インタビュー

【レジェンドの40年秘話】 大平清美(福島・常磐軟式野球JSC団長)

【レジェンドの40年秘話】 大平清美(福島...

2024.01.26

 学童球界にこの人あり! この40年で実に36回の全国出場という、オバケ記録を更新する福島・常磐軟式野球スポーツ少年団の大平清美団長だ。初代監督として「常勝」の礎を築き、50歳の若さで後進に道を譲って以降もグラウンドに立ち続ける“レジェンド”。5人のNPB選手も輩出しているチームが創立40年という節目で、自身の選手時代から前代未聞の処分事件の真相まで、たっぷりと語ってもらった。 (動画&写真&文=大久保克哉) ※インタビュー動画40min→こちら 【インタビュー収録内容】 ❶巻頭トピック ▶3元号をまたいで40年、  繁栄が続く最大の理由 ▶夏の夢舞台への契機と、  地元の好敵手の存在   ❷初代監督の選手時代 ▶野球との出会い ▶中学野球部で県準V ▶古豪・磐城高で2度の涙 ▶プロや社会人への思い ▶社会人軟式クラブ創設   ❸常磐JSC草創期 ▶チーム誕生の経緯 ▶選手8人での船出 ▶発足当初の野望 ▶初代選手の記憶  =天井正之(3期生・現監督) ▶ライトが2人の珍事   ➍常磐JSC過渡期...

【日本一監督に訊く】 千代松剛史(大阪・新家スターズ)

【日本一監督に訊く】 千代松剛史(大阪・新...

2023.11.22

「百獣の王」を思わせるような鋭い眼光や、いかつい風体で勘違いしてはいけない。2023年の全日本学童王者、日本一監督は拍子抜けするほど実直で、勤勉にして賢くて細やか。時代や変化をかぎ取る嗅覚にも優れ、多様性を認めて自らを律する人格者だ。敵なしのぶっちぎりとも言えた今夏の初Vの大きな要因、圧倒的な機動力についても極意を公にしてくれた。 (動画&写真&文=大久保克哉) ※「天下獲りの走塁練習」実践編とチーム紹介も、近日中に公開します インタビュー動画30min→こちら 【項目】 ❶全国制覇で得たもの ▶日本一の実感 ▶Vメンバーのその後 ▶勝利追求で学べること ▶全国初制覇の最大要因 ▶自分一人では成しえず ▶不変の謙虚さと背景   ❷全国制覇への道程 ▶己の学童時代 ▶監督就任時の野望 ▶日本一への手応え ▶日本一に必要なもの ▶今夏は「想定内」に? ▶自ら体調不良でダウン ▶「想定内」への対処   ❸圧倒的な走塁の極意 ▶練習の配分 ▶最も必要なことは? ▶練習へのアプローチ...

【カリスマ監督の激白60分《後編》】 辻 正人(滋賀・多賀少年野球クラブ)

【カリスマ監督の激白60分《後編》】 辻 ...

2023.10.30

 野球界が少しでも盛り上がるのならば、悩んでいる指導者に少しでも救いやヒントになるのなら。そういう思いから、メディアに求められれば取材や出演に応じるが、自分のやり方こそが唯一の大正解で、学童球界を自分の色に染めよう、などという稚拙な考えや野望は微塵もないという。指導者もメディアも、まだまだ「不毛」とさえ言えるカテゴリーに現れた、不世出のカリスマ監督。インタビュー後編は、これまで明かされなかった至難の1年間にも踏み込んでいる。 (動画&写真&文=大久保克哉) ※インタビュー動画《後編》28min➡こちら 【後編の項目】 ❶指導30年目の激変 《前編からのづづき》 ▶罵声を利用していた目的 ▶「変わる!」決意 ▶保護者の望む通りに ▶2018年明けの宣言 ▶「裸の王様」に気づく ▶感情を露わにできない ▶打撃不振から全国制覇 ❷日本一からの悟り ▶初めて否定できたこと ▶初めて気づいたこと ❸現在進行形の今 ▶選手、保護者との関係 ▶本番で力を発揮する ▶「楽しい」の勘違いは? ▶6年生が手本や憧れ? ➍濃密だった1年間 ▶「どういうこと!?」 ▶最愛の妻の入院 ▶球児の2人の息子へ ▶退院した妻から...

【カリスマ監督の激白60分《前編》】 辻 正人(滋賀・多賀少年野球クラブ)

【カリスマ監督の激白60分《前編》】 辻 ...

2023.10.21

 今や日本で最も有名な、学童野球の監督だろう。密着のドキュメント番組が、公共放送で全国の茶の間に届けられてから日も浅い。この55歳の指揮官が「カリスマ」と称され、メディアからも引く手が絶えないのは、なぜなのか――。2011年からコンスタントに取材をしている当メディアの編集長が、長時間のインタビューを経て計60分の動画にまとめた。 (取材&文&動画=大久保克哉)  ※インタビュー動画《前編》31min➡こちら 【前編の項目】 ❶メディアと自分 ▶TVでは本質が伝わらない ▶現実は報道の先を行っている ▶ついて回る誹謗中傷について ▶批判にも免疫ができてきた? ▶学童野球メディアに望むこと   ❷独自の研究とトライ ▶子どもには映像から入る ▶常識もセオリーも疑っていた ▶野手7人の守る位置もテスト ▶定位置の有効性を知ってから ▶6年生2人で全国準優勝 ▶スローボール流行の発端に ▶大胆な守備シフトも元祖? ▶長距離砲の二番で全国3位 ▶三番、四番打者のタイプ ▶2015年全国のトリックプレー ▶トリックプレーは今でも? ▶トリッキーな一発けん制は? ▶安定して力がついてきた? ▶マシン導入で個の能力UP...

【3年生の監督に転じた名将②】 菊池拓平(東京・町田玉川学園少年野球クラブ)

【3年生の監督に転じた名将②】 菊池拓平(...

2023.06.05

 学童野球チームが4ケタの1000を超える都道府県は、北海道のほかに東京都しかない。2020年、その東京で4年生大会を制した町田玉川学園少年野球クラブは、2年後の22年夏の全国出場は果たせずも、年末のNPBジュニアトーナメントでは5人もの選手がプレーした。チームの代表も兼務するOB監督の手腕がその都度、評価されてきたが、この2023年度は3年生チームの監督に転身。果たして、その真意や意図は――。  【質問⓬】 ▶チームの育成指導計画 ▶時間をかける育成のメリット ▶チーム内の指導者の配置 ▶個人の指導経験と実績 ▶具体的な育成法(例:走塁) ▶過去2回の4年間指導 ▶影響を受けた恩師の究極 ▶目標設定の考え方と方針 ▶NPBジュニア輩出の背景 ▶参加大会を絞り込む理由 ▶学年別に求めるレベル ▶卒団後の野球継続率  ※インタビュー本編動画16min⇩ きくち たくへい 菊池 拓平 東京・町田玉川学園少年野球クラブ 3年生チーム監督兼代表   オレンジ色が2022年度の6年生で、菊池監督の教え子2世代目。4年生で東京王者となり、5、6年でも都大会に出場している  学童野球の指導者となって12年目。昔も今も、息子や娘がチームにいるわけではない。もちろん、ボランティアだ。町田玉川学園少年野球クラブの菊池拓平監督兼代表を突き動かしているのは、自身も世話になった古巣の役に立って存続・繁栄させたい、という想いひとつだという。 先駆的な理想と確かな歩み  後にも先にも、自身の親子関係など私情をチームにまったく持ち込んでいない。この点で、国内の大多数の学童チームの監督やコーチとは決定的に異なる。掲げる理想と振り返りの言葉に嘘がなく、先駆的なのはそのせいも大いにあるだろう。 「高校や大学で野球を満喫できる選手を育てたい、というのがベースにあります」(同監督)...

【3年生の監督に転じた名将①】 髙野範哉(千葉・豊上ジュニアーズ)

【3年生の監督に転じた名将①】 髙野範哉(...

2023.05.23

 学童野球チームは、歴史も規模も指導体制も千差万別。だが、全国大会に何年も続けて出場しているチームや、そういう大舞台に肉薄している段階での指揮官交代はあまりない。この2023年度、関東地方ではそんなイレギュラーが相次いでいる。実績と指導力を伴う監督が、3年生以下のチームの新指揮官に。これは偶然か、必然か、またその真意や意図は何なのだろうか。まずは無名のチームを千葉県きっての強豪へと押し上げた、全国区の名将に訊いた。 【質問❾】 ▶「1年間休みたい」と? ▶3年生チームの監督に転じた理由 ▶過去1度あった理想のチーム ▶チームの指導体制とシステム ▶具体的な育成方針・内容 ▶初めて3年生を指導してみて ▶3年生相手でも説得力のある声掛け ▶試合中の注意や指導のポイント ▶「公式戦はエラーしたら忘れろ!」 ※インタビュー動画10min⇩ たかの のりちか 髙野 範哉 千葉・豊上ジュニアーズ 3年生チーム監督 3大会連続4回目の出場となった昨夏の全日本学童では、豊上ジュニアーズを8強まで導いた  「豊上ジュニアーズ」と言えば、今や全国区の強豪として知られる。夏の全日本学童大会は2019年から3大会連続出場中で、銅メダルを2個獲得。昨夏は準々決勝で敗退も、3試合連続の2ケタ安打で大勝など、全国舞台でも猛打やスキのない戦いぶりに貫録すらうかがえた。 無名チームを全国区に  学童球界の「選手激減」など、どこ吹く風。大目標とする「日本一」までの残り一歩、二歩をリアルに見ている。今では取り立てて勧誘活動をしなくても、志の高い小学生と保護者が地元の柏市の枠も超えて、近隣の市町や県外からも集まってくるように。今年も昨年同様、5年生チームと6年生チームとが個別に活動し、大会にもそれぞれエントリーしている。  活動拠点は、人口が爆発的に増えている流山市もすぐそこ。電車の最寄り駅から歩いて行ける距離ではないが、閑静な住宅地の奥に広がる専用グラウンドは全面土で、コロナ禍の間にナイター練習もできる環境へとアップデート。照明器機の設営はすべて、指導陣と選手の父親らの手で行われたという。 柏市豊四季(とよしき)にある豊上グラウンド。コロナ禍の活動自粛中に、ハンドメイドでナイター照明を設置  かつては、柏市の大会でもなかなか頂点に立てなかったという無名のチーム。それを名実ともに、ここまで充実した大きな組織へと躍進させた張本人、それが髙野範哉監督である。 キャリア17年で初  豊上の栄光は髙野監督とともにある、と言っても差し支えないだろう。2006年に長男とともに地元の豊上ジュニアーズに入り、父親コーチに。やがて、チームは県大会にも出場するようになり、さらにその上位にも食い込むように。そして長男も卒団し、高学年の指揮官に定着すると、2016年に県大会を制して全日本学童大会に初出場。全国初陣も白星で飾り、3回戦まで進出した。...