商品開発室
![[vol.4] “かゆいところに手が届く”! フィールドフォースのグラブ(上)](http://www.fieldforce-ec.jp/cdn/shop/articles/top_2f45126a-e3bb-4a8c-9763-72b46125a881.jpg?v=1749705104&width=533)
[vol.4] “かゆいところに手が届く”...
数多くの練習ギアの開発や、各地で展開するボールパーク事業はもちろん、グラブ作りも、フィールドフォースの大きな柱となる事業だ。東京・足立区に構えるグラブ工房で、小学生から大人まで、多くのプレーヤーのリクエストに応えて製作されるオーダーグラブもまた、「かゆいところに手が届く」フィールドフォースの看板商品。学童低学年選手向けのスターターグラブもまた、唯一無二の存在感を放っている。 小さい子こそ良いグラブを フィールドフォースの現会長・大貫高志が社長だった頃に聞いた、こんな言葉が忘れられない。「野球を始めたばかりの子どもたちにこそ、本物のグラブを使ってほしい。自分の手に合った、しっかり捕れるグラブです」 淡々と、しかし熱のこもった口調だった。「自分に合ったグラブで“パチーン”と音を出して捕る、その快感を知ってほしいんです。おもちゃのグラブを使ってうまく捕れず、野球が楽しくなくなる、そんなことはどうあったって、避けなきゃいけない」 バットで打つ楽しさとともに、グラブでボールを捕る楽しさは、野球の基本。それを知ってもらうために、子どもたちにこそ、いいグラブ(もちろん、高価なグラブという意味ではない)を使ってほしい──。 創業当時からの思い。グラブづくりは、学童・少年野球の選手たちを応援する、フィールドフォースの根幹のひとつなのだ。 こだわり素材で捕りやすく! 現在、フィールドフォースの商品ラインアップにある学童低~中学年選手用のグラブは、主に低学年用のStage1「グリーングラブ」と、中学年向けのStage2「上手くなるグラブ」のふたつ(幼児向けにはStage0「グリーンマメグラブ」もラインアップ)。いずれも素材の柔らかさとフィット感を重要視し、低年齢層の選手特有のグラブ使い──親指を使わず、残りの4本の指で握り込む使い方が多い──を前提にしたデザインを採用しているのが特長だ。 Stage1、2どちらも、企画と型作りはフィールドフォースが東京都足立区に構えるグラブ工房で行い、海外の工場で生産している。「一番最初に使うグラブは大切だと思います。ちゃんとしたグラブを使い、ボールを捕るのは楽しい、と感じてほしい。ボールが思うように捕れないというのは、バッティングで打てないのと同じで、野球が面白くなくなっちゃうと思うんです」 グラブ工房立ち上げの2017年から工房長を務める、グラブ職人の篠原智明が商品開発の経緯を説明する。「まずは握る力の小さな子どもでも使えるようにと、Stage1では、柔らかさに注力しました」 歴史をさかのぼると、Stage1は、現行商品が3世代目となる。初代のStage1は、素材に牛の床革(皮の表層をすいた内側の革)を使用し、作られた。「これは柔らかさはよかったのですが、耐久性という点で、やや難があったんです」 と篠原。柔らかさや操作性の面で画期的なグラブだったが、バックスキンに似た表面の床革は、ボールの擦れによる劣化が早かったのだ。 次に登場した、「Stage1evolution」と名付けられた2代目は、初代の捕球面に、ドット状のシリコンを接着した。シリコンが革の表面をカバーしつつ、グリップを増すという利点はあったものの、「それでもやはり、まだ弱かったですね」 そうしてたどり着いた3代目Stage1、すなわち現行のグリーングラブでは、牛ではなく、豚革を素材に採用した。 これには経緯がある。「柔らかさと、商品としてリーズナブルなものを作ろうと考えたときに、豚革は以前から素材の候補には上がっていたんです。ただ、最初(初代Stage1)の頃はまだ、水分に弱いという欠点があった。一度水に濡れると、変に硬くなってしまい、最初のようには戻らない。だから見送っていたんです。しかし、加工技術が進歩したこともあって、水分にも強くなった。もともと柔らかさは理想的な素材で、軟式ボールとの相性も良い。これなら湯もみや型付けをしなくても、最初から使えると」 こうして、柔らかさも耐久性も、ほぼ満足できる、スターターのためのグラブが出来上がったのだった。 子ども用は「小型の大人用」にあらず Stage2・上手くなるグラブは、Stage1とは違い、牛革を素材にしている。ただし、タンブリング加工(叩き込み加工)により、通常の少年用よりもはるかに柔らかさと、しなやかさを持ったものだ。 素材は違えど、Stage1、2では共通するデザインがいくつかある。 手首のベルトを一般的な親指側からではなく、小指側から一体成型し、親指側でレースで結びつける形としていることがひとつ。小指の下方に切れ目(スリット)を入れ、柔軟性を持たせるデザイン、ウェブの上部、通常はレースで巻いている部分を、レースを省略し、切れ込みを入れることで、弱い力でもグラブを閉じやすくする加工も、このシリーズならではだ。 「子どもは手が小さいので、通常のベルト形式だと、小指の下に隙間ができ、そのせいで手がするっと抜けそうになることがあるんですよね。小指側からベルトを巻く形にすることで、手のフィット感が増すんです。そして、スリットがあることで、小指もスムーズに動かすことができ、グラブの操作性がアップします」 ほかにも、大人用のグラブとでは、構造的に大きく変えている部分があるという。「手首の部分もそうですが、指が入る部分、指袋といいますが、この部分は、指がより深く入るように設計しています。子どもは手が小さいだけではなく、手のひら、手の甲の厚みも少ない。しっかりフィットする設計でないと、グラブの中で手が不必要に動いてしまったり、指先の“遊び”が大きすぎたりします。それだけで、グラブがうまく握れなくなっちゃうんですね」 つまり、大人用に比べ、より深めに手が入るような形にするのだ。これはStage1も2も、変わらないのだという。大人用をそのまま小さくしても、子ども用のグラブが出来上がるわけではない。「小学1年だった子が4年生になっても、手の大きさや厚さは、そこまでは変わらないですね。あとは、その次、高学年になってどうするか、というところです」 実はStage2の次のクラスのグラブとして、Stage3として、少年用ポジション別グラブもラインアップには存在するが、「実際には、ほとんど出ていないんです」 と篠原が言う。「ウチの学童用を使っていた子は、ありがたいことに、次にはほとんど、オーダーグラブを作ってくれるからなんです」 少年用だからこその奥深さ フィールドフォースには、ボールパークがある。そこで行われるスクールや野球塾で学ぶ選手も多く、小学生の利用者は多い。当然、ボールパークの利用時や、その空き時間に、グラブに関する相談に訪れ、アドバイスを求める選手や、その親は多い。「グラブ工房は2017年にスタートしていますが、最初の1、2年は土台作りというか、基盤づくりというか、準備的なことに費やしていたので、本格的にオーダーグラブにとりかかったのは2019年くらいなんですね」 それから6年。コロナ禍もありつつ、それでも直接、あるいは各ボールパークのスタッフを通して、グラブに関するアドバイスを求めてくる選手は徐々に増えていった。 札幌、旭川と、ふたつのボールパークを展開する北海道には毎年、協賛大会である「東川グリーンカップ」が開催される秋に出張し、臨時のグラブ相談会も開いている。「年に一度の開催ですが、継続的に相談に訪れてくれる選手もいます。小学生の頃からグラブを作ってくれて、ことし高校に入って、新しいのを作ろうか、みたいな子も」 フィールドフォースほど低年齢層に特化したグラブのラインアップを持つメーカーも珍しいが、ユーザーとの距離がこれほど近いメーカーも、それほどないのではないか。「毎年、平均すると7、80人……100人はいかないと思うんですけど、それくらいの学童選手の話は聞いてますね」 当然、それにより、篠原自身の経験や知識も増えてくる。「対面でやっぱりこう、いろいろ話しながらできるっていうのは、ウチの強みだと思いますね。僕はフィールドフォースに入社する前、ベースボールショップで働いていて、グラブのメンテナンスなどには携わってましたが、その頃は、子どもが使うグラブって、なんでペッタンコなのに捕球面が浮いちゃうんだろうとか、疑問に感じてたんです。でも、それはずっと、疑問のまま終わってしまっていて」 やがてフィールドフォースのグラブ職人になり、子ども用グラブの設計や、素材探しに奔走し、現場で多くの選手と接する中で、その疑問が氷解したのだという。「いろんな選手と話をして、それを形にしてゆく作業の中で、それまで感じていた違和感というか、疑問が突然、『こういうことだったのか』と、かっちり当てはまるケースが多かったんです」 ただ、相談に答えるための知識の引き出しは増えても、選手が違えば、その答えもまったく違う、そんなことも往々にしてある。「学童の選手でも、高学年になれば、革は大人用と変わらないものを使うことも多いんです。打球が強くなったりすれば、柔らかいグラブでは、ボールの勢いに負ける、つまり、ボールを受けたグラブが後ろに持っていかれるようになってしまうこともあるんです。ただ、“このグラブが自分に合ってるんで……”という子もいる。そのときは、グラブを替えずに内部を補強したり、Stage2の形で、一般用と同じ革を使って作ってあげる、なんてこともありますね」 篠原は続ける。「その一方で、高学年になると、その後の成長も考えておかないといけない。ちょっと大きめに作っておいて、中学まで使うようにしよう、とか。ポジションもあります。学童のころはピッチャーだったけど、中学で野手になったり、学童のときとは違うレギュラーポジションが決まる子だっている。あるいはその先、高校まで考えているとすれば、また違った選択肢も考えられます」 選手が100人いれば、答えは100通りある。いまや篠原は『学童野球グラブ職人』の第一人者といっていいのではないか。 こうしたグラブ製作はもちろん、工房長の篠原ひとりでやっているわけではない。現在、グラブ工房では篠原をはじめ、菅家海翔、大平徳子、越智希美子、町田正美の5人のスタッフが日々、オーダーグラブの製作やメンテナンスにフル稼働している。工房の立ち上げから8年。フィールドフォース製グラブを手に、活躍する選手を見る機会も、これからますます、増えるのではないだろうか──。
[vol.4] “かゆいところに手が届く”...

vol.3 “変態的”商品が定番に ピッチ...
フィールドフォースの“顔”たるトスマシン・オートリターン以外にも、そのピッチングマシン/トスマシンのラインアップには、「ひとり練習」にピッタリな個性派商品がずらり。いずれも“らしさ”満載、唯一無二の存在感で、発売以来、ヒットを続けている。数ある中で、あなたのひとり練習にぴったりなのは、どのマシン? 実球を打てるトスマシンを! 穴あきボール、ウレタンハードボールを使うトスマシン・オートリターンは、少年野球に新たな練習方法を提示した、画期的でありながら手軽、気軽なフィールドフォースの看板商品。それでも続けて練習に使ううちに、こんな風に感じる人は多いだろう。「実際に軟式や硬式のボールを打てたらいいのに」──。 そんな素朴な欲求に応え、開発が始まったのが硬式・軟式トスマシン。その初号機であるFTM-230の開発の歴史は古く、穴あきボール用の最初の(オートリターンではない)トスマシンFTM-251の商品化から間もない時期に始まっている。 やがて開発と試作、トライ&エラーの時期を経て、「待望のマシン」として登場したFTM-230は、ボール発射部に板バネを使うことで安定性と耐久性を両立させることに成功したもので、2016年の発売と同時にヒット商品となった。発射角度の高低を調整することで、硬式ボールにも、軟式ボールにも対応。マシンの発売から1カ月後には、FTM-261用のオートリターンネットをベースに、フレームの強度やネット自体の素材などを見直して開発された、専用のオートリターン用ネットも登場し、こちらもヒット商品となった。 しかし、FTM-230はその特徴である、板バネの使用がウィークポイントにもなっていた。ボール発射時に、かなり大きな甲高い金属音が響くという、克服すべき課題があったのだ。 改良が重ねられ、1年後には(FTM-230は変わらずヒット商品であったが)、板バネからFTM-261同様のコイルスプリングに変更し、静音化と省電力化に成功したFTM-240が登場する。バネの張力を4段階で調整できるようにし、硬式球と軟式球の両方に対応。専用のオートリターン用ネットも発売された。 現在はさらにバージョンアップされた、FTM-242が販売されている。オートリターンネット・軟式/硬式FTM-242ARとともに使うことで、オートリターン化が可能。少しずつ進化しながら、定番商品となっている。 小さなボールが大ヒット! ミートポイントボールFMB-50(50個入りパッケージの商品型番)は、直径40ミリの小さなボール。大ヒット商品となった、穴あきボールFBB-20の派生商品として誕生した。 FMB-50では、バットの芯で捉えるために高い集中力が必要となる、小さなボールを打つことで、動体視力を養い、バットコントロールの精度を上げよう、という練習法を提示した。発泡素材・EVAで作られたボールは表面がソフトで、家の中で使っても壁などを傷つける恐れがない。加えて、その軽さゆえ、力いっぱい打っても飛距離が出ない。風の影響を受けやすいため、屋外での使用は難しかったが、逆に、屋内での使用に特化したことで、あっという間に人気商品となった。 FMB-50には青、黄色、ピンクなど、色分けされたボールが入っている。これは「ピンクが来たら引っ張り、青が来たら逆方向へ」などという具合に、色によって打ち分けるといった使用法を提案するため。ミートポイントボールは屋内での新たな練習を可能にするギアとして、少年野球の「自宅練習」に新たな光を当てることとなった。 社長の吉村尚記が振り返る。「このボールは練習用として発売当初からヒットし、いまもよく売れているんですが、これを自動で飛ばすマシンが欲しい、という要望も多かったんですよね」 例によって、短い時間の中で膨大な量のテストと試行錯誤を繰り返した上で、世に送り出されたのが、FPM-103とFTM-401という、ふたつのマシンであった。 推察どおり、F「P」M-103はピッチングマシン、F「T」M-401はトスマシンである。 前回のFIELD VOICEで取り上げた、すべてのピッチング/トスマシンの祖となったFPM-151(穴あきボールを使うピッチングマシン)は、使用にそれなりの広いスペースを必要とすることもあって、使い勝手の点で課題が残り、残念ながらヒット商品にはならなかった。 しかし、新たに登場したFPM-103は、トスマシンよりは広さを必要とするものの、ミートポイントボールの特性ゆえ、専用のネットなどなくとも、「カーテンに向かって打て!」でOK。家の中でも比較的自由に使えるとあって、発売と同時に人気商品となった。「もうひとつ、売れた理由があるんです」 吉村が解説する。「ミートポイントボールは、軽いために、手投げでコントロールをつけることがわりと難しい。マシンのほうが圧倒的に、ボールの挙動が安定するんです」 FPM-103はボールの発射角度を調整できるほか、カメラなどで使う三脚に乗せて使うことも可能となっている。左右のウィールからはじき出されるように、約5秒ごとに発射されるミートポイントボールはかなりの速度。4~7メートルという短い距離もあり、ちょっと驚くほどだ。 家の中で、安全な練習でありながら、このスピード感。バットを振るまでのスペースはなくても、スイングの要領でボールをキャッチしたり、バントの練習をしたりと、工夫次第で有効なトレーニングをすることができる。FPM-103は平日練習を有意義にする相棒として、売り上げを伸ばしていった。 最小スペースでの打撃練習 一方、FTM-401はミートポイントボールを使ったオーソドックスなトスマシンで、専用のオートリターン用ネットと組み合わせた、FTM-401ARも用意されている。このネットは、脚の部分が観音開きになっており、使わないときは折りたたんで、ネット1枚分のスペースで収容可能なコンパクトモデル。ネットの素材も40ミリ径のボールサイズに合わせて、より目の細かなメッシュ状のものが使われている。 このオートリターンセットで提唱しているのは、最小スペースでの打撃練習。もちろん、普段使っているバットでも問題ないが、片手トレーニングバットFTM-401ARあたりと組み合わせれば、他のオートリターンマシンを使った練習とも違う、新たな学びが得られるかもしれない──。 こうして人気となった、ミートポイントボール使用の2機種。特徴的なのは、FPM-103、FTM-401のどちらも、大きくモデルチェンジすることなくヒットを続けていることだろう。これはフィールドフォースの商品、とくにトス/ピッチングマシンとしては珍しい。 なお、40ミリ径のボールとしては、FBB-4020という、FBB-20をサイズダウンした蛍光イエローの小さな穴あきボールもラインアップされており、こちらも打撃練習用の小型ボールとしてヒット商品になっている。このFBB-4020はトスマシンFTM-401では使用できるものの、ピッチングマシンFPM-103では、発射部分の構造上、使用することができない。 シャトルマシン、登場! ミートポイントボールを使うFPM-103、FTM-401と並び、長くヒットを続けているマシンがある。スピードシャトルマシン、FSSM-221。スピードシャトルFSS-6(6個入り)、FSS-405MK(40個入り)などを使用するマシンだ。ミートポイントボール同様、スピードシャトルが先行商品としてあり、それを自動的に発射できるマシンを──という要望に応えて誕生した。 野球練習のための専用小型シャトル バドミントンのシャトルを使った「シャトル打ち」の練習は、少年野球選手が自宅でできる練習として、以前から比較的浸透していた。狭い場所でもでき、親に投げてもらうなど、手軽にできるのが理由だ。 フィールドフォースがまず取り組んだのは、野球練習用に特化したシャトルの製作。水鳥の羽根とコルクでできたバドミントン用シャトルに比べ、小さく軽く、耐久性に優れ、なおかつ安定した飛行性能を持つ──という目標を持って開発に当たった。そして、羽根部分をナイロン、コルク部分をミートポイントボールと同じEVAで成形することで、打撃練習にちょうどよいサイズ感と重量、耐久性、飛行性能を持ったものを完成させた。 具体的にいえば、羽根部分を小型化し、空気抵抗を減らしたことで、投げるときにはバドミントン用よりもよく飛び、コルクをEVAに置き換えて反発性を低く抑えたため、打球はバドミントン用よりも飛ばない、という特性を持たせることに成功したのだ。 この打撃練習用シャトルが、発売と同時に、爆発的なヒットを記録した。そして、このヒットを契機に、ユーザーからの待望論に応える形で、シャトルを自動的に発射してくれるマシンの開発・製造に取り組んだのだった。 当然ながら、シャトルは球体ではないため、これまでのピッチングマシンに比べても難易度ははるかに高い。それでも、EVA部分を左右ふたつのウィールで挟み、はじき出すことで、まっすぐに飛ばすことができる機構が完成。さらにいえば、手で投げるより安定した軌道で飛ばすことに成功した。 こうして誕生したのが最初のスピードシャトルマシン、FSSM-220。これも大ヒットを記録したが、2024年、発射間隔を2段階(約6秒間隔と約8秒間隔)で選べるようにし、後発商品であるLEDスピードシャトルFSSLED-5(シャトルの内部にLEDを内蔵し、夜間でも見えるようにしたヒット商品)に対応するなどしたFSSM-221にバージョンアップし、現在もヒットを続けている。 これからも「変態的」商品を! フィールドフォース本社の商品開発室には、小さな横断幕が掲げられている。 いわく、「パートナー不要 省スペースで最大限の練習効果を! 痒い所に手が届く マニアックで独創的な商品開発」 フィールドフォースの商品開発における姿勢を端的に表すテーマである。 が、記憶とは少し違っている。 当ホームページにある「社長あいさつ」の中に、その答えがあった。「前例にとらわれずに『かゆいところに手が届くマニアックで変態的(独創的)な商品』を企画開発、リリースしていきたい」 そう。そして、かつては「(独創的)」もなく、単に「マニアックで変態的な商品」と言っていたはずである。 今回、取り上げたマシンたち、とりわけミートポイントボールとスピードシャトルを投げてくれるマシンは、「ピッチングマシン」というカテゴリーで考えるなら、かなり「変態的」な商品といっていいのではないだろうか。スピードシャトルなど、そもそも球体ですらないものを、コントロール良く投げてしまうのだから……。 そんなマシンたちだが、いずれ劣らぬ、フィールドフォースの看板商品に育ち、いまでは定番商品である。 今後も増えてゆくであろう、フィールドフォースの変態的な定番商品。ぜひ楽しみにしてほしい。
vol.3 “変態的”商品が定番に ピッチ...
![[vol.2]いまも進化を続けるフィールドフォースの代名詞](http://www.fieldforce-ec.jp/cdn/shop/articles/AR_d2339a44-1b4f-4646-9559-e26a31311c6d.jpg?v=1748511466&width=533)
[vol.2]いまも進化を続けるフィールド...
前回取り上げた、バッティングネット、穴あきボールに始まり、これまで数多くの少年野球選手向け練習ギアを開発、販売してきたフィールドフォース。その中で、ブランドを象徴する商品を選ぶとしたら、やはりこれだろう。 トスマシン・オートリターン。 野球少年たちの「ひとり練習」シーンに革命を起こしたといってもいい、この商品。ユーザーの声、新たなアイデアを取り込んで進化を続けているという点においても、フィールドフォースらしさがつまっている。初登場から15年以上を経た現在も、押しも押されもせぬ大人気アイテムだ。 「これ、使ってるよ!」 2023年から、フィールドフォースとパートナーシップ契約を結んでいる、現・野球日本代表「侍ジャパン」監督の井端弘和さんと、フィールドフォース社長・吉村尚記の出会いは、トスマシン・オートリターンがつないだ偶然だった。「イベントか何かで、ここ(ボールパーク足立)に来たんですよね。で、商品を見せてもらっているときに、『あ、これ。ここで作ってたんだ』って思ったのが最初で」 井端さんは、個人的にオートリターンのユーザーだったのだ。「インターネットで見つけたんですよね。息子が1年生の頃か、もっと前か……。まだボールを投げるとか、打つとか、まともに野球ができるようになる前でした。打ったボールを自動的に回収してくれて、結構、思いきり打っても大丈夫で。ボールを拾う面倒がないから、子どもはただ打っていればいい。飽きることなく、ずうっと楽しそうにやってましたよ」 懐かしそうに振り返るのだった。 ただそれだけの会話に終わらず、その後もフィールドフォースとの付き合いは続く。現在も代表監督などで忙しい時間の合間を縫ってボールパークを訪れ、商品開発へのアドバイスを惜しまない。こんなところにも、井端さんの人柄がよく表れているのではないか……。 オートリターンが誕生するまで フィールドフォースが初めて作ったトスマシンは、FTM-251という商品だった。これは、穴あきボールFBB-20を使い、自動的にトスを上げてくれる機械を──という意図で作られたものだった。「F」はフィールドフォース、「TM」は「トス・マシン」。分かりやすい。ただ、「251」という数字はについては、説明が必要だ。 移動型ネットや穴あきボールから、オリジナルブランド商品の販売をスタートさせたフィールドフォースが、初めて手がけた「マシン」、つまり機械仕掛けの練習ギアは、FPM-151という型番の商品だった。「PM」はピッチング・マシンを表し、「151」の数字は、ボールを15mの距離まで飛ばすことができる、という意味であった(末尾の「1」は1号機の意味)。 しかし、このマシン、FPM-151は人気が出なかった。吉村が振り返る。「今となって振り返ってみれば、中途半端だったのかなと思いますね。個人向けの商品でありながら、自宅で使えるスペックではないですからね」 こうして、ヒット商品にはならなかったFPM-151だったが、商品開発の面でいえば、その持つ意味は大きかった。FPM-151の(商売的な)失敗を教訓として、フィールドフォースの打撃練習用マシンは、主に個人練習を前提にしたトスマシンと、チーム練習での使用を想定した本格的なピッチングマシンという方向に二極化し、現在のラインアップが形成されてゆくのだった。 話を戻すと、FTM-251の「251」は、「FPM-151」の進化形という意味で、世代をひとつ増やす意図で付けられたものなのだった。 ヒットせずとも、独創性は次世代へ こうして誕生したFTM-251だったが、こちらも売り上げの伸びは今ひとつだった。 まだこの段階では、トスマシンとネットは、独立した製品。ユーザーの側でFTM-251とバッティングネットFBN-2016Nを買い揃え、ふたつを一緒に使うことにより、省スペースでの打撃練習を可能にしていたに過ぎない。もちろん、これだけでも画期的ではあったのだが……。 やがて、バッティングネットはFBN-2016Nを進化させた形で、ボールがネット下部を転がり、一カ所から落ちることで、ボール拾いを省力化し、少数のボールによる繰り返し練習を可能にする「オートリターン」機能を付けたFBN-2016ARが登場する(型番末尾の「AR」はオート・リターンの意味)。間もなく、その仕組みを応用、転がり落ちたボールがトスマシンのレールへと導かれ、マシンへのセットと発射を自動的に繰り返すことで、少ないボールで打ち続けることができる「トスマシン・オートリターン」FTM-261ARが登場することになる。「これなら狭い場所でも、理にかなった練習ができる。これまで目指してきたものが、ようやく形になった。この商品は自分なりに、画期的なものができたんじゃないかという手応えがありました」 このFTM-261ARについては、吉村は発売に先駆け、知的財産登録を行った。それだけ自信があり、この商品にかける思いが強かったのだ。 実のところ、FTM-251までは、フィールドフォースの商品として販売すると同時に、スポーツ量販店のプライベートブランド商品としても卸していた。「でも、オートリターンはフィールドフォースブランドだけで行こうと決断したんです。これは自分の中でも、ターニングポイントでした」 こうしてリリースされたFTM-261ARは、ネット通販普及の時流にもうまく乗った。使用風景の動画を付け、ネット上で商品アピールをしたことで、大ヒットを記録するまでに。そして、トスマシン・オートリターンは、フィールドフォースの代名詞といえるまでの存在になっていったのだった。 マイナス評価を進化につなげる ただ、そのFTM-261ARも、手放しでユーザーから高評価を得たわけではない。「ネット通販には、商品を評価する、レビューのシステムがありますよね。やはり、中には、マイナス評価も寄せられるんです」 吉村が当時を振り返る。 中には、追加説明によりユーザーを納得させたものもあった。「例えば、部屋の中だからと力を加減し、弱いボールを打ち返すと、うまくボールが転がらず、マシンのレールまでボールが転がらないことがあるんです。そんな場合は、しっかり振り抜いてください、と。うまくボールが戻ってこないという場合は、力強くボールを打ち返してくれるだけで解決することが多いんです」 電源周りに対する意見も多かった。 現在、乾電池は100円ショップなどで安く買うことができるが、快適に使うためには、少し値の張るアルカリ乾電池が必要だったのだ。「FTM-251は、オプションのACアダプタがなく、乾電池専用でした。だから、電池関係の意見は多かったですね。安価に揃えられるマンガン電池では、わりと早い段階でパワー不足になってしまう。すぐに、『アルカリ電池推奨』の説明文を加えることにしました」 その教訓も生かし、FTM-261ARでは、オプションでACアダプタを商品化した。「ですが、ACアダプタで使うとなると、今度はコンセントのない屋外では使いづらくなる。痛しかゆしというところです。そんなこともあって、電源問題は長く課題ではありましたが、現在はスマホなどを充電する、モバイルバッテリーにつなぐアダプタを製品化したことで、安定した電源も含めて、持ち運べるようになった。これでおおよその電源周りの不満には対応できたんじゃないかと思っているんです」 必要は発明の母──。「マイナス評価は、我々にとって、大きな財産でもあります。指摘された問題点を改良することで、商品をより良いものにすることができるわけですから」 その後、トスマシン・オートリターンはFTM-261ARの次世代機として、ネットのフレームをスチールからグラスファイバー製に変更、フレーム全体のしなりにより衝撃吸収性を高めると同時に、組み立て・分解、持ち運びも容易にしたFTM-263ARが登場。さらに、ネットの高さを調節できるようにしたFTM-264AR(これには「オートリターン・エボリューション」の名がつけられた)、ネットのサイド部分をブラックに統一し、ここまでの進化の集大成として、モバイルバッテリーアダプターと同時発売されたFTM-270ARを経て、現在は、ネットをこれまで使用されていた、ポリエステル素材の格子状のものから、さらに衝撃吸収性に優れたポリエチレン製のシート素材に変更し、軟式球でのピッチング練習も可能にしたFTM-280ARへと、止まることなく進化を続けている。 面白いのは、どのバージョンも、先行製品が十分に売れている最中に、リリースされていることだ。 100点満点の製品はない。たとえ今、ヒットしている製品であっても、常に改良すべき点はあるはずなのだ──。 一番、うれしい瞬間 不意に、吉村がこんな質問を投げかけた。「いろいろな練習器具やマシンを作ってきて、一番、うれしい瞬間って、どんなときだとと思いますか?」 最近では、高校や社会人、プロ野球球団とのつながりも増えているフィールドフォースだが、吉村にとって、最もうれしく感じる瞬間というのは、今も昔も、変わらないのだという。「お客さんにね、言われることがあるんです。『自分が子どものころに、こんなのがあったらなあ』って。中にはね、『これあったら、僕、プロになれてましたよ』なんていうのも。そんな言葉を掛けていただく瞬間なんです」 これこそが商品開発にかける吉村の思いの原点であり、フィールドフォースの存在理由を端的に示す言葉でもある。「自分よりも前に、誰もやっていない。新しいものを生み出している、ということですからね。もう、心の中でガッツポーズです」 今後もユーザーの、この一言のために、フィールドフォースの「ものづくり」は続いてゆくのだ。
[vol.2]いまも進化を続けるフィールド...
![[vol.1] 少年野球の練習風景を変えた2つの商品](http://www.fieldforce-ec.jp/cdn/shop/articles/1_ccb3ff47-13a3-475e-9150-89b5f75d8e7f.jpg?v=1747903799&width=533)
[vol.1] 少年野球の練習風景を変えた...
2006年10月末──。いまから19年前、「プレーヤーの真の力になる」という経営理念そのものを社名としたフィールドフォースは、東京都足立区で産声を上げた。 創業当初は、主にスポーツ量販店のプライベートブランド商品OEM(他社製品の委託製造)を行っていたフィールドフォースだが、ほどなく、自社ブランドでの用品製造をスタートする。 ほぼ同時に発売された、記念すべき、ふたつの自社オリジナル商品第1弾は、フィールドフォースというブランドを象徴するにふさわしい、レジェンド商品となった。 気軽に持ち運びできるネットを! 「フィールドフォース」ブランドで世に送り出された第1弾製品のひとつは、FBN-2016Nと型番がつけられた、打撃練習用防球ネットだった。 それまで、バッティング練習に使う防球ネットといえば、2m×2mといった大きさの、ガッチリ溶接されたスチール製の頑丈なフレームにネットが張られ、そのネットの真ん中を円形にくり抜き、その丸い部分に、吹き流し状の集球袋(ネット)を付けた形が一般的だった。 しかし、この防球ネットを使えるのは、現実的には、専用のグラウンドを持つクラブなどに限られる。硬式ボールでの使用を前提に設計されているため、強度は申し分ないが、とにかく大きく、重いのだ。中にはキャスター付きで、「移動型」と名がついたものもあるが、それもせいぜい、グラウンド内で数mから十数mの距離を動かして使うことしか想定されていない。 当時、専務だった吉村尚記は常々、防球ネットについて、こんなことを考えていた。「溶接された完成形のネットは、とにかく大きく、重い。もっと気軽に持ち運べる形にできないだろうか。それに、中心部だけが集球面になっているネットでは、その真ん中に打ち返す練習しかできない。ネット全面に打ち返すことができるものは作れないか」 コスト面についても、思うところがあった。「この重さと大きさでは、宅配便で送ることもできない。運ぶにはおそらく、トラックをチャーターする必要があるだろう。そのための人員も。これでは、運搬費だけで商品代より高くついてしまう……」 こうした問題点を、吉村は「軟式ボール専用」と割り切ることでクリアした。フレームは溶接ではなく、パイプに凹凸を付けた組み立て式とし、フレーム用の金属パイプとネットに使う縄を、ともに硬式ボール用よりも細いものに。結果的に、この変更によって、分解した状態ならば、宅配便で届けられる段ボール箱に収まるサイズとなり、より軽量に仕上げることができたのだった。 集球面については、平面のネットに足をつけた形の、旧来のデザインではなく、フレーム全体を後ろから支える支柱をつけ、横から見ると縦長の三角形のような形にすることで自立させ、ネット全体に奥行きを持たせることで浅い袋状とし、全面でボールを受け止めることができる設計とした。 発案から試作を経て、完成まで、わずか1カ月。「中国の工場とのやり取りだったんですが、とにかく早く作り上げたかったので、試作品はFedExで送ってもらって」 好きな言葉に、孫子が残したとされる「巧遅拙速に如かず」。現在も変わらない、フィールドフォースのスピード感は、こんな吉村の性分によるところが大きい。 こうして気軽に持ち運び、使う場所で組み立てて使用できるバッティングネットが完成した。 ちなみに、フィールドフォースの商品に付けられた型番は、すべて法則がある。FBN-2016Nを例に挙げると、「F」はフィールドフォース、「B」はバッティング、「N」はネット。数字の2016は「高さ2メートル、幅1.6メートル」のサイズを表している。最後の「N」はノーマルの意味だ。 少年野球の練習の定番に! 穴あきボールの誕生 もうひとつ、FBN-2016Nのリリースと時を同じくして発売した商品がある。FBB-20(20は「20個入り」の意味)、蛍光イエローの「穴あきボール」である。 フィールドフォースが創業した当時は、折しも、全国各地の公園における「ボール遊び禁止」、「野球禁止」が大きな話題となった時期であり、普段、学校の校庭を使うチーム練習でも軟式ボールを思いきり打つことができない、あるいは、大会における試合前の練習でも、実球を使ったフリー打撃は禁止される、といった事例が増えていた。 いずれも理由は「危険だから」。もはや、かつて放課後にグラブとバット、ボールをもって仲間たちと「空き地」に集まり、野球に興じた、そんな牧歌的な風景はない。決して広くないスペースに、子供からお年寄りまで(中にはベビーカーで幼児を連れた夫婦もいるだろう)様々な人たちが集う、公共施設としての「公園」では、自由に野球をすることもかなわないのだ。 そんな制約が多い環境下、学童野球の選手たちは、どこで、どんな練習をすればよいのか……。「思い浮かんだのは、ゴルフでした」 吉村が回想する。 ゴルフでは、自宅などでの練習用に、プラスチック製などの練習用ボールがある。野球でも、同じような環境を作り出せないものか──。ただ、野球用に同じプラスチック製のボールを作るとすると、硬くて人に当たればそれなりに痛いし、なにより、すぐに割れてしまう……。 そうした思案の末に誕生したのが、「穴あきボール」だった。 ポリエチレンに発泡素材のEVA樹脂を調合することで、「柔らか」で「軽く」、「耐久性もあり」、さらに穴あきにすることで「飛ばない」ボールを作り出すことに成功したのだ。軟式の実球とはもちろん異なるが、バットで打ったときの「打感」もそこそこある。また、これも実球と同じとはいかないものの、単に素振りをするよりも、ずっと実践的な打撃練習ができる。加えて、手軽であるがゆえに、パートナーである投げ手(あるいはトスの上げ手)の負担が少なく、実球を使った練習以上のペースで「数をこなす」練習ができるという利点もあった。 快進撃は量販店の一角から始まった こうして製品化されたFBN-2016NとFBB-20。当時はまだ、インターネットを使った通販は、さほど普及しておらず(2000年にオンライン書店として日本でサービスを始めたAmazonがその後ストアを増やし、「Amazonプライム」を始めたのは2007年、Appleが日本で販売した最初のスマートフォン「iPhone 3G」をリリースしたのは2008年のことだ)、販路は、かねてからプライベートブランドのOEMなどで付き合いがあり、さらに、このフィールドフォース商品の価値を認めてくれた、「スポーツオーソリティ」店舗での販売に限られていた。 どちらの商品も、当初はさほど注目されなかった。フィールドフォース商品の「かゆいところに手が届く」感覚は、実際に使用してこそ。商品棚での陳列、つまり商品の外観だけでは、アピールポイントもユーザーには届きづらい。箱入りで売っていたFBB-20などは、化粧箱の外からボールに触れ、その柔らかさを実感できるように、箱の側面を丸く切り抜くなど、パッケージデザインも見直しながら、販売を続けた。 苦戦からのスタートではあったが、スポーツオーソリティが全国の店舗で扱ってくれたことは大きく、爆発的ではないものの、その使い勝手の良さは徐々に認知され始めた。 やはり、使えば分かるのだ。口コミはもちろん、実際に使用する別チームの練習風景を見た少年野球指導者たちは「なんだ、あれは」ということになる。そうして、2商品は販売数を伸ばしていったのだった。 現在、社長となった吉村が振り返る。「このふたつを商品化したことで、会社の将来に光が見えた気がしたんですよね。迷いがなくなったんです。この方向で行けば、間違いないだろうと」 変わらない穴あきボール 進化し派生商品を生むバッティングネット フィールドフォース商品の「礎」となった、FBN-2016NとFBB-20。FBN-2016Nは、改良を加えた「FBN-2016N2」として、FBB-20はフィールドフォースのロゴが刻印された以外はまったく変わることなく(これはフィールドフォースの商品としてはきわめて珍しい)、現在もベストセラーとして、商品ラインアップに堂々と君臨している。 2商品のヒットで自信を深めた吉村も、「正直、ここまでの成果を期待していたかといえば、そうではなかったんですけどね。想像以上でした」 と当時を振り返る。 事実、この2商品は、誕生から19年の間で、少年野球チームの練習風景を変えた、といっても過言ではない。持ち運びできるバッティングネットも、蛍光カラーの穴あきボールも、いまや、どの河川敷でも見かけないことはない。大げさに言えば、少年野球に「新たな練習法」をもたらしたのだ。 優れた商品が開発者、あるいは作者の手を離れ、ひとり歩きを始めるように人気を博し、そこにユーザーの発信力や創意工夫も加わることで、さらに爆発的ヒットに発展する……というケースがまれにある。FBB-20などは、その好例といえるだろう。「そうですね……。一昨年、足立区から移転した、この柏の葉本社も、考えてみたら『穴あきボール御殿』なのかもしれません。ははっ」 FBN-2016Nの進化形で、FBN-2016ARというバッティングネットがある。型番末尾の「AR」はオート・リターンの意味。集球ネットの下部に、傾斜をつけられるシートがついており、傾斜を転がったボールが底に開けられた穴から落ちることで、一カ所に集まる構造になっている。これを使えば、いままでトスを上げていたパートナーが、打ち終えたボールを拾い集めることなく、数少ないボールでも打撃練習を続けられることになる。 この仕組みは、バッティングマシン、トスマシンなどと組み合わせた「オートリターン」シリーズへと引き継がれてゆく。また、バッティングネットもスチールフレームのものだけではなく、衝撃を自らの柔軟性で受けとめる、グラスファイバー製フレームを採用したもの、ネット自体に、より衝撃吸収性の高い素材を使用したものが登場するなど、こちらも続々と、異なるアイデアを加えた次世代商品が生まれている。 進化はさらに続く 当初「家のガレージのスペースでできる」練習を目指して作り始めた練習用ギアたちは、「家の中でも練習できる」ものへと変化を遂げ、さらに、パートナーなしでも「ひとりで」練習できるものまで登場。「省スペースで最大限の効果を」という開発コンセプトのもと、そのラインアップは現在も日々、「巧遅拙速に如かず」のスピード感で、進化を続けている。
[vol.1] 少年野球の練習風景を変えた...

【外野手用】女子野球選手向けグローブを開発...
男性を基準につくられたグローブ(グラブ)が当たり前…女子野球選手は、そんなグローブをなんの疑いもなく使っている日々… 特に【外野手用グローブ(外野手用グラブ)】は、その特徴からただでさえ大きく長いので、扱いきれていない女子選手がほとんどです。 そのため、外野手でありながら内野手用やオールラウンド用を使用しているという選手も少なくありません。 そんな現状を変え、女子野球の外野手も最高の守備力を発揮できるよう開発された≪女子硬式野球選手向けの外野手用グローブ(グラブ)≫があります。 新型開発:フィールドフォース/Glom(グロム) グラブ工房長 プロデュース:フィールドフォース 女子野球出身 女性社員 2024年8月25日更新 目次 女子野球における外野手の特徴 最適なサイズの外野手用グラブを目指して 現役選手&指導者の声 同シリーズの内野手用グラブ 商品ページへ vol.1記事→ コチラ vol.2記事→ コチラ 女子野球における外野手の特徴 これは女子野球に限らずですが、チーム事情によっては「本来は内野手(もしくは他のポジション)だけど、今年は外野手として試合に出ることになった」という状況が多々あります。 同じポジションに上手な先輩がいる、バッティングを買われてメンバー入りの可能性がある…等々、外野手としてチームの戦力となるパターンです。 特に女子硬式野球でも、今までの実績や実力があり進学した先で「自分たちの代では内野手(もしくは他のポジション)で主力となる選手が、1・2年生のうちは外野手として試合に出る」という選手は非常に多いです。...
【外野手用】女子野球選手向けグローブを開発...

【内野手用】女子野球選手向けグローブを開発...
男性を基準につくられたグローブ(グラブ)が当たり前…女子野球選手は、そんなグローブをなんの疑いもなく使っている日々… そんな現状を変え、女子野球選手がより "シンプル" に "スムーズ" に本来の実力を発揮できるようになってほしい!という想いで生まれた≪女子硬式野球選手向けのグローブ(グラブ)≫があります。 新型開発:フィールドフォース/Glom(グロム) グラブ工房長 プロデュース:フィールドフォース 女子野球出身 女性社員 ※初回生産分は早々に売り切れ、第2次生産の限定モデルが完成しました。 2024年8月8日更新 目次 女子野球選手の特徴 操作性を求めて 女子向け内野手用グローブ クラブ職人と女性社員がタッグ 型付けも女性の手で ご注文ページ 井端弘和さんにも評価していただいた開発vol.1の記事は→ コチラ 外野手用の新型については→ コチラ ...
【内野手用】女子野球選手向けグローブを開発...

全ての野球選手に「良い球が投げられる喜びを...
野球選手にとって "いい球を投げる" ということはピッチャーだけに限らず、野手にも必要不可欠な要素です。 今回のブログでは、野球動作改善専門のプロ施設で生まれた "いい球を投げる" ことができるようになる『ロケットリリース・発射バンド』という投球練習用品の開発秘話をご紹介します。 2024年6月17日更新 目次 ロケットリリース・発射バンドがうまれた理由 イメージを形にするためのサンプル作り ロケット発射のような鋭く弾くリリースを身につける ロケットリリース習得の仕組み 小学生からプロ野球選手まで使えるバンド 相澤代表からのメッセージ ロケットリリース・発射バンドがうまれた理由 「スナップを使って投げろ」「手首を柔らかく使って投げるんだよ」「速い球を投げるためにお風呂の中で手首を振って鍛えろ」 と指導された経験はありますか? その指導通りにボールを投げると…『ボールが抜けたり、引っ掛けたり』してしまったことはありませんか? ボールを離す瞬間の動作や力の伝え方とは何が正しいのか。指先の感覚的なことも含まれるリリースポイントだけに、言葉で伝えることは容易ではありません。 そこで開発されたのがこの【ロケットリリース・発射バンド】です。 このロケットリリース・発射バンドを装着すれば、実際のプロ野球投手が感じている『力の伝え方』や『ロケットの発射のような "鋭く・弾く" リリース動作』を実感できます。 速い球をコントロールよく投げられる選手の感覚を、小・中学生のうちに体験できることは野球選手にとって財産です! 正しい力の伝え方を習得して、無限の可能性を開花させてください。...
全ての野球選手に「良い球が投げられる喜びを...

【開発秘話】バッティングのタイミングを極める
"タイミング力" に着目 野球のバッティングにおける重要なポイントはいくつかあります。 フォーム スウィングスピード タイミング 間 ミート率 バットの角度 パワー 等々 その中でも "タイミング" に着目し、投手が投げてくるボールに対してタイミングを合わせ、ミートする技術を上げるための野球練習用品…唯一無二の野球練習ギアが誕生しました。 2023年11月22日更新 目次 タイミングの重要性 タイミング力を身に付けるには 開発のスタートはゲーム 井端弘和氏のアドバイス タイミングマスターの効果 商品購入 タイミングの重要性 いくら振る力・飛ばす力があっても相手投手の投げるボールに対して、自分自身のスウィングのタイミングが合っていなければ、そのパワーは発揮されません。 バッティング練習で指導者がバッピ(バッティングピッチャー)をしてくれる時のように、「打ちやすいボール」「打たせてあげようというボール」は試合では絶対にきません。 高さやコースを工夫して打ち取りに来るだけでなく、『タイミングを崩してでも』打ち取ろうとしてくるのです。 そんな実戦に向けて、最適なミートポイントでボールを捉えるタイミング力(タイミングを合わせる能力)を高めることが、好打者になる必須条件になります。 タイミング力を身に付けるには 特に空振りやファールになったときに「タイミングが合わなかった…」と反省することも多いですよね。...
【開発秘話】バッティングのタイミングを極める

女子野球選手向けグローブを開発vol.1
こだわったのはデザインじゃない まず初めに記載しておきたいことは… 今回開発した女子野球選手向けのグローブ(グラブ)でこだわり抜いたポイントは… 見た目やデザインではなく、捕球のための機能性であるということです。 グローブの機能性に関して、記事の後半で井端監督にも評価していただいています。 2024年8月25日更新 ※初回生産分完売に伴い第2次生産を行いました 現在販売中の詳細はvol.2記事をご覧ください→ コチラ 目次 デザインではなく捕球を重視 親指~小指までの操作性 手口のフィット感は当たり前 さまざまな捕球でテスト 井端監督からもうれしい評価を 女子野球出身の社員がプロデュース 商品ページへ デザインではなく捕球を重視 2010年頃から女子野球界は急速に発展しており、学童~一般まで女子野球選手の数も年々増加しています。 野球用品やグローブ、ウェアにおいて「女子用」「女子選手用」「女子モデル」そんなキャッチコピーで販売されているものには… 〇女子っぽいカラーリングやデザイン 〇女子向けに小さくしたり細くした仕様 と、見た目や安易な特徴を打ち出したものが多く存在します。 \ではなく/ 今回新しく型から開発した女子硬式野球選手向けのグローブは、カラーリングやデザインではなく、選手に1番求められる『捕球のしやすさ』を追求しました。...
女子野球選手向けグローブを開発vol.1

豚革ってどんな革?
特徴を"超簡単"解説 野球のグローブに豚革が適している? 軟式ボールとの相性が抜群で学童野球におすすめ? ここでは豚の革はどのような特徴があるのか。なぜ野球のグローブに使用したのか。わかりやすくご紹介します。 2023年12月1日更新 目次 豚革の4つの特徴 なぜ軽いのか? なぜ丈夫なのか? なぜ柔らかいのか? なぜ通気性がいいのか? グローブ用として 豚革の4つの特徴 なにより軽い さらに丈夫 そして柔らかい 実は通気性も良い そもそも皮じゃなくてなんで革っていうの?と疑問に思う方もいるかもしれません。 皮=未加工の状態 革=製品用に加工した状態 このように呼び名が使い分けられています。 なぜ軽いのか? それは『豚革は厚みがなく薄いから』です。 豚の皮は全体が乳頭層でできていて、すぐに皮下組織(脂肪など)になるので、革として使用する部分は薄いのです。 ...
豚革ってどんな革?

【野球】ピッチングマシンの選び方│メリット...
ピッチングマシンとは 野球の練習において、投手が投げる球を想定した実戦的なバッティング練習ができるマシンです。 大きさや種類もさまざまで、それぞれに特徴や適した練習目的があります。 今回はそんなピッチングマシンの "あれこれ" をご紹介します。 2024年4月12日更新 目次 大きく分けて2種類 ウィール式マシンの特徴 アーム式マシンの特徴 一般的な価格について フィールドフォース製マシン導入事例 小型?中型?比較 守備練習での使い方 まとめ 大きく分けて2種類 現在主に流通しているピッチングマシンは大きく分けて2種類になります。 ※ほかにもエアー式(空気で発射)もありますが、市場の流通は少ないので今回は割愛します ウィール式(ドラム式とも呼ばれます) 回転する2つもしくは3つのウィール(ローラー)でボールを押し出して発射するタイプ アーム式 ハンド・アームと呼ばれる回転するパーツにボールを乗せて発射するタイプ それぞれに特徴や使用するシーンでのメリット・デメリットがあるのでご紹介します。...
【野球】ピッチングマシンの選び方│メリット...

【開発秘話】女子野球選手の想いを形に
現役女子高生たちが勇気をもって提案 高校生が企業へ商品提案をする。それがどれほど緊張し、勇気のいることか… そのためにどれほどの時間を使い、準備をしてきたか… 思い切りプレーができる下着やアンダーシャツを開発したい。その想いからたどり着いたのは≪更衣室≫でした。 野球用品メーカー フィールドフォースの会長と社長の心をも動かした素晴らしいプレゼンを経て、ついにその想いが形になりました。 ※プレゼンの様子はこちら 軟式女子野球部と共同開発 今回共同開発をさせていただいたのは中京大学附属中京高等学校の軟式女子野球部のみなさんです。 ここ数年、高校女子硬式野球は春の全国大会決勝戦は東京ドーム、夏の決勝戦は甲子園で行われ、メディアに取り上げられることも多くなってきました。 女子硬式野球部を持つ高校も激増し2023年の夏の大会にはなんと58チームが出場しています(現時点では地区予選はなく全チームが全国大会へ出場) そんな中、中京高校は数少ない女子の”軟式”野球部として活動しているのです。 女子野球の環境を良くしたい 高校野球プレゼンテーション大会(通称「オンライン甲子園」)で掲げた『女子野球革命宣言』の一つとして商品開発に取り組み始めました。 きっかけは同部活の土井監督からフィールドフォースの社員:小林に届いた一通のメールからでした。 1.商品開発についてヒアリングをさせていただけるか 2.商品開発の流れを生徒たちに教えていただけるか 3.共同開発がお願いできるか まずは 1. 2. について、女子選手向けのスライディングパンツを開発した経緯(詳細はこちら)、その時の苦労や問題点の解決策などを、オンラインミーティングで直接お話させていただきました。 そして、ここから共同開発が始まります。 まずは、現在の女子野球環境における問題点、悩み、不満、改善点、こんなものがあったらいいのにな。というアイデアを現役女子高生の選手たちからリストアップしてもらったのです。...
【開発秘話】女子野球選手の想いを形に

【開発秘話】投げながら下半身の体重移動を習...
BBMCとフィールドフォースの共同開発 第一弾! 兵庫県西宮市で動作改善と故障を同時に解決できる野球専門プロ施設「ベースボールメディカルセンター(BBMC)」代表:相澤一幸氏とフィールドフォースが共同で野球練習用品を開発! 下半身の使い方に悩む全て選手の救世主となり、軸足のタメや体重移動の習得ができる改善アイテム『POWER STANDBY』を詳しくご紹介します。 2024年1月31日更新 ~Profile~ プロ選手から小・中・高・大・社会人選手まで、野球の技術や怪我に悩む選手を技術と治療の両面からサポート。その実績が認められ阪神タイガースの臨時コーチも2年間務める。スポーツ医学と独自の『バネ投げ』を取り入れた科学的根拠のある動作改善を、選手個々の身体特性にあわせて指導することで数多くの実績をあげている。 目次 POWER STANDBY(パワースタンバイ)とは POWER STANDBY(パワースタンバイ)の秘密 開発ストーリー 相澤氏よりメッセージ POWER STANDBY(パワースタンバイ)とは 少年野球チームや中学硬式・軟式野球チームでは頻繁に「下半身が使えてない」「軸足にタメがない」「体重移動が出来てない」というアドバイスや指導が飛び交います。実際のところ「下半身の何が出来れば、下半身が使えていることになるんだろう…」そんな悩みを解決するために形にしたのが今回ご紹介するイス 『POWER STANDBY』 です。 このPOWER STANDBYは投球動作に必要不可欠なステップ=『力を出す為の準備動作』であり、ステップの本質である「勢い・開かない・目標物に近く」を目的に作られています。骨盤前傾ポジションを始め、軸足のタメや体重移動の習得ができる改善アイテムなのです! 下半身の使い方に悩む全て選手の救世主となり、お父さんとお母さんと一緒に自主練習も可能にするPOWER STANDBYで理想フォームを手に入れよう! POWER STANDBY(パワースタンバイ)の秘密...
【開発秘話】投げながら下半身の体重移動を習...

【開発秘話】究極のバットコントロール習得へ
バットコントロールって何だろう? バットに当てるのが上手な選手のことか、空振りをしない選手の事を指すのか。確かにそうかもしれないが… それにプラスして、打ちたい所にイメージ通りに打てる技術のことを”究極のバットコントロール”と言えるのではないでしょうか! \飯塚氏とのコラボ開発/ 2000年のシドニー五輪に日本代表選手として出場、そして社会人野球の強豪 NTT東日本硬式野球部の前監督である飯塚智広氏の言葉を紹介します! バットコントロールの真髄 2000年シドニー五輪に選ばれ、プロ野球選手の打撃練習を間近で見ていて凄さを感じていました。 その中でも一際輝いて打撃をしていた選手がいました。 その選手の名は松中信彦氏。平成唯一の三冠王の打撃には衝撃を受けました。 フリーバッティング中、なんと松中氏は同じ打球をずっと打ち続けていたのです。 しかも、いとも簡単にです。 まさに打ちたいように打っている姿は僕だけではなく、対戦相手の各国の選手からも拍手が沸くほどの見せ物(まさにショー)でした!と書けばその凄さが皆様にも伝わるでしょうか? バットコントロールとはなんぞや?の答えが一気に見つかりました。 それは 打ちたい所に打ちたいように打つ! でした。 (バットコントロールについて議論する飯塚氏とフィールドフォースの吉村社長は高校野球部時代の同級生) 身近でその『究極のバットコントロールを体得することが出来るギア』ってなかなかないかもしれない…と考えた時に、子どもの頃、時間を忘れ夢中で遊んでいた壁当てを思い出しました。 考えは至ってシンプルです。 投げたい所に投げたいように投げる。 このシンプルな考えをバッティングに置き換えました。 打ちたい所に打ちたいように打つ。 そんな練習用品があれば、まさに時間を忘れ夢中でバットを振るのではないか?と、商品化に向けて飯塚氏と社長の吉村は開発を進めました。 バックネットなどに取り付けるだけで、1~9の大きなターゲットを狙って打ち分けることのできるそんなシートの開発です! 完成した商品名は...
【開発秘話】究極のバットコントロール習得へ

【開発秘話】送球も重視した守備ネット
100%完璧な商品はない フィールドフォースの社長であり、野球練習ギアのアイデアマンである吉村の言葉です。 もちろん販売しているすべての商品は、情熱をこめて開発した自信作ではありますが、「もっとこうしたらよいのではないか?」「ここをもうちょっと変えたらいいのに」そんな声にも耳を傾け、常により良い商品を生み出すことや改良改善することを心がけています。 例えばこの≪移動式フィールディングネット≫はどうでしょうか? 高さ約150㎝という大きさだけでなく、脚にタイヤが付いていてグラウンドやチーム練習でも楽に移動ができるので、部活やチームユーザーにも人気の商品です。 昔はどこでもできていた「壁当て」が禁止される時代になり、壁ネット/フィールディングネット/守備ネットが商品として必要とされる時代になったのです。 これもまだ改良点があった すでに販売実績がある商品ではありますが、これにさらなる改善点を提案してくれたのが井端弘和さんです。 『たしかにこれ良いなぁ。でも…』 『横幅が少し狭いから送球の時にちょっと縮こまって投げちゃうなぁ』 繰り返し練習できる守備用のネットとして高評価をいただきながらも 送球 に着目したアドバイスです。 『もうちょっと横幅があればしっかり腕を振って投げられるからもっといい』 すぐにサンプル製作へ ここからのスピード感がフィールドフォースの商品開発の強みです! ・サイズ感の確認 ・フライやゴロ、バウンドの角度の確認 ポイントごとに意見交換を行い、高さ1.5m×横幅1.0mの商品は販売継続しつつ、さらにもう一回り大きいフィールディングネットを開発することになりました。 的が大きいから投げやすい 守備という大きな枠組みの中でも 送球 に悩みを抱えている選手、自信が持てない子ども達は非常に多くいます。 暴投してしまことへの恐怖や、相手が捕れなかったら怒られてしまうという不安もあると思います。 \1.5m×1.5mに/...
【開発秘話】送球も重視した守備ネット

【開発秘話】打率アップには短いバット
「引っ掛けたゴロ」を減らしたい ボールを引っ掛けてしまい、サードゴロ・ファーストゴロになってしまうという悩みは誰しもあるはず… 仮に1試合に3打席あるとして、すべて内野ゴロになってしまうという選手も少なくないと思います。 原因はいくつかありますがその一つとして挙げられることが ×ボールを迎えにいってしまうこと その結果… ×手打ちになり、打球は内野ゴロに そんな問題点を解決するトレーニングバット(練習用バット)を開発しました。 2024年1月31日更新 目次 問題を解決するために 独自性のある商品に 再検討 商品名は? ショートティーバット誕生 豊富な練習メニュー 問題を解決するために 極端に短いバットでティーバッティングをする練習が効果的ではないか?とボールパーク福岡勤務の社員から提案がありました。 バットが短い = ボールを体の近くまで呼び込まないと打てない = 体の近くでミートでき、力も伝わって打球も飛ぶ! ただし、バットの長さを短くすると上半身の開きを防ぎボールを体の近くに呼び込む意識づけはできるが、ただ短いバットではどこにでもある商品になってしまう。そんなモヤモヤがありました。 独自性のある商品に...
【開発秘話】打率アップには短いバット

【開発秘話】グラブ職人のノウハウを全野球人へ
職人の経験とこだわり さまざまな野球練習ギアやアイデア商品の印象が強いフィールドフォースですが、実は国内有数の機材を揃えた『グラブ工房』をもっています。 オーダーグラブ/ミットの生産が主ですが、購入いただいたグラブの型付けや使用しているグラブのメンテナンスの依頼もたくさん入ってきます。 作るだけじゃない! フルサポートするグラブ工房! そんな自慢のグラブ工房で指揮をとるのが中国のグラブ工場で修業した篠原工房長です(画像中央) ※グラブの製作についてはこのブログの後半でご紹介します 「まだまだ勉強中です」と日々謙遜する篠原工房長ですが、毎日毎日グラブと真剣に向き合う自身の経験とこだわりを商品として提案しました。 それがグラブの型付けに必要なグラブハンマーです。 そもそも型付けって? グラブを購入した際に「型付け」「湯もみ」「スチーム」などという単語を聞いたことがあるかと思います。 新品のグラブはガチガチに硬く、力を込めてもボールが掴めるほど握ることはできません。 大人であっても不安なくキャッチボールができる状態になるまでには時間がかかります。 ましては子どもの握力では使えるのは数か月後… そんな時に多くのスポーツ店で行っているのが先述した『グラブを握れるぐらい柔らかくする作業』なのです。 ボールを捕るために、各指の曲げたいところを叩きガチガチの状態から『握れるように曲がる癖』を付けていくのです。 この作業を行う際に使うのがグラブハンマーなのですが… 重量 形状 バランス 操作性 安全性 腕への負担 すでに世に販売されているものもいくつかありますが、すべてベストな商品にはなかなか巡り合えません。 ...
【開発秘話】グラブ職人のノウハウを全野球人へ

【開発秘話】商品開発力の秘密を大公開!
なぜこれほどたくさんのマニアック商品を 世に送り出せるのか? 野球業界では唯一無二のメーカーになりつつあるフィールドフォース。 他社とは違う商品群で勝負するワケは? 毎月数種の新規商品を販売開始できるワケは? 根強いファンも多いフィールドフォースの野球用品が生まれる秘密を大公開します。 \ブレないコンセプト/ たとえば『一人でも繰り返し打ち続けられる』そんな商品がオートリターン・フロントトスです。 今や世の中に数万台と販売実績のあるこの商品ですが、当初は「トスマシンから自動で穴あきボールが発射される」さらに「ネットに打ち込んだボールがコロコロと転がって自動でマシンにセットされる」そんな野球練習用品があるなんて!と衝撃を受けた野球ユーザーが大多数でした。 まさに≪痒い所に手が届く≫そんな『あったらいいなぁ』を形にした商品の代表です! 新社屋:柏の葉ベース3階が企画開発室 つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅から徒歩約20分の場所に、フィールドフォースの新しい本社兼室内練習場がそびえたっています。 まるでアメリカの野球場=ボールパークを彷彿とさせるレンガ調のおしゃれなドアから入ると… 1階は自社商品を扱うアンテナショップ、階段を上がり2階は室内練習場です。 そして3階は商品開発専用の企画開発室! 過去に商品化された数々のサンプルや、開発段階で壁にぶつかり商品化が叶わなかったサンプルまで、まるで歴史資料館のような空間です。 フィールドフォースの商品開発における流れは ①アイデア考案 → ②企画開発会議で提案 → ③サンプルアップ → ④確認/使用テスト → ⑤改良案作成 → ⑥改良サンプルアップ → ④~⑥の繰り返し → ⑦仕様確定 → ⑧生産開始 → ⑨販売準備 → ⑩販売開始 この中でも④~⑥が1回や2回のものもあれば、5回6回と繰り返しても納得のいく仕様にならないものもあります。 ここが難しさでもあり商品開発の楽しさでもあります。 イラストを書いて商品をイメージ 企画開発会議で提案します 設計図を起こし工場でサンプル製作 使用テストを行います ...
【開発秘話】商品開発力の秘密を大公開!

【開発秘話】パームアップ打撃理論に乗り遅れるな!
世の中にはいろいろな野球理論があるからこそ、野球用品メーカーには商品開発を続ける使命がある 「バットは上から下に振れ!」「地面と並行にレベルスウィングで振れ!」「肩のラインと並行にすればアッパーではないからすくい上げるように振れ!」「ボールを打つ瞬間にヘッドを返せ!」「ヘッドを返さずに前に振り抜け!」「引き手でリードするように打て!」「押し手で打て!」などなど・・・ 近年では、縦振り・バーティカルスイング・バレルゾーンなどなど、一昔前には聞いたこともなかったような野球ワードが飛び交っています。 頭が混乱してしまうほど野球理論、打撃理論、投球理論はさまざまです。 ~~~~ 2021年夏 ~~~~ 学生時代のコーチから連絡があって…海外に変わったバッティング練習があるみたいです! 別々のグリップを握って両手を離したまま打つみたいですよ?! あ、このバッティング練習見たことある気がします! なるほど~・・自分の現役時代の打ち方とは違うけど…こういうバッティングが主流になるかもしれませんね! この2つ目のグリップを外付けの商品として作ったら…需要ありますかね? ≪誰でも自分のバットに取り付けられる≫ それが最大のポイントだよ! すぐにサンプルを作ってみよう! 2021年夏~約1年間の開発期間を経て… 近年日本のプロ野球選手もトレーニングで体を大きくしたり、バッティングフォームを改良したり、メジャーの選手の動きを取り入れたり、SNSやネットからもさまざまな情報を得られる時代になりました。 バッティングひとつをとっても、フィールドフォースの室内練習場ボールパークに来ている選手達や野球スクールの指導者の方々の打撃理論もさまざまです。 その中でいかにその選手にあった練習が出来るか、野球チームや部活の指導者の方々は日々アンテナを張って情報収集しているのではないでしょうか? 野球用品メーカーも同様です さまざまな打撃理論があるからこそ、さまざまな練習ができるような野球用品を世に送り出すことが痒いところに手が届くマニアックな商品開発をするフィールドフォースならではなのです! イラストでイメージすることから始まります まずはどのようにバットに2つ目のグリップを取り付けるか? 実際にティーバッティングやトスバッティングができる商品にするためには、強度や使用していてストレスのない構造にしなくてはいけません。 左から順に・・・ スマートな見た目にこだわった初期サンプル:実際にバットに取り付けて打ってみるとすぐにズレてしまう 上下2点止めにして安定感を求めた2代目サンプル:バットを持つ手に邪魔になってしまう 2つの問題点を払拭した3代目サンプル:バットに取り付けるU字のネジが短く太いグリップだと外れてしまう 一番右が採用された最終サンプル:1000スウィングの強度テストも合格して商品化へ...
【開発秘話】パームアップ打撃理論に乗り遅れるな!

【開発秘話】あなたのボールの回転はきれいですか?
ボールを押し込む&回転軸に注目 子ども達はボールがぬけてしまう、スライダー回転してしまう子が多い…特に野手の子は気にせず投げている子が多い… 遊び感覚でもボールの回転が一目でわかる商品をつくろう! 近年、ボールの回転数や軸が可視化できる機械を導入するチームが増えています。 そういった機械はけして安価ではなく、購入できるチームはごく一部です。また学童チームへの導入はないに等しいです。 リリースポイントの安定やボールの回転など、投げ方は幼少期からの「自分の投げ方」が染み付いているケースが多いので、こういった子ども達でも遊び感覚で練習が可能な送球のリリースに着目した商品を提案しました! ボールが上に抜けてしまう子が非常に多い。ボールが指先にしっかりかかって、押し出す感覚を幼少期から身につけるのは重要だね。そのためには実際のボールの感覚に近い商品にする必要があるね! GOOD:ボールを指先で押し込む感覚 BAD:押し込めず、なでているような感覚 野球塾「エースフォー」でコーチ対応をしていると、小学生にはボールがスライダーやカーブ気味に回転してしまう子や、リリースポイントが安定せずにボールが抜けてしまう子が多く見受けられました。 特に低学年の子どもでは、頭でわかっていてもそれも動作に組み込むことが難しい年代でもあります。 そういった悩みを抱えているプレイヤーが手軽に遊び感覚で練習できるようなボールを開発することになりました。 ウレタン素材であえて空気抵抗を受ける すでに販売されているバッティング練習用のウレタンハードボールをうまく活用してスローイング用のボールを作っていく方向で決まりました。 ※ウレタンハードボール=表面にディンプル加工が施された硬めのウレタンバッティング練習ボール ウレタン素材のボールだと、重量が軽いため空気抵抗を受けやすいと考えました。 \ここがポイント/ 中央に穴を開けることで、さらにボールの回転軸や回転数によって空気抵抗を受けやすくなるのではないかと考えました。 ここからは手作業でのサンプル製作です。 まずは両サイドをカット 穴のサイズによって、ボールの軌道に変化があるのではないか?と考えさらに数種類のサンプル製作に着手し、数ミリ単位で調節をしていきます。 普段使っているボールに近い形状という点にこだわりを持って試作品を製作しました。 そして人それぞれ、体の骨格も異なりますし投げ方も変わってきます。 フィールドフォースの社員や室内練習場に来ているたくさんの子ども達と協力し、さまざまな年齢、さまざまな投げ方で試投して最適な形状やサイズ感・硬度を決定していきました。 たくさんサンプルを手作りしました...