納品されており、その累計販売数は1400台を超える。そして、ユーザーの3、4割は学童野球チームだという。
「ひと昔」といわれる10年ほど前、学童野球でピッチングマシンを使った練習をしているチームといえば、ほんのひと握りの「超」が付く強豪チームくらいのものであった。それが現在では、その垣根も随分と下がった印象だ。
そしてそれは、FKAM-1001/1501の存在と無関係ではないはずだ。
いや、むしろ、この両機の存在が学童野球の練習風景を変えつつあるのではないだろうか。
トラブル対応にも強み

現在も順調に売れ続けている両機種の販売情況と、ユーザーの広がりは発売時から予想していたものなのか。フィールドフォース社長・吉村尚記に尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「販売台数についていえば明らかに予想以上で、私も驚きです。ただ、それとは別に、開発時から、ピッチングマシンとしてはこれまでになかった販売形態、流通経路をつくり出すことができるはず──と感じていましたし、それが実現できてはいますね」
FKAM-1001/1501の開発における狙いと取り組みについては前回の記事にある通りだが、最大の特徴は「従来からあった、巨大な一般的アーム式マシンを参考に、必要十分なレベルまで簡素化」したことにより、「ワンボックスカー(FKAM-1501はハイルーフ車が必要)で運搬可能なサイズまで小型化」できたことだろう。
ダウンサイジングと機構の簡素化を実現できたことで、従来からある一般的なマシンの半額以下ともいえる価格設定、さらに「中間業者を通さずに販売、納品、さらにメンテナンスサービスまで一貫して自社で行う」体制の構築も可能となった。
メーカーから問屋、ショップを通して販売する、従来のピッチングマシンの販売経路の場合、トラブル時の対応にも結構な時間を要してしまう。シンプルな販売経路であることは、マシントラブル時のユーザー対応にも強みがあるのだ。井口はマシンを納品時にユーザーとLINEでつながり、有事には直接やり取りを行いメンテナンスにあたるほか、必要に応じてアドバイスを行うなどしている。
練習用ボール、ほかにも周辺機材が

さらに、フィールドフォースならでは、といっていい優位性がある。
まとめ買いできる練習用ボールの存在だ。
フィールドフォースはマシンを使った練習のための軟式/硬式ボールをラインアップしている。マシン対応軟式練習球50個入りJ号/M号(FNB-6850JMB/FNB-7250MMB)、マシン用硬式球DZ(FMKK-30MPU)。いずれもマシン使用による劣化を最小限に防ぎ、高耐久性を実現したものとなっている。
こちらも発売以降、好評を博しているが、FKAM-1001/1501をはじめとするマシン類の普及があってこその需要だ。
以前から、フィールドフォースでは『豊富なボールを使った練習が上達への近道』と打ち出し、ボールを豊富に使った効率の良い練習を理想に掲げている。豊富なボールあってこそのマシン練習であり、逆にいえば、多くのボールを生かすにはマシン練習がベスト、ということである。
「せっかくのマシン練習ですから、ボールの数を気にすることなく、ガンガン打ち込んでほしいですよね」
吉村が話す。
「そのため、とくに学童、少年野球で使われる軟式球はムダなパッケージングをせず、とにかく値段を抑えることにこだわりました」
さらにいえば、フィールドフォースなら、マシン練習に欠かせない防球ネット類なども含め、マシンを使った本格練習を始めるために欲しいものは、ひと通りそろう。マシンの販売だけでなく、マシンを使った練習環境の構築を提案するところまで可能なのだ。
練習の質向上のために

まだある。
吉村が続ける。
「ウチは練習場の施工も請け負ってますが、そこでも多くの案件で、小型や中型のマシンを入れていただいてるんですよね」
これまで、フィールドフォースが施工を請け負ったケースとしては、倉庫や工場など、大規模の建物のリノベーションでつくり上げる商業用施設から、個人宅の小さなケージまで、こちらも様々な案件で提案、施工を行い、いくつもの練習場をつくり上げてきた。
それらの施設の多くでも、FKAM-1001/1501が活躍している。
改めて、吉村がアーム式のメリットを説く。
「ピッチングマシンは大きく分けて、アーム式とホイール(ウィール)式に分かれますよね。FKAM-1001/1501はアーム式です。フォースマシンは、ひとつのホイールでボールを押し出すワンホイール式ですが、2つのホイールでボールを挟み、その回転でボールを押し出す形のものが一般的です」
ホイール式はモーターで直接、ホイールを回転させるため、構造がシンプルで部品数も少ない。一方、アーム式はボールを投げる「アーム」はチェーン駆動が一般的で、その分、部品数は増え、機構もやや複雑だ。
「ただ、ボールを挟んで押し出すホイール式は、ボールもホイール自体も摩擦により消耗が早い。ボールのサイズが変わると球筋も変わりますから、都度、調整の必要も出てきます。アーム式はボールにも優しく、こすれ合うことで物理的に消耗する度合いは少ない。結果的に、こちらの方が動作は安定していると思いますよ」
フィールドフォースのラインアップの中では、フラッグシップともいえる存在のFKAM-1001/1501。
その存在も浸透しつつあるが、吉村はこれが最終形ではないと考えているようでもある。
「まだ改良の余地があるというか、ピッチングマシンの存在は、もっと身近にできると思うんですよね…」
次に登場するのは、この両機の後継機なのか、まったく新しいマシンなのか。その完成を楽しみに待ちたい。