リポート
【東京都女子学童エリエールT/準決勝速報】...
女子学童の東京No.1を決める、東京都知事杯第14回東京都女子学童軟式野球大会エリエール・トーナメントは7月6日、足立区の舎人公園野球場で準決勝が行われ、オール葛飾アイリスとオール江東女子が決勝進出を決めた。足立フェアリーと品川レディースが3位。葛飾と江東は8月14日から岡山県で行われるNPBガールズトーナメント2025へ、足立と品川は9月6、7日に埼玉県で行われる第13回EneOneカップへの出場を決めた。13日には葛飾区の奥戸総合スポーツセンター野球場(奥戸野球場)で決勝が行われる。 (写真&文=鈴木秀樹) ■準決勝 ◇舎人公園野球場▽第1試合オール葛飾アイリス(葛飾) 13115=11 00011=2足立フェアリー(足立)※5回コールド【オ】橋本、米山-嵯峨【足】志村、神谷、矢島-古舘本塁打/秋山、嵯峨(オ)三塁打/幡山(足 オール葛飾、 大勝で2年ぶり全国決める! オール葛飾アイリスが大勝で全国大会出場を決めた。 初回に四番・嵯峨結菜の適時打で先制すると、2回には一番・秋山莉花、栗原あかり主将、橋本珠莉の3連打などで3点を追加。3回にも1点、4回にも1点、5回には鈴木紗由、朝田佳歩、佐藤ゆうかの連打、嵯峨の2点ランニング本塁打なども飛び出し、一気に差を広げた。 投げては先発の橋本(=下写真)が力強いストレートで足立フェアリー打線を抑え、4イニングを3安打1失点に抑える好投。コールドでの完勝となった。 「きょうは調子良く、行けるんじゃないかという予感はありました。みんな落ち着いていた。自チームでしっかりと調整してくれたんだと思いますよ」と葛飾・西村光輝監督。 全国大会出場は2年ぶり。4~6年生で構成されていた一昨年と違い、ことしのメンバーには、2年生まで名前を連ねる。「学年の幅は広いですね。でも、低学年の選手までよくまとまっていて、一体感がある。きょうもみんなで、リストバンドやリボンをチームカラーの紫でそろえたりしてね」(同監督) 好投の先発・橋本は「お父さんとお母さんが動画を撮って、見せてくれたりして、フォームを修正したんです。きょうは調子良く投げられました」とニコニコ。攻守でエースの力投を援護した嵯峨捕手も「お父さんがいろいろ教えてくれるんです。バッティングも守備も、お父さんです!」と両親に感謝した。「みんな所属チームで鍛えられているし、父母もコーチも協力的。ここでは、気持ちよく、持っている力を出してもらうことに専念するだけですよ」と西村監督。上位進出を狙う全国大会も、自然体で臨む。 足立フェアリー、成長の銅メダル 敗れた足立・西岡一弘監督は「いやあ、残念ですが、あのピッチャーにあれだけ投げられたら、仕方ないでしょう」と葛飾・橋本の投球を絶賛。それでも、二番・久米理子は2安打、四番・幡山天音は三塁打を放った。内野陣の好守備も多く、「自分たちの力は出してくれた。ここまで、よく戦ってくれましたよ」と、指揮官は銅メダル獲得のナインを称えた。 ▽第2試合品川レディース(品川) 010000=1 01220x=5オール江東女子(江東)【品】古澤、玉利-林【オ】小林、力石-高澤本塁打/清水、高澤(オ)三塁打/林(品)小林(オ) オール江東、悲願のファイナル&全国! ともに打線の評判が高く、打撃戦が予想された一戦だが、ふたを開けてみれば両軍の好守備が光る展開となった。 2回表、品川レディースが林絵真主将の左翼への三塁打から先制点を奪うも、その裏、オール江東女子は清水せいらの中越えランニング本塁打で同点に。江東は3回二死二塁から、小林咲葵の右中間適時三塁打と清水の適時内野安打で2点を加えると、4回にも高澤はるか主将が右越えの本塁打など2点を追加。守っては、正捕手の高澤主将が3つの盗塁を刺すなど流れを渡さず、先発の小林から力石果穂へとマウンドをつないで品川打線を2安打1点に抑えた。 初の全国出場を決めたオール江東女子・長江彰孝監督は目に涙をため、天を仰いだ。 2014年から指揮を執り、12年目の大会で初の決勝進出と全国切符。「これまで、準決勝までは3回来て、すべて負けていましたからね。やっとです」。 とはいえ、勝つために厳しい練習をしてきたわけではない。「野球人口のすそ野を広げる」ことを第一に考え、「選抜チーム」の形をとりながらも、他チームに先駆けて、区内のどのチームにも所属しない選手も積極的にチームに受け入れ「野球を楽しむ」ことを最優先に、チームづくりに取り組んできた。 攻守でチームを引っ張る、捕手の高澤主将は「みんな明るいチームで、雰囲気は最高。きょうは勝ててうれしいです」と笑顔。試合についても「品川とは合同練習をしたりして、みんな仲良し。楽しめました」と話していた。 品川レディース、涙の準Vで関東大会へ 品川レディースにとっては、厳しい流れが続いた試合だった。攻撃では、良い当たりの打球がことごとく相手野手の正面に飛ぶなど、ツキもなかった。原田真吾監督は「ウチは守りを武器にしてきたチーム。守備に乱れがあっては、やっぱり勝てませんね」と無念の表情。「敗戦の責任は僕ですよ」と言い、3位入賞で出場を決めたEneOneカップ(関東大会)での健闘を誓っていた。 \そのほか女子野球情報はこちら/
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【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...
「敗れざる」とは、敗者を指す言葉ではなく、「負けはしない」という意味である。スポーツに勝敗はつきもので、小学生の野球でも結果は覆りはしない。けれども、チームやプレーヤーの真価や存在意義は、勝利だけで決まるものだろうか。たとえ敗れようとも、すべてが打ち消されるわけではない。むしろ、そのプロセスや戦いぶりも含めて、称賛や支持を得ることもある。全国最多の1047チームが加盟する東京都における、全日本学童マクドナルド・トーナメントの予選大会では、そういう「敗れざる者たち」に複数出会った。決勝戦のリポートや代表チームの紹介に先駆けて、まずはシリーズでお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■1回戦 ◇5月11日 ◇府中市民球場 ▽第1試合 レッドサンズ(文京) 002010=3 100000=1 カバラホークス(足立) 【レ】田代、久保、田代-中澤 【カ】亀田、長野-田中 本塁打/久保(レ) 二塁打/小田(カ) 【評】レッドサンズは右腕の田代航志郎、カバラホークスは左腕の亀田淳斗。サイズにも恵まれた両先発が、真上から投げ込む速球でぐいぐいと押すなかで、初回はくっきりと明暗に分かれた。 先攻のレッドは、二番・山下礼葵が四球から二盗と敵失で三進。そして三番・井口凱斐が投前へ3バントスクイズも、1-2とボールが渡って山下は本塁憤死(=上写真)。ピンチを脱したカバラはその裏、一番・石井心結(女子)が初球攻撃の右前打で出る。続く木原颯太の遊ゴロで二塁へ進んだ石井心は、三番・亀田淳斗の中前打で先制のホームを踏んだ(=下写真)。 2回はともに3者凡退。1回二死から4者連続の奪三振という田代の力投に、レッド打線が応えたのは3回だ。九番・淺田統吾がフルカウントから四球を選ぶと、一番・久保俊太の打球は左翼手の頭上へ一直線。そのまま3バウンドで外野フェンスへ達する間に、久保もダイヤモンドを駆け抜けて逆転2ランとなった(=下写真)。遊撃を守る久保は、4回裏の守りで三塁側ファウルエリア深くの飛球をキャッチする美技。これで一死を奪うとそのままマウンドへ上がり、6回二死までカバラを無得点に封じる。 カバラは4回に小田颯心が右中間へ二塁打、5回には2四球を選ぶも、あと1本が生まれない。逆にレッドは5回表、一死一、三塁から井口が再びスクイズ(=下写真)。今度はこれが決まって3対1、貴重な追加点を奪うと、最後は田代が再登板して勝ちゲームを締めた。 ■敗れざる者たち① カバラホークス [足立区] 「どの道、結局は強いチームとあたるので、それが早いか遅いかの違いだけ。こういう良い経験をさせてもらったので、次の大会に生かせたらなと思います」(カバラホークス・斉藤圭佑監督=上写真) 一塁側の通路を抜けてスタジアムを背にした敗軍の将は、わずかに残る気力を振り絞るようにして報道陣の短い取材に応じた。その後、すでに大泣きの6年生たちを集めて輪になると、涙腺が崩壊。それを見た選手たちの嗚咽が、またいちだんと大きくなった。 垂涎の開幕カード...
【全日本学童東京予選/特集】敗れざる者たち...
【都知事杯/2回戦速報】注目の決戦、国立が...
夏の到来を告げる伝統の大会、東京都知事杯第48回東京都学童軟式野球大会フィールドフォース・トーナメントは7月29日、八王子市の滝ガ原運動場野球場で2回戦16試合が行われた。全日本学童東京大会王者の不動パイレーツ(目黒)、大会常連の高島エイトA(板橋)などがベスト16入り。昨年王者の船橋フェニックス(世田谷)と国立ヤングスワローズA(国立)の注目の一戦は、中盤に逆転、リードした国立が船橋の猛追を振り切って勝利を挙げた。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません。 ■2回戦 ◇滝ガ原運動場1面 ▽第1試合 国立ヤングスワローズA(国立) 00421=7 10104=6船橋フェニックス(世田谷)【国】山崎、宮下、山崎、宮下、谷津、山崎、谷津-岩本【船】前西、佐藤-佐藤、高橋本塁打/山崎(国)三塁打/吉川(国)二塁打/吉川(国) 全国予選の教訓!? 国立が逃げ切り 全日本学童東京大会ベスト8の国立ヤングスワローズA(国立)が、昨年王者で全日本学童東京大会3位の船橋フェニックス(世田谷区)を撃破した。 初回に連続四球からピンチを背負い、犠飛で船橋に先制点を献上した国立。それでも、3回表に宮下瞬と岩本虎太朗の安打で一死一、三塁とし、長嶋健介のスクイズで同点とすると、山崎央月が左越えの2ランを放って勝ち越し。さらに吉川陽壱主将と清水升爲の連打で1点を加え、4対1と突き放した。 その後は双方が得点し、制限時間により最終回となった5回裏。5点リードしていた国立は、被安打は2本ながら四死球と失策も重なり、1点差に迫られる。しかし、最後は二死一、三塁から、リリーフの谷津綾和が「(走者が)一番、油断する場面だと思った」と、逆転の走者を見事なけん制で刺し、激戦に終止符を打った。 全日本学童東京大会の準々決勝で、不動パイレーツ(目黒区)を相手に、最終回までリードを奪いながら逆転負けで涙をのんでいた国立。杉本敬司監督は「あのときと同じような展開。前回の教訓が生きたんでしょうか。選手たちが落ち着いてプレーしてくれました」と胸をなでおろし、「結果的に、初回に1点で済んだのが大きかったですね」と振り返った。 先発したエース右腕の山崎は、初回は先制点につながる連続四球を出したものの、2回の再登板後は安定した投球をみせて勝利に貢献。「良いコースに投げても打たれるし、際どいコースは見送られるし、嫌な打線だったけど、うまく修正して投げることができました」と、こちらもホッとした様子で、力投が報われた勝利を喜んでいた。 ◇ ◇ ◇滝ガ原運動場1面 ▽第2試合 レッドサンズB(文京) 00000=0 12211x=7山野レッドイーグルスA(世田谷)※5回コールド【レ】野村雄、竹内、齊藤-大塚【山】伊藤-鈴木三塁打/齊藤(レ)二塁打/杉山、皆見(山) 山野が貫録、5年生軍団に完勝 レッドサンズB(文京区)は選手全員が5年生ながら、1回戦では2ケタ得点で大勝(11対0)していた。対する山野レッドイーグルスAは初回、3四球と5年生・波多豪の適時打で先制すると、2回以降も毎回得点で5回コールド勝ち。ここでは負けられないとばかり、5回コールド勝ちでベスト16入りを決めた。「初戦は全力で投げるあまり、力みにより自分でピンチをつくっていた伊藤晴が、きょうは落ち着いて投げてくれたのが大きかったですね」と米谷昭良監督。指揮官の「打たれてもいいから、楽しんで投げろ」の指示を胸に、この日は無四球投球でチームの勝利に貢献した伊藤は「自主練で遠投してフォームを見直したりして、うまく調整できたのもよかったと思います」と、胸を張った。 ◇ ◇ ◇滝ガ原運動場1面 ▽第4試合 昭島クラブ(昭島) 2000=2 3351x=12不動パイレーツ(目黒)※4回コールド【昭】峰岸、宇田川-矢田、峰岸【不】木戸-山田本塁打/田中(不)二塁打/宇田川(昭) 東京2冠へ死角なし!? 不動が圧勝 全日本学童東京大会王者の不動パイレーツ(目黒区)が万全の試合運びで、同大会ベスト8の昭島クラブ(昭島市)を退けた。 1回表、昭島が峰岸優伍、市川春馬、宇田川椋平の連打などで2点を先取。しかし、不動はその裏、先頭の田中璃空主将が中越えのランニング本塁打。続けて二番・寺田悠人、三番・竹中崇の連打と四球で塁を埋めると、五番の茂庭大地と六番の山田理聖が連続でスクイズを決め、あっさりと逆転する。2回以降も安打はすべてシングルながら、昭島守備陣のミスを誘発するほど、積極的でスピード感抜群の走塁を武器に、毎回得点の4回コールドで快勝した。 失点後も慌てず、計算ずくの逆転シーン。安定感抜群の守備。昭島・林一行監督の「きょうのウチのチームでは、10回戦っても勝てる気がしません……」という言葉が、そのスキのなさをよく表している。「選手たちが自信をもってプレーしてくれています」と不動・田中和彦監督。チーム状態は止まることなく、上昇を続けているようだ。 「きょうのウチだと…」と林監督が話した昭島にとっても、この敗戦は貴重な経験となるはずだ。流れを引き寄せ、決して渡すことのない不動の試合運びに、2回以降は翻弄されたが、初回の攻撃では力を発揮できていた。この日の悔しさが、さらなるチーム成長のきっかけになることを期待したい。
【都知事杯/2回戦速報】注目の決戦、国立が...
【全日本学童埼玉大会/最終日】悲願成就! ...
高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント埼玉県予選会は6月14日、熊谷市のおふろcafeハレニワスタジアム熊谷(ハレスタ熊谷)で準決勝と決勝を行い、決勝では西埼玉少年野球(飯能)が東松山野球スポーツ少年団(東松山)を下し、初の全国大会出場を決めた。西埼玉は8月11~17日に新潟県で行われる全国大会、東松山は8月2、3日に茨城県土浦市で行われるコントリビュートカップ第48回関東学童軟式野球大会に出場する。3位は比企野球少年団(比企)と吉川ウイングス(吉川)だった。 (写真&文=鈴木秀樹) ※全国展望チーム紹介「西埼玉少年野球」➡こちら ■決勝 ◇6月14日 ◇ハレスタ熊谷 ▽第3試合西埼玉少年野球(飯能) 0000025=7 0010103=5東松山野球スポーツ少年団(東松山)※タイブレーク7回【西】新井、高橋、香川、関川-矢澤【東】鶴岡、石川-石川、鶴岡三塁打/香川(西)二塁打/香川(西) 【評】タイブレーク7回裏、一死一、三塁。同点の走者を背負いながら、最後の打者を遊ゴロ併殺で締め、西埼玉少年野球が悲願の優勝、全国大会出場を決めた。 昨年大会も3回戦でぶつかり、敗戦を喫している東松山野球スポーツ少年団との決勝。初回に先頭打者の香川幹大が右前打で出塁も、送りバントが小フライとなり併殺。2回にも一死満塁の好機を得ながら、あと1本が出ずに無得点に終わっていた西埼玉は3回裏、安打、送りバント、タイムリーで東松山に先制点を奪われる、厳しい流れとなった。5回には、満塁からの押し出し四球で2点目を許し、流れは東松山にあった。 それでも、試合は終わっていなかった。6回表、先頭の香川が左中間を破る二塁打を放つと、一死後に三番・水村玲雄が中前に適時打を放ち1点。四番・新井一翔も安打で続くと、次打者の内野ゴロで、併殺を焦った東松山がエラー。その間に水村が同点のホームを陥れ、勝負をタイブレークに持ち込んだ。 すっかり息を吹き返し、流れにも乗った西埼玉は、無死一、二塁開始のタイブレーク7回には、四球と武内瑛汰の適時打、さらに香川の左翼への2点適時三塁打などで5点を奪うと、その裏のピンチを好守備で乗り切り、歓喜の瞬間を迎えたのだった。 〇西埼玉少年野球・綿貫康監督「完封負けするような打線ではないと、信頼はしていましたが……。それにしても、キャプテン香川を中心に、よく戦ってくれました。大したものです。監督としても感謝しかありません」 ●東松山野球スポーツ少年団・久保滋典監督「悔しいですね。打ち勝ってきた印象があるチームですが、一番、ほめていたのは守備。本当にうまいんです。それだけに、(併殺なら勝利だった)6回の失策が悔やまれます。ただ、一致団結してよく戦った」 ―Pickup Hero― 投打でチームをけん引! 香川幹大(西埼玉/投手・中堅手) 準決勝で強敵・吉川ウイングス打線を抑え、決勝でもマウンドへ。さらにタイブレーク7回には勝負を決める適時三塁打と、この日も八面六臂の活躍を見せた。6回、7回の打席は「絶対に打ってやるんだって思ってました」と振り返り、「優勝できてよかった」と満面の笑み。綿貫康監督が「誰よりも野球を楽しんでいる選手」と太鼓判を押すヒーローがチームを全国大会に導いてみせた。 勝負強さが光るスラッガー 水村玲雄(西埼玉/三塁手) 準決勝で3打数3安打と大暴れし、決勝では敗戦の危機にあった6回に起死回生のタイムリーを放つなど、勝負強さが光った。「この打線で三番を任されているので、打たなきゃと思っていました。ここからまたスタート。気を引き締めて、全国大会でも活躍できるよう頑張りたいです」と静かに振り返り、気合を入れた。まだ見ぬ、全国の好投手たちについては「よく行くバッティングセンターでは135㎞くらいの球も打っているので大丈夫です!」。 スピードとセンス光る扇の要 矢澤凌(西埼玉/捕手) 捕手を始めたのは、この2月。「低学年の頃にもやったことはあったんですけど、その後はずっとショートだったんです」。なるほど、遊撃の守備も見てみたい、軽々とした身のこなしなのだ。決勝では「捕手としての負担を考え」(綿貫監督)六番だった、打撃のセンスも光る。「打順も考えて、つなぐ意識を強く持ってやりました」という通り、右方向を意識した打撃でつなぎに徹したり、しっかりと粘って四球を選んだり。センスあふれる扇の要にも期待だ。 頼もしさも加わった大型スラッガー 石川惺央(東松山/捕手・遊撃手・投手)...
【全日本学童埼玉大会/最終日】悲願成就! ...
【全日本学童群馬予選/決勝】新里の“堅実野...
47都道府県の王者が出場する全日本学童大会マクドナルド・トーナメントは8月11日に新潟県で開幕する。関東地区で最初に代表が決まったのは、群馬県。どちらが勝っても初の全国出場となった決勝は、いつも通りの1点を奪う野球を貫いた新里スターズが、上川ジャガーズを4対1で破り、初優勝を飾った。戦評に続いて、ヒーローとグッドルーザーをお届けしよう。なお、優勝チームについては、『全日本学童大会』の展望コーナーで紹介している。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※全国展望チーム紹介「新里スターズ」➡こちら 優勝=初 にいさと 新里スターズ [群馬/桐生市] ■決勝 ◇5月4日 ◇上毛新聞敷島球場 ▽第2試合 上川ジャガーズ(前橋) 000010=1 10012 X=4 新里スターズ(桐生) 【上】細野-横堀 【新】中村、坂田-加藤 本塁打/蓮沼(新) 三塁打/加藤(新) 二塁打/細野(上) 【評】ともに初の県決勝で、どちらが勝っても全国初出場となる。昨秋の新人戦は、新里スターズが県ベスト8。上川ジャガーズは地区予選で敗退も、1年前の今大会で3位となり、その経験者も複数いる。 迎えた大一番は、終盤まで1点を争う展開となったが、明暗は初回から分かれた。先攻の上川は、死球と四番・酒井智奈美の中前打で二死一、三塁と好機をつくるも無得点。対する新里は敵失と盗塁、進塁打で一死三塁とし、三番の5年生・岩田彗真の投ゴロ(=上写真)で1点と、無安打で先制点を奪った。 上川は2回に一死三塁をつくるも、3バント失敗など無得点。3回には三番・細野良太が逆方向へ二塁打を放ち、二死から五番・横堀旭(5年)も右前へ打ち返したものの、ライトゴロとなって1点が奪えない。それでも先発右腕の細野が奮投し、1点差をキープしてきたが、4回にまたミス絡みで失点してしまう。 3回表、上川は細野が二塁打(上)。二死後、5年生の横堀(下)の打球は一、二塁間を破ったがライトゴロに...
【全日本学童群馬予選/決勝】新里の“堅実野...
【全日本学童群馬予選/3位決定戦】伊勢崎南...
全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの群馬県予選大会は、他3つの上部大会の予選も兼ねている。準決勝で敗退したチーム同士による3位決定戦は、勝者が阿波おどりカップ(8月6日開幕・徳島)へ、敗者は関東学童(8月2日開幕・茨城)へ。試合は一方的な展開となりかけた中で、双方のチームカラーや指揮官のスタンスが浮き彫りに。どちらも、ここまで勝ち上がったのは初めてのことで、「明るさ」という共通点があった。では、戦評に続いて、それぞれの快進撃の理由や背景に迫るインサイドストーリーをお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※決勝の戦評と優勝チームの紹介は追って公開します ■3位決定戦 ◇5月4日 ◇上毛新聞敷島球場 ▽第1試合 伊勢崎南ホークス(伊勢崎) 20290=13 10025=8 オール東 大利根(前橋) 【伊】栗原、関口大、吉野里-吉野里、関口大 【オ】日高将、髙橋、菅原-菅原、田島 本塁打/関口大(伊) 二塁打/栗原2、中里、小茂田、五十嵐(伊)、塚本(オ) 【評】先攻の伊勢崎南ホークスが関口大愛の2ラン(=上写真)で1回に先制し、以降も主導権を握ったまま勝ち切った。1点リードで迎えた3回には、五番・小茂田樹の2点二塁打で4対1と中押し。続く4回には、相手投手の乱調にも乗じて栗原新岬主将(=下写真)と五十嵐祐介の適時二塁打など、打者15人で9得点と一方的にリードを広げた。 オール東 大利根は、先発左腕の日高将翔(=上写真)が時には痛打されて3回4失点も、70㎞台の遅球を軸に丁寧に投げ続けた。また打線のほうは、1対13と苦しくなった4回裏から反撃をスタートした。 四死球や敵失に足技を絡めて2点を返すと、5回には3巡目に入った打線がつながる。三番・柴田大晴(5年)、代打・稲垣奏空、七番・髙橋和真と3本のタイムリーで小刻みに1点を重ねると、代打出場から2打席目の5年生・塚本祥起が左越えの2点二塁打で8対13に。だが、猛追もここまでだった。 〇伊勢崎南ホークス・早川良監督「最後の守りでは、野球の独特の流れや野球場の怖さを体験できたと思います。一人ひとりが自覚を持って、状況を冷静にみて自分のやるべきことをやる。これが研ぎ澄まされていけば、上の大会でも活躍できるかなと思います」 ●オール東 大利根・杉本尚穂監督「4回の守りでは『アウトをとにかく増やせ』という指示をしました。5回裏は11点取って勝つつもりでした。マック(全日本学童)の予選でここまで来られたのも初めて。上出来でしょ!!」 ■TEAM...
【全日本学童群馬予選/3位決定戦】伊勢崎南...
【全日本学童茨城大会/速報】盤石の茎崎、3...
第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント茨城県大会は6月22日、ノーブルホームスタジアム水戸で決勝と3位決定戦を行い閉幕。決勝は茎崎ファイターズ(土浦市)が、楠クラブスポーツ少年団(結城市)を8対0の5回コールドで下し、3年連続12回目の優勝を果たした。昨秋の新人戦王者でもある茎崎は、守ってはノーミスで完封、攻めては毎回安打の計8得点。非の打ち所がない戦いぶりで全国を決めたナインを、吉田祐司監督は涙で称えた。一方、6年生9人の大型チームの楠クラブは、初の県決勝で高い壁に跳ね返されたものの、守備はノーミスで準優勝。7月12・13日に埼玉県開催のスポーツ少年団関東大会(全国最終予選)に出場する。3位決定戦は終盤に大きくもつれた末、諸川ファイターズ(古河市)が嘉田生野球スポーツ(筑西市)を振り切り、関東学童(8月2・3日)出場を決めた。 (写真&文=大久保克哉) ※試合評やチーム紹介などは追って特報します ■決勝 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 ▽第2試合 楠クラブスポーツ少年団(結城) 00000=0 3221 X=8 茎崎ファイターズ(土浦) 【楠】直井大、三宅-阿部孝 【茎】百村、石塚-佐々木 本塁打/佐々木(茎) 二塁打/佐藤、柿沼、山﨑(茎) ■3位決定戦 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 ▽第1試合 諸川ファイターズ(古河) 00021028=13 00010221=6 嘉田生野球スポーツ少年団(筑西) 【諸】真船、白石、樫村-白石、樫村、白石 【嘉】坂本、根本、坂本、根本、國府田-山中 本塁打/宮崎(諸)...
【全日本学童茨城大会/速報】盤石の茎崎、3...
【全日本学童千葉大会/速報】豊上、非願成就...
第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント千葉県予選大会の決勝が6月21、国府台スタジアムであり、豊上ジュニアーズ(柏)が匝瑳東ベースボールクラブ(東総)を15対0で下し、2年連続6回目の優勝を果たした。18安打15得点に完封リレーで千葉王座を守った豊上は、新チーム始動時から「全国優勝」を期しており、髙野範哉監督の胴上げはお預け。2019年と20年の全国3位も超えていきそうな実力と成長に一体感がうかがえた。一方の匝瑳東(そうさひがし)は、初のファイナルで圧倒されたものの、投げやりなプレーや態度は最後まで見られず。就任3年目の石毛勝宏監督の下、8月2日からの関東学童へ千葉代表として出場する。 (写真&文=大久保克哉) ※試合評やチーム紹介などは追って特報します ■決勝 ◇国府台スタジアム 匝瑳東ベースボールクラブ(東総) 0000=0 0681=15 豊上ジュニアーズ(柏) 【匝】宮内勇、丸山駿、鶴岡-伊藤龍、宮内勇 【豊】山﨑、中尾-神林 本塁打/中尾、村田(豊) 三塁打/後山、矢島、福井、中尾(豊) 二塁打/村田(豊)
【全日本学童千葉大会/速報】豊上、非願成就...
【全日本学童群馬予選/準決勝】上川の長谷川...
「全国大会」と称する舞台が、学童野球では無数にある昨今だが、昭和から続く夢舞台、47都道府県の代表で日本一を決するチャンピオンシップ大会は、これしかない。「小学生の甲子園」とも称される、全日本学童大会マクドナルド・トーナメントだ。第45回大会の今年、関東地区では群馬県がトップを切って予選が行われた。結果は当メディアでも速報済だが、準決勝以降を改めて特報していこう。まずは5月3日にあった、準決勝の2試合とヒロイン&ヒーローから。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※3位決定戦と決勝も順次、公開します ■準決勝1 拮抗の前半戦から4回に明暗。上川が伊勢崎南を振り切る ◇5月3日 ◇上毛新聞敷島球場 ▽第1試合 上川ジャガーズ(前橋) 120120=6 102000=3 伊勢崎南ホークス(伊勢崎) 【上】細野、冨田一、今井-横堀 【伊】吉野里、関口大-関口大、吉野里 本塁打/長谷川2(上) 二塁打/中里(伊)、横堀(上) 【評】前半戦は一進一退で拮抗した。先攻の上川ジャガーズ(=上写真)は、冨田一平主将が左翼線への先頭打者ヒットから二盗に成功。そして三番・細野良太のテキサス安打で三進、内野併殺崩れで先制のホームを踏んだ。対する伊勢崎南ホークス(=下写真)もその裏、すぐにやり返す。二番・中里銀次の左中間二塁打からバッテリーミスで一死三塁とし、三番・関口大愛の二ゴロで1対1に。 以降も互いに譲らない。2回表、六番・長谷川蒼生の右越え本塁打(=冒頭写真)で2対1とした上川は、なおも四球や犠打で二死二塁として、冨田一主将の中前打で2点差に。伊勢崎は3回裏、一番・栗原新岬主将が内野強襲安打から二盗を決め、続く中里の中前打で1点。さらに関口大も内野安打で二死一、三塁とすると、一走が飛び出して守備陣の転送を誘う間に、三走の中里が同点のホームを踏んだ。 伊勢崎南の二番・中里は、第3打席でバント安打(上)を決めて3打数3安打1打点。上川の六番・長谷川は2打席連続のランニングホームラン。写真下は右中間を破った2本目 明暗が分かれたのは、3対3で迎えた4回の攻防だった。上川は長谷川が右中間へ2本目の勝ち越しソロ(=上写真)。その裏の守りは失策に始まり、暴投や四球で一死一、二塁のピンチとなる。攻める伊勢崎は、八番・五十嵐祐介が右打席から逆方向へきれいに打ち返す(=下写真)。しかし、上川の右翼手・武居颯大(5年)が、落ち着いた処理でライトゴロに。さらに送球を受けた一塁手の酒井智奈美が、即座の本塁転送で、三塁を蹴っていた二走を挟殺プレーからタッチアウトに。 併殺でピンチを脱した上川は、直後の5回表に細野と横堀旭(5年)のタイムリーで6対3と突き放す。投げては三番手の今井優音(5年)が、5回裏二死二、三塁のピンチから登板してのパーフェクトリリーフで決勝進出を決めた。 ―Pickup Heroine― 流れを呼んだ本塁転送。四番女子は夏のガールズトーナメントへ...
【全日本学童群馬予選/準決勝】上川の長谷川...
【全日本学童神奈川大会/速報】川和シャーク...
高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント神奈川県予選会は6月15日、川崎市の等々力球場で準決勝と決勝を行い閉幕。横浜支部対決となった決勝は、先制した川和シャークスが戸塚アイアンボンドスの猛追を振り切り、初優勝した。川和は8月11に新潟県で開幕する全国大会へ、準優勝の戸塚は9月6、7日に埼玉県で行われるGasOneカップに出場する。川和と同点決着(準決勝までタイブレークなし)の末に抽選負けした野川レッドパワーズと、4年ぶり2回目の全国大会出場を目指した久本ブルーエンジェルスの川崎支部代表2チームが3位だった。 (写真&文=鈴木秀樹) ※最終日の詳報は追って掲載します ■決勝 ◇等々力球場▽第3試合川和シャークス(横浜) 200040=6 000004=4戸塚アイアンボンドス(横浜) 【川】吉本、阿部-田村、吉本【戸】佐藤駿-小林怜本塁打/吉本(川)加藤丈(戸)二塁打/亀井大、谷口(川)山本(戸) ■準決勝 ▽第1試合野川レッドパワーズ(川崎) 000000=0 000000=0川和シャークス(横浜)※抽選で川和の勝ち上がり 【野】納冨、竹下-園部【川】田村、阿部-吉本本塁打/鶴岡(東)三塁打/若林(東) ▽第2試合久本ブルーエンジェルス(川崎) 02012=5 22210=7戸塚アイアンボンドス(横浜) 【久】塚野、竹内-佐々木【戸】北川、佐藤光-小林怜本塁打/北川(戸)塚野(久)二塁打/佐々木(久)小林怜、綱川(戸)山田(久)加藤丈(戸)
【全日本学童神奈川大会/速報】川和シャーク...
【全日本学童埼玉大会/速報】西埼玉が悲願初...
高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント埼玉県予選会は6月14日、熊谷市のおふろcafeハレニワスタジアム熊谷(ハレスタ熊谷)で準決勝と決勝を行い閉幕。決勝では西埼玉少年野球(飯能)が東松山野球スポーツ少年団(東松山)を下し、悲願の全国初出場を決めた。0対2から最終6回に追いつき、タイブレークに及んだ激闘を制した。西埼玉は8月11に新潟県で開幕する全国大会、東松山は8月2、3日に茨城県土浦市で開催のコントリビュートカップ関東大会に出場する。3位は比企野球少年団(比企)と吉川ウイングス(吉川)だった。 (写真&文=鈴木秀樹) ※最終日の詳報は追って掲載します。 ■決勝 ◇ハレスタ熊谷▽第3試合西埼玉少年野球(飯能) 0000025=7 0010103=5東松山野球スポーツ少年団(東松山)※タイブレーク7回 【西】新井、高橋、香川、関川-矢澤【東】鶴岡、石川-石川、鶴岡三塁打/香川(西)二塁打/香川(西) ■準決勝 ▽第1試合比企野球少年団(比企) 00000=0 02302x=7東松山野球スポーツ少年団(東松山)※5回コールド 【比】武井、関口-関口、武井【東】土崎、足立-鶴岡本塁打/鶴岡(東)三塁打/若林(東)二塁打/大澤(比) ▽第2試合吉川ウイングス(吉川) 000310=4 20321 X=8西埼玉少年野球(飯能) 【吉】古井、松浦-大浦【西】香川、関川、香川、高橋-矢澤三塁打/水村(西)田村、堀、藤田(吉)二塁打/早川、水村、香川(西)大浦(吉)
【全日本学童埼玉大会/速報】西埼玉が悲願初...
【全日本学童東京大会/速報】不動が4年ぶり...
第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は6月14、府中市民球場で決勝と3位決定戦を行い閉幕。1週間前の準決勝の勝利で全国切符を手にした両軍の頂上決戦は激しい打ち合いに。3回に大逆転した不動パイレーツ(目黒)が、2016年以来のVを期す越中島ブレーブス(江東)を以降は突き放し、4年ぶり3回目の東京王者に輝いた。3位決定戦は、船橋フェニックス(世田谷)がレッドサンズ(文京)に完勝し、9月6日開幕のGasOneカップ出場を決めている。 (写真&文=大久保克哉) ※大会最終日の決勝、3位決定戦は追って特報します ■決勝 ◇府中市民球場 ◇第2試合 不動パイレーツ(目黒) 02525=14 04010=5 越中島ブレーブス(江東) 【不】木戸、岡田-山田 【越】石原、宮川、一木-長島穂 本塁打/山田(不) 三塁打/長島光(越)、竹中、茂庭(不)、栗田(越)、寺田(不) 二塁打/寺田(不) ■3位決定戦 船橋フェニックス(世田谷) 00220=4 00010=1 レッドサンズ(文京) 【船】前西、佐藤-佐藤、高橋 【レ】田代、久保、門田、田代、門田、久保-中澤 本塁打/田代(レ) 二塁打/柴原2(船)、久保(レ)
【全日本学童東京大会/速報】不動が4年ぶり...
【全日本学童千葉県大会/速報】地区代表16...
高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント千葉県予選会は6月8日、市川市の国府台スタジアムで開幕した。この日は開会式に続き、同スタジアムなど3会場で1回戦8試合が行われ、昨年優勝の豊上ジュニアーズ(柏)などが勝利。習志野フェニックス(習志野)は北条スターズ(安房)との大接戦を逆転サヨナラ勝ちでものにした。14日に準々決勝、15日に準決勝が行われ、決勝は21日、同スタジアムで予定されている。 ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません。 (写真&文=鈴木秀樹) 最後まで分からない接戦習志野Pがサヨナラ勝利 ■1回戦 ◇国府台スタジアム第2試合 北条スターズ(安房) 10015=7 23102x=8習志野フェニックス(習志野) ※5回時間切れ 【北】臼井航、貴家-山田、臼井航【習】森田、鈴木、仲山-仲山、森田本塁打/木越(習)鈴木(北)三塁打/臼井航(北)二塁打/仲山(習)山田(北) 終盤に大きく動いた大接戦を制し、習志野フェニックスが8強入りを決めた。 1回表、北条スターズに先制を許したがその裏、先頭の木越陸斗が四球を選ぶと、黒澤駿介の中前打に続き、仲山大樹主将が右中間に逆転の2点適時打(=冒頭写真)。2回には無死二、三塁から木越が右中間に3点ランニング本塁打を放ち、流れを一気に引き寄せた。 投げては先発の森田琉太から2番手の鈴木宏弥へとつなぎ、走者を出しながらも、バックの好守備にも助けられ、4回まで北条打線を2点に抑える粘りの投球。6対2と4点をリードし、既定の1時間30分まで残り時間の少ない5回に入った。 しかし、この5回表に、北条の猛追により失点を重ね、ついには6対7と逆転を許してしまう。「ミスからの失点もあり、終盤に流れを持っていかれちゃいましたね」と習志野・河野浩明監督。それでも、「とにかく1点。なんとか追いつこう」と指揮官にハッパをかけられた習志野ナインは、その裏、一死から連続の敵失で二、三塁とし、代打・尾古佑斗のスクイズで7対7に(=上写真)。そして最後は、相手のバッテリーエラーで三走の倉田莉玖がサヨナラのホームに滑り込み、激戦に終止符を打った(=タイトル写真)。勝利に沸く習志野ナイン。河野監督は「いろいろあっても、トーナメントは勝つことが第一。結果をほめてあげたいですね」と胸をなでおろした。 打のヒーローは、2回に3ランを放った木越。「(一番打者だが)走者がいるときのほうが、気合が入るから好き。(本塁打の打席は)ホームランを狙ったわけではないけど、狙い通りのライナーが打てました」とニッコリ。ベンチは5、6年生だけで20人。大所帯を引っ張る仲山主将は「まとめるのは大変だけど、チャンスの時はみんなの大声援が心強い。力になります」と言い、「次はフェニックスらしく、守り勝ちたいと思います」と気を引き締めていた。 奮闘11人!大逆転劇はならず 敗れた北条スターズ・安西昌徳監督は「いい試合でした。選手たちがよく頑張った」とすがすがしい表情を見せたものの、「しかし、悔しいなあ。悔し涙が出ちゃいましたよ。いつぶりだろう。初めてかな。負けたのは監督の責任です」と天を仰いだ。 序盤から、流れは完全に習志野と思われたが、臼井航汰主将は「(北条は)逆転勝ちもたくさんあるチーム。誰もあきらめてなくて、勝てると信じてました」と振り返った。「負けていても、チャンスが来れば、みんな続く打線なんです」。その思いが、5回の大量得点につながった。「次はもっと、いまの倍強くなって、また県大会で習志野フェニックスと戦いたいです」と成長を誓った。 5回に4対6から、逆転の右越え3ランを放った鈴木陽翔(=上写真⑤)はまだ4年生。安西監督も「最近、調子が良くて、これまで九番だった打順を、七番まで上げてきてたんです。きょうも最初から、タイミングはバッチリ合っていました」と期待を寄せる大器だ。実はこの一本が公式戦初本塁打。「村上宗隆選手(ヤクルト)みたいになりたい」という鈴木は「ホームでアウトかと思ったけど、ホームランになって、すごくうれしかった」と喜んだ。 1年生までベンチ入りし、総勢11人の北条。敗れはしたが、それぞれに手応えをつかんだ県大会の一戦を経験し、ナインは間違いなく、ひと回り成長したはずだ。 エースライオンズが大勝元気いっぱい堅実野球で8強 ■1回戦 ◇国府台スタジアム第1試合 北方中央野球部(市川) 1002=3 1511X=17エースライオンズ(八千代) ※4回時間切れ 【北】鈴木、齋藤、岩澤-岩本 【エ】菊池、江見、情野-池田航 本塁打/秋葉(エ) 三塁打/飯島(北)池田結(エ) 気づけば大差勝ち。エースライオンズ(八千代)が最高の試合運びで初戦を突破した。 1回表には、北方中央野球部(市川)打線に2安打で先制を許す立ち上がり。その裏に連続四球を足がかりに、無安打で同点に追いついたが、「あの時点では、先が読めなかったですね」とライオンズ・村石純一監督が振り返る。 流れを決定づけたのは、2回の攻撃だった。菊池凌央の安打から好機を広げ、粕谷尚史のバント安打で菊池が二塁からかえって勝ち越すと、その後もバントに敵失が加わるなど、着実に得点を重ね、気づけばこの回5得点。高い走塁意識と思い切りの良さで、試合の流れをグイっと引き寄せた。3回には、池田結星の適時三塁打、秋葉竣太の3点本塁打も飛び出すなど(=上写真)、打者14人の猛攻で11点を加えて大差勝利を収めた。「いいぞ、〇〇、最高です!」「〇〇、ありがとう!」「〇〇、いいスイング。100点!」 ベンチからは常に、村石監督はじめコーチ陣から、選手たちをのせる、前向きな言葉が飛んだ。「見ての通り、ウチは小粒で、スターはいないチーム。とにかく全員が全力でプレーし、試合を楽しんでくれればいいんです」と指揮官。走者を確実に進める攻撃で、回を追って勢いを増していった。「午後からは地元に帰って、別の大会の決勝があるんです。いい流れがつくれたかな」 3回裏に中越えの本塁打を放った秋葉は「1打席目、見逃し三振をしてしまって。これじゃダメだって。スローボールを、しっかりためて打ち返せました。いい具合のライナーが打てて、ホームランになりました」とニコニコ。好投の先発・菊池は「初回、球が抜けてまずい、と思ったけど、立て直すことができてよかったです。楽しんで、笑顔でプレーできました」。元気なチームが、ますます勢いに乗る一勝を挙げたようだ。
【全日本学童千葉県大会/速報】地区代表16...
【全日本学童東京大会/速報】不動と越中島が...
第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は6月7日、府中市民球場と郷土の森野球場で準々決勝と決勝を行った。結果、越中島ブレーブス(江東)と不動パイレーツ(目黒)が勝ち残り、8月の全国大会を決めた。越中島は9年ぶり2回目、不動は3年連続6回目。東京王者の座をかけた決勝は14日、府中市民球場で予定。また同日は、準決勝で敗退したレッドサンズ(文京)と船橋フェニックス(世田谷)が、9月のGasOneカップ出場をかけて3位決定戦を行う。 ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング。全試合の結果速報ではありません。 (写真&文=大久保克哉) ■準々決勝1 16安打4本塁打21得点。 前年Vの船橋、城北の“キセキ”阻む ◇郷土の森野球場 ◇C面第1試合 船橋フェニックス(世田谷) 8166=21 0103=4 城北メッツ(北) ※4回コールド 【船】佐藤、田村-高橋 【城】藤田、高橋、諏訪、伊藤、南須原、林-冨山 本塁打/榎本、佐藤、長野、中司(船) 三塁打/藤森(城)、中司(船)、青鹿(城) 二塁打/佐々木、柴原(船) 1回表、船橋は九番・榎本が満塁本塁打(上)、一番・佐藤主将もソロ本塁打(下)など打者12人で8得点 2四死球と失策で、いきなり無死満塁のピンチを招いた城北メッツだが、先発右腕の藤田志が踏ん張る。船橋フェニックスの四番を早々に追い込んで空振り三振に。続く五番打者も1ストライクからのバントファウルで簡単に追い込んだ。船橋にはどことなく嫌なムードも漂ったが、右打席の佐々木暦望が一掃した。三塁線を強烈に破る2点二塁打で先制。さらに七番・桜井翠がスクイズバントを決めると、九番・榎本煌が逆方向へ満塁走者一掃の本塁打で7対0に。なおも一番・佐藤優一郎主将も左越えソロ、2回表には八番・長野隼也のタイムリーで9対0と、序盤で大勢を決した。 城北は2回裏、二死から南須原啓太主将がレフトへチーム初安打。ここで5年生の代打・藤森嵐太が左越えの特大三塁打(=下写真)を放って1点を返す。続く八番・青鹿斗真も、4球連続のファウルなど粘るも、ここはマウンドの船橋・佐藤主将が三振斬りで粘り勝つ。 船橋打線は大量リードでも慎重に攻め続けた。ボール球を確実に見逃し、塁に出れば相手のわずかなスキも突いて進塁する。そうして好機を広げつつ、3回には三番・中司慧太(=冒頭写真)の適時三塁打などで6点、4回には長野の2ラン(=上写真)や中司の3ランなどでダメを押した。そして3回からは田村悠が今大会初登板。阿部航己が代打、正田統真が代走と、控え選手たちも続々と登場しながら逃げ切った。 城北は4回裏、三番・伊藤民朗、四番・冨山桔平に、途中出場していた5年生の林光泰がいずれも左前打。そして二死満塁から八番・青鹿の打球が左翼手の頭上を襲い、3人を迎え入れたが、船橋は7-6-2の転送で打者走者を本塁タッチアウトに(=下写真)。これで試合終了となった。 ―Pickup Team―...
【全日本学童東京大会/速報】不動と越中島が...
【全日本学童東京大会/速報】船橋P、レッド...
高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は6月1日、府中市郷土の森野球場で3回戦8試合を行い、大会ベスト8が出そろった。全国大会連続出場を狙う前年度優勝の船橋フェニックス(世田谷)、同準優勝の不動パイレーツ(目黒)のほか、都大会初出場の小平小川ベースボールクラブ(小平)なども勝ち上がった。7日には同野球場と府中市民球場で、準々決勝と準決勝がダブルヘッダーで行われる。 ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません。 (写真&文=鈴木秀樹) 初の都大会で続くミラクル 小平小川が強敵を完封 ■3回戦 ◇C面第3試合用賀ベアーズB(世田谷) 000000=0 10012X=4小平小川ベースボールクラブ(小平)【用】岡田、佐藤-大和【小】近藤-桑原三塁打/林(小)二塁打/桑原(小)、大野(用賀) 大会初出場の小平小川ベースボールクラブが堂々のベスト8入りを果たした。 相手は5年生チームながら、激戦区・世田谷を勝ち抜いてきた用賀ベアーズB。今大会も1回戦を11対1、2回戦を10対0と、好打と堅守で快勝し、16強入りした強敵だ。 しかし、この日の小平小川は完璧だった。 1回裏、先頭の桑原怜央(=上写真)が中越え二塁打から三盗を決め、栗原彪の右前適時打で早々に先制。以降は中盤まで、用賀の堅守で追加点を奪えなかったが、4回に澤村圭、玉木惇史の安打と敵失で待望の2点目。そして5回、二死三塁から澤村の適時打で1点、続く林大地の右中間三塁打で4対0とした。「みんな、自信をもって打席に入ってくれています。空振りしても、次には当てられると。常に前向きに行けたのが良かったですね」と、桑原征太監督が振り返る。積極的な攻撃もさることながら、この日は先発したエース左腕・近藤一輝(=冒頭写真)の投球が抜群だった。「調子良かったです。とくにコントロール。キャッチャーの構えたところに投げられました。球数は気にしていなかった。行けるところまで、と思って投げました」(近藤) マスクをかぶった桑原は「深く考えたわけではないけど、うまく相手をかき回す配球ができたと思います」と、好リードも光る快投劇。終わってみれば、近藤は65球で6イニングを投げ切り、うれしい1勝を完封で飾った。 「相手が強いのはわかっていました。打撃が素晴らしい。こういう球場(両翼70mの特設フェンスなしで、外野の打球はフリー)では、外野をとにかく下げて守るのがベストかと」 桑原監督がそう振り返ったように、次々と外野に飛ぶ大飛球をきっちり守り切った野手陣もエースの好投を支えた。「まさか、あれほどガンガン外野に飛ばされるとは、想像していませんでしたが(笑)。選手は気負いなくプレーしてくれましたが、こっちはずっと緊張ですよ。とにかく外野がうまく捕ってくれました。きょうは、いい具合にハマってくれましたね」 そう言って、笑顔を見せた。「変な話、勝ちにこだわりはないんです。常に前向きに。三振もヒットも、成功も失敗も、楽しめればいいと」 そんな話をする監督の脇で、選手たちが補足する。「チームワークがね~、すごくいいんだよ」 登録選手14人の中には負傷者も。それでもポジティブプレーで躍進を続ける。小平小川の勢いは衰えそうにない。 5年生軍団が示した可能性 敗れた用賀は打線にいつもの勢いがなかった。2回には一死から大野時生が右翼に二塁打を放ったものの、後が続かず、散発3安打でまさかの完封負け。良い角度で上がった外野への飛球も、ことごとく小平小川の外野手の正面に飛んだ。「このレベルになると、取れるアウトを取ったチームが勝つ。何か、流れを変えるプレーでも出ればよかったんですが…。仕方ありません」 村上太郎監督は淡々と振り返った。 それでも、5年生チームとは思えないパワフルな打線と堅守は、さすが、昨秋のマクドナルド・ジュニアトーナメント(4年生以下の都大会)王者。6年生チームに交じっての戦いでも、遜色ない実力を発揮した。「もちろん、勝ち進めればもっと良かったでしょうが、選手たち自身も楽しんでプレーしたし、父母やコーチ陣も最高に盛り上がった。この結果は試練というよりは、プレゼントだと思ってますよ」(同監督) 間もなく始まる、都知事杯フィールドフォース・トーナメントの出場権も手にしている用賀B。伸びしろ未知数の5年生14人のチームは、秋の東京都新人戦(マクドナルド・ジュニアトーナメント優勝枠で出場)までには、もう一回り、成長できそうだ。「ただ、この大会でも、実力を出しきれたとは思っていませんよ」 村上監督はそう言って、笑顔を見せるのだった。 初回の攻防で明暗 光った国立の堅守と足技 ■3回戦 ◇C面第1試合調布フェニックス 00000=0 20023x=7国立ヤングスワローズA【調】松本、原、佐伯-栗山【国】山崎-岩本本塁打/山崎(国)三塁打/栗山(調)、濱田(国) 初回の攻防が勝負の明暗を分けた。 1回表、国立ヤングスワローズAは調布フェニックスの先頭打者・栗山凱翔主将に安打を許すと、ボーク、暴投に四球で二死一、三塁のピンチに。だが、ここで得点を狙った重盗をホームで刺し(=上写真)、無失点で切り抜けた。 するとその裏、一死から清水升爲が左前に安打を放つと、返球のもたつきに乗じて二塁を陥れる好走塁。清水はさらに三盗を狙うと、これが悪送球を誘う形となって先制のホームイン(=冒頭写真)。続く山崎央月も右前打で出塁、二盗後にけん制悪送球で一気に生還を果たし、2点を先取した。 堅実なプレーでピンチを脱し、逆に失策がらみで先制。国立にとっては、またとない立ち上がりとなった。「調布さんは強いですからね。あれが逆だったら、試合の流れは全く逆だったかもしれません」と国立の杉本敬司監督。 先発したエース右腕の山崎は「先制できたことで、落ち着くことができました」と、2回以降はすっかり立ち直り、快速球を武器に調布打線をきっちり抑えた。 4回に小林倫太朗の適時打と濱田藍の適時三塁打で4対0に。そして5回、一死一、二塁から山崎が左翼線をライナーで抜く3点ランニング本塁打を放ち、7点差コールド試合を成立させた。 初回の好走塁でチームに流れを引き寄せた、二番・清水は「船橋フェニックスとか、強いチームと戦う中で、いつも次の塁を狙うことが大切だって気づいたんです。きょうは相手のスキを突く走塁ができてよかった」と満足そう。吉川陽壱主将は「ベスト8がかかった試合なので緊張したけど、楽しめました。次も相手は強いと思うけど、相手よりも、自分たちの力を出すことに集中したい。それができれば、全国大会で戦う力はあると思っているので」とうなずいた。 昨年は5年生のBチームで挑んだ都知事杯で8強入り。そして秋の新人戦の成績、都ベスト16を超えてきた。勢いはまだ、止まりそうにない。 昭島クラブ(昭島)は3試合連続の2ケタ得点でベスト8入り(上)。連覇を期す船橋フェニックスは、新興軍・城東ベースボールクラブ(江戸川)に打ち勝った(下) ■準々決勝のカード レッドサンズ 対 昭島クラブ 小平小川ベースボールクラブ...
【全日本学童東京大会/速報】船橋P、レッド...
【全日本学童東京大会/速報】関東王者散る…...
第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は5月18日、継続試合の1回戦と2回戦16試合を郷土の森野球場で行い、ベスト16が出そろった。昨秋の新人戦優勝枠で出場の旗の台クラブ(品川)が特別延長で敗れるなど、波乱含みの序盤戦。エトセトラをお届けしよう。 ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません。 (写真&文=大久保克哉) ■2回戦 ◇A面第1試合 旗の台クラブ(品川) 0010120=4 0040001x=5 レッドサンズ(文京) ※特別延長7回 【旗】栁澤、岡野-遠藤 【レ】田代、久保、田代- 中澤 本塁打/柳(旗) 二塁打/豊田(旗) 2年ぶり5回目の全国出場へ、レッドサンズが猛進!1回戦では、2年前のジュニアマック(4年生以下の都大会)決勝で敗れていたカバラホークスに(足立)にリベンジ。そしてこの2回戦では、昨秋の東京&関東王者の旗の台クラブと、特別延長7回に及ぶ大熱戦を演じてサヨナラ勝ち。 「旗の台さんは友好チームで、これまで何度も手合わせをしていただきました。能力も高い素晴らしいチームですので、2回に3点リードしてからもこのままいくとは思っていませんでした。目標はもちろん全国出場ですけど、旗の台さん、カバラさんの分まで一戦一戦、がんばります」と坂路友一監督(=写真上)。 旗の台は2対4で迎えた6回表に、柳咲太朗が右越えに同点2ラン(=下写真)。特別延長の7回裏に、押し出し四球で涙となった。 ※この試合は当メディアで追って特報します。 ■2回戦 ◇B面第3試合 船橋フェニックス(世田谷) 52013=11 00202=4 清瀬ツインズ(清瀬)...
【全日本学童東京大会/速報】関東王者散る…...
【東日本交流大会/決勝&Hero】史上初の...
2003年に始まり、21回目を数える東日本交流大会は、史上初の東京勢同士の頂上決戦で閉幕した。昨秋の関東王者・旗の台クラブが初出場で初優勝。2016年以来の優勝を期した不動パイレーツを9対4で下し、改めて実力を証明した。両軍は2年前のジュニアマック(4年生以下の都大会)にそろって出場しており、不動はベスト8、旗の台は3回戦で敗退。昨秋の新人戦は不動が都大会で初戦敗退、旗の台は優勝して続く関東大会も制覇した。そしてこの春に雌雄を決した両軍は、あす5月18日に全日本学童東京大会でそれぞれ初戦を迎える。今大会での成果も見られることだろう。なお、大会MVPは準決勝で快投を演じ、決勝で3安打2打点の旗の台・豊田一稀が受賞している。 (写真&取材=大久保克哉) 優勝=初 旗の台クラブ [東京] 準優勝 不動パイレーツ [東京] ■決勝 ◇4月6日 ◇茨城・希望ヶ丘公園野球場 不動パイレーツ(東京) 01003=4 0504 X=9 旗の台クラブ(東京) 【不】岡本、岡田、田中、山田-山田、竹中 【旗】栁澤、柳-遠藤 二塁打/豊田2(旗)、間壁(不)、柳(旗)、山田(不) 【評】2回から試合が動いた。先攻の不動が茂庭大地の左前打と、続く5年生の間壁悠翔の右中間二塁打で先制すれば、旗の台はその裏、柳咲太朗の右中間二塁打と遠藤雄大主将の中前打ですぐさま同点に。旗の台はなおも、敵失や一番・高市凌輔からの3連打など打者9人の猛攻で5対1と一気に逆転。中盤戦は堅守で張り合い、旗の台がけん制死を2つ奪えば、不動は一・三塁から重盗を阻む。迎えた4回裏、旗の台が八番・遠藤主将の右前打から再び攻勢に転じ、四球や単打、バッテリーミスなどで9対1とした。続くピンチを5-4-3併殺で脱した不動は5回表、山田理聖の二塁打や四死球、併殺崩れで2点。さらに三番・竹中崇の左前打で4対9としたが、反撃もここまで。5回裏の途中で既定の90分に達し、その打者をもって試合終了となった。 〇旗の台クラブ・酒井達朗監督「試合の数はやっているので、経験して学んできたことが出たと思います。(MVPの)豊田は打率が一番高いんですけど、投手なので重責を負わない打順で。控えの子たちのレベルがこのところ上がってきていて、試合にも出たり、活躍していますので戦力が確実に底上げされていると思います」 ●不動パイレーツ・田中和彦監督「点を取られても取り返せる。大会を通じてそういう試合展開に運べるようになりましたけど、最後は集中力が課題に。打ち勝たないといけないゲームで、技術が足りないというよりも集中が持続できませんでした」 週末の4試合目 週末の土日2日間を、ダブルヘッダーで計4試合。全国区の強豪チームにとっては珍しいことではない。加えて、野球環境に恵まれない都心部のチームにとなれば、遠征を伴う強行軍にも慣れっこだったりする。 ただし、練習試合と「負ければ終わり」の大会とでは、スイッチの入り方も熱量も自ずと異なるはず。32チームによるトーナメントを、ファイナルまで勝ち進んできた東京の2チーム。週末4試合目のラストマッチでプレーする面々に、疲労の色は目視できなかった。 消化してきた試合の数など、諸条件に違いはない。だが、前日から大激戦が続いた分だけ、不動パイレーツのほうが削られていたのかもしれない。あくまでも結果論だが、「らしくないミス」という形で、それが間接的にうかがえた。率いた田中監督も試合後に、こう漏らしている。 「90分(試合時間)×2で3時間。短いインターバルで、その3時間をずっと集中しろ!なんて、大人でも難しいですよね」...
【東日本交流大会/決勝&Hero】史上初の...
【東日本交流大会/準決勝+1】関東王者・旗...
第21回東日本少年野球交流大会の準決勝で、昨秋の新人戦で関東大会を制した旗の台クラブ(東京)と、同ベスト4の茎崎ファイターズ(茨城)が激突した。大会での顔合わせは初めてという注目の一戦は、関東王者の旗の台が貫録を示す形に。2連覇中だった茎崎は、ガマンの展開が続く中で守備陣はノーエラーを貫き、打線も最後に意地をみせた。同時進行のもう1試合は取材できなかったが、試合評とは異なるリポートをお届けしよう。 (写真&取材=大久保克哉) ※決勝戦も近日、特報します ■準決勝1 ◇4月6日 ◇茨城・希望ヶ丘公園野球場 旗の台クラブ(東京) 01211=5 00003=3 茎崎ファイターズ(茨城) 【旗】豊田、栁澤-遠藤 【茎】百村、石塚-佐々木 二塁打/栁澤、岡野(旗)、佐藤(茎)、泉(旗)、関(茎) 【評】2回表、豊田一稀の左前打と、続く栁澤勇莉の右中間二塁打で先制した旗の台が、その後も着々とリードを広げていった。3回には高市凌輔のバント安打と岡野壮良の右中間二塁打で1点、さらに内野ゴロ2本で3対0に。4回は四番・大島健士郎のテキサス安打で二走の遠藤雄大主将が生還、5回はその遠藤主将のタイムリーで5対0とした。旗の台のエース左腕・豊田(=上写真)を打ちあぐねてきた茎崎は、4回裏一死から五番・佐々木瑠星がチーム初安打。そして5回裏、柿沼京佑の二塁打や山﨑修眞のバント安打、敵失と四番・関凛太郎の左翼線二塁打で3点を返した。だが、この回の攻撃終了でタイムアップとなった。 ●茎崎ファイターズ・吉田祐司監督「最後にやっと打線が(相手投手の球を)とらえられたんですけど、遅かったですね。序盤からもうちょっと、とらえていかないと流れも来ない。全国予選に入る前なので、優勝するつもりでハッパかけていったんですけど、結果として負けてしまったので、次の3位決定戦に切り替えて。沈んだまんまで終わりたくないですね(※3位決定戦は10対2で勝利)」 第3位 茎崎ファイターズ [茨城] 大会最終日は、準決勝と決勝のダブルヘッダー。初出場の旗の台クラブ(東京)の酒井達朗監督は、試合前にこう話していた。 「2試合を想定してはいますけど、この準決勝で勝つことが最優先ですし、まずはここに全集中。簡単な相手ではありませんから」 相手の茎崎ファイターズ(茨城)は“関東の雄”として、全国に名が通る名門。夏の夢舞台、全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの出場は2ケタを数え、銀メダルを2回獲得している。その全国大会の予選に向けた試金石ともなる、この東日本交流大会は2連覇中。思い出されるのは、高い壁となって威厳が示された1年前の準決勝と決勝だ。 準決勝では、新チーム始動から不敗ロードを突き進む東京・船橋フェニックス(※今大会は日程が合わず不参加)を、準決勝で打ち破った(リポート➡こちら)。8対3で逆転勝利した茎崎は続く決勝で、不動パイレーツ(東京)と8イニングに及ぶ緊迫の勝負を展開し、これをものにしている(リポート➡こちら)。 旗の台は全国出場こそないものの、代表も兼務する酒井監督の下で、近年は急速に実績を伸ばしてきている。そして昨秋はついに関東王者に。迎えたこの“関東の雄”との対決は、大目標の全国出場を占う意味でも貴重な位置付けであったに違いない。 ただし、フィールドに散った旗の台の選手たち(=上写真)からは、重苦しいムードや過度な緊張は見て取れず。昨秋の新人戦から変わることのない明るさと落ち着きがあり、個々がベストパフォーマンスでチームに貢献せんとする意欲に満ちていた。 この一戦で誰よりも自信を増したのは、旗の台のエース左腕、豊田一稀(=上写真※「2025注目戦士❺」➡こちら)だろう。4回2安打無失点の快投。走者を出してからが、とにかく粘り強かった。 3回までは毎回の与四死球も、続く打者たちをたちまちに追い込んでアウトにしてみせるのだ。結果として、相手の待球作戦も裏目にさせる。攻める茎崎とすれば、崩せそうで崩せないまま、いたずらにイニングを消化してしまった感じもあった。 2回表、旗の台が豊田(上)と柳澤(下)の連打で1点を先制する...
【東日本交流大会/準決勝+1】関東王者・旗...
【東日本交流大会/準々決勝pickup】0...
全国区の強豪4チームがひしめく山をひとつ越えたのは、不動パイレーツ(東京)と豊上ジュニアーズ(千葉)。第21回東日本少年野球交流大会の2日目、その両軍による準々決勝は、決着まであと1球から同点、そしてサヨナラというドラマチックな幕切れに。それまでもミス合戦ではなく、打って奪った得点と失点を阻んだ好守も双方に。明暗はくっきりと分かれ、勝者には涙もあり、敗者には涙なし。それぞれの立ち位置やチーム状況、ベンチの思惑や深慮も透けて見えてくる名勝負だった。 (写真&取材=大久保克哉) ※両チームの2回戦リポート➡こちら ※※準決勝以降も順次、特報します ■準々決勝 豊上ジュニアーズ(千葉) 010130=5 000024x=6 不動パイレーツ(東京) 【豊】山﨑、中尾、山﨑、中尾-神林 【不】木戸、高浦-山田 本塁打/山田(不) 二塁打/山﨑(豊)、寺田(不)、中尾(豊)、北條2(不) “良心”が育むもの 不動パイレーツ(東京)の一塁側ベンチのやや後方。外野寄りにかけての一帯に陣取っていた保護者らから、拍手が起こったのは、対戦相手の投手が三塁側のベンチを出てきたときだった。 豊上ジュニアーズ(千葉)の背番号11。昨秋に関東大会最速の103㎞をマークした左腕・山﨑柚樹は2回表の攻撃で、自ら右越えに先制タイムリーを放った。さらに一死一、二塁のチャンスで、一番・福井陽大の打球は小飛球となり、追ってきた捕手の手前でイレギュラーに弾んでからファウルエリアへ転々(フェア打球)。二走の山﨑は、それを見ながら三塁を蹴って頭から本塁へ飛び込んだ(=下写真)。 ちょうどその塁上へ、野手も駆け込んできてボールを受けるという、激しいクロスプレーに。結果、タッチアウトとなった左腕はしばらく四つん這いのままで、球審に抱き起されてどうにかベンチへ(=上写真)。 「泣いて終わりか? 代わるのか?」 大事のない様子を見て取った豊上の髙野範哉監督は、故障明けのエース候補にあえて突き放すような檄。すると、ひと呼吸入れてから、マウンドへ歩いてきた山﨑(=下写真)に対して、相手側の応援席から安堵や励ましの拍手が自然に起こったのだった。 敵も味方もない。時にそういう広い目で子どもを後押しできる大人が、野球界にどれだけいるのだろう。学童野球の現場を巡っていると、子どもへも敵意むき出しの応援席の、きっと無自覚な口汚さに閉口することも実は少なくない。 そこへいくと、不動の応援席の“良心”は 一昨年、昨年と夏の全国舞台でも際立っていた。たとえ呼応されずとも、試合の前後に相手側へエールを送っていた(=下写真※2023年全国決勝)。そういう大人の品性もあるからこそ、子どもたちはすくすくと成長し、戦うごとに野球が成熟する土壌が生まれているのかもしれない。 5回表で5対0に さて、豊上の先発左腕・山﨑は、自らの先制打と半泣きの衝突事故を経ても、快調そのもの。開始から打者7人をパーフェクトに抑え、3回裏に初安打と犠打で走者を二塁に置いたが、後続を断つ。生命線のストレートが走っていた。 対する不動の先発・木戸恵悟(=下写真)もまた、投球術という持ち味を発揮していた。基本は右サイドハンドの投法だが、ヒジの高さやテンポを意図的に変えるなどして、強打者たちの打ち気をそらしていく。 「その打ち方だとサードゴロになるよ!」 豊上の髙野監督(=上写真)は右打席の選手へ、何度かそういう注意をしたが、結果はことごとく三塁ゴロに。打者のスキル不足というよりは、不動バッテリーの術中の妙だった。...
【東日本交流大会/準々決勝pickup】0...
【東日本交流大会/2回戦Pickup】名勝...
1都8県から32チームが参加した第21回東日本少年野球交流大会。大会2日目のトーナメント2回戦は、4つの山のうち“死の組”とも言える激戦必至の顔合わせとなったのが、ここだ。不動パイレーツ(東京)、水戸レイズ(茨城)、野沢浅間キングス(長野)、豊上ジュニアーズ(千葉)と、いずれも近年の全国舞台で存在感を示した4チームが相対。ここを抜け出した1チームが大会4強となるが、準決勝進出を賭けた戦いは予想も遥かに超える名勝負に。まずはその序章という位置付けで、2回戦の2試合をそれぞれリポートしよう。 (写真&取材=大久保克哉) ※準々決勝以降も順次、特報します 不動が堅守と集中打で圧倒、 レイズ伝統の強打を封じる ■2回戦 水戸レイズ(茨城) 0000=0 0304=7 不動パイレーツ(東京) 【水】久野-小田嶋 【不】岡田-山田 二塁打/茂庭(不) 【評】不動の先発右腕・岡田大耀(=上写真)が、4回3安打完封勝利を挙げた。レイズは四番・小田嶋詩主将が初回に左前打、3回には一番・大森絢吾が中前打など、外野へも強い打球を飛ばしたが、不動の守備が万全だった。2回表、レイズの松本辰琉が放った左中間への大飛球を、中堅手・竹中崇が好捕。するとその裏、不動が四番・岡本穂隆から茂庭大地、間壁悠翔(5年)、北條佑樹までの4連続長短打などで3点を先取する。さらに4回裏、先頭の岡本の中前打を皮切りに、四死球や内野安打などで7対0とし、攻撃終了でタイムアップとなった。 夏に向けて加速度的に成長・進化していく。これは不動パイレーツ(東京)の伝統のひとつなのかもしれない。 2年前のチームは秋の新人戦で都4強から、翌夏は全国大会(全日本学童マクドナルド・トーナメント)で準優勝。昨年は新人戦で都3回戦敗退から、夏の全国で4強入り。そして今年のチームは、新人戦は都大会で初戦敗退も、新年を迎えて戦力が底上げされ、試合運びも成熟してきている。それが如実に見て取れたのが、この東日本交流大会だった。 1回戦では同じく全国区で埼玉の人気チーム、吉川ウイングスを10対5のダブルスコアで下した。迎えたこの2回戦は、夏の全国舞台でも伝統の「強打」で鳴らしたことがある、水戸レイズ(茨城)を4回シャットアウトしてみせた。 先発した岡田大耀(=上写真)は、実は故障明けで久しぶりの実戦登板だったという。ゆったりと一本足で立ってからテイクバックに入るフォームが安定しており、右腕も存分に振られていた。2回を除くと毎回、四死球と被安打で走者を負ったが、あと1本を許さなかった。5月に始まる全国最終予選を前に、投手陣の柱の1本が戻ってきたことは、大いなる発奮材料ともなっただろう。 その右腕を好守で救ったのが、中堅手の竹中崇(=下写真中央)だった。2回に2本の大飛球をいずれも好捕。1本は頭上を超えていく飛球を背走しながら、もう1本は無人の左中間へ舞い上がった飛球の落下点へ最短距離で追いながら、ダイレクトでグラブに収めた。 「センターの彼(竹中)がいないと、強いチームとやりたくないな、というくらいに安心感があります」 こう話した田中和彦監督によると、昨秋以降の守備練習で最も時間と数を割いたのが外野だという。この2回戦では左翼手の北條佑樹も、4回に大飛球を背走キャッチしている。つまり、外野守備も個人技頼みではなく、チームとして強化した成果が出てきているのだ。 「大人用の複合バットがダメ(使用禁止=2025年から)になっても、高学年なら外野に飛ばす力はあるし、ホームランを打ちたいのが小学生だと思います。なので確率からしても外野守備は重要ですし、外野のノックは相当に。ただ、外野にこだわると内野が弱くなったり、空回りとか試行錯誤をたくさんしながらベストメンバーがつくれてきたかなと思っています」 不動は今年も父親監督の下で全国をうかがう。田中監督の長男は6年の璃空主将 バットのルール変更に伴い、難しくなっているのは打者だけではない。複合バット特有の乾いた打球音で思わず下がってしまい、ダイレクトで捕れたはずのライナーをヒットにしてしまうケースが今大会も散見された。 不動の外野陣も完全にノーミスではなかったものの、前後左右の守備範囲は大会でもトップクラスだった。2回戦では右翼を5年生が守ったが、打力に長けるこの下級生が、続く準々決勝で大仕事をやってのけることとなる。...