日本の野球界で最も多くのチームを抱える組織は、全日本軟式野球連盟(JSBB)。小学生(学童)の野球チームは、9割以上がここに加盟しているが、最新の発表による2022年度の加盟数は9842チーム。1975年の統計開始以来、初めて「1万」の大台を割り込んだことが明らかとなっている。
この「1万割れ」が、どれだけ深刻なことなのか。カテゴリーや男女や硬式・軟式などを問わず、野球界全体の現実問題として、あらためて認識するべきだろう。
同じく2022年度の、高野連(日本高等学校野球連盟)の加盟校3857と比べれば、まだ倍以上もある学童野球は安泰ではないかと、考える向きもあるかもしれない。しかし、比較の対象を過去からの推移に向けると、ショッキングな現実が浮き彫りとなる。
表にまとめたのは、統計開始年から5年刻みの推移と、直近13年分の学童チーム数(JSBB登録)。2000年度から2011年度までのチーム数は1万4000台で推移してきたが、以降は概ね、減少の度合いを強めながら今日に至る。厳密には、減少が始まったのは2007年度で、当時はそれでも1万4968チームあった。それが15年連続の漸減で、昨年度はついにケタが1つ減って9842チームに。15年間で5000ものチームが消えてしまっているのだ。

約1万5000チームが登録していた2010年当時、このような13年後をどれだけの人が予想できただろうか。当時から学童野球の現場で取材をしてきた筆者の肌感では、競技者の激減を予測する人はおろか、行く末に危機感を訴える人も皆無だった(自分も含めて)。
全国の子どもたちへの振興・普及活動が急務である。その有効な策を練ったり、計画的に効果的に実施したりする上でも、学童のチーム数と併せて選手の実数を知りたい。こうした声は10年以上前から、球界内のあちこちから上がっている。しかし、残念ながら、現在も選手数を把握できていない。
そう遠くない未来に、野球界全体で全カテゴリーの全選手を一括で登録・管理するシステムが稼働するという話もあるが、30年も前から個人の競技者登録システムを導入している他競技もある。未来を担う学童球児の、実数すらいまだに闇の中――。これも野球界のひとつの現実である。
(大久保克哉)