大人でも一見、腰が引けるような“強面”。でもその実、頭も心も柔軟で極めてソフトな物腰だ。グラウンド内でも声を荒げるどころか、感情的な言動をまるで見聞きしない。2002年夏、三重・久居農林高の甲子園初出場時の看板打者で、野球不毛の地だった地元・度会町(わたらい)に初の学童チーム『度会BEAST』を創設したのが令和元年。そして6年目の今夏、全日本学童大会に初出場を果たした。異例のスピード出世は、なぜ、どのように成されたのか。『チームファイル10』に先駆けて、指揮官のインタビューをまずはお届けしよう。
(動画&写真&構成=大久保克哉)
※チームファイル10「度会BEAST」➡こちら
度会BEAST[三重]
監督兼創設者荻田元弘
インタビュー動画12min➡こちら
【収録内容】
❶異例のスピード出世
▶6年目で全国初出場を決めて
▶創設時から「全国」が目標?
▶元日本一の名将とも交流
❷令和にチームを創設
▶ソフトボールの町で育ち
▶学童野球チームの必要性
▶当初は人も集まらず
❸野球不毛の地での実り
▶順風満帆ではなく
▶苦杯をなめてきた要因
▶投手の育成と枚数
▶打・守・走の教訓や考え
▶一番こだわりの打撃
▶個々の打ち方への介入
❹あるべき今と未来へ
▶父親たちの立ち位置
▶ソフトな物腰の契機
▶子どもの心をつかむ
▶子どもに伝えたいこと
▶指導者の理想や未来像
おぎた・もとひろ●1984年4月生まれ、三重県度会町出身。小川郷スポーツ少年団でソフトボールを始めて投手。度会中の軟式野球部を経て、久居農林高では看板打者として活躍。3年夏(2002年)に甲子園初出場、玉野光南(岡山)との1回戦で2対4と敗北も、五番・一塁でフル出場した。七番・捕手の主将だった同級生の西村長幸(現代表)と、2019年に故郷・度会町に初の学童野球チーム「度会BEAST」を創設。6年目の今夏、全日本学童マクドナルド・トーナメント初出場(1回戦敗退)。第2期生の長男・翔惺(愛知・中京大中京高1年)も、この2024年夏に甲子園の土を踏んでいる