先日、さいたま市の与野駅近くで開院された「埼玉整形外科スポーツクリニック」。フィールドフォースは、同クリニックの院内施設「人工芝エリア」の施工をしました。医療の現場でお手伝いさせていただくのは初めてのことです。新たな出会い、新たな経験に感謝すると同時に、こんなことも考えたのです。
全力投球できるクリニック

さいたま市中央区で開院した「埼玉整形外科スポーツクリニック」。院長の山田唯一先生からご連絡をいただいたのは4月初旬のことです。診断、治療だけでなく、院内施設としてリハビリのためのスペースを備える同クリニック内に、動作の評価、確認のための人工芝エリアを作りたい、とのことでご相談いただいたのでした。
もちろん、すぐに現地を視察し提案、施工に取りかかりました。支柱を組んでネットを張り、出来上がったスペースには、簡易版マウンドも導入いただき、18.44メートルの距離でピッチングすることができます。
院内に正式な距離で全力投球できる施設があるクリニック。かなり珍しいのではないでしょうか。
聞けば開院当初から、多くの予約で忙しくされているとのこと。このクリニックの誕生が、外科的な悩みを抱える多くの選手にとって朗報であることは間違いないでしょう(もちろん野球専門というわけではなく、スポーツ全般、それ以外でも受診できる、地域に根ざしたクリニックですよ!)。
故障を事前に防ぎたい!

山田院長は埼玉西武ライオンズのチームドクターを務めておられ、多くのプロ野球選手の主治医でもあります。少年野球に関しても、子どもたちの肩・肘の検診などにも長く携わっていらっしゃいます。アマチュアからプロまで、多くの選手に頼られており、知識だけでなく経験も豊富な先生なのです。
「以前に比べれば、故障ではなく、コンディションを整える意味でいらっしゃる選手も増えてきてますよ」
と山田先生。それでも、やはり来院者の多くは故障した選手だそう。
「とはいえ、大事なのは故障してからじゃなくて、本当はその前段階。ボクが関わってる選手が多くなっちゃいけないんですよね」
と、熱い思いを持って仕事に取り組んでいらっしゃいます。
「その段階で故障を防ぐ仕組みがつくれるのであれば、それに越したことはないんです」
そんな会話をしていて、ふと思ったのです。
これはフィールドフォースの出番ではないのか? 何か力になれることがあるのではないか?
山田先生が続けます。
「高校野球でも、ボクが診ている選手はいます。頑張れよ、と思って彼らを応援しているんですが、考えてみれば、それだけ頻繁にボクのところに通って来ているということ。もし、その時間を練習に充てることができていたら、彼らはもっと活躍できていたんじゃないか、なんて思ったりもするんです」
あくまで選手本位な姿勢に心を打たれつつ、その意見には完全に同意です。
これまで、フィールドフォースで医学的見地を元に開発した商品はありませんが、もしそんな製品を作ることができて、それが子どもたちの故障予防につながるのであれば、大きな意味を持つのではないだろうか…。
そんなことを考えたのです。
いつも、子どもたちにとって「楽しい野球」であってほしい。そのためにできることは、まだまだあるはずなのです。
一番、うれしいのは…

話はさかのぼりますが、山田先生にフィールドフォースの存在を紹介していただいたのは、西武ライオンズのコミュニティ創生部・岩間圭祐さんです。
岩間さんは以前から、ライオンズアカデミーなどでフィールドフォースの商品をお使いいただいているばかりでなく、商品開発でも意見交換をさせていただいたり、実際にコラボ商品を開発・販売したりと、折に触れて連絡を取らせていただき、大変お世話になっている方です。
今回、山田院長をご紹介いただき、新たなつながりができたこと、お話する中で様々な気づきをいただいたことももちろんなのですが、そんな中でもうれしく思ったのは、岩間さんに“フィールドフォースならなんとかしてくれる”と頼っていただいたことなのです。
このコラムでも何度か書いてきたのですが、2006年に会社を立ち上げた当時、こんな状況──自分たちで商品を作って売る以外に、多くの外部の方たちとのコラボレーションにより新商品を創り出したり、ボールパークを運営したり、様々な方の練習場施工を請け負ったりと、ここまで間口が広がったことです──は想像もしていませんでした。
今では、プロ、アマチュアや選手、指導者を問わず、いろんな方から「こんなことを考えているんですが…」「こんな商品、ありませんか?(作れませんか?)」など、ご相談いただくことも増えました。
わが社の実績に過大な評価をいただいていることには恐縮するばかりですが、ここまで歩んできた道のりは決して間違っていなかったのだ、と実感する瞬間であるのも事実です。
ひとつの出会いが、新たな出会いに

お声掛けいただく皆さん、お忙しい方ばかりなのですが、千葉県柏市の本社まで足をお運びいただき、打ち合わせをすることもしばしば。わざわざ時間をつくって来ていただいているのです。
こうして多くの方とお近づきになる機会が増えるにつれ、考え始めていることがあります。
フィールドフォースがそんな「かけこみ寺」として積極的に機能することで、新たにできる取り組みもあるのではないか?ということです。
今回、新たにご一緒させていただいたドクターはもちろん、野球選手、コーチ、球団職員、トレーナー、連盟や機構、さらに各種団体、そして異業種の方々も、みなさんそれぞれに忙しくされている方ばかり。それゆえに、横のつながりは希薄だったりすることも、ままあります(一方で「この人とこの人、こんなところでつなっがってるの?」というケースもまた“球界あるある”ではありますが)。




一方、多くの方々とコラボレートして創り出してきたフィールドフォースの商品やサービスは、どれも、わが社だけでは実現できなかったであろうものばかり。僭越ながら、私が発信させていただいた「ものづくり大国日本再生プロジェクト」における商品開発もしかり、です。
そうした「〇〇×フィールドフォース」ばかりではなく、「かけこみ寺」たるフィールドフォースが介在することで、ひょっとしたら「△△×□□(×フィールドフォース)」という、これまでにない形も実現可能なのかもしれません。
取り組むべき課題も多い野球界では、そんな新たなつながりで打破できる壁だってあるのではないか…。
大きな視点でとらえるならば、たとえば「野球界の底辺を広げたい」という思いは、皆さん例外なく抱いていると思います。その理想に対して、それぞれの立場で取り組んでいらっしゃる。そこに新たな仲間が加わることで、また違う角度でのアプローチだってあるかもしれない…そう思うのです。
わが社に関していえば、ひとつの出会いが新たな出会いを生み、こうしてつながりが広がってきたのは、提案や依頼を受けたそれぞれの案件に対して、常に全力で取り組んできた結果であろう、という自負もあります。
そんなわけで、「かけこみ寺」としての立場も大切にしていきたい、フィールドフォースなのです。今後とも、ごひいきいただければ幸いです!