6月、千葉県柏市のフィールドフォース本社&ボールパーク柏の葉の1階にカフェがオープンした。その名も「BALLPARK COFFEE KASHIWA」。“マスター”の圷雄也は「訪れてくれた人、すべての人にとって心地良い空間にしたい」と笑顔で話す。
スポーツバーでも始めようかと…

フィールドフォースが千葉県柏市に本社を移転したのは、2022年暮れのこと。それからほどなく、新社屋を初めて訪れたときに、正面の扉の前で、社長の吉村尚記と交わした会話を今も覚えている。
「こりゃまた、オシャレな外観ですね」
木目をあしらい、黒い取っ手が重厚さを感じさせる扉。モノトーン基調の門構えと、レンガ造り風の壁。通りに面した側は一面、黒いサッシのガラス張りだ。
「スポーツバーでも始めようかと」
吉村はそう言ってニヤリと笑うのだった。
とはいっても、扉の中には、大きなガラス窓から差し込む光も遮られるほど、フィールドフォースの商品があふれており、どこにもそんなスペースはなかったのだが…。
いずれにしても、重い倉庫の扉をガラガラと開けて中に入る、足立のボールパークとは大きな違いがあった(それはそれで、別の趣があってよいのだけれど)。
カフェ巡りが趣味の社員が奮起!

その本社1階で、カフェの営業が始まった。
マスターを務めるのは、物流課主任の圷。自ら提案し、昨年の秋から、地道に開業の準備を続けてきた。
「BALLPARK COFFEE KASHIWA」と名付けられたスペースは、オープンしてみると、数多くの練習ギアなど、以前からあるアンテナショップの商品たちともうまく調和し、ゆったりとした空間になっている。
「整理してみたら、想像していたよりも広々とした感じになりました。意外です」
圷にとっても、想像していた以上の店舗が出来上がったようだ。
◇ ◇
「圷本人から、休みの日には、よくカフェ巡りをしているんです、という話を聞いてはいたんです」
吉村が回想する。
「で、ここでカフェを開いて、利用者同士がコミュニケーションをとれる場所にしたい、という提案ももらっていて。それならやってみようよ、と」
“やってみなはれ”精神である。
「自分の好きなことを仕事にできるって、やっぱりいいじゃないですか。これは圷にとっても、会社にとっても、プラスになるに違いない、と思ったんです」
カフェの楽しみ方とは…

圷にとって、カフェとはどんな場所なのか。
「くつろげる空間。それが一番じゃないでしょうか」
即答だった。
圷はひとりでカフェに行くことも、友人と一緒に訪れることもあるという。
親しい友人との会話を楽しむ、あるいは、ひとりでゆっくり癒される。そのときどきで楽しみ方は違うのだとか。
「ひとりのときも、お店の人と話が合えば、ずっと話していることもありますし、大きな店のときはあまりそういうこともないので、ひとりで静かにコーヒーをのんで休む、くらいな感じですね」
今回、BALLPARK COFFEEの開店準備にあたっては、行きつけのカフェのマスターとの会話が大きな契機になったという。
「コーヒー業界の大きなイベントを紹介してくれたんです。会場が東京ビッグサイトで、予想以上に大きなイベントでびっくりしたんですが、今、仕入れをお願いしている業者さんとも、そこであいさつしたことから始まって」
こうした体験と同時に、開業のために必要な行政、保健所などの手続きを着々と進める中で、圷の中でイメージが具体化していった。
まずは利用者が集う、コミュニティ空間に

カフェ巡りが趣味と聞くと、コーヒー豆の種類や挽き方、淹れ方に一家言あるのではないか…などと想像していたが、圷はそうではなかった。
「その辺に、こだわりはないですね」
彼のこだわりは、その場をいかにゆっくり、リラックスできる空間にするか、ということに尽きる。
「ボールパークは練習や、スクールで訪れる人が多いので、お客さんの共通項は多いと思うんです。スクール生の親同士などでも、つながることができる場所になればいいなあ、と思っています」
フロアにアンテナショップしかなかった頃は、通り過ぎるだけのボールパーク利用者も多かった1階の空間だが、これから徐々に、足を止めて、一休みしてゆく人たちが増えてくれれば──。「BALLPARK COFFEE KASHIWA」のカラーは、利用者によって決まってゆくのだろう。
「柏の葉」のこれからと「BALLPARK COFFEE KASHIWA」のこれから

まずは店舗としての収益よりも、コミュニティとして形になってほしい、との思いは吉村も同じだ。
「もちろん、ひとつのお店ではありますが、ユーザーに対する、フィールドフォースのサービスという側面もあります。長い目で見ていきたいですね」
立地を考えれば、最寄り駅(つくばエクスプレス・柏の葉キャンパス)からもそれなりの距離があるため、現状では、一般客の利用を考えると、自動車以外での来店はさほど期待できない。ボールパークユーザーや、フィールドフォースの商品を求めショップに来た人たちの利用が大半と思われる。
ただ、長い目で見れば、別の一面も見えてくる。
本社のある「柏の葉」周辺は、現在も駅を中心に街づくりが進んでおり、今後も急ピッチで変化してゆくことは間違いない。吉村が続ける。
「柏の葉の街づくりが進み、この会社の周りも、これからどんどん景色が変わってゆくことでしょう。その中で、BALLPARK COFFEEもまた、今とは違った存在感を出してゆくことができるかもしれません」
1年後、2年後、さらにその先…。街とともに、「BALLPARK COFFEE KASHIWA」の形も変わってゆくのだろうか。
マスターがにこやかに提供してくれる飲み物とスイーツを楽しみながら、今後の変化を楽しみにしたい。会計はキャッシュレス決済のみですので、ご注意のほど──。