リポート
【GasOne&EneOneカップ】竹園、...
関東近県の学童強豪チームが集い、頂点を競う「第19回Gas Oneカップ学童軟式野球選手権大会」と、女子学童チームが覇を競う「第14回Ene Oneカップ女子学童軟式野球選手権大会」はいずれも9月5、6、12日に埼玉県内のグラウンドで開かれた。最終日には、さいたま市の県営大宮公園野球場で決勝が行われ、Gas Oneカップは竹園ヴィクトリーズ(茨城)、Ene Oneカップは宇都宮ウイングス(栃木)がそれぞれ優勝した。 (写真&文=鈴木秀樹) ※本塁打はランニング。記録は編集部 ■GasOneカップ■ ◆決勝 ◇9月12日◇埼玉県営大宮公園野球場 竹園ヴィクトリーズ(茨城) 23101=7 20010=3東村山3RISEベースボールクラブ(東京) ※5回時間切れ 【竹】小泉、松林-吉田【東】小野、永井、佐藤、吉松-佐藤、並木本塁打/小杉(竹)、鈴木(東)三塁打/小泉(竹)二塁打/松林(竹) 優勝 竹園ヴィクトリーズ(茨城) 今なお成長中 竹園が貫禄勝ち 今年、全日本学童マクドナルド・トーナメントに初出場するなど、チーム史を塗り替える活躍を続けてきた竹園ヴィクトリーズが、この日は強力打線を誇る東村山3RISEベースボールクラブ(東京)を打で圧倒。貫禄勝ちで、6年生たちにとっては最後の大きな大会を優勝で飾った。 初回に齋藤陽太と小泉裕紀の連打から好機を広げ、佐藤拓士の適時打などで2点を先取。直後に東村山に追いつかれたものの、2回には先頭の八番・小杉透真が本塁打を放って勝ち越し、さらに松林晃徳主将の左翼線二塁打、齋藤の内野安打、吉田結乃助の適時打などで3点を追加、3回にも1点を加えて東村山を突き放し、リードを守り切った。 1回表一死から、竹園は齋藤㊤、小泉㊦の連打から好機をつくり先制 ㊦リリーフ登板の松林主将は決勝で自己最速を更新する121kmを計測 昨秋の新人戦で県大会を制すると、その後も順調に成長を続けてきた、今季の竹園。小泉隆監督は「なにしろ、新人戦も全国大会も、すべてがチーム初。当然、ボクも初めての経験ばかりでしたが、とにかく選手たちがよく頑張りました」と振り返る。今大会では、昨秋のノーブルホームカップ関東新人戦で敗れた清水ヶ丘ジャイアンツ(神奈川)にリベンジを果たすなど、そうそうたる対戦相手を下して頂点に上り詰めた。「全国大会の後も、初戦敗退に終わった悔しさがあったんでしょう、全員が普段の頑張りや自主練で随分、力をつけています。このままもう一度、全国大会を戦いたいくらいですよ」と指揮官は笑った。 2回に本塁打を放った小杉は「次につなごうと思って、コンパクトなスイングを心がけたのが、結果につながったのかな」と喜んだ。決勝のマウンドで自己最速の記録を塗り替えたのは、リリーフの松林主将。「これまでの最速は117kmだったんだけど、初めて120kmを超えました(この日の最速は121km)。ビックリです!」とニコニコ。「初日の吉川(ウイングス・埼玉)戦から、みんな調子が良くて、チームとして成長できたなって思える戦いができました」とまとめた。 夏の終わりに、上部大会初制覇で、最高のシーズン締めくくりとなった。 準優勝 東村山3RISEベースボールクラブ(東京) 初の上部大会で見事! 銀メダル 敗れた東村山3RISEは、チーム初の上部大会出場。5年前のチーム結成初年度から都大会出場を続けてきた実力派軍団が、緊張の中でもしっかりと結果を残し、大仕事といっていい銀メダル獲得で大会を終えた。「ただ、決勝では、このチームの弱点が出てしまったというか…。投手力ですね。今年は絶対的エースといえる存在がいないんです」と尾﨑俊生監督が振り返る。 先制を許した直後に1回裏には三番の鈴木翔空が本塁打を放ち、即座に同点に追いついてみせたが、その後は竹園の継投の前に、打線を封じられた。「ここまで打ち勝ってきたチームではありますが、一番手も二番手もジュニア(竹園は小泉がロッテJr.、松林主将が巨人Jr.に選出)というようなチームとなると、やっぱり厳しいですねえ…」と嘆息、相手投手陣をたたえた。 チーム結成以来、毎年、都大会出場を続けながら「手探りで活動を続けて、なんとかここまで来ることができました」と指揮官は振り返る。平日は専用練習場で「とにかく打ち込み」、グラウンドを使える日は「守備練習のみです」という練習スタイルで、チームづくりを行っている。「これから来年に向け、また一からチームづくりですね」と尾﨑監督。今年のナインが残した記録と経験値は、後に続く後輩たちにとっても、心強い拠りどころとなるはずだ。 ㊤1回裏に同点2ランを放った鈴木(中央)を迎える東村山ベンチ...
【GasOne&EneOneカップ】竹園、...
【都新人戦準々決勝】しらさぎなど4強、18日決勝
10月10、11日に板橋区の荒川戸田橋野球場で3回戦と準々決勝が行われ、都ベスト4が出そろった。勝ち上がったのは、しらさぎ野球部A(江戸川)、町田玉川(町田)、ナインスターズ(世田谷)、高島エイトB(板橋)。17日には準決勝が同野球場で、18日には決勝が同区城北野球場で行われる。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はランニング。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら) ■準々決勝 しらさぎが万全快勝の4強入り ◇10月11日▽F面第1試合しらさぎ野球部A(江戸川) 7-4 深川ジャイアンツ(江東) 先攻の深川ジャイアンツが二番・大橋正の三塁打から好機をつくり先制も、その裏、しらさぎ野球部Aは二番・小林大智主将の安打に続き、川田航大が中堅に2ラン本塁打。さらに齋藤謙心が二塁打、宍倉憲信も左前打で続き、4連打で3点を奪った。 しらさぎは2回にも笹本蒼太の三塁打などで1点を加え、4回にも2点を追加。最終回となった5回には深川が植田歩睦、大八木葵主将、大橋の3連打などで3点を返し追い上げたが届かず、その裏、しらさぎが1点を加えて逃げ切った。 しらさぎは3回戦で優勝候補の一角・用賀ベアーズ(世田谷)を下し、ここでも快勝。一番打者で163cm、54kmの大型捕手、笹本は最後、球数制限に達した先発の小林主将と交代し、マウンドに立って速球を披露、試合を締めくくった。「ピッチャーは好きです。とにかくゼロで抑えることを意識して投げてます。この大会は打線が調子良く、みんな良いところで打てています」と元気いっぱいだった。 敗れた深川・小倉拓也監督は「これが今の実力。来年に向けてまた練習です」と切り替えていた。 3回戦、準々決勝とも先発し好投のしらさぎ・谷本将太㊤ 最終誤解に適時打を放つ深川・三村瑛人㊦ 坂田の満塁弾などで町玉勝利 ▽F面第2試合町田玉川(町田) 9-7 レッドサンズ(文京) 町田玉川が1回裏、先頭の鈴木詠真の右中間二塁打、四番・坂田虎汰朗の左前適時打で先制も、レッドサンズは2回に四球と一杉駿太朗(4年)の安打、さらに四球で一死満塁とし、神田悠成のスクイズで追いつくと、篠原到の中前適時打で逆転。しかしその裏、町田玉川は萩原新の右前打と鈴木、賀川武の連続内野安打で満塁とし、坂田が左中間を破る満塁本塁打を放つなど6点を加えて再逆転、一気にリードを広げ、その後も追い上げるレッドサンズを振り切って勝利を収めた。 満塁弾の坂田は「とにかく走者をかえすんだ、と思って打ちました」と打席を振り返り、「今年の町玉は守備がいいし、やるべきことができています。自分たちの力を全部出して、優勝します」と声を弾ませた。 2イニング2/3を投げた町田玉川の先発・萩原㊤ 2回表に適時打を放つレッドサンズ・篠原㊦ 足攻も光る! ナイン快勝 ▽F面第3試合ナインスターズ(世田谷) 9-3 芝久保ドラゴンズ(西東京) 0対0で迎えた3回表、ナインスターズが死球と村井健人の内野安打で無死一、二塁とし、一番・松田陽大の左翼への本塁打で3点、さらに4番・栗原直大の左中間適時二塁打で4点目。ナインは4回にも4点を加え、大勢を決した。芝久保ドラゴンズは4回裏に鈴木幹人と4年生の大塚瑛斗がソロ本塁打を放って2点を返すなどしたが届かず、ナインが逃げ切って4強入りを決めた。 ナイン・山口一本主将は「緊張してる子もいるけど、全員で協力して戦えています。みんな足が速くて、スピードを生かして攻撃できています。次も自分たち一人ひとりの個性を発揮して勝って、優勝します!」と宣言。チーム一の俊足で「新庄(剛志・日本ハム監督)さんが憧れ」という村上侑大は「これからも足でチームに貢献したいです」と元気よく話した。 敗れた芝久保も都大会ではチーム初のベスト8。佐藤悠監督は「選手たちも自信がついたと思います。来年につながる経験ができました」と手応えを感じていた。 完投勝利のナインスターズ・松田㊤ ...
【都新人戦準々決勝】しらさぎなど4強、18日決勝
【都学童王座決定戦】レッドサンズが悲願初V
全日本学童マクドナルド・トーナメント東京予選と、都知事杯フィールドフォース・トーナメントの上位チームが集い、頂上を競う「東京都スポーツ文化事業団理事長杯駒沢ジュニアベースボール大会 第18回東京都学童王座決定戦」は8月23、29、30日に東京都世田谷区の駒沢硬式野球場で行われた。ともに勝てば初優勝の2チームによる決勝は、レッドサンズ(文京・全日本学童予選2位)が用賀ベアーズA(世田谷・全日本学童予選3位/都知事杯学童優勝)を下した。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部 ■決勝 ◇8月30日◇駒沢硬式野球場 [文京]全日本学童予選2位レッドサンズ 30020=5 01002=3用賀ベアーズA[世田谷]全日本学童予選3位/都知事杯学童優勝 【レ】齊藤、加藤-原川【用】佐藤、大野、岡田-並里三塁打/原川(レ)、並里(用)二塁打/加藤、武内、野村(レ) 【評】レッドサンズは初回、四死球で一死一、二塁の好機に野村咲翔が先制打を放つと、加藤光志朗が2点適時二塁打で続き3点を先取。用賀ベアーズAも2回、四球を足掛かりに敵失で1点を返すが、レッドサンズは4回に二死から武内瑛汰が敵失で出塁すると、原川瑛仁主将が左中間に適時三塁打、野村が左翼線に適時二塁打を放ち2点を追加。最終回となった5回には、用賀が大和結星主将の安打と四球などで得た好機に、並里煌が左越え三塁打を放ち2点を返したが届かず、レッドサンズが勝利を手にした。 優勝 レッドサンズ ケガ人をチーム全体でカバーし前進 全国ベスト16入りを果たした高円宮賜杯マクドナルド・トーナメントからわずか2週間ながら、チームの成長を感じさせる戦いぶり。昨秋の新人戦、全日本学童予選とも準優勝に終わり、今年のチームではここまで無冠だったレッドサンズが、夏の終わりに、うれしい東京一を勝ち取った。 主力の負傷もあり、万全のチーム状態で臨むことができなかった四国・愛媛の大舞台ではあったものの(→こちら)、“東京にレッドサンズあり”の存在感を感じさせたベスト16入り。その実力を証明するにふさわしい、王座決定戦での優勝となった。 ㊤1回表一死一、二塁、野村が先制の適時打㊤、続く加藤が2点二塁打を放つ㊦ 調布ファイターズ(調布)との初戦を先発の並木恒太朗から大塚結心、齊藤叶翔、比毛陽翔と4投手をつないで完封勝利。不動パイレーツ(目黒)との準決勝も齊藤、加藤光志朗、武内瑛汰、原川瑛仁主将の4人による継投で8対6で競り勝ち、決勝は齊藤から加藤へのリレーで用賀打線を封じた。「この大会はとにかく、投手陣のやりくりに苦労はしました」 門田憲治監督はホッとした様子で振り返った。「相手の用賀さんは船橋フェニックスの120km超えの2枚看板(森下貴斗と大野凌駕)を打ってきた強力打線。決勝は、いざ、というときには1イニング限定登板の武内も考えていたんですが、取り越し苦労に終わって何よりでした。とにかく、みんながよく頑張ってくれました」 決勝は全試合で先発の齊藤㊤と「どこでも守れる」(門田監督)加藤㊦の2投手で戦いきった さらに続ける。「全国大会は3回戦敗退と、目指していた結果には届きませんでしたが、ここではマック(全日本学童)で上位入賞した先輩たちも果たせなかった、チーム初の優勝。先輩たちを超える成績を残してくれました」 全試合に先発した齊藤の力投はもちろん、球数では齊藤以上に投げた加藤は、準決勝では二塁から投手、遊撃、そして捕手と、センターラインをひと回りするように守った上に、五番打者としても決勝で初回の2点打を放つなど大活躍だった。 「決勝の最終回は用賀打線に打たれちゃって…」と振り返る加藤だったが、「でも、打たせればみんなが守ってくれると思って」とチームメートに感謝した。 登板がかなわなかった神谷駿、準決勝1イニングの登板にとどまった武内の2枚看板も打席で存在感を示した。また、八番だった初戦と準決勝でともに三塁打を放ち、決勝では四番に座って3打数3安打の活躍を見せた野村咲翔は「一番(神谷)、二番(武内)、三番(原川主将)がみんな良いバッターなので、それに続いて期待に応えようと思いました。緊張はなかったです」と、活躍にも涼しい顔だ。「ただ、(単打、単打、二塁打の3安打だった)決勝も、もっと長打を打ちたかったな」 故障者の続出にも士気が低下することなく、むしろ発奮材料として全体のレベルアップを果たし、優勝まで上り詰めてみせたレッドサンズ。原川主将は「やっぱり優勝は違います。最後に勝って終われるって、最高ですね!」と声を弾ませた。 準優勝 用賀ベアーズA 準決勝でライバル破り成長の準V 決勝では敗れた用賀ベアーズだったが、こちらも都知事杯フィールドフォース・トーナメント王者(→こちら)として、十分に存在感を示しての銀メダルだった。 用賀のハイライトは何といっても、都知事杯決勝と同一カードとなった、同地区の強敵・船橋フェニックスと戦った準決勝だろう。 ◇ ◇...
【都学童王座決定戦】レッドサンズが悲願初V
【都新人戦2回戦】異常の秋、4年時のトップ...
夏を越え、主役は6年生から5年生以下の新チームへ──。東京新聞杯争奪第44回東京都学童軟式野球大会新人戦は10月4日、板橋区の荒川戸田橋野球場で2回戦が行われた。本来は9月20日に開幕予定だったが、台風25号や長雨の影響でスケジュール変更が続く。大会はノーブルホームカップ第28回関東学童軟式野球秋季大会(11月・茨城)の予選を兼ねるほか、優勝チームは来年夏の高野山旗(和歌山)、準優勝チームは同じく来夏の阿波おどりカップ(徳島)の出場権を得る。この日は昨年の4年生王者・不動パイレーツ(目黒)、同2位のカバラホークス(足立)がそろって姿を消すなど、波乱含みの様相を呈している。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はランニング。全結果は東京都軟式野球連盟HP参照(⇒こちら) ■2回戦 用賀が4年生チャンプ不動を下す ◇10月4日▽E面第1試合 不動パイレーツ(目黒) 100100=2 01006x=7用賀ベアーズ(世田谷) 用賀ベアーズが昨秋のマクドナルド・ジュニアチャンピオンシップ王者・不動パイレーツを下した。 先制は不動。1回表に先頭の細田航から中井嘉紀主将、木下夏之介、小金沢遼、村田佑豪まで怒濤の5連打も、本塁補殺など用賀の好守備もあり、得点は1にとどまった。 一方の用賀も2回に先頭の四番・三好球央の本塁打で1点を返して同点とするが、こちらも続く好機に追加点を奪えず2者残塁と攻めきれない。 ㊤不動先発の安田羽玖は緩急巧みな投球で用賀打線を4回まで4安打1失点に抑えたが… 不動は4回、岸明樹の左中間二塁打からの好機に、岸は走塁死も、二塁に残った杉元陽が盗塁悪送球でホームにかえり勝ち越し点を奪った。 それでも用賀は5回、狩野大知主将の内野安打と市村雄志のバント安打などで一死満塁とすると、2つの押し出し四球で逆転、さらに手塚蓮、齋藤尽の連打で加点。リリーフの佐藤智也が最終6回表を3人で抑え、終わってみれば5点差の決着となった。「いやぁ、やっとです。この学年は不動さんに一度も勝ったことがなかったんです。ジュニアマックも3回戦で当たって、やられてますしね」 用賀・広田敏章監督は勝利をかみしめるように喜び、逆転勝ちの選手らをたたえた。「初回も4回も、相手を1点ずつで抑えてくれたのが大きかった。今日は守り勝ちですね」 先発し、4回まで粘り強く投げぬいた足立洋平(=㊦写真)は「ピンチはコースだけ気をつけて、みんなに守ってもらうつもりで投げました」と笑顔で話した。 ㊤4イニングを2失点に抑える力投を見せた用賀先発・足立 5回裏、逆転し2点リードから齋藤が中前適時打を放ち㊤、手塚がこの回6点目のホームに滑り込む㊦ 結果的に差はついたものの、紙一重の勝負。敗れた不動・中井紀和監督は「初回のチャンスでもう1、2点取れていれば…というのはありますが、力が足りなかったということでしょう。結果は仕方ありません」。 2018年の優勝以来、新人戦のタイトルからは遠ざかっている不動。“鬼門”ともいえる本大会ではあるが、3回戦敗退の2023年、初戦敗退に終わった2024年は、いずれもその敗戦から奮起し、翌年に全国大会出場を果たしている。「今回も、今日の結果を“良い負け”だったと言えるように頑張るしかないですね」と中井監督。今回も巻き返しは必至だろう。 国立がライバル・東村山に勝利 ◇10月4日▽5面第3試合 東村山3RISEベースボールクラブ(東村山) 01101=3 30201=6国立ヤングスワローズB(国立) ※5回時間切れ 多摩地区の強豪対決は、国立ヤングスワローズに軍配が上がった。 国立は1回裏に鈴木湊人の安打、小林歩睦の本塁打、さらに平井暁葉主将の二塁打などで3点を先取。追う東村山3RISEも2回に敵失から好機をつくり1点、3回にも梅田丈太郎主将の安打から1点を返して迫ったが、国立は3回裏に平井主将の2点適時打で再び突き放した。 国立先発の山本㊤は好投に加えて初回には先制2ランを放つなど投打で活躍 制限時間により最終回となった5回、東村山は山本楓、山﨑龍輝、本平尚滉の連打で無死満塁とするが、1点を返すにとどまり、国立が勝利を収めた。 5年前、東村山がチームを結成した際、最初の試合相手が国立だったという。それ以来、友好関係にある両チームだが、「今年の6年チームは、これまで一度も勝ててないんです」と国立・長嶋義範監督。「それもあって、子どもたちは気合が入ってましたね。いつも以上に集中できていたと思います」 先発のマウンドに加え、本塁打も放ち投打で活躍の小林歩睦は「ホームランの打球は今までで一番、飛びました。ピッチングでも気合を入れて投げることができました」と胸を張った。 一方、最終回に攻めきれず、悔しい敗戦となった東村山。5年生選手は多くなく、スタメンには平林奏人、川上稜の3年生2人も名を連ねた。「ウチは育成タイプのチームなので…」という尾﨑俊生監督の言葉を裏付けるように、今年の6年生チームは2回戦敗退だった昨年大会からジャンプアップし、全日本学童東京大会でベスト8入り、さらにこの夏には、ジャビットカップで優勝、関東の強豪が集うGasOneカップでも準優勝を果たしている。 こちらもこのままでは終わらないはず。来季の飛躍を楽しみにしたい。 ◇ ◇ 強豪・レッドサンズ(文京)が4年生大会準Vのカバラホークスに快勝㊤ ナインスターズ㊤、山野レッドイーグルス㊦も勝利。世田谷3チームはそろって2回戦を突破した...
【都新人戦2回戦】異常の秋、4年時のトップ...
【全日本学童神奈川予選/決勝】勢いバツグン...
間もなく8月7日に愛媛県で開幕する「小学生の甲子園」こと高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。神奈川県予選大会は7月4日に川崎市の大師公園少年野球場で準決勝と決勝が行われた。最終日を連勝で終え、全国大会出場を決めたのは南瀬谷ライオンズ。今年、まれに見る激戦模様となっている横浜市勢を次々と下した勢いのまま、全国大会に臨む。準優勝の清水ヶ丘ジャイアンツは9月5、6日に埼玉県で行われる第19回GasOneカップ学童軟式野球選手権大会に神奈川代表として出場する。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部 ■決勝 ◇7月4日 ◇川崎市大師公園野球場南瀬谷ライオンズ(横浜) 201200=5 010011=3清水ヶ丘ジャイアンツ(横浜)【南】馬場、音村、村瀬、古川、音村─山尾【清】松﨑、永田─皆川二塁打/橋元(南)北村、塩田、長養(清) 【評】南瀬谷ライオンズは初回、一死から橋元涼と井村琉の連打と盗塁で二、三塁とすると、山尾燈汰の左犠飛で先制、さらに5年生の永野颯人の安打に敵失が絡み2点目。清水ヶ丘ジャイアンツは2回裏に長養陽輝の内野安打と永田継の左中間適時二塁打で1点を返すが、南瀬谷は3回に山尾の左前打から好機をつくり1点を追加、4回にも二死二、三塁から馬場壮輝が2点適時打。清水ヶ丘は5回に北村嘉太朗の左翼線二塁打と松﨑星太朗主将の中前適時打で1点、最終6回にも塩田晃誠、長養の連続二塁打で1点を返したが反撃もそこまで。南瀬谷が逃げ切って初優勝を決めた。 優勝 =初 みなみせや 南瀬谷ライオンズ [神奈川/横浜支部] 投打ガッチリかみ合い頂点へ 先制、そして中押し。理想的な展開で試合を進めた南瀬谷ライオンズがそのまま逃げ切り、大会初制覇を決めた。「県大会に出ることが当初の目標だったんです。まさかここまで来られるとは」 渡邉記章監督は喜びと同時に驚きも隠さず、最高の笑顔を浮かべた。「出ることが目標だった」という言葉は本音だろう。この日、準決勝に駒を進めたベスト4はすべて横浜市代表。決勝で破った清水ヶ丘ジャイアンツは、昨秋の新人戦では関東チャンピオンに輝いており、準決勝で対戦した戸塚アイアンボンドスも、全国の強豪たちから一目置かれる存在だ。 今大会出場の横浜市代表は5チーム。うち、市予選優勝の清水ヶ丘、準優勝の戸塚、さらに3位の南瀬谷と、古豪の明神台リトルグランパースまで、4チームが上位を独占しているのだから、今年の横浜市がまれに見るハイレベルな激戦区だというのは明らか。さらに、県大会に出られなかったチームの中にも、全国を目指していた強豪がいくつもある。 今年の横浜勢にとっては、全国以前に、県大会に出るためのハードルが例年以上に高いものだったのだ。それゆえの「出ることが目標」だったのだろう。 ただ、逆に考えれば、県大会にコマを進めることさえできれば、そこでも上位を狙える、という思いはあったのではないか。加えて、結果的に、見知った相手との対戦となった準決勝、決勝だったからこそ、自分たちの持ち味を存分に発揮できた、とも考えられる。 ㊤1回表、左前打の橋元が山尾の犠飛で先制のホームへ ㊦2点目の適時打を左前に放った永野 決勝は清水ヶ丘との一戦となったが、南瀬谷は初回に理想的な流れで先制し、試合を優位に進めた。「この大会では、(打順)一番の古川泰輔と二番の橋元がきっかけを作ってくれれば、打線全体がうまくリズムに乗ってくれました」と渡邉監督。初回は橋元の安打を足掛かりに先制、4回には古川と橋元の連打が起点となり2点を追加した。 2回に1点を返され、3回にも無死一、三塁と同点、さらに逆転まで考えられるピンチに立たされたが、ここで、準決勝でも好リリーフした音村星茶が登板して後続を断つと、続く4回も無失点で切り抜けるパーフェクトピッチング。粘る清水ヶ丘打線を抑え込み、流れを相手に渡さなかった。「絶対に甘いボールは投げない、と思って投げました」と音村。「フォアボールやデッドボールを(出すことを)恐れず、とにかく厳しくいこうと思いました。打たせれば、みんなが守ってくれるから」 準決勝は先発、決勝ではリリーフと、音村同様に2試合で登板、粘り強い投球でチームを支えた村瀬嘉泰主将は「最高です! 準決勝のアイアンボンドスも、決勝の清水ヶ丘も、どっちも強いチームで、接戦は覚悟していましたが、勝ててほんとにうれしいです」と喜び、「ここから切り替えて、全国大会に向けて、また1からしっかり準備をしたいです。元気が取り柄のチームなので、みんなで声を出して頑張ります!」と元気いっぱいに話した。 ㊤4回表、5点目のホームに生還する山尾 ㊦音村は6回裏二死から再びマウンドに上がり、試合を締めくくった 全国の強豪が集う、愛媛へ。「未知の世界ですからね」と渡邉監督。「とにかくしっかり準備して、神奈川代表として、気持ちでは負けないように戦うだけですね」 激戦の横浜に始まり、神奈川を制して挑む大舞台も、自然体で戦うのみだ。 準優勝 しみずがおか 清水ヶ丘ジャイアンツ...
【全日本学童神奈川予選/決勝】勢いバツグン...
【全日本学童栃木予選/決勝】終盤に動いた!...
今夏は愛媛県で開催される「小学生の甲子園」こと高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。その県代表を決する、栃木県予選大会は6月28日に矢板市のシステム興産スタジアム(矢板運動公園野球場)で決勝が行われた。タイブレークにもつれた接戦を制して、旭町学童野球部(小山)が1993年以来、33年ぶり2度目の優勝。8月8日の全国1回戦で両川スポーツ少年団(新潟)と対戦する。準優勝の田沼アスレチックBBC(佐野)は8月8、9日に神奈川県開催のコントリビュートカップ第49回関東学童に出場する。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部 ■決勝 ◇6月28日 ◇システム興産スタジアム旭町学童野球部(小山) 0000012=3 0000100=1田沼アスレチックBBC(佐野)【旭】増山、中嶋─山中【田】谷、小島、谷─牧原三塁打/正田(田)二塁打/川田(旭) 【評】旭町学童野球部は1回表、先頭の大塚凌生がバント安打も、送りバントが二塁封殺、さらにその打者走者も盗塁死し、チャンスメークに失敗。一方の田沼アスレチックBBCもその裏に一死から蛭川桜成、須永嘉人の連打で好機を得ながら、四番・谷航輔の鋭いライナーを旭町のサード・大塚に好捕され、併殺で攻撃を終えると、2回にも死球と暴投、さらに遠藤琥珀の内野安打で一死二、三塁まで好機を広げたが、走者飛び出しによる三振併殺で無得点。その後は試合が硬直し、5回表までゼロが続いたが、その裏、田沼は代打の正田琉桜が左翼線を破る三塁打を放ち、松本陽輝の適時打で均衡を破った。しかし、直後の6回表、旭町は遠藤巧都の中前打と大塚のバント安打に敵失も加わり同点に。勝負はそのまま、無死一、二塁開始のタイブレークに持ち込まれた。延長7回表に旭町は守山朋希の適時打で2点。その裏、田沼はゼロに終わり、旭町が勝利を収めた。 優勝 =33年ぶり2回目 あさひちょう 旭町学童野球部 [栃木/小山支部] 冷静と粘り強さ、“全員野球”光る 最後の打者を空振り三振に仕留めると、一瞬の静寂の後、マウンドの旭町学童野球部・中嶋凌大主将も、各自の守備位置に散っていたナインも飛び上がって喜び、わっと駆け寄った。「うれしくて。喜びすぎて、本当に優勝できたんだって、なんだか今も信じられないくらいです」 試合前から降り始めた小雨は、試合中にも時折、その雨脚を強め、強弱を繰り返しながら降り続いている。リリーフ登板でチームを勝利に導いた中嶋主将はニコニコと、どんよりと厚い雲を吹き飛ばすかのような笑顔で、その首にかかった金メダルを眺めるのだった。 チームにとっては1993年の第13回大会以来、33年ぶりの大会制覇、そして全国大会出場となる。「1試合ずつ、全力で戦うことだけを考えてやってはきたんですが、全国を狙うなんてとんでもない。優勝なんて想像もしていませんでしたよ」 荒川晴紀監督も驚きを隠さない躍進だ。「新人戦は小山大会で負けて、県大会にすら出ていないんですから」 とはいえ、その新人戦で栃木県王者となったのは、同じ小山市でしのぎを削るライバル・羽川学童野球部。とすれば、小山代表になれば、県大会でもある程度は…と考えても不思議ではないが…。「いえ、そんな考えは全く。とにかく目の前の試合をいっぱいいっぱいで戦ってきただけですよ」 ㊤好プレーが光った三塁手の大塚凌生㊨と捕手の山中晴眞㊧。外野陣も好守備で幾度となくピンチを救った㊦ この日は1、2回のピンチを、いずれも見事な併殺で切り抜け、リズムに乗った。「みんながしっかりと守ってくれたから、ボクはストライク先行で積極的に投げることだけを意識しました」と、テンポ良い投球でゲームメイクに徹した先発・増山颯真の好投も光る。「増山はよく投げてくれました。流れは良かったですね」 指揮官はうなずき、笑って続けた。「が、いかんせん、点が取れない」 せっかくこちらに来た流れを、得点につなげられない。焦ってミスでもしようものなら、逆に、相手に流れを渡す結果になりかねない。 好投した先発の増山㊤。中嶋主将は5回からマウンドに上がり、最後を締めた㊦ 「田沼さんの強さは知っていますし、自分たちの得点能力の低さも自覚していましたから(笑)、ポイントはどれだけ少ない失点でしのげるか、という点だと思っていました。とにかく粘り強く、自分たちのプレーを続けるしかありません」 荒川監督は試合中のベンチでも笑顔を絶やすことなく、冷静な口調で選手たちに指示を送り続けた。「試合前から、選手たちには『3(失)点以内なら勝てるぞ』と話していたんです。本当に、その通りの試合をしてくれました。勝因を挙げるなら、ロースコアの接戦に持ち込めたことでしょうか」 田沼の強力打線をしっかり抑えた投手陣の頑張りはもちろん、野手陣、とくに外野陣は計算したかのように飛球の落下点に守備位置をとり、打った瞬間、すわ長打か──と思われた打球も、難なく捕球するシーンが何度もあった。そうした姿もまた、守備全体の安心感を醸し出していた。 ただ、その一方で、攻撃ではなかなか決定機を見出せず、5回にはついに、田沼に先制を許してしまう。 それでも諦めることなく、最終6回に追いつくと、タイブレーク7回には、川田大輔のバントで走者を進めた後、「今日はセンターでの好守備といい、彼がラッキーボーイですね」と荒川監督も指名する守山が「真ん中に来た球を、センター返しを心がけて打ちました」と適時打を放って追加点を奪った。 6回表、遠藤が同点のホームイン㊤。延長7回表、守山が決勝の2点適時打を放つ㊦ 焦らず冷静に、粘り強く。これが今年の旭町の真骨頂なのかもしれない。 厳しい試合をものにし、いざ、全国へ。「この大会で、打撃もだんだんと打てるようになってきたと感じています。全国大会も楽しみです!」と中嶋主将は気合十分だ。 大舞台にも臆することなく、自然体で臨む旭町学童。その戦いぶりに注目したい。 準優勝 たぬま...
【全日本学童栃木予選/決勝】終盤に動いた!...
【全日本学童茨城大会/決勝】8カ月前の再現...
第46回全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの茨城県大会決勝は、8カ月前の新人戦決勝と同一カードに。そして同様の逆転劇で、県2冠王が誕生した。6月21日、ノーブルホームスタジアム水戸で対峙した両軍は、ともに初の全国予選ファイナル。序盤は豊ナインズ(取手)が6対0と独走気配も、じわりと差を詰めてきた竹園が5回裏、8対7とついに逆転したところでタイムアップ。新人戦に続く逆転Vの竹園は、8月8日の全国1回戦で土居北JBC(愛媛)と対戦する。準優勝の豊は7月11日、スポーツ少年団の関東大会に県代表として臨むも、全国には届かなかった。 (写真&文=大久保克哉) ※優勝チームは「全国大会プレビュー」のコーナーで、追って紹介します 優勝 =初 たけぞの 竹園ヴィクトリーズ [土浦支部/つくば市] ■決勝 6月21日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 豊ナインズ(取手) 42010=7 03122x=8竹園ヴィクトリーズ(土浦)※試合時間の規定により5回で終了【豊】飯泉、長濱、飯泉-宇佐美【竹】小泉、松林-吉田本塁打/松林(竹)三塁打/長濱(豊)二塁打/飯泉2、石塚作2、吉田(豊)、齋藤、中川、吉田、松田(竹)【評】豊の鮮やかな速攻で始まった。二番・飯泉空大、四番・石塚作太朗、六番・吉田京平がそれぞれ二塁打など、打者一巡の5安打で4得点。勢いのまま、2回表も一番・長濱誠之心主将と飯泉の連続長打と敵失で6対0とした。だが、竹園はその2回途中で救援した松林晃徳主将が3三振を奪って風向きを変える。そして直後の2回裏、四球から好機を広げて七番・中川和真と八番・小杉透真の連続タイムリーなどで3点、続く3回にも四番・吉田結乃助の適時二塁打で2点差に迫った。豊は4回表、長濱主将が四球から2盗塁、三番・宇佐美叶聖の右ゴロで7対4に。だが、竹園は中堅手・松田晴の美技で守りを終えると、直後の4回裏に松林主将の2ラン(=㊤写真)で1点差に。そして5回裏、四球、テキサス安打、バント安打で無死満塁から、六番・松田が左翼手の頭上へ打ち返す。これで8対7と竹園が逆転したときには試合時間が90分を過ぎており、サヨナラ決着となった。 1回表、2点を先取した豊はなお、六番・吉田のエンタイトル二塁打㊤で、三走の石塚と二走の柴野快が生還㊦ 竹園は2回途中から救援した松林主将㊤がピンチを脱すると、その裏、五番・齋藤陽太の適時二塁打㊦などで3点を返す 竹園は4回表、一死三塁から右に弾き返されて失点も、一塁は右翼手・小杉透真の好送球でアウトに㊤。そして5回裏、3連続長短打で逆転サヨナラ勝ち㊦ ―Pickup Two Heroes― ケガや痛みを克服したご両人!!幕切れ舞台でそろって大手柄 まつだ・はる 松田晴 [竹園6年/中堅手] まつばやし・あきと 松林晃徳 [竹園6年/遊撃手兼投手] 実のところ、松田晴のケガは続いている。右ヒジが悲鳴をあげたのは、昨秋の新人戦で県大会出場を決めたころだった。 ボールを投げるどころか、バットすら振れない重症度との診断。10月の県新人戦(優勝して関東大会出場)から今春までは、三塁のランナーコーチを務めてきた(=㊦写真)。「ケガしなければな、という悔しい気持ちでした」 松田はでも、地団駄を踏むだけではなく、常識破りの努力を重ねてきた。それが何と「左で捕って左で投げる」というもの。言うは易しであるが、非利き手でスローイングがある程度できるようになるだけでも、どれだけの時間と数を費やしてきたことか。小泉隆監督はこう振り返る。「当初はバットスイングも左手だけだったんですよ。1年間ね、ホントにガマンしてガマンして片手で打って投げて、一生懸命に。今年の4月くらいに『両手でスイングしてもいい』となって、試合に出させたんです」...
【全日本学童茨城大会/決勝】8カ月前の再現...
【全日本学童東京大会/決勝】珠玉の125分...
準決勝の勝利で全国出場を決めている同士の大一番は、掛け値なしのハイレベルな好勝負となった。既定の6回を終えて、それぞれ7安打の3得点。特別延長戦で、船橋フェニックス(世田谷)がレッドサンズ(文京)に打ち勝ち、2年ぶり2回目の優勝を遂げた。47都道府県で最多の941チームが加盟する東京都の全国予選はこれで終了、第46回全日本学童マクドナルド・トーナメントは8月7日に愛媛県で開幕する。2年ぶり3回目の出場となる船橋と、3年ぶり5回目のレッドとの、リマッチがあるとすると8月16日の決勝となる。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。全国出場する2チームの紹介記事は後日、それぞれ公開します ■決勝 6月13日◇府中市民球場 船橋フェニックス(世田谷) 1002005=8 1010100=3レッドサンズ(文京)※特別延長7回【船】森下、大野、森下、大野-石黒【レ】神谷、武内、大塚-原川本塁打/森下、佐々木(船)三塁打/原川(レ)、若月(船)二塁打/大野2(船)、原川2(レ)、岡本、森下(船)【評】先攻の船橋が、森下貴斗の先頭打者本塁打で先制すれば、レッドは原川瑛仁主将の三塁打と武内瑛汰の犠飛ですぐさま1対1に。3回裏、レッドが原川主将の適時二塁打で2対1と勝ち越せば、船橋は4回表に佐々木翔瑛が逆転2ラン。5回裏、レッドは原川主将の3本目となる長打で一死二、三塁とし、敵失で3対3に追いつくも、守る船橋はエンドランを外しての三振併殺で勝ち越しを許さない。そして勝負は無死一、二塁で始まる特別延長戦へ。7回表、九番・若月柊哉から二番・大野凌駕までの3連続長短打に、五番・岡本悠人の左前適時打で5得点した船橋が、レッドの反撃を断って2年ぶりに東京王者となった。 ―SPECIAL REPORT―6回までのシーソーゲームに「驚き」と「感心」が交錯 ボカ~ン!だったか、ドスン!だったか。突飛なその“生音”はよく響いたが、筆者も初耳で音色をよく覚えていない。いや、あまりの興奮で記憶中枢が一時的にフリーズしたのかもしれない。 ともあれ、激レアな衝撃音から、東京の頂上決戦は本格的に始まった。学童用の軟式J号球が、両翼95mの球場フェンスにダイレクトで直撃。開始から3球目のことだった。 打ったのは、船橋フェニックスの一番・森下貴斗(=㊤写真)。左打席でジャストミートした打球はライト方向へ舞い上がり、フェンスにぶち当たってから人工芝の上を転々。「(フェンスを)越えてほしかったです」と振り返ったトップバッターだが、駆ける足のまた速いこと。50m走6秒7のスピードで、あっという間にダイヤモンドを一周しての先頭打者ホームランとなった。 その1球を投じたのは、レッドサンズのエース・神谷駿(=㊦写真)。よく整っている投球フォームは、昨秋の新人戦でも際立った本格派の右腕だ。ちなみに、この世代の両軍が公式戦で対するのは新人戦の都準決勝以来2回目で、前回は4対2でレッドが勝利(準優勝)。だが、3月のナガセケンコー杯の準々決勝では、船橋が5対0でリベンジしている。 開始2人目の打者までは、何らかのエラーで球速の表示がされなかったが、神谷の速球はほぼ100㎞前後。球威のあるフォーシームだからこそ、3球目の“激レアな衝突音”も生まれたのだろう。「(守る)みんなを信じて、自分が出し切れるボールをしっかり投げられたと思うので、やってしまった!というのはなかったです」 こう振り返った神谷は、先頭打者本塁打を許した後、イニングまたぎで船橋の四番打者から4者連続三振を奪うなど、さすがはエースのピッチング。センター後方の球速表示を振り返りもせず、4回にマークした自己最速「102㎞」(=㊤写真)も、試合後に人から言われて知ったほど、勝負に集中していた。 こうして船橋は「驚き」を、レッドは「感心」を、その後も喚起させていくことになる。全国出場を決めている同士のガチンコ勝負は、目の離せないシーソーゲームに。 そして既定の6イニングを終えて3対3、ヒット数も双方7本で並んでいた。船橋は守りのミスが、レッドは攻撃の失敗が響いたシーンもあったが、それすらも好勝負を引き立てるスパイスに感じられた。 驚愕の120㎞、怯まぬ打線 船橋の2つ目の「驚き」は、先頭打者弾を放った森下(=㊦写真)が、先発のマウンドから投じた1球目だ。いきなり117㎞のストライク。こちらの右腕は自己最速を119㎞まで更新することになるが、「感心」したのは少しも怯まぬレッド打線だった。 1回裏、二番・原川瑛仁主将は118㎞を左中間へ弾き返して三塁まで進むと、続く武内瑛汰が117㎞を逆方向へ打ち上げての犠飛で、あっさりと1対1に。 結果として、この試合の最後の打者となった原川主将は「(守備の)中継ミスとか、走塁ミスとかが…」と真っ先に反省が口をついたが、船橋の猛者たちに劣らぬ打力を披露。3回の第2打席は二死一、二塁から、左翼線へ勝ち越しの適時二塁打を放った(=㊦写真)。 またその直前に、船橋は大型左腕の大野凌駕(=㊤写真)へとスイッチ。左打席の原川主将は120㎞、121㎞(※大野のMAX)と「驚き」の剛速球で追い込まれた後、29㎞も遅くなった3球目をピリャリと打ち返してみせたのだった。 そして船橋のスーパー左腕と、レッドのキャプテンとの再対決があった5回裏が、この一戦の最大のヤマ場となった。 レッドは五番・山本駿翔㊤が2安打、途中出場の加藤は7回裏に右前打㊦ 1点勝ち越された船橋は直後の4回表、岡本の右翼線二塁打㊤と佐々木の右越え本塁打で3対2と逆転 長く濃厚なイニング 船橋は4回表、二死無走者から五番・岡本悠人が二塁打を放つと、続く佐々木翔瑛が逆転2ラン。そのまま1点リードで迎えた5回裏に、長くて濃ゆい攻防があった。 レッドは先頭の代打・加藤光志朗が死球で一塁へ。続く一番・神谷はバントヒット(=㊤写真)で無死一、二塁に。しかし、三番・原川主将は送りバントを空振りし、飛び出していた二走が捕手に刺されてしまう(=㊦写真)。 そして一死一塁でカウント1-1になったところで、船橋ベンチが再び動く。4回から再登板していた右腕・森下に代わり、スーパー左腕の大野をまたマウンドへ(=㊦写真)。打席のレッドのキャプテンとの対決を1球ずつ辿ると、以下になる。 117㎞ファウル、116㎞ファウル、119㎞ボール、121㎞ボールでフルカウントに(=㊤写真)。さらに左翼線へのファウルが2球続いた後の117㎞を、原川主将は左中間へ打ち返した(=㊦写真)。これが二塁打となって一死二、三塁に。 左対左の一騎打ち第2ラウンドも、レッドのキャプテンの手が挙がった。すると攻めるベンチは、迷わず勝負に出た。 三番・武内は1ボールから2球目をスクイズ。これがファウルになると、続く3球目はエンドランだ。守るベンチはそれを読んでおり、バッテリーはローウエストで空振りを奪った。スタートを切っていた三走は塁間に出ている。 しめた! ついさっきは強肩で一死を奪っていた船橋の捕手、石黒主将はそう思ったに違いない。ボールを保持して三走を軽く追ってから三塁へ送球。だが、それが大きく横に逸れてしまい、三走の神谷が同点のホームを踏んだ。 3対3となってなお、一死三塁。大ピンチが続く船橋だが、ここで真価を発揮したのがスーパー左腕の大野だ。6日前の準決勝は球がややバラついたが、この日はストライク先行の投球だった。 「まぁ、打たれても大丈夫。周りの守備が絶対に助けてくれると思っていました」(大野)...
【全日本学童東京大会/決勝】珠玉の125分...
【全日本学童東京大会/準決勝❷】6連打で大...
第46回全日本学童マクドナルド・トーナメント都大会の準決勝第2試合は、2022年の決勝と同一カードとなった。4年前は9対3の勝利で優勝しているレッドサンズ(文京区)が、今回も深川ジャイアンツ(江東区)を7対3で下し、3年ぶり5回目の全国出場を決めた。「小学生の甲子園」では8月8日の1回戦で、塩尻UNIONS(長野)と対戦する。一方、3位となった深川は、阿波おどりカップ2026(8月、徳島県)への出場が決まっている。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング ■準決勝2 6月6日◇郷土の森野球場 ◇C面第2試合レッドサンズ(文京) 00502=7 10011=3深川ジャイアンツ(江東)【レ】神谷、武内、大塚-原川【深】寺門、狩野-西山本塁打/佐藤(深)三塁打/大橋(深)二塁打/齊藤、原川、門田、野村(レ)【評】先手を取ったのは深川。先発右腕の寺門大地が3者凡退で立ち上がるとその裏、一番・佐藤輝陽主将と狩野遥生の連打から一死三塁として、三番・大貫航幸太郎の内野ゴロ(野選)で1点を奪う。だが3回表、レッドは九番・並木恒太朗から驚異の6連打で試合をひっくり返す。二番・原川瑛仁主将が同点打、続く武内瑛汰が中前へ2点打、五番・山本駿翔も適時打、そして六番・門田千資の右犠飛で5対1に。レッドは5回にも八番・野村咲翔の適時二塁打で2点を追加。深川も4回に5年生・大橋正が適時三塁打、5回裏には佐藤主将が右越え本塁打、狩野も中前打で続いた。しかし、レッドは救援した大塚結心が落ち着いて3アウト目を奪ったところで、試合が既定の90分を過ぎており、7対3で決着した。 1回裏、深川は佐藤主将と狩野㊤の連打から一死三塁として、大貫がオープンスタンスからのゴロ打ち㊦で先制 3回表、レッドは九番・並木から五番・山本までの6連続長短打㊤で4点、さらに六番・門田の犠飛㊦で一気に5対1に 5回表、レッドは野村の2点二塁打㊤でダメ押し。深川はその裏に佐藤主将が左越え本塁打も、4点届かずタイムアップ ―Pickup HERO―“不動心&全力”貫く投打二刀流にキュン かみや・しゅん 神谷 駿 [レッド6年/投手兼遊撃手] 打席から一塁への駆け方。それだけでも、身体能力やパーソナリティがある程度は読み取れる。 レッドサンズの神谷駿が強力打線の一番にいるのは、「不変の全力走」も大きな要因だろう。その懸命な背中が仲間の心に火をつけ、試合の流れを呼ぶこともある。 2月のフィールドフォースカップ準決勝もそうだった。レッドは山野ガッツ(埼玉※全国出場決定)に特別延長でサヨナラ勝ちしているが、その最後の攻撃で無死一、二塁から送りバントを決めたのが神谷だった。 初球はセーフティ(ファウル)、次はきっちりと転がしてから駆け出した。タイミング的には、一塁セーフの可能性は低かったが、フルスロットルの全力走(=㊦写真)はベンチを沸かせ、筆者の胸まで熱くさせた。そして申告敬遠で満塁の後、押し出し死球で勝利。 打力も高い選手だけに、打ってヒーローになりたい気持ちも山々ではなかったか。試合後の本人にそう水を向けると、サラリとこうかわした。「いえ、そういうのは特に。攻撃に入るときに監督から『送りバント』と言われてたので、最初はセーフティ気味に。それを決められたら良かったですけど」 チームは続く決勝で、豊上ジュニアーズ(千葉※全国出場決定)を破って優勝。あれから4カ月、二刀流の神谷は投打ともスケールアップしていた。 6日後の決勝では、最速102km(球場表示)をマークすることに もちろん、攻撃時の「全力」はやはり変わらない。準決勝は3打数2安打、3回のビッグイニングにあった6連打の2本目(=㊤写真)が神谷だった。「この大会は自分の力を100%出せるように、頑張ってきました」 投手陣の柱として、登録21選手全員が出場した3回戦以外はすべて先発し、ゲームをつくってきた。「全国切符」をかけた準決勝は開始8球で1点を失うも、大崩れしない“不動心”がエース右腕の真骨頂だ。 「やっぱり、全国出場がかかっていたので、プレッシャーとか緊張感がありました。で も、プレーそのものはいつもと変わらずにやれたと思います」 2回裏には与四球の走者をけん制で刺し(=㊤写真)、3回表の猛攻につなげた。5対1と大逆転した後の3回裏は、降っていた雨が強まるなかで、ヒット2本と四球で一死満塁のピンチ。そして四番打者を迎えるも、注文通りの1-2-3併殺で切り抜け、主導権を確実なものにした。「雨はそんなに気になりませんでした」 4回は遊撃、5回の途中からは三塁を守って勝利の瞬間を迎えると、両手を広げて喜びを爆発させた。 「全国大会に行けるということで、夢のひとつが叶えられたのは満足です。自分の力というより、他の子たちといつも競い合いなので、みんなの力を合わせて全国優勝できるチームになるように貢献したいです」 ほかの夢については、チームの悲願が叶ってから存分に語ってもらおう。 ―Good Loser―伝統も踏襲しつつ、父親監督とジャンプアップ...
【全日本学童東京大会/準決勝❷】6連打で大...
【全日本学童東京大会/準決勝❶】壮大とスリ...
全国最多の900チーム以上が加盟する、東京都の全国出場枠は「2」。できることなら、一枚の切符を半分にして双方へ。第46回全日本学童マクドナルド・トーナメント都大会の準決勝第1試合は、そう思いたくなるほどのスケール感とスリルに満ちていた。「世田谷区対決」でもあった一戦に勝利した船橋フェニックスは、2年ぶり3回目の全国出場が決定。敗れた用賀ベアーズは、6日後に開幕した都知事杯で4強まで勝ち進んでおり、同じく4強にいる船橋と、7月19日の決勝で再激突する可能性がある。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング ■準決勝1 6月6日◇郷土の森野球場 ◇C面第1試合船橋フェニックス(世田谷) 130014=9 000401=5用賀ベアーズ(世田谷)【船】森下、大野、森下、大野-石黒【用】佐藤、岡田-大和本塁打/森下(船)、鵜入(用)三塁打/大野(用)、石黒(船)二塁打/髙橋亮(船)、常永(用)【評】二番・大野凌駕のバント安打と二盗、続く倉持怜央の右前打で先制した船橋が、前半戦の主導権を握る。1回裏の守りを4-6-3併殺で終えると2回表、七番・髙橋亮馬の二塁打と髙橋冴優のバント安打で無死一、三塁に。ここでスクイズは失敗も、敵失と倉持の中犠飛で4対0とした。風向きが変わったのは4回。用賀は二番手の右腕・岡田大和が二死二、三塁のピンチを脱するとその裏、四球と四番・常永悠斗の左前打で無死一、二塁に。そして救援した船橋の大型左腕・大野から、五番・大野時生がライト頭上を襲う三塁打でまず2点。さらにバッテリーミスで1点、九番・早川和輝の適時打で4対4とした。だが、直後の5回表に、船橋は四番・石黒信匡主将の右越え三塁打と六番・佐々木翔瑛の中犠飛で勝ち越し。6回表には森下の3ランなどでリードを5点に。用賀はその裏、八番・鵜入瑛登が右中間へ本塁打。さらに二死一、二塁から三番・岡田もセンターへ大飛球を放つも、中堅手の森下がキャッチし、マウンドの大野が天高く飛び跳ねた。 船橋は1回表、倉持の中犠飛㊤で先制。裏の守りでは4-6-3併殺を決めた㊦ 用賀は4回裏、岡田が四球㊤、常永が左前打。そして大野が右越え2点三塁打㊦から、暴投で生還 4回裏、1点差に迫った用賀はなお、渡辺の右前打㊤から二死二塁として、早川が右翼線へ同点タイムリー㊦ 追いつかれた船橋は5回表、石黒主将の三塁打㊤と佐々木の犠飛で勝ち越し。続く6回、森下の3ラン㊦が決勝打に ―Pickup HERO―“怪物級ツインタワー”に続く、頼もしき仕事人 くらもち・れお 倉持怜央 [船橋6年/左翼手] サイズと投打走のパフォーマンスは、もはや高校生の域に近いツインタワー。森下貴斗と大野凌駕の一・二番を筆頭に、破壊力も満点の船橋フェニックス打線にあって、いぶし銀の光を放っているが、三番の倉持怜央だ。 2回には中犠飛を放つ(=㊤写真)など、もちろんパンチ力もある上に、状況に応じた打撃に小技もできる。「タカト(森下)とリョウガ(大野)がいつも塁に出てくれて、後ろにはノブ(四番・石黒信匡主将)とかがいてくれるので、自分はアウトになっても、できるだけランナーをかえせるように」 常にそういう意識でいるからだろう、どの打席も落ち着いている。ベンチのサインや指示にも「はい!」と、ごく自然に出る返事は、己の準備と指揮官の思惑との符号を示すシグナルのよう。 1回表、一死二塁では逆方向のライト前へ転がした(=㊤写真)。流れも引き寄せた先制タイムリーは、こういう狙いの果てだった。「フライを上げたら、ただアウトを増やすだけなので、なるべく流すことと、ゴロで内野を抜けたらいいなと」 しっかりとボールを呼び込みつつ、浅めのテイクバックから確実にミート。プロセスも見事に意図に沿っていた。6回には送りバント(=㊦写真)で、イニング4得点目(記録は野選)をアシストした三番バッターは、全国大会に向けての抱負をこう語っている。「自分が出るのが最優先じゃなくて、ランナーがいたらかえして、いなかったら次につなげるようなバッティングをしたいです」 ―Good Loser―「大東京に用賀あり!!」黄金世代のエポックメイキング 第3位 ようが 用賀ベアーズ [世田谷区]...
【全日本学童東京大会/準決勝❶】壮大とスリ...
【全日本学童埼玉予選/決勝】打ち合いなら負...
「小学生の甲子園」こと高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。その埼玉県予選大会は6月6日、さいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝を行った。決勝は一昨年の大会覇者・山野ガッツ(越谷)が吉川ウイングス(吉川)を下し、2年ぶり2度目の優勝を果たした。山野は8月7日から愛媛県で始まる全国大会、吉川は8月8日から神奈川県でのコントリビュートカップ第49回関東学童に、それぞれ県代表として出場する。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部 ■決勝 6月6日◇レジデンシャルスタジアム大宮▽第3試合 山野ガッツ(越谷) 016200=9 012203=8吉川ウイングス(吉川) 【山】吉岡、渕川─塩見、吉岡【吉】松浦、西田、玉井─安保三塁打/中村(山)佐々木2、西田、阿部(吉)二塁打/塩見(山)玉井、松浦進(吉) 【評】山野は2回、四球の冨田真平が盗塁と渕川拓馬のバントで三進、遠矢雄志のスクイズで先制。吉川もその裏、四球と5年生の佐々木稜晟の左中間三塁打で同点とした。しかし、山野は3回に二死走者なしから三番・吉岡泰平の安打、塩見理人の左越え二塁打で勝ち越すと、さらに秋山侑輝の左前適時打、渕川の右前打、中村翔の右翼線を抜く2点三塁打などで加点し、この回、一挙6得点。その裏、吉川に2点を献上も、4回には島村力翔の安打、秋山、冨田の適時打などで2点を加えた。追う吉川は4回裏にも2点を返すと、5対9で迎えた最終6回裏には、佐々木、阿部稜央、西田陸翔の5年生3人がそろって三塁打を放つなど、一打同点まで詰め寄ったが、あと一本が出ず、山野が逃げ切って勝利を収めた。 虎視眈々! 2年越しの悲願なる 優勝 =2年ぶり2回目 さんや 山野ガッツ [埼玉/越谷支部] ゲームセットのその時まで、どちらかといえば険しい表情で戦況を見守っていた山野ガッツ・瀬端哲也監督が、満面の笑顔で、飛び跳ねるようにベンチを飛び出し、コーチらと抱き合った。「いやぁ…そんな簡単には勝たせてもらえません!」 そう言いながらも、ニコニコだ。「ウチはロースコアゲームで勝てるチームではありません。吉川さんも素晴らしい打線ですが、打ち合いなら負けない、という自信をもって戦うことができました。こんな展開になってくれたのは、すごく大きかった」 そんな指揮官の強気発言を後押しする事実もあった。「この大会では初戦から、一度も相手にリードされることなく、戦いきることができたんです」 そう言った後で、瀬端監督は「あ、違うな」と訂正した。「間違えました。(上藤沢ライオンズとの)準決勝では初めて先制されて、追いかける形になりました。ただ、ライオンズさんは何度か戦ってきた相手だったので、そこは慌てずに戦えたんです。逆転されると弱さが出るチームですが、常に先手を取って戦えたことで、この結果を手にすることができたんでしょう」 先手必勝。その中でも、逆転され、追いかける展開に一度もならなかったことが、優勝できた一番の要因だという。 △力投が光った先発の吉岡は準決勝に続く登板だった 2回表、遠矢のスクイズ㊤で冨田がかえり㊦先制 地区代表44チームが出場した今大会のトーナメント表で、吉川ウイングスが左端のチーム番号「1」、東松山野球スポーツ少年団(東松山)が「5」、熊谷グリーンタウン(熊谷)が「8」、そして新人戦王者の西埼玉少年野球(飯能)は「10」に並んだ。 優勝候補と目されたチームの多くが、トーナメント表の左側4分の1に集中したのだ。 そんなトーナメント表の反対側、右側4分の1あたり、チーム番号「35」を引き当てたのが山野だった。有力視されるチーム同士が激戦を繰り広げるのを横目に、着実に白星を重ね、勝ち上がってきたのだった。「自信はね、正直、あったんです」 瀬端監督が語る。おどけた口調ではあるが、迷いは感じられない。本音なのだろう。「打線は力があります。五番打者までは安定しているし、大会では下位打線に入った選手も調子良く打ってくれていました」 3回表、二死無走者から吉岡㊤、塩見㊦の連打を足掛かりに6得点 あえていえば、前週の準々決勝ではむしろ、中軸がおとなしかった印象だが、この日は上位から下位まで、満遍なく結果を出していた。「とくに今日は、冨田が良かったですね」 この日、六番に入った冨田は、送りバントを決めた準決勝の第1打席以降は安打、安打、決勝も四球、四球、安打と全打席出塁している。 準決勝も決勝も、山野は長打による派手な得点よりも、バントも含め、打線をつなぐことで得点を重ねている。「打ち勝つ」といっても、必ずしも長打に頼るわけではない。それが今年の山野打線の特徴ということになるのだろうか。 ナインだけでなく、応援団もこれ以上ない歓喜に沸く中、喜びの中にも冷静に、孫山知幸主将は今年の山野をこう評し、胸を張った。「ボクたちの打線の良いところは、みんながカバーし合って、つなげられるところなんです」 2回裏㊤、3回裏㊦と、内野ゴロからバックホームで吉川の三走をタッチアウトに 瀬端監督が続ける。「守備は2年前よりも固いんじゃないかと思います。とくに外野は良いと思います」 確かにこの日も、打たれることはあっても、失策がらみの失点は皆無。むしろ、決勝ではホームでの補殺を2つ記録しており、“打ち合い”と言いながら、見方によっては守備力も勝敗を分けた、ひとつのポイントになっていた。 ただ、唯一、投手陣には一抹の不安を感じていたようだ。主戦である渕川拓馬(=写真㊦)が前週まで、故障で登板できなかったためだ。「その渕川がようやく間に合い、今日は投げることができました。これが大きかった。安定感という意味では、彼以上の投手はいません。ウチはほかにも、今日も投げましたが、吉岡と塩見が投げます。2人とも力のあるボールを放ります。ただ、ひとたび崩れると、なかなかこちらに戻ってきてくれない」 指揮官はそう言って笑うのだった。 決勝は最終回、吉川打線にあと1点まで迫られ、なおも同点の走者を三塁に背負うピンチだった。マウンドには4回から登板の渕川。エースではあるが、先発よりもリリーバーとしての登板が基本だ。 「あそこで渕川を代える気は全くなかったです。あの流れで投げ切れるピッチャーは、ウチには彼しかいない。剛腕投手がいるわけではありませんし…。彼があそこで打たれるのだったら、仕方がないと割り切っていました」 そんな指揮官の信頼は、渕川本人にも伝わっていたのだろう。「最後はちょっと焦ったけど、開き直って、集中して投げることができました」。渕川のボールを受け続けた吉岡も「最後は、最悪、打たれてもタイブレーク。必ず勝てると思っていたので、焦りはなかったです」と、過度に気負うことなく戦いきった。 タイブレークになろうとも「打ち合いなら負けない」(吉岡)という自信が、山野ナインの精神的な支えとなっていたのだろう。どの選手に聞いても、「絶対に勝てると思ってました!」と、その自信は揺らぎない。周囲からのダークホース扱いなど、どこ吹く風だ。「(全国大会で2回戦惜敗に終わった)2年前のチームに何かが足りなかった、とは思ってないんです。だからこそもう一度、しっかりチームを作って、ウチらしい戦いで、またあの舞台に挑みたいと思ったんです」と瀬端監督。 ある意味、先輩たちの“忘れ物”を取り戻す戦いにもなる、今回の全国大会。全員が自信に満ちた、“らしい”戦いで打ちまくり、頂点を目指す姿が見たい。 ...
【全日本学童埼玉予選/決勝】打ち合いなら負...
【全日本学童千葉大会/決勝】豊上ぶっちぎり...
第46回全日本学童マクドナルド・トーナメントの千葉県予選大会決勝は、豊上ジュニアーズ(柏)が、大橋みどりファイターズ(東葛)に8対1の5回コールドで勝利した。豊上は3年連続7回目の優勝で、指揮官の胴上げは悲願の日本一までお預け。一方の大橋みどりは2021年、東京新聞カップ関東学童(現コントリビュートカップ)の千葉大会で優勝も、コロナ禍で本大会中止の憂き目に。今回の準優勝でその関東学童(8月、神奈川県)出場を決めた。決勝はほぼワンサイドとなるも、心の和む人間模様が複数あった。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はランニング。優勝チームは「全日本学童大会」のコーナーで追って紹介します 優勝 =3年連続7回目 とよがみ 豊上ジュニアーズ [千葉/柏市] ■決勝 ◇6月6日 ◇中田スポーツセンター野球場大橋みどりファイターズ(東葛) 00001=1 2510 X=8豊上ジュニアーズ(柏)※5回コールド【大】太田、丸山-宮﨑【豊】加藤豪-関澤本塁打/増渕(豊)三塁打/後山、玉井(豊)【評】遊ゴロ、三ゴロ、見逃し三振。先発の加藤豪篤が1回表を8球で終わらせた豊上は直後、後山晴と玉井蒼祐の連続三塁打で1点を先取。四番・蒔田昊明のスクイズで2点目を奪う。豊上は続く2回も七番・須藤結太の中前打から好機を広げ、玉井と五番・蛭間悠智主将のタイムリーなどで7対0に。3回には六番・増渕碧人の一発で8点差とした。一方、1安打に封じられてきた大橋は5回表に反撃。五番・宮﨑慎也が中前打を放つと、丸山大智主将と古庄恵大(5年)が四球を選んで無死満塁に。守る豊上はタイムの後、1失点と引き換えに4-6-3の併殺を決めて後続も断ち、7点差のコールド勝ちを決めた。加藤豪は62球完投。 〇豊上ジュニアーズ・髙野範哉監督「県大会ではそのままの力を出しますね、ウチは。打線の一・二番がよく機能してくれました。DH(指名打者)を使ったのは今年が初めてでしたけど、須藤が見事にハマっていい感じでした」●大橋みどりファイターズ・西原大助監督「豊上さんが一枚上手でした。ウチは打って点を取るチーム。結果はどうあれ、子どもたちはいつも通り、自分たちで考えながらよくがんばってくれました」 1回裏、豊上は一・二番の後山㊤と玉井㊦の連続三塁打で先制する 豊上は2回、蛭間主将の2点タイムリー㊤など打者一巡の猛攻。3回には増渕の左越え本塁打㊦で8対0に 大橋は3回表に青木俊翔が中前へチーム初安打㊤。5回には宮﨑の中前打㊦から1点につなげた ―Pickup Two Heroes― 吉兆とMOM、ナイスガイそれぞれ躍動 すどう・ゆうた 須藤結太 [豊上6年/指名打者] たまい・そうすけ 玉井蒼祐...
【全日本学童千葉大会/決勝】豊上ぶっちぎり...
【全日本学童埼玉予選/準決勝】朝霞と上藤沢...
8月に愛媛県で開催される「小学生の甲子園」こと高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント。その県代表を決する、埼玉県予選大会は6月6日にさいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝が行われた。まずは準決勝2試合の模様をリポートする。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング※決勝のリポートは追って公開します ■準決勝 6月6日◇レジデンシャルスタジアム大宮▽第1試合 朝霞ホーネッツ(朝霞) 1000=1 094x=13吉川ウイングス(吉川) ※4回コールド 【朝】山本、深草、駒田、山本─小山【吉】森、小玉葵─安保本塁打/佐々木(吉)三塁打/岩重(朝)岩熊、西田(吉)二塁打/佐々木、進(吉) 吉川快勝、朝霞も悔いなき躍進 初回、朝霞ホーネッツは二死から三番・山本悠太が敵失で出塁すると、続く岩重陽己主将が右越えに三塁打を放ち、先制に成功した。 朝霞先発の山本は1回裏、吉川ウイングス打線に二死満塁と攻められながらも無失点で切り抜けたが、守備で交錯のアクシデントもあり、「リズムも悪かったので調整の意味もあって」(山本貴宏監督)この回でいったん降板。すると、2回には吉川の猛攻が始まった。 七番の5年生・佐々木稜晟から進恵翔、城ヶ崎翔までの三連打であっさりと逆転した吉川は、さらに5年生の西田陸翔、安保凱翔主将も安打を放ち、あっという間に5得点。朝霞の積極的な継投も流れを変えることはできず、吉川はこの回、打者13人で9点を奪った。 吉川は3回にも先頭の西田が三塁打。すると、朝霞はここでエース・山本が再びマウンドに。しかし、その山本から佐々木が中越えの本塁打を放つなど、吉川はこの回も計4点を奪い、リードを12点まで広げた。 吉川は先発の森圭佑から小玉葵生へとマウンドをつないで朝霞に反撃を許さず、コールド快勝で試合を締めくくった。 △投打でチームをけん引し、躍進の立役者となった朝霞・山本悠太㊤ ▽2回裏、2点目のホームを踏み吉川・松浦(左)とハイタッチを交わす進。吉川はこの回大量9得点で主導権を握った ◇朝霞ホーネッツ・山本貴宏監督「吉川さんが強かった。全国レベルのチームには、ここまで打たれるんだと、あらためてショックを受けました。ただ、ここまで選手たちがよく頑張ったし、最終日まで残れたことは、チームにとっても大きな経験になりました。ここからまたスタートです」◇同・岩重陽己主将「負けたのは悔しいけど、ここまで勝ち上がれて、充実感もあります。ホーネッツは強くなりました。吉川のバッティングはすごかった。悔しさは、これからの大会に生かします」 ▽第2試合 山野ガッツ(越谷) 0044=8 1100=2上藤沢ライオンズ(入間市) ※4回時間切れ 【山】塩見、吉岡、渕川─吉岡、塩見【上】栗原、金児、手島、久礼─河野本塁打/河野(上)三塁打/吉岡、塩見(山) 山野逆転勝ち。上藤沢は初の「銅」 上藤沢ライオンズは初回、河野新主将が右越えに先頭打者本塁打を放ち先制。2回にも四球で出塁の中田航大を手島純平がバントで送ると、津田彰久が左前に適時打を放って1点を加えた。 しかし、3回には山野ガッツが反撃を開始。敵失で出塁の孫山知幸主将を三番・吉岡泰平が左越え三塁打でかえし、続く塩見理人も適時打。さらに冨田真平の適時打、四死球と敵失などで、この回4点を奪い逆転すると、4回には塩見が適時三塁打、冨田が2打席連続の適時打を放つなど、この回も4点を挙げた。 その裏、上藤沢の攻撃中に試合制限時間の90分に達し、その回をゼロで抑えた山野が勝利を収めた。 △1回表、先頭打者弾で先制のホームを踏む上藤沢・河野主将㊤ ▽試合後のあいさつをし、笑顔でベンチに戻る山野の選手ら㊦ ◇上藤沢ライオンズ・星修二監督「ウチは基本的に、藤沢南小というひとつの学校が母体となってできた、創立60年を超える町のチームなんです。そのチームが新人戦に続いて、この県大会でも準決勝まで残れたことは素晴らしい。選手たちにとっては学童野球で終わりではないので、これからもライオンズでは野球の楽しさを教えることを第一に、全力疾走で、あきらめない野球を続けていきます」◇同・河野新主将「去年のノーブル(県新人戦)も3位でした。そのときよりも、みんな練習して力をつけていたので、余計に悔しいです。これからも全員一丸で戦っていきます」
【全日本学童埼玉予選/準決勝】朝霞と上藤沢...
【全日本学童山梨大会/決勝】3年前の雪辱も...
高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの山梨県大会は5月31日、山日YBS球場で決勝を行い閉幕。ラウンダース(山梨)が中央ジュニアベースボールクラブ(中央)に6対1で勝利し、2年ぶり3回目の全国出場を決めた。準優勝の中央ジュニアは、8月に神奈川県で開催されるコントリビュートカップ関東学童大会に出場する。
【全日本学童山梨大会/決勝】3年前の雪辱も...
【全日本学童茨城大会/速報】6点差から逆転...
第46回全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの茨城県大会決勝が6月21日、ノーブルホームスタジアム水戸であり、竹園ヴィクトリーズ(土浦)が豊ナインズ(取手)に逆転サヨナラ勝ちを収め、初優勝を果たした。8月の全国出場を決めた竹園は、昨秋の県新人戦に続いて茨城2冠。準優勝の豊は、スポーツ少年団の全国最終予選となる関東大会(7月11日、山梨県)へ。また、20日の3位決定戦を制した上中妻ニューフレンズは、8月のコントリビュートカップ関東学童(神奈川県)に出場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。試合評やチーム紹介などは追って掲載します ■決勝 6月21日◇ノーブルホームスタジアム水戸 竹園の二番手・松林晃徳主将㊤が最速115㎞をマーク㊦ 豊ナインズ(取手) 42010=7 03122x=8竹園ヴィクトリーズ(土浦)【豊】飯泉、長濱、飯泉-宇佐美【竹】小泉、松林-吉田本塁打/松林(竹)三塁打/長濱(豊)二塁打/飯泉2、石塚作2、吉田(豊)、齋藤、中川、吉田、松田(竹)
【全日本学童茨城大会/速報】6点差から逆転...
【全日本学童山梨大会/3位決定戦】名誉の7...
全日本学童大会マクドナルド・トーナメントの最終予選は、複数の上部大会の予選を兼ねている都道府県が多い。でも山梨県は、準Vチームが夏の関東学童へ進むのみ。準決勝敗退組には上のステージは用意されておらず、3位決定戦は順位を決めるだけのものだ。しかし、目の前にニンジンがなかろうとも、真剣勝負や全力プレーは今年も変わらなかった。卑屈も打算もない。名誉の戦いは特別延長にまで及び、両チームのカラーと魅力、学童野球の素晴らしさを暗に訴えるものだった。 (写真&文=大久保克哉) ※決勝戦のリポートと優勝チームの紹介は、後日公開します ■3位決定戦 5月31日◇山日YBS球場▽第1試合山城クラブ(甲府) 0130104=9 3000022=7甲府城東JBC(甲府)※特別延長7回【山】久保寺、秋山-森田奏【東】鴻谷、川手-伊藤三塁打/手塚登(山)二塁打/功刀(東)【評】甲府城東が1回裏、一番・関敢太主将から功刀琉(5年)、川手想真の3連打と敵失で3点を先取した。しかし、直後にスクイズで1点を返した山城が3回表、二死無走者からの4連打で逆転する。一番・手塚登陽が内野強襲安打から二盗、続く土橋陸音主将の中前タイムリーで1点。さらに森田奏登も中前打、四番・秋山凛太郎の左前2点打で4対3に。山城は5回にも敵失絡みで加点し、ダメを押したかに思われたが甲府城東が粘る。6回裏、四球から好機を広げて、九番・椚廉太郎(5年)と二番・功刀のタイムリーで7対7に。特別延長の7回表、敵失やスクイズ、手塚登の三塁打などで4点を入れた山城に対し、甲府城東も鴻谷太輔と渡邉剣士郎(5年)の連続タイムリーで食い下がったが、あと2点届かなかった。 甲府城東は1回裏、関主将、功刀(5年)、川手の3連打と敵失で3点を先取㊤。山城の先発・久保寺英翔㊦は、切れずに2回、3回を0点に 山城は3回表、4連打目となる四番・秋山の2点タイムリーで逆転㊤。6回表、守る甲府城東は6-4-3併殺を決めて攻撃へ㊦ 6回裏、甲府城東は椚㊤と功刀の「クヌギ」5年生コンビの適時打で7対7に。7回表、山城の九番・髙野莉瑚のスクイズが決まり㊦、これが決勝点に ―Pickup HERO―打のヒーローが、それ以上に得たもの あきやま・りんたろう 秋山凛太郎 [山城6年/一塁手兼投手] 「うれしいはうれしいですけど…そんなに喜べないというか…」 勝利後も、どうも歯切れのよくない秋山凛太郎。銅メダルが気に入らないわけではないし、これに続く上部大会がないことが理由でもない。自分に少々、腹を立てていたのだった。 とはいえ、3位決定戦の打の殊勲者は間違いなく、この四番打者である。2回に中前打(=㊤写真)で1得点の起点となると、続く3回には二死二、三塁からレフトへ逆転の2点タイムリー。第3打席の6回には逆方向へヒットを放っている(=㊦写真)。「2回の1点(スコアは1対3)じゃ厳しいという思いもあって、しっかりピッチャーを援護できるようにと思って、3回は打席に入りました」 両チームを通じて3安打は他に、一番・手塚登陽だけ。だが、秋山はそれ以上のチームへの貢献を、自身に課していたのだった。「きのう(準決勝)はオレのせいで負けたので、きょうは大活躍して勝ってやるという思いでいました」 準決勝は、中央ジュニアベースボールクラブに3対6で敗北。1対1で迎えた4回裏の5失点が響いたが、このイニングで救援し、一死も奪えずに降板したのが秋山だった。 一死三塁のピンチから、1安打4四球で4失点。恵まれた体格も利した投球フォームはダイナミックで、まとまっている。許したヒットは完全に打ち取った当たり。またボール球ばかりを続けたわけでもなかったが、勝負どころの1球がことごとく、ストライクゾーンを外れた。「ブルペンではめちゃくちゃ良い投球をしてたのでね…。まぁ、ちょっと緊張しちゃったのかな」 クールに交代を告げた村田郷監督は翌日、失意の右腕をまた当然のようにマウンドへ送った。 4対3とリードの4回から登板した秋山は、5回まで無失点。だが、勝利目前の6回裏につかまり、2四球と2安打で同点とされてしまう。続く特別延長の7回表に9対5と勝ち越して迎えた裏は、いきなり連打を浴びて2点差に迫られる。 先発して3回まで投げたエースの久保寺英翔は、既定の70球まで7球を残していた。だが、ベンチの30番は動かない。秋山の球と目は死んでいなかったし、3回までは守る一塁から誰より大きな声を発していたのが、この背番号3だった(=㊦写真)。 7回裏、2点を失ってからは立て続けに3つのアウトを奪って試合終了。最後は見逃し三振、マウンドの右腕は雄叫びをあげていた。「これからは上に上がっていっても、しっかりと当たり前に打って、当たり前に投げられる選手になっていきたいです」 好きなプロ野球チームは日本ハム。スケール感のある二刀流が、経験値を爆上げした2日間だった。 ―Team Inside Story❶―ミスも挽回できる土壌。元独立リーガーが率いて1年目の進撃 第3位 やましろ 山城クラブ...
【全日本学童山梨大会/3位決定戦】名誉の7...
【全日本学童東京大会/速報】船橋が2年ぶり...
第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント東京都予選会は6月7日、郷土の森野球場で準決勝を、同13日に府中市民球場で決勝を行い閉幕した。準決勝で勝利した、船橋フェニックス(世田谷区)とレッドサンズ(文京区)による決勝は、特別延長7回、2時間を超える熱戦に。結果、8対3で制した船橋が、2年ぶり2回目の東京王者に輝いた(全国出場は3回目)。レッドは東京第2代表として、3年ぶり5回目の全国出場となる。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部。本塁打はすべてランニング。詳細なリポートを後日、お届けします ■決勝 6月13日◇府中市民球場船橋フェニックス(世田谷)1002005=81010100=3レッドサンズ(文京)※特別延長7回【船】森下、大野、森下、大野-石黒【レ】神谷、武内、大塚-原川本塁打/森下、佐々木(船)三塁打/原川(レ)、若月(レ)二塁打/大野2(船)、原川2(レ)、岡本、森下(船) ■準決勝 6月6日◇郷土の森野球場◇C面第1試合船橋フェニックス(世田谷)130014=9000401=5用賀ベアーズ(世田谷)【船】森下、大野、森下、大野-石黒【用】佐藤、岡田-大和本塁打/森下(船)、鵜入(用)三塁打/大野(用)、石黒(船)二塁打/髙橋亮(船)、常永(用) ◇C面第2試合レッドサンズ(文京)00502=710011=3深川ジャイアンツ(江東)【レ】神谷、武内、大塚-原川【深】寺門、狩野-西山本塁打/佐藤(深)三塁打/大橋(深)二塁打/齊藤、原川、門田、野村(レ)
【全日本学童東京大会/速報】船橋が2年ぶり...
【全日本学童神奈川大会開幕/1回戦】32チ...
高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント神奈川県予選大会は6月7日、川崎市の等々力球場で開会式を行い、8月7日から愛媛県で行われる全国大会への切符を懸けた戦いが始まった。この日は午前8時30分から行われた開会式に続き、同球場など川崎市内4会場で1回戦16試合が行われた。6月28日に同球場で予定される決勝まで、熱戦が続く。 (本文&写真=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません※公式記録は神奈川県野球連盟のホームページでご確認ください ――1回戦Pick UP―― 6月7日◇大師公園軟式球場◇第2試合清水ヶ丘ジャイアンツ〇4対0●栗木ジャイアンツ 新人戦関東王者におごりなし 昨秋の新人戦関東王者・清水ヶ丘ジャイアンツ(横浜)は川崎の強豪・栗木ジャイアンツとの“ジャイアンツ対決”に臨んだ。 1回裏に連続四球や六番・長養陽輝の左越え適時三塁打などで3点を先取した清水ヶ丘は、先発の松﨑星太朗主将が4回までを被安打3のゼロ封。5回を長養、最終6回を皆川遥人がきっちりと抑えて栗木打線を完封。攻めては5回にも1点を加え、危なげなく初戦を突破した。 清水ヶ丘は1回裏、四球で出塁の川崎晃輔が内野ゴロの間に先制のホームイン㊤ 長養は左越えに適時三塁打㊦ 試合前には、「ウチには新人戦で優勝させてもらった、最後の武器“まぐれ”がありますから。頑張ります」と笑っていた清水ヶ丘・益留順一監督。ところが、完封快勝にも、試合後の表情は厳しい。「ぜんぜん、ダメですね」 まずは投手陣に苦言を呈した。 先発の松﨑主将はコントロール良く試合をまとめたが、「ムダな球が多いんですよね」と指揮官。松﨑主将本人も「集中が足りないまま、なんとなく投げてしまい、ボールが先行してしまう場面が何度かあって…」と反省する。 2番手の長養は伸びのあるストレートで、1イニングながら2奪三振と好投したが、「丁寧さが足りない。雑すぎる」とばっさり。最終回、皆川への継投は「懲罰交代ですよ」と、にべもない。その皆川については「彼は故障明け。といっても完治していますが。ただ、無意識だと思うんですが、まだ腕を振るのに躊躇があるようです」と、三者三様の課題を挙げる。 攻撃についても手厳しい。「とくに先頭打者については、もっと粘り強く攻めてほしい。どうにか出塁するんだ、という執念が足りないというか。淡白すぎるんですよ」 注文は多い。ただ、裏を返せば、この結果でも厳しい注文をつけたくなるほどに、地力をつけているということでもあろう。 益留監督が振り返る。「新人戦後は、多くのチームと対戦させていただきました」 新人戦王者に対して、関東圏の数多くのチームから対戦申し込みがあるのは、恒例行事のようなものだ。そうして多くの強豪と試合を重ねる中で、相手チームから学ぶところも多かったようだ。「攻撃面などは特にそうですね。できる、できないは別として、こういう形があるのか、といったことです。勉強になりました」 と指揮官。「ウチも(川崎晃輔、松﨑主将、皆川の)一、二、三番の打順は固定できるようになってきたんですよ」 今も進化の途中、といったところか。彼らがすべて注文通りに動けるようになれば…。今後の楽しみは大きい。 が、当然ながら、まずはここで結果を出したい。益留監督に油断はない。「(同じ横浜市の強豪の戸塚)アイアンボンドスさんは強いですから…」 おごりや、思い上がりは皆無。どこまで飛躍できるか。注目したい。 若き栗木Gは粘り光る ここでは清水ヶ丘に及ばなかった栗木だが、初回の3失点にもかかわらず、粘り強く戦い抜いた。 四番に座り、3回表にはチーム唯一の長打となる二塁打を右中間に放った小林新拓(=㊦写真)、1回裏途中から、リリーフのマウンドに上がり2、3、4回を3者凡退で切り抜ける、堂々の投球を披露した餘助康生は、ともに5年生。スタメンには小林新拓、餘助を含め3人の5年生と、4年生1人が名を連ねる、若い戦力だ。 小林和洋監督は「人数は決して多くない5年生ですが、実力のある選手が多いんです。4年生にもいい選手がいる。まだこれからですが、新人戦に向けての楽しみもあります」 大舞台ではあるが、それゆえ、力のある下級生たちに経験を積ませるための選手起用、という意味合いもあったようだ。「敗戦には終わりましたが、収穫もあった試合でした」 と小林監督。「これからまだ地元の大会も、県大会もあります。6年生たちにも頑張ってもらいたいですし、5年生以下は新人戦もありますしね」 今後に注目したい、実力派軍団だ。
【全日本学童神奈川大会開幕/1回戦】32チ...
【全日本学童群馬予選/決勝】完勝で県3冠!...
全日本学童マクドナルド・トーナメントの群馬県予選会。決勝は玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎市)が、韮川レッズ(太田市)を下し、秋の新人戦、4月の選抜大会に続く県3冠となり、2015年の創立以来初めての全国切符も手にした。一方、2018年に続く銀メダルとなった韮川は、7月24日からの高野山旗(和歌山県)へ。ほぼワンサイドとなった大一番だが、ヒーローもグッドルーザーも輝いていた。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング。優勝チームは「全日本学童大会」のコーナーで追って紹介します 優勝 =初 たまむら 玉村ジュニアベースボールクラブ [群馬/伊勢崎市] ■決勝 ◇5月3日 ◇上毛新聞敷島球場 ◇第2試合玉村ジュニアベースボールクラブ(伊勢崎) 101303=8 000002=2韮川レッズ(太田)【玉】竹之内-小湊【韮】岡本、竹田、石戸谷-竹田、岡本、竹田本塁打/小湊(玉)、竹田(韮)二塁打/野口、山本(玉)【評】四球、敵失、犠打、四番・小湊煌月の右犠飛で開始早々に先制した玉村が、以降も優位に試合を進めて完勝した。玉村は3回に三番・野口虹斗(5年)の二塁打と敵失で加点。続く4回も小湊の2点タイムリーなどで5対0まで引き離すと、6回にまた小湊が3ラン。守ってもノーエラーで、打たせて取る5年生右腕・竹之内翔真が完投した。一方、四球やミス絡みで失点を重ねた韮川だったが、5回に青木庵がチーム初ヒット。6回裏には一番・佐藤真晟が中前打、三番・竹田一翔が左越え本塁打で一矢を報いた。〇玉村ジュニアベースボールクラブ・髙木謙監督「感無量です。竹之内がよく投げました。ウチには後押ししてくれるOBや保護者がいて、頼れるコーチもいて。子どもたちは役割がわかっていて鼻が利くので助かります」●韮川レッズ・長谷川陽志監督「正直、力負けです。決勝でも場慣れしている玉村さんに対して、ウチは緊張しっ放しで。技術の差もだいぶあるなというふうには感じました」 1回表に先制犠飛の玉村・小湊は4回に2点タイムリー㊤、6回に3ラン。その前を打つ5年生の野口は3回に二塁打㊦など2安打1打点 玉村は先発の竹之内(5年)㊤が4安打2失点完投。守っては無失策で、4回には6-6-3併殺も決めた㊦ 6回表、守る韮川は1-2の返球でスクイズを阻む㊤。その裏、三番・竹田が左越え2ラン㊦ ―Pickup Hero―先制、中押し、ダメ押し。すべて四番のバットから こみなと・こうが 小湊煌月 [玉村6年/捕手] 第1打席のライトへの先制犠飛は、両翼70mの特設フェンスがあれば、超えていたかもしれない。第3打席は遊撃手の頭上へ2点タイムリー。そして第4打席は、右中間を鋭いゴロで抜いてのランニング3ラン。まさしく“四番の働き”でVの立役者となった。「うれしいです。冬にバッティングを強化したり、守備も練習してきて、チームも仕上がってました」 1回に右へ先制犠飛㊤、6回に右中間へ3ラン㊦ 小湊煌月は、4年生の秋に五番・捕手で関東新人戦に出場。中前打を放ったほか、マスクをかぶっても上級生に劣らぬ動きをしていた(=㊦写真)。そして1年後の昨秋の新人戦も、群馬大会を制して関東大会へ。 小湊のほか松本咲斗主将、室岡京、竹田隼に、5年生の野口虹斗と萩原瀧皇の計6人は、レギュラーとして2度目の関東新人戦だった。当然、優勝を期していたが、1回戦でラウンダース(山梨)に完敗してしまう。 112kmを投じた相手エースを前に、打線は手も足も出ず。四番の小湊も追い込まれてから105㎞、106㎞をそれぞれ空振りしての2打席連続三振に。「悔しかったけど、相手ピッチャー(伊藤誉=「2026注目戦士❷」➡こちら)の球が速くて、コントロールも良かったので打てなかったです」 でもその経験が、冬場の鍛錬の大きなモチベーションに。6年生になると、その肩は敵を抑止するレベルにまで成長。この全国予選の準決勝と決勝は、相手の盗塁企図がゼロだった。5年生エース・竹之内翔真との息もぴったりで、2試合連続で完投勝利へ導いた。「全国大会でも絶対優勝をめざして、がんばります。打って守って、玉ジュニらしい試合をしたい」 上背はまだそこまでないが、風格すら漂う四番・捕手。8月の全国デビューを楽しみにしているのは、本人や身内だけではない。...
【全日本学童群馬予選/決勝】完勝で県3冠!...
【全日本学童埼玉大会】吉川、朝霞、上藤沢、...
「小学生の甲子園」高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会は5月30日に3回戦8試合、翌31日に準々決勝が東松山市野球場などで行われ、吉川ウイングス(吉川)、朝霞ホーネッツ(朝霞)、上藤沢ライオンズ(入間市)、山野ガッツ(越谷)の4強が出そろった。6月6日にはさいたま市のレジデンシャルスタジアム大宮で準決勝と決勝が行われ、県代表が決定する。 (写真&文=鈴木秀樹) ※記録は編集部。全試合の結果速報ではありません ■準々決勝 ◇5月31日 ◇東松山市野球場▽第1試合 吉川ウイングス〇3対2●西埼玉少年野球 吉川ウイングスが昨秋の新人戦王者で2年連続全国出場を目指す西埼玉少年野球(飯能)に競り勝ち、5年ぶり3度目となる大舞台に一歩、近づいた。 1回表、吉川先発の松浦遥史は西埼玉の先頭打者・中村湊主将に右前打を許したものの、送りバントを狙った次打者が反則打球で倒れると、この回を打者4人でしのいだ。 その裏、吉川の二番、5年生の西田陸翔が放った当たりは相手右翼手の頭上を越え三塁打に。二死後、同じく5年生の玉井颯音が右翼前にポトリと落ちる二塁打を放ち、吉川が先制に成功した。 しかし、直後の2回表、西埼玉は六番の横田来芽が右越え三塁打を放つと、内野ゴロの間にかえって同点とし、3回には二番・清水洋の左越え三塁打と三番・會田健真の連打で勝ち越し点を奪った。 吉川の反撃は4回。この回先頭の玉井が左翼線をライナーで抜く二塁打を放つと(=写真㊦)、杉本颯斗がバントで送り、5年生の佐々木稜晟が左中間を破る適時三塁打。さらに続く進恵翔がスクイズを決め、一気に再逆転した(=写真㊤)。 吉川・松浦は4回以降を1安打1四球に抑え、西埼玉に三塁を踏ませない好投。リードを守り切って吉川が勝利を収めた。 前日に伏線!? 読みと作戦ピタリ 背番号「1」を背負う吉川・松浦が初回からテンポ良く好投(=写真㊦)。新人戦王者の西埼玉エース・渡辺桜生と見応えある投手戦を繰り広げた。 前日の3回戦では、昨年大会準優勝の東松山野球スポーツ少年団(東松山)とタイブレークにもつれる接戦を繰り広げた吉川。この一戦ではやや奇襲気味に、松浦ほどの球速はないが、コントロール抜群の西田を先発させた。「タイブレークまで行ったのは想定外でしたが」(岡崎真二監督)、松浦は5回二死からのリリーフ登板で、投球数を30球に抑えることができたのだった。「昨日は早く家に帰って、ゆっくり休めました」という松浦は準決勝の疲れを感じさせず、「いつもより調子良かったです」と安定した投球を披露。強打の西埼玉に2点を許したものの、相手打線の積極的な打撃にも助けられ、回を追って調子を上げた。 4回以降は1安打1四球と危なげない内容で、終わってみればトータル54球の6回完投。「相手はいいピッチャー(西埼玉・渡辺)なので、負けたくないと意識しました」と、この試合の振り返る。「みんなが守ってくれるから、長打を打たれないように、低めに投げることを意識しました」 好投のエースはにこやかに、しかし淡々と試合を振り返り、勝利の喜びをかみしめていた。 「去年のこの大会で、西埼玉さんとは準決勝で当たって負けたんです。だからここは、先輩たちの思いも背負っての戦いでした。3月の別大会で対戦したときには負けていたので、選手たちに苦手意識がないかも心配でしたが…」 吉川・岡崎監督は厳しい戦いをものにし、表情を緩めた。 スタメンに4人の5年生が名を連ねる、今年の吉川。昨年準優勝の東松山に続き、王者・西埼玉を下した戦いぶりは、快進撃と呼ぶにふさわしい。「個々の力では、向こうが上。とくに、(前日の)熊谷戦ですべての得点に絡んでいた一番打者(中村湊主将)と四番打者(渡辺)には細心の注意が必要です。仮設フェンスがなく、外野がフリーのこの会場では、抜けたら簡単に三塁打やホームランになってしまう。長打を防ぐことを最優先にしようと選手たちと話して。ピッチャーが丁寧に投げ、みんながよく守ってくれました」 点差はわずか1。最後まで1本の安打で状況が大きく変わりそうな緊張感の中、最終6回表には西埼玉先頭の四番・渡辺の放った強烈なセカンドゴロをきっちりとさばき、二死一塁からは後方にフラフラと上がった飛球を背走しながら後ろ向きに好捕と、落ち着いた守備で試合を締めくくった二塁手の城ヶ崎翔は「最後は微妙なフライで、センターが走ってくるのも見えていたけど、大丈夫、と思って落ち着いて捕ることができました」とうなずいた(=下写真㊤㊦)。 低めを意識するあまりに、ホームベース手前でワンバウンドする場面も多かった松浦の投球を、ひとつも後ろにそらすことなく、安定した守備でチームを引っ張った安保凱翔主将(=写真㊦)は「強敵の西埼玉を相手に、一体感を持って戦うことができました。4回に小玉(満春)コーチが『オレたちには実力もあるし、ツキもある。やってきたことを出すだけだ』と声を掛けてくれて、気合が入りました」と笑顔で振り返った。 6安打の西埼玉打線に対して5安打と、数では及ばなかったものの、吉川は1回に2安打、4回に3安打と、得点した2イニングに安打を集め、効率良く得点した。「相手がコントロールの良いピッチャーでしたから、外角の球をしっかり踏み込んで、ボールを長く見て逆方向に打とう、と選手たちには話していました。長打はまあ、おまけのようなものですね」(岡崎監督) 西埼玉の長打は2本の三塁打、吉川は2本の三塁打と2本の二塁打。その4安打全てが得点に直結。結果的に、長打の数の違いが点差となり、勝敗を決めたことになる。4回に同点打となる三塁打を放ち、次打者のスクイズで勝ち越しのホームを踏んだ佐々木(=写真㊦)は「外角の球をしっかり打ち返すことができました」と対策通りの打撃に胸を張った。 「長打はおまけ」というものの、決して偶然ではない。綿密なゲームプランに基づいた打撃だったのだ。 また、準々決勝のタイブレークを「想定外」と振り返った岡崎監督だったが、逆に見れば、そのタイブレーク以外はすべて想定しての戦いだった、とも理解できる。 この大会での吉川の抽選番号は「1」。対戦表の左端に名前があり、すべての試合がその日の第1試合に組まれる。試合後、常に次戦の相手の戦いをじっくりと観察し、対策を練ることができるアドバンテージを存分に生かした戦いでもあったのだ。 とはいえ、この週末の2勝は、いずれも薄氷を踏むような1点差の勝利。全てがプラン通りに運ぶわけではないことも、痛いほど実感させられた2試合であったことも確かだ。 「昨日の東松山(野球スポーツ少年団)戦、そして今日の西埼玉戦と、最大の難関と考えていた2試合に勝つことができました」 岡崎監督が表情を引き締める。「しかし、一昨年と昨年は、どちらも決勝進出を果たせず、3位で終わっています。今回も勝ち上がったチームはすべて強い。ここで安心することなく、緊張感をもって次の試合に備えます」 5年ぶりの全国切符まで、あと二つ。勢いに乗る吉川ナインだが、決して油断することなく、最終日の2試合に一丸で臨む。 無念…西埼玉は切り替えて次へ 昨秋の新人戦に続く県大会制覇、そして昨年に続く2年連続2度目の全国大会出場を目指した西埼玉少年野球の戦いは、ベスト4目前で終了となった。「力が入りすぎていましたね。あれだけポップフライを打ち上げてしまっては…」 綿貫康監督はサングラスを外すことなく、淡々と振り返った。「ただ、選手たちの成長は感じられた、ここまでの戦いでした。エラーではなく、打ち負けてしまったのですから、仕方がない」 違いを探すならば、万全に近い状態で完投した吉川・松浦に対し、前日、熊谷グリーンタウン(熊谷)とタイブレーク8回まで戦った3回戦で、投球制限近くまで投げ切ったエース・渡辺(=写真㊤)にやや疲れが見えたことか。60球に近づいた4回に2本の長打を許してしまった。 「これがあるんですよねぇ。やはり、マックは怖い」 そうしみじみと話した指揮官は、選手たちに向かっても、淡々と言葉を投げかけた。「高い打球を打ち上げても勝てないぞ、と話したと思う。分かったよな。これも教訓だ。ここまでよく戦ったと思う。ご苦労さま」 もちろん、これで全てが終わるわけではない。「今後はスポ少の県大会と、ミズノドリームカップとポップアスリートと…。切り替えて臨むだけです」 負けてなお強し。新人戦王者は気持ちを切り替え、次の戦いへと進む。 初出場の朝霞がサヨナラ満塁弾! ▽第2試合朝霞ホーネッツ〇10対9●西堀ファルコンズ ※タイブレーク6回 朝霞ホーネッツは1回裏から打線が爆発。先頭の馬場海翔が左翼へ三塁打を放つと、木田悠利の右前適時打で先制。さらに四番・岩重陽己主将が左翼に三塁打、五番・駒田研人が左翼に二塁打を放ち、3点を先取。2回裏にも連続死球から三番・山本悠太の左前適時打などで2点を加えた。 しかし、5点を追う西堀ファルコンズ(新座)は3回表に中村悠馬、佐藤正次の連打などで2点を返すと、5回には佐藤が左越えの三塁打を放ち、田口朝陽も左中間を破る三塁打。さらに5年生の渡辺颯太、山崎蓮も連打で続くなど、この回4点を奪って逆転。制限時間を過ぎたその裏に朝霞が1点を返し、決着はタイブレークに持ち込まれた。 延長6回表、西堀は三沢斗真が適時打を放つと、四死球も加わるなど3得点。しかしその裏、朝霞は絶体絶命の二死満塁から山本が満塁本塁打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた(=写真㊦)。 創部7年、県大会初出場の朝霞が4強入りの快挙。山本貴宏監督は「いやあ、シビれました」と喜び、「ファルコンズさんとは何度か対戦したことがありますが、一度も勝ったことがなかったんです。ここで勝てるとは」。続けて「ただ、ここまで勝てると思ってなかったから、(最終日の)6日に出張を入れてしまっていまして…」と笑った。 劇的なサヨナラ満塁弾に加えて、剛速球が目を引くピッチングでも躍動した山本は「最終回の打席は、ホームランを狙って打ちました。最後は夢中でホームに滑り込んで…。最高です!」と笑顔だった。...