プロの借り、返したで!! NPBジュニアトーナメントKONAMI CUP 2025は、最終日に準決勝と決勝を明治神宮野球場で行い閉幕。決勝は先のプロ野球日本シリーズと同カードとなり、プロで日本一となっていたソフトバンクに阪神が6対4で打ち勝ち、3年ぶり2回目のジュニア王者に輝いた。大会最優秀選手には阪神の山本怜唯選手(岡山・大高少年野球)が、優秀選手にはソフトバンクの石光奏都選手(福岡・金田ジュニアクラブ)がそれぞれ選ばれている。
(本文&写真=鈴木秀樹)
※チーム名のジュニア(Jr.)は割愛します
■準決勝1
12月29日◇神宮球場


▽第1試合
ソフトバンク
100210=4
002100=3
ヤクルト
【ソ】萩原、石光-石光、宮城
【ヤ】太田、栁澤ー東海林
ソフトバンクは初回、エンタイトル二塁打の石光奏都(金田ジュニアクラブ)が三盗を決めると、内野ゴロで生還し先制。ヤクルトも3回に寺田大智(船橋リトル)と岡林壮有(日立ベースボールクラブ)の連打などで逆転。再逆転を許した4回にも寺田の右前適時打で追いついたしたが、ソフトバンクが5回に笹尾聖真(下関ドリームス)の適時打で勝ち越し、1点差で逃げ切った。
「よく頑張った。勝たせてあげたかったけど、残念です」とヤクルトの度会博文監督は選手たちをねぎらい、「この4か月間で、走攻守のすべてで成長した。いいチームになったと思います」。2安打の寺田は「大会では打撃で貢献できて、個人的には良かった。いい仲間たちとプレーできて、成長できたと思います」と振り返った。

3回裏、ヤクルトは連打で出塁の寺田㊤と岡林㊦が暴投で一気にかえり、逆転に成功


ソフトバンクは5回表、笹尾の適時打㊤で宮城大心主将(みくに野ハニーズ)がかえり㊦勝ち越し
■準決勝2
12月29日◇神宮球場


▽第2試合
阪神
003010=4
000001=1
広島
【神】藤本、山本-馬野
【広】小土井、三上、隅田 - 隅田、梅木
阪神は3回、辻本旭(南広少年野球クラブ)、藤井翔慎(五色ベースボールクラブ)のサク越え弾2発などで3点を先取。4回にも1点を加えた。広島は最終6回に藤尾日向(吉田・美土里ライズ)と隅田知希主将(祇園オアシス)の連打で1点を返すにとどまり、阪神が決勝にコマを進めた
広島は昨年に続く準決勝進出で初優勝を目指したが、無念の敗退。天谷宗一郎監督は「11月にソフトバンクと練習試合をして、力の差にショックを受けた。練習メニューを聞いて取り入れ、これまでで一番、練習したチームだったと思います。この悔しさを将来に生かしてほしい」。隅田主将は「教えてもらったことは試合で出せたと思います。いい経験ができました」と話した。

㊤先制2ランの辻本を出向かえる阪神ベンチ。㊦攻撃前に円陣を組む広島ベンチ


最終6回裏、広島は隅田主将が適時打㊤。㊦守る阪神は二塁・里見葵生(多賀少年野球クラブ)─遊撃・辻本─一塁・古川楓真(藍住南タイガーススポーツ少年団)の4-6-3併殺を決めて逃げ切り

■決勝
12月29日◇神宮球場

▽第3試合
阪神
122001=6
210010=4
ソフトバンク
【神】中川、清水、鈴木-馬野
【ソ】荷本、石丸、喜多、福間-石光
本塁打/増田、藤本、山本(神)信楽、石光(ソ)
二塁打/馬野、辻本、山本(神)黒木(ソ)
10月に行われたプロ野球日本シリーズは、ソフトバンクが4勝1敗で制覇。同一カードとなった決勝は、阪神がソフトバンクを下して3年ぶり2回目のジュニア日本一を獲得した。
1回表、阪神は藤井翔慎(五色ベースボールクラブ)が安打で出塁、四番・馬野心輝(北ナニワハヤテタイガース)の中越えエンタイトル二塁打で先制。しかしその裏、ソフトバンクは笹尾聖真(下関ドリームス)と山下夏輝(朝日少年野球部)の連打と暴投、敵失で2点を奪い逆転した。
2回には阪神が辻本旭(南広少年野球クラブ)の右翼二塁打、勝地純平(高柳パワーズ)の左前打などで再逆転も、その裏にソフトバンクが信樂隼大朗(宮崎バファローズ)の左フェンス越え本塁打で同点に。
それでも阪神は3回に増田湧心(西脇ワイルドキッズ)と藤本理暉(伊勢田ファイターズ)の連続本塁打で勝ち越すと、5回にはソフトバンク・石光奏都(金田ジュニアクラブ)に本塁打を浴びるも、最終6回には山本怜唯(大高少年野球)の右翼フェンス越えソロで2点差とし、そのまま逃げ切った。

阪神は3回、増田㊤と藤本㊦の連続本塁打で2点を勝ち越す


5回裏、ソフトバンクは石光の本塁打㊤で1点差に迫るも、6回表に阪神・山本がダメ押しの右サク越えソロ㊦

優勝
=3年ぶり2回目
阪神タイガースジュニア
【戦いの軌跡】
予選1〇5対2巨人
予選2〇3対2楽天
予選3〇12対1四国IL
準決勝〇4対1広島
決 勝〇6対5ソフトバンク

安定の守りと、指揮官も驚きの5戦9発
予選3試合と準決勝、決勝と5試合全勝での優勝に、2年目の指揮を執った阪神・玉置隆監督は「コーチだった一昨年と(初采配だった)昨年の2年間(ともに予選敗退)、子どもたちの負けてつらい顔を見て大会を終えてきました。笑顔のまま終わることができるのが、何よりうれしいです」と第一声。「最高ですね」
決勝は両チーム合わせて5本のサク越え本塁打が飛び出す空中戦に。2022大会から「飛ぶバット」が禁止になって以降、あまり見ない珍しい結果となった。阪神打線からは、うち3本が飛び出したが、「信じられなかったですね」と玉置監督。「練習試合でも、ホームランは幸田(績主将=奈良Jr.ファイターズ)による、わずか2本だったんです」。それが大会では5試合で計9本塁打。「スタンドで応援していただいた皆さんの力もあったんでしょうか…」

準決勝では藤井㊤と辻本㊦が一発(写真は決勝)

もっとも、「もともと打てるチームではなかった」だけに、「守備には自信がありました。練習試合も、2点以上取られることはほとんどなくて」と玉置監督。今大会でも、準決勝まで4試合は2失点以下だった。決勝のスコアは、投手が連投できないダブルヘッダーゆえともいえるだろう。
大会最優秀選手には、「(練習試合で)チームが打てないときも、一人ずっと打っていた。キーマンだとは思っていましたが、それ以上の働きでした」と指揮官も納得の山本。「ホームラン3本は自分でもびっくり」というスラッガーは「常にセンターへの強い打球を心がけて、チャンスで打つことができました」とうなずいた。
準優勝
福岡ソフトバンクホークスジュニア

準優勝に終わったソフトバンクの嘉弥真新也監督は「負けてしまいましたが、いい試合ができたと思います」とすがすがしい表情で振り返り、「これからが楽しみな選手ばかり。中学、高校でも頑張ってほしい」と選手たちにエールを送った。

学童野球メディア「2025注目戦士㉒」(➡こちら)でも紹介した石光は、今大会最速126㎞をマーク
優秀選手には石光。投手としては大会最速の126kmを記録、捕手としてもチームを引っ張り、決勝では本塁打も放つ八面六臂の活躍を見せた。「うれしいけど、最優秀選手が良かったです」と話したヒーローは、「ピッチャーもキャッチャーも、どちらも好きなので続けたい」と投打に「捕」も加えた“三刀流”継続を明言していた。
