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【京葉首都圏江戸川/決勝】逆転サヨナラHR! 船橋が深川下し2年ぶりV

2026.03.19 |更新日:2026.03.24 2026リポート
【京葉首都圏江戸川/決勝】逆転サヨナラHR! 船橋が深川下し2年ぶりV - フィールドフォース


 第23回京葉首都圏江戸川大会の準決勝と3位決定戦、決勝が2月23日、江戸川区・水辺のスポーツガーデン野球場で行われた。決勝は最終6回裏、船橋フェニックス(世田谷)が森下貴斗の逆転サヨナラ弾で深川ジャイアンツ(江東)を7対6で下し、参加57チームの頂点に輝いた。船橋は2年ぶり2回目の優勝で、森下貴斗が大会MVPに。3位決定戦は、山野レッドイーグルス(世田谷)が西田野球クラブ(杉並)を破っている。

(本文&写真=鈴木秀樹)

※学年未表記は新6年生、記録は編集部

■決勝

2月23日▽水辺のスポーツガーデン

深川ジャイアンツ(江東)
 102300=6
 102013x=7
船橋フェニックス(世田谷)
【深】狩野、佐藤-野崎
【船】森下、大野、岡本、大野-石黒
本塁打/佐藤(深)、森下2、大野(船)
三塁打/植田(深)

【評】1回表、深川は先頭の佐藤輝陽主将の安打と植田爽太のバント安打で無死一、三塁とし、内野ゴロの間に先制。しかし、船橋がその裏、一番・森下貴斗、二番・大野凌駕の連続バント安打と四番・石黒信匡主将の適時打で同点に。3回には深川が狩野遥生、佐藤主将の安打と植田の右中間三塁打で2点を勝ち越すも、船橋はその裏に森下、大野の連続本塁打で同点に。深川は4回に佐藤主将の左越え3ランで三たび勝ち越したが、船橋は5回に1点を返すと、最終6回裏、1点を取ってさらに二死一塁から森下がこの試合2本目の本塁打を中越えに放ち、逆転サヨナラ勝ちで2年ぶりの優勝を決めた。

 

優勝

=2年ぶり2回目

ふなばし

船橋フェニックス

[東京・世田谷区]

【戦いの軌跡】
1回戦〇6対4ジュニアナインズ(江戸川)
2回戦〇11対4戸塚エコーチャイルド(新宿)
3回戦〇11対1瑞江スカイラーク(江戸川)
準々決〇16対3豊島ブレイズ(豊島)
準決勝〇11対0西田野球クラブ(杉並)
決 勝〇7対6深川ジャイアンツ(江東)

 最終6回裏。2点を追う船橋フェニックスは一死から七番・高橋冴優が四球で出塁し、けん制悪送球で二進。内野ゴロで二死三塁となった。
 走者は進めたものの、絶体絶命の二死。すると九番・若月柊哉の放った飛球が右前に落ちた。高橋冴優がかえり1点差に。一塁には同点の走者たる若月が残った。打席には一番・森下貴斗──。

 決勝の舞台、水辺のスポーツガーデン「A面」はレフト側こそ約50m先に旧江戸川が流れ、サク越えの本塁打が出やすい構造となっているが、ライト側の先には隣のB面が広がるばかり。右翼手はいくらでも下がって守れる。左打者の森下はこの試合、ここまでバント安打、中サク越え本塁打、内野安打。長打力のあるスラッガーではあるが、相手外野手もその分、深く守っている。
 それでも、船橋のメンバーには予感があった。


 この数年、この大会では毎年、死闘を演じている船橋と深川だが、船橋は優勝した一昨年は2回戦で、準優勝の昨年は準々決勝で対戦し、ともに勝利を収めている。一昨年の直接対決はサヨナラ本塁打で勝負を決したが、その一発を放ったのは、今年の主将・石黒信匡の兄、義啓さんだった。「ちょうど、その時の話をしていたんです」と船橋・岡本隼人監督が振り返る。
 果たして、カウント1-1、森下が一閃したバットから放たれた打球は、相手センターの頭上をはるかに越え、旧江戸川に飛び込む逆転サヨナラのスプラッシュ・ヒットに。完璧すぎる当たりで物語を締めくくったヒーローを、もう一人の長距離打者、次打者の大野凌駕がホームの先で抱きとめた。

最終6回裏、森下が中越えに逆転サヨナラ弾㊤を放ち、ダイヤモンド一周後に次打者の大野と抱擁㊦

「つなぐ気持ちで、多少、気持ちを楽に持って打てたのがよかったのかもしれません」と森下。ネクストバッターズサークルで待つ大野は170cm69kgと、森下よりもさらに高身長の大砲。深川バッテリーの側も、森下との勝負を避けるわけにはいかなかったのだ。「狙い球を絞って、甘く来た球をうまく打ち返すことができました」。この日の主役はそう振り返り、にっこりと笑った。

 大会MVPに森下、優秀選手に大野。3回にはアベックホームランも放っている一、二番コンビだが、深川に先制を許した初回には連続セーフティバントで、3点を追う5回には森下の内野安打と大野のセーフティバントで好機をつくり、いずれも得点につなげた。そろって圧倒的な長打力を持ちながら、同時にチームきっての俊足コンビでもあり、ビハインドの場面では確実に1点を取る攻めをみせる。

1回裏、先頭の森下がセーフティバントから二盗、続く大野もバント安打㊤。そして一死二、三塁から、石黒主将が左前へ同点適時打㊦


「バントのサインは出していません。6、7割は彼らに任せていて、二人がアイコンタクトで決めているようです」と岡本監督。「新6年生11人は、全員が空気感を共有できていて、後から反省というかすり合わせというか、そんなこともしている。厳しいことも遠慮なしに言い合い、修正すべきところは修正していますね。そのあたり、ボクから何か言うことはほとんどありません」と選手らの自律を見守っている。一方の大野は、「ランナーが塁にいればかえす。いなければ、ボクらが出る」。シンプルな考え方に、選手同士の信頼度の高さが垣間見える。

 攻撃でいえば、この二人以外にも、四番の石黒主将と五番の岡本悠人は豊島ブレイズ(豊島)との準々決勝、西田野球クラブとの準決勝で、ともに2試合連続の本塁打を放っている(岡本は準々決勝では2本塁打)。さらに、準決勝では、スタメンのうち7人が長打を記録。どこからでも得点が期待できるうえに、機動力と柔軟性も併せ持つ強力打線だ。

決勝は森下㊤が先発、大野㊦は2度の好救援で流れを呼んだ

 投手陣も、昨秋の都新人戦(準決勝で文京・レッドサンズに敗れ3位)当時に比べ、安定感を増している。リリーフエースの大野は「お父さんのアドバイスもあって、上からたたきつけるような投げ方を意識して、良い球が投げられています」と快投を披露。決勝では3回表、2点を奪われなおも一死一、三塁のピンチでマウンドに上がると、快速球を武器に2者連続三振でピンチを切り抜け、いったん中堅の守備に戻ったが、5回に再び登板し以降をゼロ封と、チームを優勝に導く好投を見せた。
 他大会との兼ね合いにより、準々決勝以降が行われた連休は試合が続いていた船橋。厳しい投手のやりくりも続いていたはずだが、マウンドに上がった投手全員が力強いボールを投げていた。岡本監督は「失投を打たれた場面もありましたが、相手は深ジャンさん。甘い球は見逃してくれません」と決勝を振り返り、「厳しい戦いでしたが、ピッチャーはみんな、頑張ってくれました」と投手陣の奮闘に感謝した。


 決勝では3番手で登板、球は走っていたものの失点を喫した岡本は「もっと気持ちを強く持って投げられるようにしないと」と反省。その一方で、準々決勝、準決勝と、打線に勢いをつけた打撃については「いいところで打てたと思います。大事な場面で打てる、頼れるバッターになりたい」と力を込めた。
「最終回、最後の場面でボクはサードコーチャーだったんです。打順が一番にかえって貴斗が打席に入り、サヨナラもいけるんじゃないかって期待していたので、実際に打ったときには、すごく興奮しました」と話すのは石黒主将。「チームは新人戦のときよりも強くなっていると思います。みんな励まし合って戦えている。自分はキャプテンとして、しっかりみんなを引っ張って、今年は全国優勝を目指して戦います」と力強く宣言した。
 今年は世田谷成城ジュニアーズが城南CUPで優勝、用賀ベアーズがナガセケンコー杯を制するなど、新人戦上位組が好調をキープ、ここでも山野レッドイーグルスが3位入賞と、激戦が予想される世田谷。まずは強敵がひしめく地元の戦いを突破し、出場すれば2年ぶりとなる真夏の大舞台、全日本学童マクドナルド・トーナメントを目指し、快進撃を続けたい。

 

準優勝

ふかがわ

深川ジャイアンツ

[東京・江東区]

【戦いの軌跡】
1回戦〇22対1GoldenAge(渋谷)
2回戦〇8対1船堀ダックスクラブ(江戸川)
3回戦〇7対2ニュー愛宕(江東)
準々決〇5対3高島エイト(板橋)
準決勝〇10対5山野レッドイーグルス(世田谷)
決 勝●6対7船橋フェニックス(世田谷)

 常に先手を奪い、優位に試合を進めていた深川ジャイアンツ。優勝杯に手をかけたかと思われた試合終盤、まさに大詰めの場面で形勢を覆され、悔しすぎる敗戦で準優勝に終わった。
 肩を落とす深川ナインに、応援席から、ねぎらいの暖かい声が飛ぶ。それで選手らの涙が止まるわけではなかったが、彼らがその言葉に見合うだけの戦いを見せたことは、間違いなかった。
「試合を通して、上位打線だけじゃなく下位打線も打って、点を取るべきところで取れていたようには思います。決して流れは悪くなかった」
 そう振り返る寺門宏監督の表情に、後悔の色はなかった。

佐藤主将は3回に一時勝ち越しのスクイズを決める㊤と、4回には一時勝ち越しの3ランで出迎えを受ける㊦

 前日に行われた準々決勝では、優勝候補の一角、高島エイトと戦い、決勝とは逆に、試合終盤まで打線が振るわず、終始、試合の主導権を握られながら、5回裏に相手の連続エラーを足掛かりに、畳みかける攻撃で一気に逆転し、強敵に逆転勝ちしてみせた。
 最終日の第1試合、山野レッドイーグルスと戦った準決勝では打線好調、コンスタントに得点を重ねて快勝。決勝でも強力打線を誇る船橋に先んじて得点を奪い、終盤まで好調の流れが止まることはなかった。
 そしてその決勝では、準決勝までの5試合でトータル55点をたたき出していた船橋打線を相手に、コントロール抜群の軟投で立ち向かい、5回に降板するまで主導権を渡すことなく冷静に投げ続けた先発・狩野遥生も特筆に値する好投だった。

先発の狩野は落ち着いたマウンドさばきで好投㊤。5回裏のピンチは最少失点で切り抜けて笑顔でベンチへ㊦

 強敵と真っ向から勝負し、終始、主導権を握り戦い抜いた一戦は、敗れはしたが、深川にとっても自信になったに違いない。決勝では4回に3ラン本塁打を放つなど3安打の活躍を見せた佐藤主将は「みんながしっかりつないでくれたから打てたホームランです。狙ったわけじゃないけど、しっかり打てたと思います」と4回の打席を振り返り、「本当は勝ちたかったから悔しいけど、この悔しさを忘れず、全国大会に出たい」と、まもなく始まるシーズンでの戦いに目を向けていた。

 

■3位決定戦

西田野球クラブ(杉並)
 0101=2
 2026x=10
山野レッドイーグルス(世田谷)
【西】椎野-雨宮
【山】田代環-田代旬
本塁打/松崎(西)渡辺、松元、田代旬、田代環(山)
二塁打/鈴木2(山)

【評】山野は1回裏、二番・渡辺稜の先制本塁打に続き、鈴木崇吾が二塁打、田代旬主将が適時打を放ち2点を先取。西田も2回に先頭の五番・松崎晶がソロ本塁打を放って追い上げたが、山野は3回にも鈴木の二塁打と田代旬主将の適時打などで2点を追加。4回には田代環、代打の松元陽生に続き、田代旬主将がこの回3本目となる本塁打を放ち、6点を奪ったところでコールドゲームが成立。山野が銅メダル獲得を決めた。

▲3位の山野レッドイーグルス

▲西田野球クラブには敢闘賞が贈られた

 

■準決勝

深川ジャイアンツ〇10対5●山野レッドイーグルス
船橋フェニックス〇11対0●西田野球クラブ 

 

■個人賞

【最優秀選手賞】
森下貴斗(船橋フェニックス)
【優秀選手賞】
大野凌駕(船橋フェニックス)
佐藤輝陽(深川ジャイアンツ)
松崎晶(西田野球クラブ)
田代環(山野レッドイーグルス)


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