語尾の奥に温もりも感じる岡山弁に、仏のような柔和な笑顔で、選手の一人ひとりに寄り添っている。指揮官に就任して9年目、今日の姿からは想像に難いが、当初から3年ほどは体罰も辞さずの厳しさと一方的な管理野球を展開していたという。それがなぜ、どのようにして変わることができたのか。3年連続5回目の全国出場を期す、里庄町少年野球クラブ(岡山)の小野正太郎監督のインタビュー後編では、「日本一」とも言える声掛けを習得し、全国区となるまでの道のりとこれからを訊いた。
(動画&写真&構成=大久保克哉)
Series lineup
【日本一の学童コーチングとノーサイン野球】
①監督インタビュー前編『声掛けの意図』➡こちら
②監督インタビュー後編『今日への道程』
③実戦密着!!声掛け全公開 練習試合❶➡こちら
④実戦密着!!声掛け全公開 練習試合※近日公開予定
⑤チームファイル12「里庄町少年野球クラブ」※近日公開予定
さとしょう
里庄町少年野球クラブ
[岡山]
監督
小野正太郎
※インタビュー後編動画22min➡こちら
【収録内容&質問】
❶『昭和の監督』時代
父親監督として2017年~
▶就任当初の目標や野望
▶小学生の野球指導は容易?
▶指導の頼りは大学までの経験則?
▶当初の指導スタンス
▶徹底管理で1球ずつサイン
▶徐々に結果が伴うように?
▶厳しさや恐怖で選手は憂鬱に?
❷気づきと学び
監督3年目の2019年~
▶3年目の6月に訪れた気づき
▶兵庫・小野東で受けた衝撃
▶それからの変化
▶心持ちや考え方への影響
▶学びを求めて手にした書
▶読書で深めた学び
▶オススメの一冊
▶コミュニケーションの大切さ
❸新たなトライ
2019年秋に県準優勝
▶もうひとつの転機
▶プラスの声掛けが好結果に
▶県準優勝を契機に
▶声掛けも激変?
▶周囲の変化
▶厳しく叱ることも?
▶勘違いや、ふて腐れには?
▶個々に応じた声掛けを
❹ノーサイン野球
日本一3回の名将と出会い
▶滋賀・多賀少年との交流
▶辻監督と交流の経緯
▶名将が実践していた声掛け
▶名門のノーサイン野球
▶選手たちの意欲的なトライ
▶軍隊方式からの脱却
❺全国舞台へ到達
2023&24年出場中
▶2023年の成功体験を経て
▶選手と保護者の意識の高まり
▶代表兼監督としての目標
▶「全国優勝は無理」の理由
▶真夏の全国6連戦は至難?
❻現在そして未来
新人戦は地区予選敗退
▶追われる立場の県下にて
▶現チームの手応え
▶学童の監督をこれからも?
おの・しょうたろう●1975年4月生まれ、岡山県里庄町出身。里庄町立西小時代は町内に学童チームがなく、浜中地区のソフトボールチームでプレー。里庄中で軟式野球部に入って投手に。総社南高、桃山学院大(阪神大学野球連盟)まで三塁手や捕手としてプレーした。長男が入部した里庄町少年野球クラブで2016年にコーチとなり、翌17年から指揮官に。3年目の2019年秋に県大会初出場で準優勝、これを機に体罰も辞さない厳しい指導から脱却し、言葉を学びながら「考える野球」を追求。やがてノーサイン野球に行き着き、2023年にチームを14年ぶり3回目の全日本学童マクドナルド・トーナメントへ導く。翌24年も出場を果たして初戦を突破している