8月7日から愛媛県で行われる高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会と東京都大会が5月16日に開幕した。埼玉県大会には44、東京都大会には62の地区予選を勝ち抜いたチームが参加。それぞれのチームが全国大会への思いを胸に、代表権を懸けて熱戦を繰り広げる。
(写真&文=鈴木秀樹)
※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません
■埼玉県大会

開幕週で早くもベスト16
埼玉県大会は16日、さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で開会式を行った。午前8時30分、グラウンド内の外野フィールドに整列した参加44チームの選手たちが一斉にマウンド付近まで行進した。
名細少年野球クラブ(川越)・藤井樹來主将が「キャッチボールもできなかったボクたちをここまで成長させてくれた監督さん、コーチさん、熱い中、寒い中、いつも応援してくれた家族、そしてチームメートや対戦チームの皆さんに野球の楽しさを教えてもらいました。この大会に出場できることに誇りをもって、正々堂々と戦い抜くことを誓います」と元気良く選手宣誓した。
開会式後は4会場に分かれて1回戦12試合を行い、翌17日には6会場で2回戦16試合を消化。昨年優勝の西埼玉少年野球(飯能)、一昨年優勝の山野ガッツ(越谷)をはじめ、熊谷グリーンタウン(熊谷)、吉川ウイングス(吉川)、東松山野球スポーツ少年団野球部(東松山)、加須ドリーム(加須)といった、近年の優勝チームがそろってコールドで勝ち上がるなど、ベスト16が出そろった。6月6日にレジデンシャルスタジアム大宮で予定される決勝まで、熱い戦いが続く。


■東京都大会



晴れ渡る夕刻に開会式
東京都大会は16日に府中市民球場で開会式を行い、翌17日に同市郷土の森第1野球場、同第2野球場で1回戦30試合を行った。
16日午後4時からの開会式では、一塁側、三塁側のフェンスを埋め尽くした参加チームの団旗や横断幕で彩られたグラウンドを、参加62チームの選手らが入場行進。ダイヤモンド内に整列した選手らに向かい、大会会長の長島昭久・都軟式野球連盟会長、府中市の高野律夫市長らが激励した。
ジュニアポニーズ(豊島)・長井慶吾主将が「この大会で勝ち抜くために仲間とともに汗を流し、たくさん練習を重ねてきました。最高の仲間と出会えたことに感謝し、野球ができる喜びを胸に、この大会を思い切り楽しみます。行きまーす!!」と元気良く選手宣誓を行った。
翌17日には、同士府中の森第1球場、同第2球場で1回戦30試合が行われた。昨年優勝の不動パイレーツ(目黒)、昨秋の都新人戦王者のレッドファイヤーズ(足立)、同準優勝のレッドサンズ(文京)などが順当に勝利。こちらは6月13日に府中市民球場で予定される決勝まで、全国大会行きの2枚の切符を懸け、激戦が続く。

――Pick UP①――
麻布、V候補と互角の戦いも金星スルリ
▽1回戦
レッドサンズ〇4対3●オール麻布

オール麻布(港)が優勝候補の一角・レッドサンズに肉薄。最終回に同点まで追い詰めながら、サヨナラ負けで涙した。
初回、レッドサンズ・神谷駿に先頭打者本塁打を浴び、さらに1点を献上した麻布だったが、3回表、園山滉也の中前打と2四球に続き、吉本怜平が2点打を放ち同点に。その裏、1点を勝ち越されたものの、5回には安打の横山諒を阿曽謙誠主将の右前適時打でかえし、再び同点とした。
しかし、この時点で90分の制限時間を超え、この回が最終回に。その裏、四球と盗塁で勝ち越しの走者を得点圏に背負うと、1点を防ぐべく、連続申告敬遠で塁を埋めたが、最後はレッドサンズ・野村咲翔の高いバウンドの打球で三走がかえり、無念のサヨナラ負けとなった。
明らかに主導権を握っていた局面も多くあっただけに、選手たちの悔しさは晴れない様子。阿曽主将は「みんながチームのためにプレーして、ひとつになって戦えました。最後まで諦めなかったし、攻撃も守備もすごく成長したし、流れもよかったので…」と唇をかみしめた。
麻布は3回表、吉本が同点の2点適時打㊤。ピンチを切り抜け、ベンチで喜ぶシーンも㊦

年明けのフィールドフォースカップ4強入り(➡こちら)から、今大会港区予選での勝利と、目を見張る躍進を続けてきたオール麻布。この学年では、都大会でも好成績を残している地元のライバル・高輪クラブを逆転で破った予選からの戦いを振り返り、木下慎也監督は「港区予選の決勝で高輪さんに打ち勝てたことは大きかった。選手たちの自信にもなりましたし、良い流れのまま、この大会にも入ることができました」と語った。
打線の勢いだけではなく、守備や走塁にも積極性と堅実さが同居。最少失点で守り切り、攻め切って得点をもぎ取るしぶとい戦いに、選手たちの成長がうかがえる。指揮官は「らしさは出せたかなと思います。ここでも自分たちのプレーはできていた。ただただ、“あと一本”が足りなかったということでしょうか。みんな元気に、よく戦ってくれました」と奮闘のナインをねぎらった。
シーズン最初の大舞台は苦い一敗で終わったが、自分たちのプレーを全うし、優勝候補を追い詰めた戦いは、今後につながるはず。さらなる飛躍を期待したい。
サヨナラ勝ちのレッドサンズ㊤。門田憲治監督「危なかった。最終回は後攻だったので、タイブレークも頭に入れてリスクを取り、攻めることができました」
――Pick UP②――
おばあちゃんに「打ったよ!」
▽1回戦
二小ジャガーズ〇15対1●和泉少年野球チーム
昨年のジャビットカップ王者・和泉少年野球チーム(千代田)と対戦した二小ジャガーズ(武蔵野)。初回はともに1点ずつを取り合い、混戦を予感させたが、2回には二小の打線が爆発。和泉少年の先発・今井遥士、二番手の加藤哲弘主将と、好投手二人を相手に安打を重ねた。
一番の荘司人哉主将は2回裏、一死満塁から左中間を破る満塁ランニング本塁打を放つ(=写真㊦)と、4回にも右翼線を破る3ランと2本塁打。二番の5年生・吉田蓮、三番の金田悠琉もそれぞれ2本塁打と大活躍だった。

2本塁打に加えて、最終回となった4回にはマウンドに上がり、きっちりと和泉少年打線を抑え、投打でチームを引っ張った荘司主将は「1試合2本(の本塁打)は初めてです。この調子で勝ち進みます!」と元気いっぱい。試合後はこの日、宮城県栗原市から駆けつけ、三塁側応援席で声援を送り続けていた、祖母の三田せつ子さんから「すごいね! よく打ったね!!」と祝福され、満面の笑顔で「やったよ!」と報告し、喜び合っていた(=写真㊦)。


