毎月、続々と新商品をリリースしているフィールドフォース。それら商品の発売や商品情報をどうやって多くの人たちに届けるか。そもそも、野球初心者や、これから始めようという人たちに向けた商品も多いだけに、より幅広い層に存在を知ってもらうための取り組みも、欠かすことができないんです。
「世にない製品」を創り出すメーカーだからこそ
今年11月には、創業20周年を迎えるフィールドフォース。この20年を振り返れば、それなりの歴史を刻んではきたものの、老舗メーカーの多い野球界においては、まだまだ新参者だ。
加えて、フィールドフォースは「これまで世になかった製品」を創り出すことに重きを置き、様々なアイデアを形にしている企業。それだけに、ひと言だけでは説明できないアイテムも多い。
「フィールドフォースとは」から始まり、個性的な商品ラインアップをどう説明し、提示してゆくか。最重要でありながら唯一の正解はなく、絶えず取り組んでゆくべき課題でもある。
紙のカタログは欠かせない
世にあるメーカーにとって、会社の製品を知ってもらうのにまず有効なのが「製品カタログ」だろう。「ものづくり」を生業とする会社であれば、会社にとっての名刺ともいえる存在だ。消費者にとってみれば、会社案内や定款以上に、その会社の理念やカラーを端的にイメージ・理解できるアイテムともいえる。

フィールドフォースにももちろん、製品カタログは存在する。間もなく完成するものが第20版。この数年は、半年ごとに版を重ねている。
とくに学校や社会人の野球部といったチームに直接出向き、商品説明やプレゼンテーションを行う「外商」の現場では、紙のカタログが欠かせない、と話すのは企画開発課の小宅晨哉だ。カタログは編集責任者でもある小宅のディレクションにより、EC事業課の田中真未と石川寛太が誌面デザインと編集にあたっている。
「現場だとやっぱり、紙のカタログは必須ですね。その場で商品の一覧を見ながら、説明することができます。ホームページがあるといっても、やはり見るための手間はありますからね」
冊子を開けば商品を一覧できる。室内であろうが、練習中のグラウンドであろうが、場所を選ばないのも利点だ。
加えていうなら、目当ての商品以外の情報も同じ誌面に載っているので、「こんな商品もあるのか」と新たな購入につながったり、そこまで行かなくても、新たな話題が生まれるなど、副次的な要素も無視できない。
新製品掲載が追いつかない!

が、このカタログについていえば、フィールドフォースにとっては悩ましい部分もある。半年ごとのリニューアル、というのも結構な発行スピードではあるが、フィールドフォースの場合は毎月、いくつもの新規アイテムが登場するため、新商品の開発から商品化のスピードに、カタログ製作の作業が追いつかないのだ。
カタログ自体が新規製作ではなく、以前の版に手を加える形でのリニューアルであっても、商品の追加や差し替え(もちろん、フィールドフォースの場合はこれも数多い)に伴ってデザインが変わり、同時に新規商品のスペックや説明も必要となる。当然、通常の印刷物同様に、その後には文字や色彩の校正といった作業も必要となる。
「結果的に、新しいカタログが出来上がったときには、すでにその間に新規発売された、未掲載の新商品がいくつもあるのが当たり前になってますね」と小宅。新規カタログであっても、新規アイテムをすべて掲載することは不可能なのだ。
フィールドフォースがフィールドフォースである以上、こうした事態は避けられない。絶えず新規商品を開発・リリースし続けることこそが、社のアイデンティティでもあるためだ。社長の吉村尚記は「よく言われるんです。『この商品、カタログに載ってないんですね』って。それだけ良いペースで新規商品を生み出せているということの裏返しでもある。むしろうれしくなっちゃいますね」とまで言っている。
「外商の場合は、載っていない新商品は実物のサンプルを持っていくなどして、フォローするようにしています」と小宅。不自由は、頼もしき社員たちが個々のアイデアで乗りきっている。
HPもリニューアルします

現在、とくにECサイトでの売り上げが大きな比重を占めるまでになっているフィールドフォースにとっては、ホームページもビジネス展開における生命線だ。
この原稿も掲載される、現行のフィールドフォースのホームページは、本社が東京・足立区から現在の千葉・柏市に移転した当時にリニューアルされたもの。以降、当「FIELD VOICE」コーナーも含め、多くのコンテンツが新たに登場してきたが、それらすべてが、ショッピングページと並立する形で存在している。
長年の積み重ねによりコンテンツが増えたことで、ECサイトとしては冗長な部分も。現在、「コーポレートサイト」と「ショッピングサイト」を分かりやすく整理すべく、サイトリニューアルの準備中だ。中心となってプロジェクトを進めているのは、EC事業課の森野喬博。AIも活用しながら、ものすごいスピードで新HPの構築作業が進行中で、間もなくリニューアルのアナウンスがあるはずだ。
いまや効果は一番!? 社長インスタ

いまやフィールドフォース製品のPRのみならず、新規開発アイテムの発表や、反応を問う窓口などとしても大きな役割を果たしているのが社長・吉村のSNSアカウントだ。発信を始めて2年のアカウントながら、すでにフォロワーの数は3万に迫ろうとしている。
「営業企画部長の鎌田侑樹のアイデアで始まったんですよね」
吉村が回想する。
「正直なところ、私は最初、あまり乗り気ではなかったんですよね。でも、いつも社員に自分を売り込めってハッパをかけている立場上、自分が後ろ向きなのもなあ、と思って始めたんです。それから2年間、休まず毎日ですよ。以前はしんどいなあと思うこともありましたが、不思議なことに、今はもう習慣になっていて、毎日これがないと気持ち悪い、くらいの感覚です」
初対面の人たちにも「いつも見てます」と声を掛けられることが増えたという。
「『見てますよ』とか『楽しみにしてますよ』といった言葉もありがたいですし、SNSでいただく、忌憚ないコメントが商品開発のモチベーションにもなってるんです」
いまや最も発信力のあるチャンネルといっても過言ではない。
まだ見ぬユーザーにも届けたい!

しかし、である。
フィールドフォースには、初心者向けアイテムや、これから野球を始めようというスターター向けの商品も多い。
だからこそ、現役の野球プレーヤー、そのお父さんやお母さん、指導者たちはもちろん、今は野球と全く接点がない人たちにも、フィールドフォースの存在や考え、その商品を届けてゆくことが必要となる。
前記の各チャンネルはもちろん、各種イベントへの協力などにより、積極的にユーザー、ユーザー予備軍と関わりを持っていく事も重要になる。今後も増え続けるはずのボールパークも、そのための媒体になることができるかもしれない。
ものづくり同様に重要な、情報発信力。『プレーヤーの真の力に』なるべく、こちらもフィールドフォースらしさを追求しながら、現状に甘んじることなく、不断の取り組みを続けてゆくのみ、なのである。