出場全53チームが出そろう全日本学童大会の2回戦は、7会場で16試合を行い、大会ベスト16が決まった。リポートの第2弾は、見附市運動公園野球場での第2試合と、メイン会場のHARD OFF ECOスタジアム新潟での第3試合を写真ダイジェストでお届けしよう。いずれも大会初出場同士の対戦で、ともにワンサイドで決着。初回の二死走者なしから、10得点という猛攻も見られた。
(写真&文=大久保克哉)
■2回戦/見附市野球場
[福島]2年ぶり24回目
常磐軟式野球スポーツ少年団
000010=1
10100 X=2
豊上ジュニアーズ
[千葉]2年連続6回目
【常】奥山、佐藤瑛-上遠野
【豊】中尾、山﨑-神林
本塁打/神林(豊)
二塁打/鈴木(豊)、齋藤(常)
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▽第2試合
投打かみ合い、大坪南波多が完勝
[佐賀]初出場
大坪赤門南波多野球部
101004=6
000100=1
坂祝ホワイトセブン
[岐阜]初出場
【大】湯藤、前田武-前田武、湯藤
【坂】井戸、谷内、井戸、相馬-渡邉徳
二塁打/西牟田(大)
【評】先制、中押し、ダメ押しと効果的に加点した大坪南波多が、前日と同じ継投で完勝した。まずは1回表、二番からの4連打で先制する。樋口豪の中前打に、前田武蔵と西牟田大翔(5年)の内野安打で満塁とし、山田悠斗が右中間へタイムリー。3回には敵失と盗塁、西牟田の左越え二塁打で2対0とした。投げては先発の湯藤杏士朗が、1回戦と同じく3回無安打投球。一方の坂祝(さかほぎ)は、左腕の井戸健斗が失点しながらも粘投する。4回表には一塁手の相馬賢信が背後の飛球を捕るなど、好守もあった。そして4回裏、2四球と谷内一哉の左前打で一死満塁とし、大竹康貴の内野ゴロで1点差に迫る。だが6回表、大坪南波多は前田蓮琥(5年)の内野安打から打線がつながり、樋口の2点タイムリーなどで6対1に。5回から登板していた前田武は、6回も3人で締めた。3打数3安打の四番・西牟田は3回戦に向けて「大量点を取って勝ちたいと思います」とコメント。丸尾靖司監督は「ウチはバッテリーがしっかりしているのが強み。3回戦の相手(千葉・豊上ジュニアーズ)は強そうですけど、自分たちの試合をしたいと思います」と語った。(了)
大坪南波多(上)は登録21人で6年生9人、5年生3人がスタメンに。坂祝(下)は登録20人で3年生が2人、6年生は9人で5年生1人がスタメン入り
1回表、大坪南波多は一死満塁から山田が右中間に弾き返し(上)、三走・樋口が先制のホームイン(下)
先制した大坪南波多は丸尾晴主将が一本足打法から強烈なライナーをレフトへ(上)。これを坂祝の左翼手・坂井元気(5年)がダイレクト捕球から三塁送球で併殺に(下)
大坪南波多の先発・湯藤(上)は4回1安打1失点と好投。3回には四番・西牟田(5年)の左越え適時二塁打(下)で2対0に
「やることやるしかない!」。坂祝は村山佳之監督がそう話した直後の4回裏、2四球と五番・谷内の左前打(上)で一死満塁とし、大竹の一ゴロ(下)で1点を返す
坂祝は2併殺を奪ったほか、一塁手の相馬(上)ら好守もたびたび。だが6回表、大坪南波多は一死満塁から樋口のタイムリー(下)などで6対1に
■2回戦/ハードオフ新潟
◇8月14日▽第3試合
田原本南、つるべ打ちで初回10点
[宮崎]初出場
沖水ジャイアンツ
00000=0
10040 X=14
田原本南リトルヤンキース
[奈良]初出場
【沖】大磯、小坂、若木琉、重永-羽藤、重永、羽藤
【田】塚本、増田-吉永
三塁打/高田、吉永(田)
二塁打/吉永、森田2(田)、尾方(沖)、山田(田)
【評】攻めては13安打14得点、守っては2投手で完封リレーと、田原本南が圧巻の内容で全国初陣を飾った。沖水は前日の1回戦で1失点完投の大磯典生が先発。投球練習でアンダースローも見せた右腕は、無難に二死を奪ってから捕まった。田原本南は吉永辰馬が二塁打から三盗、これが悪送球を誘って生還する。さらに四球後、塚本理里夢、森田三輝(5年)、高田天太郎、岡﨑将高までの4連続長短打で5対0に。沖水は左腕の小坂健心にスイッチしたが、流れは変わらず。田原本南はなおも四球や敵失、吉永のイニング2本目の長打などで計10得点と、早々に大勢を決した。先発の塚本は大量援護を背に、打たせて取る投球で3回を被安打1、二番手の増田來斗主将は後半3回を無安打投球。4回にも長短打4本に足技、敵失などで4点を加えた田原本南は、6回の守りで5-4-2併殺を決めるなど、ワンサイドで押し切った。沖水には苦い一戦となったが、スタメンの4人が下級生で、三番手で登板の若木琉偉斗は4年生だ。就任3年目の重永智紀監督は、次男・健心主将の下に3歳児もいるとあって、まだまだ宮崎県の学童野球を盛り上げてくれそうだ。(了)
田原本南の塚本(上)は1回表、死球と自らの落球でピンチを招くも、タイム(下)で一息入れてから後続を断つ
前日に全国1勝をもたらした沖水・大磯(上)は、2者連続の中飛で無難に立ち上がるかに見えたが…。写真下は中堅手・藤原悠翔(5年)
田原本南の三番・吉永は、1回表に二塁打(上)と三塁打で2打点1得点。俊足の四番・柴村虎徹は四球と捕逸で二進後、塚本の中前打で生還(下)
1回裏、高田の左中間三塁打(上)で田原本南は4点目。重永主将(下)は三塁を守っては2回に3連続のゴロ処理、4回からはマウンドで無安打投球を披露
沖水打線は結果、羽藤礼央(5年=上)の左前打1本に終わるも、ストライクを積極的に振り抜いていた。写真下は八番の女子・岩元杏璃
田原本南の今本成紀監督(上)は、チーム入りした親戚からの依頼でコーチを約20年、指揮を執って3年になる。若いチームの沖水(下)は大敗も、前日には記念すべき全国1勝を挙げている