【vol.43】競技人口減少の今、できること

2026.10.16 社長コラム
【vol.43】競技人口減少の今、できること

 今季のプロ野球は、観客動員数で過去最多を記録したそうです。一方で、野球の競技人口は減少が続くばかり…。この事態をどう捉え、どう立ち向かってゆくか。フィールドフォースの思いは常に変わらず、ただひとつ。「プレーヤーの真の力になる」ことに尽きます。


NPBの記録的観客動員数

 先日、NPB(日本野球機構)から2026年度の公式戦入場者数の発表がありました。セ・リーグ、パ・リーグ合わせ858試合、合計2717万7247人。3年連続で過去最多を更新する数字だそうです。
 エンターテインメントとしての野球観戦の魅力が浸透してきた結果といえるでしょう。もちろん、そこに至るまでの各球団の営業努力あればこそで、頭が下がる思いがします。
 また、智弁和歌山高校が優勝した、夏の第108回高校野球選手権大会も、15日間の累計入場者数80万2100人は全席指定となった2022年以降で最多ということです。

 一方で、野球の競技人口に目を転じれば、その減少傾向は、歯止めがかからないほどと言われています。人口ピラミッドの裾野といえる学童野球については、全日本軟式野球連盟のホームページによれば、2000年代初頭に約1万5000ともいわれたチーム数が、2025年度は8333チームとなっています。
 相当な減少幅です。一方では止まらない少子化も原因となっており、一企業の努力で現状の数字をプラスに転じることは、まず不可能でしょう。
 ただ、私はこの数字をもって、全てを悲観視しているわけではありません。


うれしい一言

 最近、同業であるスポーツ用品メーカー、それもトップメーカーの役員をされている方から、うれしい言葉を掛けていただきました。
 競技人口の減少という問題に直面しながら有効策がなく、目立った動きの少ない野球業界において、フィールドフォースは異彩を放っている、と。プロ野球に限らず、どの現場に行ってもフィールドフォースの製品を見ないことがない、と。
 これ以上の褒め言葉があるでしょうか。

 フィールドフォースは2006年11月の創業から、間もなく20周年を迎えますが、この20年間で、売り上げが前年を下回ったことはありません。
 これは自慢ではありませんが、自信になっていることは確かです。
『プレーヤーの真の力になる』という社是を掲げ、常に新たなチャレンジを続けてきた結果だからです。


「ニッチ」こそ、わが「王道」

 プロをはじめとするトップ選手の意見を取り入れるなどして商品を開発、改良し、一般向け商品を作るのが、多くのスポーツ用品メーカーにおける商品展開の形ではないでしょうか。ジュニアの選手たちに向けた製品は、その多くが大人用商品のサイズ&スペックダウン版です。
 フィールドフォースは、いってみれば、その逆です。
 野球を始めて間もない選手、あるいはこれから始めようという選手たちに、いかに興味を持って野球に取り組んでもらえるか。「ボール遊び禁止」「バットの使用禁止」を掲げる公園などにはじまり、制約ばかりが増えてゆく子ども立ちの練習環境において、「パートナー不要」「省スペース」で取り組むことができ、技術の習得やレベルアップにつながる練習ギアや、役立つアイテムなどを開発・販売してきたことで、新たな練習風景を創り出してきたという自負もあります。

 そうしたフィールドフォースの企業活動を評して、「ニッチ産業」と言っていただくこともあります。その言葉自体、わが社にとっては褒め言葉なのかな、とも思いますが、多少の違和感もあります。
「優れるな、異なれ」「かゆいところに手が届く、マニアックで変態的な商品」をコンセプトに掲げて商品づくりに取り組んできたフィールドフォースにとっては、世間のいう「ニッチ」こそが「王道」であり、他にない存在であることこそが、わが社のアイデンティティなのです。


金子誠さんの助言

 日本ハムで長く活躍したレジェンドプレーヤーであり、コーチとしても日本ハムだけでなくロッテ、そして日本代表と、多くの選手を指導してきた金子誠さん。金子さんには、今年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を終えた後、札幌、旭川のボールパークで「金子誠塾」を開いていただくなど、大変お世話になっています。
 先日、北海道に出張した際にも食事をご一緒させていただきましたが、そのときに金子さんがおっしゃっていたのは、「新たに野球を始める選手への働きかけも大切だけど、少年野球の選手たちが中学、高校、さらにその次と、辞めずに野球を続けてくれるための環境づくりや取り組みも大切なのではないか」ということです。
 まさしく。
 折しも、中学校の部活動に関していえば、長年、減り続けていた選手数が2025年は微増に転じたという心強いデータがあるものの、いわゆる「部活動の地域移行」は今なお道半ばであり、これからの取り組みも重要になるはずです。
 全日本大学野球連盟のデータを見ると、大学野球の選手数は増えているそうです。また、女子野球も、この数年で倍増した高校野球部をはじめ、チーム数は格段に増加しています。
 こうしたプラスの結果を一時的なものにしないために、できる取り組みを続けてゆくこと。ここでも、フィールドフォースだからこそ、できることがあるのではないかと考えています。


変化を恐れず突き進むのみ、なのです

 学童・少年野球チームが練習や試合を行っている、河川敷をはじめとするグラウンドやスポーツ広場は、フィールドフォースにとっても主戦場といえる舞台です。
 そんな現場に通う中で感じるのは、競技人口の減少が叫ばれる中、子どもたちを指導したり、応援したりする父母たち大人の熱の高さであり、昭和の頃とは比較にならないほどの、プレーのレベルの高さです。そうした光景の中にフィールドフォース製品を見つける機会も増えており、ありがたい限りです。
 一方で同時に、これから野球を始めようという選手たちにとっても、周囲のレベルの高さを理由に尻込みすることがないよう、垣根を下げる取り組みの必要性も感じています。前述のように、中学校の部活で野球を始めた、という選手も積極的にフィールドフォース製品を活用することでスキルアップし、野球の楽しさを感じてもらえるようなラインアップも増やしていきたい。
 そうして、様々なレベルの選手の要望に応えることで、競技人口の減少をプラスに転じるほどの力はなくとも、選手たちの技術向上に寄与しつつ、同時にその裾野を広げるための商品やサービスを展開してゆくことは可能なはずです。
 そしてその先では、現状では乖離しているようにみえる「観戦者」と「競技者」との関係性が、今よりも直接的にリンクする未来も実現可能と感じるのです。
 日本の“国技”と言っていいほど、多くの人たちに愛されている、野球という競技。全てのプレーヤーの力になるべく、フィールドフォースはこれからも変化を恐れることなく、チャレンジを続けていきたいと思っています。


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