チーム紹介
![【Team file 01】岡山庭瀬シャークス[岡山]](http://cdn.shopify.com/s/files/1/0672/4498/2586/articles/001_DSC_7460.jpg?v=1677135257&width=533)
【Team file 01】岡山庭瀬シャー...
学童野球チームは、全国にざっと1万強。置かれた環境はそれぞれですが、存在意義や目指すゴールを明確にしつつ、創意工夫や改善改良を重ねて健全に活動するチームをじっくりと紹介していきます。第1回は、2022年末にポップアスリートカップ初優勝を遂げた岡山庭瀬シャークス(岡山)。かつての廃部の危機も乗り越えた、全国区の強豪です。 選手主体で最後に笑った2022年。 “野球好き”を生み続ける大組織 【参考ポイント】 ▶親も子もいつも幸せ ▶やられてもやり返せる土壌 ▶共感と人を呼ぶ指揮官 ▶消滅の危機を脱した協力 ▶大所帯を安定させるルール ▶自ずと集中する練習と工夫 最初で最後のタイトル 各地区の代表と前年V枠の計13チームで、王者を決する全国ファイナルトーナメント。1回戦シードのシャークスは、準々決勝で逆転勝ちを収めると、翌日の準決勝は完封勝ちで6年ぶり2度目の決勝へ。迎えた大一番は、全日本学童7度Vの長曽根ストロングス(大阪)の強打につかまっていきなり5点を失う。だが、直後の1回裏二死から怒涛の6連打などで7対5と大逆転すると、リードを守り切って初優勝。全国の参加約1350チームの頂点に輝いた。 年末のこのトーナメントは、6年生の最後の公式戦になることが多い。シャークスの12人(スタメン1人は5年生)もそうだったが、緊張や気負いの色はなく、一挙手一投足に当人の意思がしかと宿っているように見えた。就任32年目で最大の勲章を手に入れた中西隆志監督は、こう振り返る。 「あの子たち(2022年度の6年生)は、どの大会も必ず最後の日まで試合をしとるのに、全部(優勝を)逃してきとる。その悔しさがいっぱいあるから、『思い切りすればいい!』と。だから僕はじ~っと黙ったままでね…」 ベンチでは静かに戦況を見守る中西監督だが、要所では攻守のアドバイスも。写真は2022年12月のポップアスリートカップ全国ファイナル準々決勝(神宮球場) 指揮官は冷静そのもので、一喜一憂しない。打者は無走者ならベンチをいちいち見ないし、バッテリーは苦境でも配球を乞うたりしない。シャークスのこうした試合風景は、夏の全国大会でもおなじみだ。 むろん、個々がその域まで成熟するには、対外試合を含む練習の過程で教え込むことも多いという。だがそれも、指揮官の『選手を石にさせてもうたら、あかん』という哲学の上でこそ、よりよく浸透するのだろう。 「公式戦は、選手にもう任せとるんやからね。ベンチでゴタゴタ言うても萎縮させるだけでしょ。僕の一言で選手が固~くなってしもうたら、面白い野球ができなんやないですか」(中西監督) 「野球を楽しむ」土壌...