2025注目戦士
野球にぞっこん鉄の意志。夏の全国デビューを...
【2025注目の逸材】 いのうえ・ゆいと 井上結翔 [兵庫/新6年] あまがさき 尼崎スピリットクラブ ※プレー動画➡こちら 【ポジション】遊撃手、投手、中堅手 【主な打順】一番、二番 【投打】右投右打 【身長体重】147㎝41㎏ 【好きなプロ野球選手】大谷翔平(ドジャース) ※2025年2月12日現在 お笑いコンビ『ダウンタウン』の出身地としても有名な兵庫県の尼崎市。大阪府に隣接する人口40万人超の中核都市はまた、学童野球の一大激戦区でもあることをご存知だろうか。 全国区ひしめく地で 昨夏の「小学生の甲子園」全日本学童マクドナルド・トーナメントで準優勝した北ナニワハヤテタイガースは、昭和最後の1988年に、同大会と全国スポ―ツ少年団軟式野球交流大会をダブルで制覇している(※現在は同時出場不可)。平成の時代には、浜ウインドキッズが台頭してきて2012年に全日本学童3位、2016年に全国スポ少交流で3位に。同じく全国区となっていた成徳イーグルスが、令和時代の2022年に全国スポ少交流で初優勝(2チーム同時優勝)し、全国初陣だった武庫之荘(むこのそう)が4強入りしている。 それ以外にも、夏の2大全国大会に名を刻んだチームが複数。現在も38チームがしのぎを削っている。 2009年のチーム創設メンバーでもある船山監督は、冷静沈着。新6年生たちは1年時から継続指導しているとあって個々を熟知している 近年の全日本学童の県予選は、開催地の尼崎市には出場枠が8程度ある。だが、市の予選は他大会の成績によるシード権がなく、大会序盤での実力派のつぶし合いも珍しくないという。 「全国大会に出るチームは、そういう運も含めて持っていると思うので、言い訳にはしたくないですね」 こう語るのは、尼崎スピリットクラブの船山俊幸監督。チームはまだ全国出場こそないが県大会の常連で、2023年秋の近畿大会(佐藤薬品工業旗)では現5年生たち(新6年生)を率いて準優勝を遂げている。 近畿決勝の雪辱成る 近畿大会決勝のスコアは2対4。敗れた相手は、全日本学童2回の優勝を誇る滋賀県の多賀少年野球クラブだった。 それから1年後の昨秋、滋賀県で開催された多賀新人強化大会の決勝で両軍は再び対峙した。そして尼崎が3対1で勝利し、リベンジを果たしている。 2024年11月4日、多賀新人強大会で優勝。1年前の近畿大会決勝で敗れていた多賀少年野球クラブを決勝で破ると、ナインの喜びが爆発した 「自分たちは4年生のときから、全国出場と日本一が目標で、それをずっと言い続けています。みんなをそこに連れていって、優勝させられるキャプテンになりたいです」...
野球にぞっこん鉄の意志。夏の全国デビューを...
秋一番の閃光。インテリジェンスとハードワー...
【2025注目の逸材】 さとう・ゆういちろう 佐藤優一郎 [東京/新6年] ふなばし 船橋フェニックス ※プレー動画➡こちら 【ポジション】捕手、三塁手 【主な打順】一番 【投打】右投右打 【身長体重】137㎝39㎏ 【好きなプロ野球選手】周東佑京(ソフトバンク)、森下暢仁(広島)、秋山翔吾(同)、坂本勇人(巨人) ※2025年1月30日現在 全国で唯一、1000チーム以上が加盟する東京都。5年生以下の新チームのチャンピオンを決める秋の新人戦は、ここ2年連続で同一のカードとなっている。 相対したのは世田谷区の船橋フェニックスと、品川区の旗の台クラブ。2年前は船橋が、昨秋は旗の台がそれぞれ制している(リポート➡こちら)。どちらも内容を伴う好勝負で、2年続けてセンセーションを巻き起こしたのが船橋だった。 先輩に続くセンセーション 2年前の現6年生(卒団済)たちは、体格と投力とパワーが抜きん出ていた。その彼らの試合中に、一塁側の応援エリアで身を乗り出すようにして声を張り上げていた4年生(当時=下写真)が、1年後の同じ舞台で戦列なインパクトを残した。 それが新6年生の背番号10、佐藤優一郎だった。決勝当日は11月の誕生日前でまだ10歳、身長135㎝にも満たぬ小兵にして、2本のランニングホームランを放ってみせた(※プレー動画参照)。それも1本は先頭打者弾で、2本目は逆転された直後の一時勝ち越し弾。 「打ち方はスクールとかお父さんに教えてもらっているんですけど、構えはそのスイングに入りやすいように自分で考えてやっています」 右打席に入ると、上体を低くしたクラウチングの体勢で投手を一度見据える。そして、余して握るバットから放つ打球の、何と鋭かったことか。また身体を左へ倒しつつ、ベースを蹴ってダイヤモンドを駆けていく姿の、何としなやかだったことか――。 3打数3安打2打点と、トップバッターとして文句なしの成績。しかも右中間、中前、左中間と、素直に全方向へ打ち返した。最終的に再逆転されて敗北も、船橋の背番号10の輝きは抜きん出ていた。 サイズ頼みの早熟型ではない。かといって、粗くて拙い晩成型とも違う。マスクを被っても、鋭敏で小回りも利くミニサイズ。それでいて予想や先入観も遥かに超える、打撃のスキルと出力のマキシマムは実に痛快だった。 「夢は大谷選手(翔平=ドジャース)越えの大リーガーです」 さすがに50㎝以上の身長差は埋まらないかもしれない。それでも、ゆくゆくは本家とは違うスタイルで世の野球ファンをあっと言わせ、人々に愛されるスターに、もしかすると――。 時期尚早は百も承知だが、知るほどになお肩入れしたくなる。そんな11歳と2カ月の少年だ。...
秋一番の閃光。インテリジェンスとハードワー...
愛知新人戦王者が誇るリードオフ。岐阜市1万...
【2025注目の逸材】 よしの・かいと 吉野海音 [愛知/新6年] こっつ 木津ブライト ※プレー動画➡こちら 【ポジション】遊撃手、投手 【主な打順】一番、三番 【投打】右投右打 【身長体重】148㎝42㎏ 【好きなプロ野球選手】大谷翔平(ドジャース)、岡林勇希(中日) ※2025年1月20日現在 「速いなぁ~!!」 プレー動画のラストにも観戦者の感嘆が入り込んでいる。 初見ではきっと多くの人が、ため息や声を漏らすのだろう。筆者も一発でその健脚にクギ付けとなり、以降は夢中でカメラのファインダー越しに追ったが、画角に収め続けるにも難義するほど速かった。 聞けば、5年生の春に学校で計測した50m走は「7秒6」。暮らしている岐阜県岐阜市での記録会では、小学5年生1万6383人(2024年度の公立校)の中で2位のタイムだったという。 吉野海音はその反則級のスピードも生かしたリードオフマンとして、昨秋の新人戦で愛知大会優勝に貢献した。 「二塁打とか三塁打とか、バッティングでも活躍できて自信になりました」 木津ブライトは全日本学童マクドナルド・トーナメントに1回、全国スポーツ少年団軟式野球交流大会に2回の出場実績がある。昨年末には、お伊勢さん杯で全国優勝など、安定している全国区の強豪だ。 新チームはタレントが豊富で、総じてハイレベル。11月の県大会(新人戦)は、1回戦から決勝まで4試合すべてで相手を完封した。遊撃手と投手を兼務する吉野が登板するまでもない、勝ちっぷりだった。 「県大会でも吉野の足は武器になりました。頼もしい切り込み隊長ですけど、6年生になると大会も増えてきますし、ピッチャーもやってもらうことになると思います」 こう語る竹村和久監督は、指導歴20年。新年度は5年生たちと持ち上がり、初めてトップチームを率いることになっている。試合中はじっと戦況を追いつつ、確かめるように選手の目を見ながらサインやアドバイスを送る姿が印象的。ヘッドコーチとして全国舞台も経験している新指揮官には、こんな哲学やモットーがあるという。 全国2大大会に3回導いた名将・玉置幸哉監督の下で、参謀役も務めてきた竹村監督。指導歴21年目で初めて、トップチームを率いることになり、玉置前監督はコーチでベンチ入りする予定...
愛知新人戦王者が誇るリードオフ。岐阜市1万...
関東新人戦で最速記録。103㎞左腕、悲願の...
【2025注目の逸材】 やまざき・ゆずき 山﨑柚樹 [千葉/新6年] とよがみ 豊上ジュニアーズ ※プレー動画➡こちら 【ポジション】投手、一塁手 【主な打順】七番 【投打】左投左打 【身長体重】150㎝42㎏ 【好きなプロ野球選手】今永昇太(DeNA)、小林宏之(元ロッテほか) ※2025年1月7日現在 「今年はいつになく、髙野(範哉監督)の本気度みたいなものを感じますね」 “千葉の盟主”豊上ジュニアーズを率いる名将の腹心、原口守コーチがそう打ち明ける。 2025年の学童野球界は、このチームを軸に回ることになるのかもしれない。個々の成長と全体の底上げをしながら、全国ベスト8まで躍進した昨夏が記憶に新しいところ(リポート➡こちら)。 その8強メンバーには、5人の5年生たちがいた。福井陽大と神林駿采はレギュラーの主力で、中尾栄道は「代打の切り札」。いずれも世代屈指とも言える有望株で、このトリオが看板となった新チームは当然のように、新人戦の千葉大会を制して関東大会へ。 うれしい悲鳴のワケ 迎えた秋の最高位の舞台。関東大会で脚光を浴びたのはしかし、聞き覚えのない名前の背番号1だった。“関東の雄”茎崎ファイターズ(茨城)との1回戦で先発した、サウスポーの山﨑柚樹だ。 注目の一戦でまっさらなマウンドに立つと、初球で3ケタの100㎞をマーク(球場表示)。さらに101、102と球速を増しながらトップバッターを追い込むと、80㎞の遅球(ファウル)に続く、102㎞の速球で見逃し三振に。 そのままエンジン全開で、3者凡退で立ち上がった。この初回の三番打者に投じた2球目の「103㎞」が、大会の全投手を通じた最速レコードだった。 「茎崎には練習試合でも投げたんですけど、バッティングも良いチーム。一番の石塚(匠)クンにも打たれてたので、今回は絶対に抑えてやろうと強めに投げました」(山﨑) 茎崎の一番・石塚もやはり、指折りの左打者で、4年生で全国デビューしている。その看板バッターを2打数無安打に。 意識や気持ちの過多は、ボール球の先行や四死球につながりがちだが、マウンドの背番号1は常に堂々としていた。バックに複数のミスがあり、四死球や被弾もあって勝負には敗れたものの、70球に達する4回二死まで投げ抜いて失点5の自責点1。最後は回またぎで3連続三振を奪ってみせた。 何より際立ったのは、バランスの取れたフォームから最後に力強く振られる左の腕だった。いちいち電光掲示板の球速を確認するまでもなく、そのストレートは生きて走っていた。 「ホームランも打たれましたけど、103㎞を出せたのは自分的には良かったと思います」...